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20220915-aws-seminar

Yuta Kawasaki
September 15, 2022

 20220915-aws-seminar

# サマリ
AWS主催「最新のサイバー攻撃の現状とWebセキュリティ対策(WAF/DDoS対策)実例セミナー」に登壇した際の資料
https://pages.awscloud.com/JAPAN-event-OE-EIB22-BD-EdgeAndElemental-Security-20220915-reg-event.html

タイトルは「SIEM on Amazon OpenSearch Serviceを活用しよう! 〜WAFログ分析の課題と勘所〜」

# 補足
昨今、DDoS攻撃や不正アクセスなど、攻撃にさらされる機会は少なくありません。その中でセキュリティ観点でのログ分析の重要性は高く、例えば「インシデント発生時のリアクティブな調査・分析」から「日々の傾向分析〜アクション創出といったプロアクティブな対応」を可能とします。
「ココナラで抱えていたセキュリティの課題」や「どのようにSIEM on Amazon OpenSearch Serviceを導入し、セキュリティログ分析やモニタリングを実現していったか?」について、登り方や事例を交えてご紹介します。

Yuta Kawasaki

September 15, 2022
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Transcript

  1. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. SIEM on Amazon OpenSearch

    Serviceを活用しよう! ~WAFログ分析の課題と勘所~ 株式会社ココナラ システムプラットフォーム部 システムプラットフォームグループ 川崎 雄太
  2. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 2 Agenda ココナラで抱えていたセキュリティの課題 SIEM

    on Amazon OpenSearch Serviceによる打ち手 AWS社とのコラボレーションによる対策推進 今後のテーマ まとめ 1 2 3 4 5
  3. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 発表者紹介 3 川崎 雄太 Yuta

    Kawasaki 株式会社ココナラ システムプラットフォーム部 システムプラットフォームグループ Group Manager 2020年 株式会社ココナラ入社 プロダクトインフラ・SRE領域と社内情報システ ム領域を担当 2021年にCSIRT立ち上げから携わり、セキュリ ティの企画から運用まで従事
  4. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. ココナラのセキュリティ組織(1/2) 8 「CSIRT」がプロダクト・社内情報システムの両方を見る •

    2021年9月にCSIRTを立ち上げた。 ◦ それまではセキュリティ専門組織はなく、インフラ ・SREエンジニアが手の空いたときに対応 • 2022年9月時点で3名の組織、プロダクト・社内情報システ ム両方のセキュリティ施策の企画からモニタリング運用まで 担当している。 ◦ リソースが限られているので、優先度の高い施策を効 率的に遂行することが不可欠
  5. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. ココナラのセキュリティ組織(2/2) 9 社員数は増加中、セキュリティの役割範囲はより広がる ※2021年8月の情報

    「社員数が増加する =セキュリティリスク にさらされる機会が増 える」という構図のた め、CSIRTに求めら れる期待値も高 まっていく。
  6. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 2021年CSIRT立ち上げ時のセキュリティ課題 11 現状の認識が弱く、どの順番で何をすればよいか?が不明確 •

    セキュリティの専門部署がなく、どのようにロードマップを描 き、合意形成し、計画して登っていけばよいか不明確。 • セキュリティの課題がリストアップされておらず、「もぐらたた き」で対応をしていた。 • 自己流でログの取得だけは行っていたが、プロアクティブ・ リアクティブな活用が出来ていない。 ◦ 今回はここにフォーカス!
  7. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 【参考】セキュリティ課題の対応サマリ( 1/2) 12 内部脅威・外部脅威に分類し、状況の可視化を実現

    ※2021年時点の状況 数字が小さいところが 対策できていない箇 所=優先して対応す べき事項。 例えば、DDoS攻撃 や脆弱性攻撃の対 策が不十分だった。
  8. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. セキュリティログ分析とは? 18 システムのコンディション把握と打ち手の創出をすること •

