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早朝の渋谷の青さ、あるいは溺れた人を助ける為に飛び込んだ海の向こう側に見る、自己覚知と自己開示の尊さ
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yud0uhu
August 10, 2025
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早朝の渋谷の青さ、あるいは溺れた人を助ける為に飛び込んだ海の向こう側に見る、自己覚知と自己開示の尊さ
【劇場版】アニメから得た学びを発表会2025(
https://engineers-anime-2025-lp.pages.dev/
) の登壇資料です。
yud0uhu
August 10, 2025
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Transcript
【劇場版】アニメから得た学びを発表会 早朝の渋谷の さ、あるいは溺 れた人を助ける為に飛び込んだ 海の向こう側に見る、自己覚知 と自己開示の尊さ 青
01 【劇場版】アニメから得た学びを発表会 0yu(おゆ) Web Frontend Engineer / DMM.com 23卒 趣味:読書、映像鑑賞、マーダーミステリー
https://yud0uhu.pages.dev/ X @yud0uhu About Me My Favorite Anime à 東のエデÌ Ã 翠星のガルガンティÒ Ã ゆるキャÌ Ã 人類は衰退しまし° à SHIROBAKÆ Ã 少女終末旅Ë Ã planetarian ~ちいさなほしのゆめ à 四畳半神話大系 etc... https://note.com/denhambrush/n/ne90e23f73f81
ブループリオドとは 美術は面白いですよ。 自分に素直な人ほど強い。 文字じゃない言語だから 絵を描く楽しさに目覚めたインテリヤンキーが、東京藝術大学を目指すこと から始まる芸術スポ根群像劇 2021年10月1日放送、DMM picturess制作 02 ©︎山口つばさ・講談社/ブルーピリオド製作委員会
【劇場版】アニメから得た学びを発表会
02 アニメから得た学びを発表会 ブルーピリオドから学ぶ 「自己開示」と「対話」の 大切さ 03
「あなたが青く見えるなら、りんごもうさぎの体も青くていいんだよ」 主人公の矢口八虎は、「私の好きな風景」を描く授業の課題の中で 彼の目には青く映った早朝の渋谷の風景をその感性のままに描きます 04 【劇場版】アニメから得た学びを発表会メから得た学びを発表会 (C) 四畳半主義者の会 ブルーピリオドから学ぶ 「自己開示」と「対話」の大切さ
05 【劇場版】アニメから得た学びを発表会メから得た学びを発表会 「自己表現」と「自己開示」でひらけた視界 コミュニケーション能力が高く、いつも周囲の顔色をうかがう八虎は 自分の見えている世界を「描く」ことで表現し、その絵に込めた意味を 「理解してもらえること」への悦びを知ります ブルーピリオドから学ぶ 「自己開示」と「対話」の大切さ ©︎ 山口つばさ・講談社
アニメEp. 9 とEp. 10 に 描かれる「対話」 「きみは溺れている人がいたら 救命道具は持ってきても、海に飛び込むことはしない」 藝大二次試験前日の夜、試験を棄権して自暴自棄になっている同級生の鮎川 龍二のもとに駆けつける八虎
06 【劇場版】アニメから得た学びを発表会メから得た学びを発表会 (C) 四畳半主義者の会 ©︎山口つばさ・講談社/ブルーピリオド製作委員会
アニメEp. 9 とEp. 10 に 描かれる「対話」 「溺れてるときの息苦しさとか海の暗さは溺れた人同士でしか共有できへんや ん。その人と話したかったら八虎も飛び込むしかないんやで」 「優等生」の八虎は、龍二の抱える苦しみを理解するために「正しさ」という安全圏から一歩外に出て、他者の 溺れる海に飛び込む覚悟を決めます
07 【劇場版】アニメから得た学びを発表会メから得た学びを発表会 (C) 四畳半主義者の会
アニメEp. 9 とEp. 10 に 描かれる「対話」 08 【劇場版】アニメから得た学びを発表会メから得た学びを発表会 (C) 四畳半主義者の会
