JuniorからSeniorまで: DevOpsエンジニアの成長ロードマップ

2025/8/22にAvanadeの社内向け勉強会SOEDAYの卒業講演で話した内容です。
DevOpsエンジニアってやること多すぎてどうしたらいい？どうやって目指せばいい？という疑問に対してjunior, mid, seniorクラスのそれぞれで身に着けるべきスキルセットとマインドセットについてお話ししました。

Transcript

1. JuniorからSeniorまで: DevOpsエンジニアの成長ロードマップ
2. はじめに（前提） 技術スキルセットやサービスに関してはMicrosoft Technologyをベースに話してま す ここでのjunior, mid, Senior+はこんな感じでAvanadeのキャリアレベルにマッピン グしてます junior　→　Analyst, Sr.Analyst mid → Consultant Senior → Sr.Consultant, Manager+ あくまでもn=1
3. 背景 こういう疑問/悩みを持つ人が多い DevOpsエンジニアって具体的に何するの？ 色々やることが多そうなので必要なスキルを俯瞰したい アプリもインフラもやらないといけないの？ DevOpsエンジニアってやること多すぎてどうやって目指せばいいかわからない
4. DevOpsエンジニアの仕事とスキルセットの概観
5. DevOpsエンジニアの仕事 Dev（開発）とOps（運用）のギャップの解消を支援 具体的には ソースコード管理戦略の策定 CI/CDパイプラインの構築・運用によるリリースの支援 IaCによるインフラ管理やプロビジョニング コンテナ化やオーケストレーションの導入 GitHubやAzure DevOpsなど開発プラットフォームの整備 監視やobservabilityの設計・実装 ソフトウェア開発を効率化するための支援を行う
6. DevOpsとソフトウェア開発ライフサイクル DevOpsが関わる範囲は、計画/開発/デリバリー/運用とソフトウェア開発ライフサイク ル(SDLC: Software Development Life Cycle)全体に渡る。
7. DevOpsを支えるサービス
8. Dev（開発）-Ops（運用）のライフサイクルを包括的にサポートするためには、Azure DevOpsやGitHubだけでなくAzureサービスも含めたDevOps環境の構築が必要
9. DevOpsエンジニアやること多すぎ問題 ソース管理戦略の策定や設計にはGit, ブランチ戦略の知識が必要 アプリケーションの構成に関する知識 アプリケーションをreleasableにするためのプロセスの理解 テストのシフトレフト/ライト、テスト自動化 開発プラットフォームの仕様やガバナンスに関する知識 クラウドアーキに関する知識 開発プラットフォームとクラウドとの連携や認証に関する知識 コンテナに関する知識 アプリケーションの監視やフィードバックに関する知識 DevSecOpsの知識（コードのセキュリティスキャンなど）
10. 自分の場合
11. Web Application Engineeer: (Junior) CRMのSaaSの開発に携わる ここでアプリケーションをreleasableにするための一連のステップを経験（要件を ヒアリング→設計→実装（フロント/バックエンド/DB）→テスト→リリース→問題 が起きたら自分で調査、修正まで） 習得したスキル：C#, TypeScript, .NET, SQL Server, Azure DevOps テスト駆動開発(TDD)を教えてもらって、ソフトウェア開発の中で効率と品質を両 立するためのプラクティスに興味を持つ
12. Sr.Analyst時代 リリース作業実施やリリース資源の管理 Azure DevOpsの運用の支援（Azure Boardsによるタスク管理、Test Plansによるテ スト管理、スクラムの実践支援） Consultant (Mid): DevOpsの仕事をし始める 複数チームでのソース管理や共有方法の検討 マルチテナントでのCI/CD実践支援 IaC（Infrastructure as Code）についてのトレーニング提供 GitHub Enterprise, GitHub Copilotの導入の提案/導入支援 Microsoft EntraによるGitHubへのアクセス制御 Azure DevOps, Azureによる開発プラットフォーム構築
13. Sr.Consultant(Senior) Solution Architect的な感じてGitHub導入周りの提案支援をすることが多くなる GitHub Enterpriseのガバナンス設計、初期環境構築 GitHub Advanced Securityの初期構築と導入プロセス検討 Microsoft MVP for Developer Technologies(DevOps)受賞 2024 DevSecOpsの実践支援 Microsoft MVP for Developer Technologies(DevOps) & Security(Cloud Security)受 賞 2025
14. DevOpsエンジニアに必要なスキルとマインドセット JuniorからSeniorまで
15. Juniorレベル(Analyst-Sr.Analyst) 必要なスキル アプリケーションがどのような構成になっているかの理解 ソフトウェア開発ライフサイクルの理解/各プロセスで担保すべき品質や考慮 事項を理解 ソース管理の基礎知識（Git、ブランチ戦略、集中型/分散型ソース管理方式の 違いなど） クラウドサービス/開発プラットフォームの基礎知識 マインドセット 自らサイロに閉じこもらない チームの開発プロセスを理解し、改善に貢献する姿勢 小さくてもいいのでチームの開発プロセスを改善した実績を作る
16. Midレベル(Consultant) 必要なスキル 開発プラットフォームとクラウドとの連携（アクセス制御や認証の理解） DevOpsの技術プラクティスを一通り習得（IaC, CI/CD, コンテナ化、 DevSecOpsなど）※最低2つ以上 戦略レベルの絵図が書けるようになる（ソースコード管理、デプロイ戦略、 クラウドアーキテクチャ、運用設計など） ここぐらいでDevOps Engineer Expertを取ってると◎ マインドセット チームを越境した支援の姿勢 ベストプラクティスを理解しつつそのチームの環境やプロセスに応じた改善 運用と継続的な改善を見据えた設計・実装
17. Senior+レベル(Sr.Consultant, Mgr+) 必要なスキル 複数のステークホルダー（社内IT部門、開発チーム、エンジニアリングマネ ージャー、セキュリティ担当者、ビジネスレイヤー）と会話できる Four KeysやSPACEなど、開発生産性/体験のメトリクス計測方法についての理 解 開発体験/生産性の向上とビジネス価値の関連付け 複数のコンポーネント間でのセキュリティと品質の担保 さまざまなユースケースにおけるDevOpsのソリューショニング ADKARモデルなどのChange Managementに関する理解 組織のDevOps文化を浸透・拡大するための戦略的なアプローチ（Team Topologyなどのフレームワークの理解）
18. マインドセット 変化をリードする姿勢 エンジニアリングチームだけでなく、ビジネスや組織全体に貢献する姿勢
19. おまけ：DevOpsを学ぶためのおすすめ書籍 The DevOps Handbook The Phoenix Project - A Novel About IT, DevOps, and Helping Your Business Win- (邦訳：「The DevOps 逆転だ！　究極の継続的デリバリー) The Unicorn Prpject - A Novel About Developers, Digital Disrupution, and Thriving in the Age of Data - （邦訳：「The DevOps 勝利をつかめ！技術的負債を一層せよ」） LeanとDevOpsの科学 Effective DevOps - 4本柱による持続可能な組織文化の育て方
20. 最後に 今月末をもってAvanadeを卒業します。 Avanadeでの経験は、今回話した通り多くの技術的なインスピレーションやマイ ンドセットを与えてくれました。 今後もSOEDAYが色んな人の経験や知識を共有する機会として今後もますます盛り 上がっていくことを願っています。 みなさん、ありがとうございました！