Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
機能横断的なチームを作る”場”のデザイン / design the "Ba" of cross...
Search
Yoshiki Iida
September 08, 2018
Technology
3
12k
機能横断的なチームを作る”場”のデザイン / design the "Ba" of cross-functional team
XP祭り2018 登壇資料
Yoshiki Iida
September 08, 2018
Tweet
Share
More Decks by Yoshiki Iida
See All by Yoshiki Iida
自律的なスケーリング手法FASTにおけるVPoEとしてのアカウンタビリティ / dev-productivity-con-2025
yoshikiiida
2
21k
エンジニアリングマネージャー視点での、自律的なスケーリングを実現するFASTという選択肢 / RSGT2025
yoshikiiida
5
9.2k
ログラスが面白いと思う理由をマネージャーがエモく語ってみる / 20240829 vs LT
yoshikiiida
1
920
質とスピードを両立するログラスのホールチームQA / 20240827 QASaaS_findy
yoshikiiida
2
770
エンジニア組織30人の壁を超えるための 評価システムとマネジメントのスケール / Scaling evaluation system and management
yoshikiiida
12
3.8k
スクラムの成熟と壁 〜スケーリングの議論から見えたもの〜 / Maturity and barriers in Scrum
yoshikiiida
4
2k
スタートアップにおける組織設計とスクラムの長期戦略 / Scrum Fest Kanazawa 2024
yoshikiiida
17
6.5k
ログラスの選考プロセスにおけるアトラクト戦略 / Attraction strategy in Loglass interview process
yoshikiiida
7
3.8k
QA経験のないエンジニアリング マネージャーがQAのカジュアル面談に出て 苦労していること・気づいたこと / scrum fest niigata 2024
yoshikiiida
2
5.7k
Other Decks in Technology
See All in Technology
robocopy の怖い話/scary-story-about-robocopy
emiki
0
280
新規事業におけるAIリサーチの活用例
ranxxx
0
160
AI Ready API ─ AI時代に求められるAPI設計とは?/ AI-Ready API - Designing MCP and APIs in the AI Era
yokawasa
21
6k
Shadow DOMとセキュリティ - 光と影の境界を探る / Shibuya.XSS techtalk #13
masatokinugawa
0
290
The Madness of Multiple Gemini CLIs Developing Simultaneously with Jujutsu
gunta
1
2.6k
ML Pipelineの開発と運用を OpenTelemetryで繋ぐ @ OpenTelemetry Meetup 2025-07
getty708
0
300
AI駆動開発 with MixLeap Study【大阪支部 #3】
lycorptech_jp
PRO
0
250
PHPでResult型やってみよう
higaki_program
0
200
興味の胞子を育て 業務と技術に広がる”きのこ力”
fumiyasac0921
0
190
FAST導入1年間のふりかえり〜現実を直視し、さらなる進化を求めて〜 / Review of the first year of FAST implementation
wooootack
1
150
「手を動かした者だけが世界を変える」ソフトウェア開発だけではない開発者人生
onishi
15
6.9k
みんな Kiro ってる?
r3_yamauchi
PRO
0
110
Featured
See All Featured
The Psychology of Web Performance [Beyond Tellerrand 2023]
tammyeverts
48
2.9k
Building a Scalable Design System with Sketch
lauravandoore
462
33k
CoffeeScript is Beautiful & I Never Want to Write Plain JavaScript Again
sstephenson
161
15k
Evolution of real-time – Irina Nazarova, EuRuKo, 2024
irinanazarova
8
850
[RailsConf 2023 Opening Keynote] The Magic of Rails
eileencodes
29
9.6k
Refactoring Trust on Your Teams (GOTO; Chicago 2020)
rmw
34
3.1k
Art, The Web, and Tiny UX
lynnandtonic
301
21k
Building an army of robots
kneath
306
45k
Typedesign – Prime Four
hannesfritz
42
2.7k
Raft: Consensus for Rubyists
vanstee
140
7k
Being A Developer After 40
akosma
90
590k
Side Projects
sachag
455
43k
Transcript
機能横断的なチームを作る ”場”のデザイン 2018/09/08 XP祭り2018 Yoshiki Iida