原作・森見登美彦、監督・湯浅政明。2010年よりフジテレビ“ノイタミナ”ほかにて放送。 「俺は溺れないよ。溺れないよう泳ぐから。」 行き着いた小田原の宿でそれぞれのセルフヌードを描きながら、明け透けに「対話」をする二人 本音を隠すことが上手いキャラクターである八虎も、ここでは自然と龍二の 独白に「共感」し、正直な意見を「開示」しています
コードレビューに見る エンジニアリングの文脈における 「自己開示」と「対話」の技法 09
10 【劇場版】アニメから得た学びを発表会から得た学びを発表会 コードレビューが難しい理由は、本質的に「批判」「批評」であるから OSS開発の文脈におけるPR型コードレビューの利点の一つは、チーム内でより良いコードの書き方や設計につい て議論し、コードベースを健全に保つこと、さらにそうした議論を通じて開発チームの文化が成熟していくこと こうした利点を得るためには、「コードレビューが健全に機能していること」が前提にあり、コードレビューが 難しい理由は、この行為が本質的に「批判」や「批評」であるため 『伝わるコードレビュー――開発チームの生産性を高める「上手な伝え方」の教科書』(久保優子・諸永彩夏・ 鳥井雪著) コードレビューは、双方向の
コミュニケーションを基盤としたプロセス である
11 【劇場版】アニメから得た学びを発表会メから得た学びを発表会 コードレビューにおける相互理解努力の重要性 レビュアーはコード作者の特定アプローチについて作者を尊重すべきであり、作者のアプローチが不十分な場合 にのみ代案の指摘を行うべきだ。作者が同等に妥当なアプローチをいくつか示せるなら、レビュアーはその作者 の選好を受け入れるべきである。(中略)レビュアーは、コード作者の取っている特定のアプローチを手がかり に結論を急いでしまうことに気をつけるべきである。そのアプローチが間違っていると決めてかかる前に、何故 そのようなアプローチが取られたのかについて質問した方がよい。 『Googleのソフトウェアエンジニアリング』第9章「コードレビュー」(オライリー・ジャパン、2020年) コードレビューは、双方向の
コミュニケーションを基盤としたプロセス である
12 【劇場版】アニメから得た学びを発表会メから得た学びを発表会 コードレビューにおける相互理解努力の重要性 レビュアー側にプロフェッショナルとしての意識を持つことを期待するのと同様、我々はコード作者の側にもま たプロ意識を期待する。自分は自分のコードとは別で、自分が提案するその変更は「自分のもの」ではなくチー ムのものであることを思い出してほしい。コードベースにそのコードをチェックインした後は、いかなる場合で もそのコードはもはや自分のものではない。自分のアプローチについての質問を歓迎し、自分がある特定の方法 で物事を処理した理由を説明する心構えをしておくべきだ。作者が担う責務が、将来にわたりそのコードが理解 可能で保守性があるよう保証するという要素を含むことを、肝に銘じておかなければならない。 『Googleのソフトウェアエンジニアリング』第9章「コードレビュー」(オライリー・ジャパン、2020年)
コードレビュー は、双方向の コ ミュ ニケー ションを基盤としたプロセス である
13 【劇場版】アニメから得た学びを発表会メから得た学びを発表会 「自我のあるコードを書く」ことは、対話を可能にする「自己覚知」の営み レビュイーにとっては「自我のあるコード」を書くことが、コードレビューにおける対話を可能にする 自らと向き合い、自らを深く知ろうとする「自己覚知」の営みの一つである コードレビューは、双方向の コミュニケーションを基盤としたプロセス である
14 【劇場版】アニメから得た学びを発表会メから得た学びを発表会 より良いものづくりの土台を作る なぜその実装に至ったのか、どんな制約や迷いがあったのか――。 レビュアーがそのような過程に思いを馳せ、対話を重ねることで、互いの理解を少しずつ深めていくレビューの 形は、レビュイーが「自我のあるコード」をチームの成果物として真摯にアウトプットしている前提で成り立つ 自己覚知がもたらす対話の可能性
15 【劇場版】アニメから得た学びを発表会メから得た学びを発表会 より良いものづくりの土台を作る コードレビューという行為は、ただ形式的な「正しさ」だけを求めるのではなく、ソースコードを通じて相手 と、そして自分自身と対話を続ける中で、一つでも共通の「普遍性」を探していく行為 自己覚知がもたらす対話の可能性
16 【劇場版】アニメから得た学びを発表会メから得た学びを発表会 エンジニアニメ Anthology Tech Book 1st Seasonに寄稿しています