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穢れた技術選定について

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July 17, 2026

 穢れた技術選定について

Developers Summit 2026 summerで話した内容です。
https://event.shoeisha.jp/devsumi/20260716/session/6900

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watany

July 17, 2026

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Transcript

  1. About Me 渡邉 洋平(watany) • 所属:NTTテクノクロス株式会社 • AWS Ambassadors(2024〜) •

    JAWS-UG東京(AWSコミュニティ) 運営 • 寄稿:CodeZine ◦ 仕様駆動開発への期待と誤解 2 2026年5月2日(土)発売 https://www.sbcr.jp/product/4815636593/
  2. ⼩話の意図 - あまり公開事例で聞かない切り⼝を意図した - 技術選定とステークホルダーとの関係 - 技術以外の点でうまくいかなかった - なぜこういった話は公開されないのだろう -

    ⼤⼈の事情‧他⼈に迷惑の掛かる内容は普通は話されない - 技術選定とは本当に技術を選定するだけなのだろうか - 外部に出てくる『綺麗な』技術選定と現場との距離 31
  3. ⽊こりのジレンマ - 消極的選定の要因を放置することは「⽊こりのジレンマ」 ◦ 斧の⼿⼊れより⽬の前の仕事を優先してしまう - 学習コストはO(1)であり、2回⽬以降は踏み倒せる ◦ 「知識は荷物にならない」 -

    個々の学習から法則や汎⽤的な知識を得ることで、学習コスト すら削減できる ◦ 斧の研ぎ⽅に熟練すると、斧を研ぐ時間⾃体が短くなる ▪ 2つ⽬のプログラミング⾔語は、最初より早く習得できる 41
  4. 学習コストO(1)を前提に置けないケース - 「エンジニア」は⼊れ替わってしまう - 退職‧転職‧昇給‧昇格 - 労務費の転嫁は交渉の余地がある - 受託‧外注:公正取引委員会の周知 -

    予算は「⽩紙の⼩切⼿」ではない 以上、あくまでビジネスとしての 範囲内での調整 - 学習コストの⼤きさで起こる問題 - 教育にかかるコスト - ⼈材の「⽴ち上がり」待ち時間 始めませんか? 労務費を反映した価格交渉 https://www.gov-online.go.jp/tokusyu/romuhitenka/ 44
  5. ⼈材プールを考慮した技術選定 - マイルストーンが決まっており、採⽤に時間をかけられないケース - 準委任契約など、そもそも個⼈の能⼒を選んで採⽤できないケース こういうチーム なら集まる かもなあ AWS:× IaC:△

    TypeScript:〇 Python:△ AWS:△ IaC:〇 TypeScript:× Python:× AWS:〇 IaC:× TypeScript:× Python:〇 https://www.irasutoya.com/2020/11/blog-post_82.html https://www.irasutoya.com/2017/02/blog-post_18.html 47
  6. 公開事例の限界 情報を公開する経験が増えるほど『公開しない理由』が理解できる - 外部に出る『綺麗な』技術選定と、現場との距離 - 消極的選定を書かない理由がある - 公開が躊躇われる事案、出版バイアス - 積極的選定にも書かれない裏側がある

    - ⼿段の⽬的化、履歴書(CV)駆動開発 - 裏の裏まで考えて、真実に近づくのは本当に⾯倒くさい - ⾒栄‧政治‧打算‧妥協 - ⼈間が介在するから純粋に技術を選定できないのでは? 53
  7. ”on distribution” - Claude Codeの開発者インタビューで話された「モデルが学習済 であり、追加説明なしでも安定して扱える技術領域」 >(私訳) 標準から外れた技術スタックであっても、モデルは学習が可能です。しかし、それ にはモデルに⼿順を教え込み、多⼤な労⼒を費やす必要があります。私たちが求めていたの は、教える必要のない技術スタック、つまりClaude

    Codeが⾃⾝で使えるスタックです。そ して、それは⾮常にうまくいっています。現在、Claude Codeのコードの約90%は、 Claude Code⾃⾝によって書かれています 。 - 語源は”in-distribution”の拡張と想定される ※in-distribution:機械学習の⽤語。モデルがトレーニング中に遭遇 するデータであり、モデルの既知ドメイン内の知識になる How Claude Code is built https://newsletter.pragmaticengineer.com/p/how-claude-code-is-built 56
  8. 最強の技術が次々に⼊れ替わる過酷な状況 • 「AIエージェント」は数か⽉で⼊れ替わってしまう ◦ 新モデル‧新ハーネス‧新LLMプロバイダ ◦ モデルの退役‧コスト変更に伴う⾒直し • AIエージェントの学習コストの⼤きさで起こる問題 ◦

    エージェントのハーネス設計にかかるコスト ◦ モデル×ハーネスの「⽴ち上がり」待ち時間 • 研いだ斧(Skills)は⽊こり(LLM)が⼊れ替わると役に⽴たなくなっ てしまう ◦ 形骸化したSkillsは、知識の制約や過剰なコンテキストとして 負債になり得る 61
  9. AIエージェントという「定着しない⽊こり」 • 「後進の育成」VS「AIエージェント採⽤」 ◦ どちらも積極的技術選定だが、利益が相反している ◦ ”ジュニアを採⽤しない連中はシニアに値しない”が、 AIエージェントを採⽤しない理由はなんだろうか • エージェント採⽤が全てを良くするとは限らない

    ◦ ハーネス設計が上⼿でも待遇が良くなるとは限らない ◦ エージェントに最適化させた環境が利益を⽣むとは限らない ◦ 短期的には現状維持がマシな場合がある • エージェント⾃体の「⼈件費」について ◦ GitHub Copilotの完全従量課⾦化 ◦ TokenMaxxingの⾒直し 62
  10. エージェント以後の現在地 • エージェント以前 ◦ 積極的な技術選定に注⼒したいが、様々な理由でのすり合わせが必要 ◦ 消極的な技術選定はキャリアを損ねて恥ずかしい。様々な理由で公開したくない ◦ 消極的な技術選定が公開されないので、公開された積極的な技術選定だけを 参考にしても実際の世界に適⽤できない

    • エージェント以後 ◦ ⼿数が⾜りないという⾔い訳がなくなり、積極的な技術選定を⾏いやすくなった ◦ 意思決定や責任は⼈間に残ったため「分からないが技術的に最強」は選定し難い ◦ AIネイティブ‧エンジニアファーストでのポジションを取らざるを得ない状況が あり、様々な理由で公開できない内容がある 64
  11. 公開されない(なかった)部分 • エージェント以前 ◦ 積極的な技術選定に注⼒したいが、様々な理由でのすり合わせが必要 ◦ 消極的な技術選定はキャリアを損ねて恥ずかしい。様々な理由で公開したくない ◦ 消極的な技術選定が公開されないので、公開された積極的な技術選定だけを 参考にしても実際の世界に適⽤できない

    • エージェント以後 ◦ ⼿数が⾜りないという⾔い訳がなくなり、積極的な技術選定を⾏いやすくなった ◦ 意思決定や責任は⼈間に残ったため「分からないが技術的に最強」は選定し難い ◦ AIネイティブ‧エンジニアファーストでのポジションを取らざるを得ない状況が あり、様々な理由で公開できない内容がある 65