自己紹介 2 Yoshiki Iida CrowdWorks Inc. Manager(Now) ← Product Owner
← Scrum Master ← Engineer Twitter: ysk_118 Github: yo-iida
3 チーム開発してる人
4 機能横断的な チーム開発してる人
5 チームの機能横断を ちゃんと作るのは 結構難しい
6 機能横断的なチームを 作るには”場”が大事
今日話すこと » 機能横断的なチームってなに? » “場”ってなに? » “場”を作ってみたらどうなったか? 7
機能横断的なチームとは 8
機能横断的チームとは » 第一段階 ⋄ 異なる役目を持った人がひとつのチームで 仕事をしているチーム » 第二段階 ⋄ チームメンバーがそれぞれの役目を超えて
連携しているチーム 9
機能横断チームのイメージ 10 PO Designer Engineer PO Designer Engineer 第一段階 第二段階
デザイン思考の観点から » 第一段階 ⋄ マルチディシプリナリーチーム → 複数分野チーム » 第二段階 ⋄
インターディシプリナリーチーム → 異分野連携チーム 11
なぜ機能横断チームがよいのか » ゴールに向かうスピードの向上 ⋄ 個人の暗黙知がチームの形式知化することによって 手戻りや考慮漏れによる追加作業が減る » ゴールに到達する可能性の向上 ⋄ 質問、疑問がチーム内で議論されやすくなることでゴールに向
かう軌道修正が頻繁に行われる 12
なぜ機能横断チームがよいのか » チームのスループット向上 » チームの学習速度向上 → チームのパフォーマンス向上 13
なぜ機能横断チームがよいのか » チームのスループット向上 » チームの学習速度向上 → チームのパフォーマンス向上 このようなチームの状態を作るには”場”が不可欠 14
チームの”場”とは 15
「アジャイル開発とスクラム」では “知識を創造し、それを共有、成長させるためには、その知 が流通しやすいダイナミックな時空間を作り出す必要があ る。この時空間において自分と他者の間に構築される関係 性、文脈を「場」と呼ぶ。” 16
“場”についての要約 » 時間と空間を共有していて、文書による報告では得ら れない共感があり、暗黙知が共有されるようなもの » 何気なく起こる質問ややり取りも重要な「場」の一部 17
“場”のイメージ 18 人と人との関係性 会話のコンテキスト “場”
“場”のスケール 19 n人のチームの メンバー間の矢印の数は n(n-1) 人数が増えるとO(n^2)で”場”の 形成コストが増加する
“場”が機能しないケース 信頼関係ができていない » 意見に対して否定から入る » 議論に参加しない » 同意していないのに同意し てしまう »
一方的に押し付けられる » etc... コンテキストが共有されない » 使っている言葉が違う » 同じ言葉でイメージするものが違 う » 議論の観点がずれている » 情報の非対称性 ⋄ 前提共有ができていない ⋄ リモートからオフィスの付箋が見 えない » etc... 20
機能横断チームにおいて”場”は前提 » お互いの領域に入り込むのは信頼関係やコンテ キスト共有ができてないと難しい » 心理的安全が約束されていることが必要 21
“場”を有効活用するには? » スクラムイベントでのみ”場”を活用するのはもっ たいない » 常に一緒に仕事をすると常にチームとして学習 する状態を作れる » モブプロ、モブワークはその一例 22
リモートにおける”場” » チームビルディングができていて関係性ができ ていても、リモートになった途端コンテキスト共有 のハードルが非常に上がる » リモートの目的とそれによって得られる価値がコ ンテキスト共有コストを上回るかを意識する必要 がある 23
“場”を作ってみた 〜 CrowdWorksの場合 〜 24
きっかけ » PO, エンジニア, デザイナーの開発チーム » マークアップはチーム外に依頼 » 手戻りのコストが大きかった »
チーム内のデザイナーがコーディングまで できれば・・ 25
課題感 » 当時改修していたのは約250個のカテゴリと4個 の依頼形式に対応してフォームが切り替わる巨 大な入力フォーム画面 ⋄ 古き良きjQueryによるゴリゴリDOM制御 ⋄ 2000行を超えるCoffeeScript »
デザイナーにマークアップ教えるのも結構 難しい・・ 26
課題感 » 当時改修していたのは約250個のカテゴリと4個 の依頼形式に対応してフォームが切り替わる巨 大な入力フォーム画面 ⋄ 古き良きjQueryによるゴリゴリDOM制御 ⋄ 2000行を超えるCoffeeScript »
デザイナーにマークアップ教えるのも結構 難しい・・ 27 → 敵もでかいし、思い切って 秘密基地(プロジェクトルーム)作って モブやるか!
28
社内に勝手に秘密基地を作った » 共有スペースにモニターやホワイトボードなどの 運び込んで占拠 » チームの施策に関する掲示物を充実させた » おかしも持ち込んで1日中過ごせるようにして、 モブプロしてるときも個人作業しているときも居 心地よくした
29
30 掲示物 アルフォート 人をだめにする クッション
よかったこと » 機能横断の広がり ⋄ POのデータ分析をモブでやる ⋄ POもコード修正する ⋄ エンジニアも施策議論や UIの議論をする
⋄ 受け入れテストをモブでやる » 意思決定スピード向上 ⋄ チームとして軌道修正に慣れる ⋄ サプライズがない » 他チームとの連携もしやすい ⋄ 「基地に集合!」と言えば話しが進む ⋄ 会議室とったり・・とかいらない 31
うまくいったと思うポイント » スウォーミングできる雰囲気・距離感 » 雰囲気 = 家感・部室感 » 共通のコンテキストに囲まれている状態 »
自分たちでハックできる空間 32
まとめ 33
まとめ » “場”とはメンバー同士の信頼関係とコンテキスト 共有ができていて心理的安全な時空間 » “場”を作れるとチームのパフォーマンスを引き出 すことができ、機能横断的な状態も作りやすい » スウォーミングできる環境を物理的に作るとチー ムの動きが変わるかも
34
ご静聴ありがとう ございました 35