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属人性の解消で到達する粗(ほぼ)引き継ぎのない世界線 / A world line with almost no handoff reached by eliminating personality

Satoshi Okami
December 15, 2021
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属人性の解消で到達する粗(ほぼ)引き継ぎのない世界線 / A world line with almost no handoff reached by eliminating personality

[カイゼン Tips LT会](https://rakus.connpass.com/event/229144/)で発表した内容です

## 今日のテーマ

「メンテナンスフリーの開発プロセスの作り方」

## 概要

今回は、属人性を解消することで、引き継ぎがない開発プロセスを作ることについての探求です。

過去スライドの「スケーラブルなチームの作り方」の中で、属人性の種類と解消方法について解説しました。その内容を抜粋し、少しアップデートしました。

Satoshi Okami

December 15, 2021
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Transcript

  1. 1. ワークフロー の属人性の解消 4 承認フローが、特定のメンバーに依存すると、単一障害点 になる。 承認者を複数人にして、承認フローを メンテナンスフリー にする。 例えば、PRの承認フローなら

    チームメンバー2名の承認でマージ OK 承認者が離脱したら誰を 承認者にするか問題 休み、MTGによる リードタイムの長期化 誰が承認者になる? 必要な要件は何? 問題点 承認者になりたい後輩か らの突き上げ(笑)
  2. 2. 業務知識 の属人性の解消 長い期間の中で、メンバー離脱のイベントは起こる。 業務知識を個人ではなくチームに残せば、引き継ぎ業務はなくなる。 5 ランブック モブプログラミング ハンズオン シャドーイング

    メンバーが加入したタイミングで 頻繁に実施。あとは要望があれ ば随時。できるまでやる ランブックは手順書。障害の対 応方法、依頼対応など、業務遂 行に必要なことをマニュアル 化。暗黙知の形式知化。 設計方針を話し合いながら 固める。モブプロ段階で合意 しているので、 PRをマージす る際のレビューが不要 依頼対応など、他チームに影響があ りそうなことは一緒に対応する スプリントレビュー スプリントの成果をチー ムメンバーに共有 勉強会 業務仕様 WEB標準 etc 新しい取り組みを始めて、生産性 の向上を図る。同じことをしていて も生産性は変わらない。
  3. 褒める は協調を生み、ありがとう は自主性を育む 7 チームが機能し始めた アドラー心理学の勇気付け ただ、100年前の心理学なので 時代にそぐわない部分もある 人望が集まる人の考え方 by

    レス・ギブリン 1名離脱しても引き継ぎはな かった。 最適化目標クリア! 一時的に高い生産性を優先する のか。長期的に安定した生産性 を優先するのか。最適化目標は 引き継ぎが発生しないかどうか
  4. リーダーシップの育み方 シェアド・リーダーシップ(SL)とは、チームメンバー全員がリーダーシップを発揮すること。 “「従来型の垂直的リーダーシップよりも、SLの方がチームの成果を高める」という結果が多く示されてい る。” 9 世界標準の経営理論 p333 第3部 ミクロ心理学ディシプリンの経営理論 “リーダーが指名される事はなく、健全なチームは状況に応じて自

    然とリーダーシップをお互いに取り合う状態になる。” 一方通行のフォロー スクラムリファレンスカード p1 スクラムチーム 相互フォロー リーダーをなくして、一方通行のフォローを解消する。 役割に差がなく、フラットになると発言権が等しくなる。SLが生まれ易い関係になる、たぶん 個人に責任を集中さ せない。チームで責 任を持つ。気持ちに ゆとりが生まれる。
  5. まとめ • 3つの属人性を解消すると、開発チームの引き継ぎがなくなる 1. ワークフローの属人性 2. 業務知識の属人性 3. 役割の属人性 •

    年齢・スキルに関係ないフラットさが、SLを育む(たぶん) • 責任は、個人でなく、チームで持つ。チームメンバー全員で問題を解決する。 チームメンバー全員で幸せになる。 10