    分析、検知、監査、監視など目的は様々だが、「ある時点 のシステムの状態(コンディション)を把握」し、そこ から「対応が必要な場合の打ち手を創出する」こと を目的としている。 • システムの規模が多くなればなるほど、ログの量が膨大と なるため、分析の仕組みが不可欠となる。
  9. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 21 ## WAFログのサンプル {"timestamp":1660500016184,"formatVersion":1,"webaclId":"arn:aws:wafv2:xxxxxxxxxx:x

    xxxxxxxxxxx:regional/webacl/coconala-xxx-xxx/fa1c1322-be20-40b4-bd60-57a76114df6 5","terminatingRuleId":"Default_Action","terminatingRuleType":"REGULAR","action":"ALL OW","terminatingRuleMatchDetails":[],"httpSourceName":"ALB","httpSourceId":"xxxxxxxx xxxx-app/coconala-xxxxxxxxx/62e94fe4ea5bbd7d","ruleGroupList": 〜〜中略〜〜 "requestHeadersInserted":null,"responseCodeSent":null,"httpRequest":{"clientIp":"xxx.xx x.xxx.xxx","country":"JP","headers":[{"name":"host","value":"coconala.com"},{"name":"acc ept","value":"application/octet-stream,image/x-icon,image/jpg,image/jpeg,image/png,ima ge/x-win-bitmap,image/ico,image/x-bmp,image/tiff,image/gif,image/bmp,image/x-xbitmap ,binary/octet-stream,image/x-ms-bmp"},{"name":"user-agent","value":"Coconala/x.xx.x (com.coconala.ios.portal; build:x.xx.x; iOS xx.x.x) 〜〜後略〜〜
  10. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. そこで「SIEM on Amazon OpenSearch

    Service」の出番。 ココナラではアクセス状況や攻撃・インシデン トの可視化・予測を行うことを 目的として導入した。 24
  11. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. SIEM on Amazon OpenSearch

    Serviceとは?(1/2) 25 AWSサービスのログ可視化やセキュリティ分析を可能にする • SIEMはSecurity Infomation and Event Managementの 略であらゆるログの収集と一元管理を行い、相関分析に よる脅威検出とインシデントレスポンスをサポート。 • オープンソースのOpenSearchとKibanaを用いて、上記を 実現している。
  12. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. SIEM on Amazon OpenSearch

    Serviceでモニタリングしているもの 27 主には以下の4つ、随時モニタリング可能なものを拡充中 • AWS WAF • Amazon Elastic Load Balancing • Amazon GuardDuty • AWS CloudTrail
  13. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. SIEM on Amazon OpenSearch

    Serviceを用いたWAFログのモニタリング(1/7) 29 日次で傾向把握と分析、過去との比較からパターン化 • 予めAWSサービスごとのダッシュボードが準備されている ため、所定のS3へログを格納するだけで、可視化・分析が 可能。可視化したデータを日次で分析。 ◦ クロスアカウントのS3レプリケーションで実現 • ココナラは国内を中心にサービスをしているため、国内・海 外のIPアドレスによるアクセス状況 / ブロック状況 / エ ラー発生状況などをモニタリングする。
  14. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. SIEM on Amazon OpenSearch

    Serviceを用いたWAFログのモニタリング(2/7) 30 システム全体のアクセス状況を把握
  15. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. SIEM on Amazon OpenSearch

    Serviceを用いたWAFログのモニタリング(3/7) 31 システム全体のアクセス状況を把握
  16. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. SIEM on Amazon OpenSearch

    Serviceを用いたWAFログのモニタリング(4/7) 32 アクセス状況の詳細を把握、分析
  17. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. SIEM on Amazon OpenSearch

    Serviceを用いたWAFログのモニタリング(5/7) 33 アクセス状況の詳細を把握、分析
  18. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. SIEM on Amazon OpenSearch

    Serviceを用いたWAFログのモニタリング(6/7) 34 WAFログ1行1行を人にわかりやすい形で確認
  19. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. SIEM on Amazon OpenSearch

    Serviceを用いたWAFログのモニタリング(7/7) 35 WAFログ1行1行を人にわかりやすい形で確認
  20. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. ココナラで実践しているセキュリティモニタリング運用 36 毎営業日モニタリングを実施し、アクションを創出する 毎営業日17:00時

    点の情報で定点確 認(WAFログ以外 も含めて、レポート 作成) 問題があれば、毎 営業日18:00に CSIRTで集まり、 議論 当日〜翌日以降の アクションを決め て、チケット化
  21. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. SIEM on Amazon OpenSearch

