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SREチームの越境と対話〜どのようにしてイオンスマートテクノロジーは横軸運用チームの廃止に...

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July 11, 2025
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 SREチームの越境と対話〜どのようにしてイオンスマートテクノロジーは横軸運用チームの廃止に至ったか〜/the-Cross-border-and-dialogue-of-SRE

SRE NEXT 2025 (.https://sre-next.dev/2025/ )での発表資料です。

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July 11, 2025
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Transcript

  1. アジャイル開発とSRE、⽬指すものは全てビジネス‧事業的成果 アジャイルの⽂脈で⾔えば‧‧‧ • Don’t just do agile. Be agile. •

    開発をアジャイルにするのではなく、経営をアジャイルにする SREの⽂脈で⾔えば‧‧‧ • Class SRE implements DevOps • 運⽤と開発の壁の破壊 • ⽣産性を⾼めるための⾃動化 • プロダクトの信頼性
  2. 「変化を嫌う⼈」を動かす 惰性 慣れているものに 留まろうとする欲求 労⼒ 変化に必要な労⼒‧コスト (価値より労⼒を懸念) 感情 変化に対する否定的な感情 (アイディアそのものへの反応)

    ⼼理的反発 変化させられることへの反発 (アイディア推進者/⽅法への反発) 例 ‧今のオンコール体制で⼗分 ‧今のリリース⼿順で⼗分 ‧やったことないから⼤変だ ‧仕事が増えるから⼤変だ ‧俺の仕事を奪うのか ‧⾃分の無能さが露呈するのでは ‧やり⽅を押し付けてくるな https://amzn.asia/d/3MbvUeJ
  3. 「変化を嫌う⼈」を動かす 惰性 慣れているものに 留まろうとする欲求 労⼒ 変化に必要な労⼒‧コスト (価値より労⼒を懸念) 感情 変化に対する否定的な感情 (アイディアそのものへの反応)

    ⼼理的反発 変化させられることへの反発 (アイディア推進者/⽅法への反発) 主な対処 ‧段階的な変化 ‧単純接触効果を狙う - 何度も伝える。時には話す⼈を変える ‧やらない労⼒の⽅が⾼いことを⽰す ‧不要なプロセスがあるなら⾒直す ‧労⼒の⾒せ⽅を変える ‧「なぜ?」に⽬を向けて観察し理解を深める ‧早い段階からプロセスに巻き込む ‧Yesを引き出す質問づくり https://amzn.asia/d/3MbvUeJ
  4. 他者と働く 準備 相⼿と⾃分のナラティヴ (=解釈の枠組み,正しさ)の溝に気づく 観察 相⼿の⾔動や状況を 観察し、溝の箇所や 相⼿のナラティヴを探る 解釈 溝を⾶び越えて、

    橋が架けられそうな場所や 架け⽅を探る 介⼊ ⾏動することで、 橋(=関係性)を築く Biz Dev Ops ビジネス的価値 顧客への価値 https://amzn.asia/d/2T50Kdt
  5. 更に対話を深めるために… • 対話と会話の違いを理解する o 会話: 広く⼈と⼈が⾔葉で交流すること o 対話: それを通じて何かが新たに浮かび上がってくるようなやり取り o

    相⼿を他者と認識し、他者の頭を使う o 「早く⾏くなら⼀⼈で⾏け、遠くに⾏くならみんなで⾏け」(アフリカの諺) • 基礎⼒としての、メタ認知/評価判断の保留/傾聴/学習と変容/リフレクション • 対話を深める要素としての、問いのデザイン/課題設定と優先度/意志/決断
  6. SREチームにまつわるトポロジー(⽴ち上げ当時) Stream-Aligned Team Platform Team Enabling Team SREチーム 2つの側⾯を持ち合わせる Enabling

    • Stream-Aligned(SA)チームへSREのインストール • 整備したツール/基盤の伝承と伴⾛ • 定点観測会など定期的にSAチームとcommunication Platform • インフラ基盤⾃体の改善(Azure) • セルフサービスの提供(徐々に拡⼤中) • ツール/基盤の整備 Team Topologies
  7. SREチームにまつわるトポロジー • チーム内のcontext switchの多さ • 改善が進まない / 改善のスピードが期待値より低い領域が発⽣ o SAチームのリソース不⾜

    o SAチームのcapability不⾜ o 優先度の考え⽅のすれ違い o 相談/依頼のタイミングではHow/WhatになっておりWhyを掘り起こすところからスタート → ⼀部プロダクトへのEmbeddedアプローチの導⼊へ 以下のつらみや悩みが発⽣
  8. Embeddedへの挑戦で意識してやっていること • SAチームが出席するようなプロダクトに関する定例、会議は出席 o SAチームと情報をsync o 案件状況、チームの状態、課題の優先度を把握。⽬線を揃える。 • ⼀緒に課題を解くことで信頼の構築 o

    Team Topologiesでのコラボレーションが濃い状態に近いと捉えている • ゴールの状態を忘れない。 o あくまで最終⽬標はSAチーム内でSREの実践が完結すること o SAチーム内でSRE担当に任せっぱなしの状況は作らない。
  9. 振り返ると‧‧‧ • いきなり「横軸運⽤チームを廃⽌しましょう」では実現できなかった。 • (1)-(4)までのステップがあってこその実現 o ⼩さく刻む o 対話と協働を通した越境 o

    上記を通じて信頼を築き、不安を取り除く SREをやりましょう。 それがモダンでナウな今時のトレンドですよ。 「You build it, you run it」ですよ。 (渾⾝のドヤ顔) ⼈間が電話を取り継ぐとかw PagerDutyをご存知ない? 権威的な承認が良くないってのは何 年も前からDevOpsの本に書いてあ るんですよ。(無限の蘊蓄) https://www.oreilly.co.jp/books/9784814400645/ うまくいかないマン
  10. 参考資料:ケースごとのポイントまとめ (1) Embeddedアプローチ (2) だっしゅぼーどを眺める会 (3) SLI/SLO策定のためのワークショップ (4) 障害対応の⺠主化、ポストモーテム⽂化の醸成 (5)

    横軸運⽤チームの廃⽌ (6)Platform Engineering ‧信頼を築く対話 ‧「観察」 ‧「介⼊」 ‧信頼を築く対話 ‧「惰性」の克服 ‧Whyを作り上げる対話 ‧「⼼理的反発」の軽減 ‧不安を乗り越える対話 ‧「労⼒」の軽減 ‧信頼を築く対話 ‧不安を乗り越える対話 ‧「惰性」の克服 ‧「⼼理的反発」の軽減 ‧信頼を築く対話 ‧ 「労⼒」の軽減 ‧「観察」 ‧「介⼊」
  11. 参考資料:関連する過去の登壇 • PagerDuty×ポストモーテムで築く障害対応⽂化 • SRE改善サイクルはチームを超えて - ダッシュボードを眺める会の取り組み • AEON’s blueprint

    for technological maturity and market competitiveness • SREチーム⽴ち上げ3年⽬、Embeddedやってみた実践と気づき • エンタープライズ企業でのSRE⽴ち上げ挑戦の際に意識した事と気付き、 現在地とこれから