    Serviceでのモニタリングの効果 39 2022年からモニタリング運用をローンチ、効果は上々 • WAFのブロックルールに合致しない悪意のある or お行 儀の悪いアクセスをしているIPアドレスを30以上捕捉 し、ブロックを実施。 ◦ 累計1,000万回以上のアクセスをブロックし、正規の ユーザーのアクセスを守っている • また、AWS WAF Bot Controlを並用し、botのアクセス状況 (例えば、20%以上はbotアクセス)を把握。 ◦ 詳細はAppendix参照
  22. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. ココナラが採用したアプローチ(1/2) 41 AWS社と定例MTGを設けることで、検討の加速度を上げる •

    ココナラではAWS社と月例会や個別テーマの定例を設けて おり、その1つが「セキュリティ」をテーマにしたもの であった。 • その中で「Well−Architectedツール」のレビューも実施して もらった。 ◦ 「SEC4.セキュリティイベントをどのように検出 し、調査していますか?」がWAFログ分析
  23. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. ココナラが採用したアプローチ(2/2) 42 SIEM on

    Amazon OpenSearch Serviceの個別ハンズオン実施 • 1day / 3時間のハンズオンを個別に実施。 ◦ ココナラの参加者はCSIRTとインフラ・SRE • 以下のワークショップコンテンツに従って、環境構築から模 擬運用まで実践することで、PoC工数・期間を省き、本格運 用を開始。 ◦ https://catalog.us-east-1.prod.workshops.aws/works hops/60a6ee4e-e32d-42f5-bd9b-4a2f7c135a72/en- US/01-introduction
  24. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 今後のテーマ(1/2) 44 一度、導入して終わりではなく、継続したリファクタリングを行う •

    攻撃は日々進化しているため、防御策も日々チューニング / リファクタリングを行う必要がある。 ◦ ソリューションは「導入する」よりも「導入後の運用」 が重要 ◦ 「リアクティブ」だけでなく、「プロアクティブ」な仕掛 けが重要
  25. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 今後のテーマ(2/2) 45 経営層にセキュリティ対策の必要性・効果を理解してもらう •

    セキュリティ強化を進めていくためには、経営層の理解が 不可欠。 ◦ 「インシデント発生時の対応費」 > 「セキュリティ対 策費」という構図を理解してもらい、経営層と一緒に セキュリティ対策を進めていく • 予算は限られるので、効率的・効果的に対策を進めること が重要。
  26. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. まとめ 47 WAFログ等からプロアクティブなアクションを創出、周りを巻き込む •

    WAFログの内容を正しく理解すればリアクティブ / プロアク ティブなセキュリティ対策を実現可能。 • AWS社が保持している膨大なノウハウを積極的に活用し、 二人三脚であるべき姿へ着実に登っていくことが効率的か つ効果的。 • 経営層にセキュリティの重要性を認識してもらう。
  27. Fin

  28. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. SIEM on Amazon OpenSearch

    Serviceの導入時に参考にした資料 53 • SIEM on Amazon OpenSearch Serviceのリポジトリ ◦ https://github.com/aws-samples/siem-on-amazon-op ensearch-service/blob/main/README_ja.md • AWS社のハンズオン資料 ◦ https://speakerdeck.com/prog893/startup-dot-fm-eas ier-log-analysis-with-siem-on-amazon-elasticsearch- service
  29. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. ココナラのユーザーとボットのアクセス割合( AWS WAF Bot

    Controlの活用) 54 AWS WAF Bot Controlでモニ タリングしたところ、23.5%のア クセスがボットによるもの。(無 償の範囲で確認可能) ボットが「正常なクローラー」 なのか「悪意のあるボット」 なのか、などを識別をしてく れる。
  30. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. ココナラで運用しているAWS WAFのルール(一例) 55 •

    検索エンジンのクローラーのUA許可。 • 海外のIPアドレスに対するレートベース。 ◦ 同一IPアドレスから、閾値を超過するアクセスを検知し たら一定時間遮断する • 日本国内のIPアドレスに対するレートベース。 ◦ 同上
  31. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. SIEM on Amazon OpenSearch

    Serviceを用いたモニタリング 56 • リクエスト数の増減の確認 ◦ ココナラは20:00 - 24:00ごろがアクセス数がピークとな り、深夜はアクセス数が下がる • 普段と異なる波形を示している場合、WAFログ / ELBログ を突き合わせて、深堀り・傾向分析を実施 ◦ アクセスしているパスの妥当性 ◦ 単位時間あたりにアクセスしている回数の妥当性 ◦ その他攻撃のようなアクセスをしていないか?など