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redmine-tokyo-14

akabeko
March 20, 2022

 redmine-tokyo-14

redmine.tokyo 14 登壇「なじむ Redmine」のスライドです。内容は Slideshare に公開しているものと同一となります。2022 現在はスライドを Speaker Deck で一元管理しているため、こちらへも公開することにしました。

akabeko

March 20, 2022
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Transcript

  1. なじむ Redmine
    Redmine
    を組織へ
    「なじませる」ための施策と課題
    @akabekobeko
    redmine.tokyo 14 - 2018/5/26
    1

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  2. 自己紹介
    プログラマー。Web
    、モバイル、デスクトップまで
    なんでもやります。
    Redmine
    への関わりとしては minimal at2
    というテ
    ーマを開発しています。
    ブログ アカベコマイリ
    Twitter
    アカベコ(@akabekobeko)
    GitHub akabekobeko (akabeko)
    2

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  3. 今回のお話
    以前ブログに書いた Redmine
    運用シリーズ記事
    Redmine
    運用について 1/3 –
    はじめに
    Redmine
    運用について 2/3 –
    運用ルールと諸設定
    Redmine
    運用について 3/3 –
    普及の施策と課題
    から普及の施策と課題を要約した内容となります。
    どのように組織へ Redmine
    を導入してなじませる
    か。そのための施策と課題についてお話します。
    3

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  4. Overview
    Redmine
    導入事例
    現状分析
    業務管理の Redmine

    Redmine
    をなじませる
    既存の仕組みを尊重する
    活況を演出する
    マメなサポート
    課題
    4

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  5. Redmine
    導入事例
    5

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  6. Redmine
    導入事例
    私の Redmine
    導入 &
    運用経験は足掛け 8
    年、2
    社。
    1
    社目はソフトハウス。過去に Trac
    の利用経験もあ
    るため Redmine
    への移行もスムーズでした。
    2
    社目 (
    現職)
    は印刷・出版系の企業。
    ソフトハウスほどの IT
    リテラシーはありませんが社
    をあげて業務改善に乗り出しており、私が移籍する前
    に Redmine
    を実験導入していました。
    ここでは主に 2
    社目の話をします。
    6

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  7. 現状分析 1/2
    Redmine
    を実験導入してみたものの本格採用には至
    らない。では業務をどのように管理しているのか?
    まずは 2
    ヶ月ほど自分の部署に限定して様子を見てみ
    ることにしました。その結果、
    業務は主に上長の手による Excel
    シートで管理
    1
    ~ 2
    週間ごとの定例で進捗と問題を共有
    定例の内容を Excel
    シートに反映
    のような感じになっていました。
    7

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  8. 現状分析 2/2
    上長へのインタビューや定例で気になった点。
    1. Excel
    シート運用にかなり時間を割いている
    2.
    同じ議論が回をまたいで繰り返される
    3.
    ほとんどのメンバーに関係のない議論が多い
    4.
    進捗管理は作業の着手と終了のみで中間がない
    5.
    議事録をとらない
    Redmine
    なら 1
    ~ 4
    をチケット、5
    は Wiki
    で対策で
    きそう。
    8

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  9. 業務管理の Redmine
    化 1/4
    というわけで業務管理を Redmien
    化。さきほどの課
    題をひとつひとつ対策してゆきます。
    1. Excel
    シート運用にかなり時間を割いている
    Redmine
    へ移行にともない Excel
    シート廃止
    シート管理していた要素と Redmine
    の対応づけ
    作業、担当者、進捗、期限あたりがあれば OK
    Redmine
    チケットですべて置き換えられそう
    9

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  10. 業務管理の Redmine
    化 2/4
    2.
    同じ議論が回をまたいで繰り返される
    3.
    ほとんどのメンバーに関係のない議論が多い
    課題と議論は主にチケットで運用
    参加者は必要最小になる
    他者へ共有したければウォッチャーを追加
    議論が自動的にテキストとして記録
    いつでもどこでも読める
    10

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  11. 業務管理の Redmine
    化 3/4
    4.
    進捗管理は作業の着手と終了のみで中間がない
    チケットのステータス、進捗率、期限を利用
    担当者が更新するので上長は管理から開放
    いつでもどこでも更新・確認できる
    進捗率を出しにくければ 0
    ~ 100%
    更新も許可
    注記へ現状を文章として書くことも進捗とする
    進捗管理の目的は「現状」を把握すること
    11

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  12. 業務管理の Redmine
    化 4/4
    5.
    議事録をとらない
    議事録ドリブンを提案
    定例の前に Redmine Wiki
    へ議題を書く
    Wiki
    を読んでから参加
    議題はチケットへのリンクとして記述
    定例では Wiki
    をエディタ編集 &
    プレビュー
    議題のみの Wiki
    を定例の場で埋める感じ
    必ず議事録がとれて読み返せる
    12

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  13. Redmine
    をなじませる
    13

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  14. 既存の仕組みを尊重する 1/4
    なんらかのシステムやツールを採用する動機として以
    下があります。
    1.
    新しい課題を解決している
    2.
    既存の課題をよりよく解決
    1
    ならば賛同を集めやすそうです。
    しかし 2
    はどうでしょう。これは既存の仕組みや価
    値観を否定することになりがちです。
    素直に受け入れられるでしょうか?
    14

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  15. 既存の仕組みを尊重する 2/4
    Redmine
    導入事例にあげた組織は Excel
    シートで業
    務を管理していました。これは
    複数人の同時編集が難しい
    履歴が取りにくい
    セル管理の破綻しやすさ
    などの問題があります。Web
    ベースの TDD/BTS
    に比
    べるとメリットはほとんどないように見えます。
    それでも紙の帳票よりずっとマシで、例え紙でも管理
    されているだけで価値があります。
    15

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  16. 既存の仕組みを尊重する 3/4
    業務が管理されているなら方法は非効率でも現状が可
    視化されています。
    そして管理したいことは大抵、ヒト、コト、モノのよ
    うな典型があります。
    よって表現が異なっても概念は一緒なことが多く、加
    工すれば別の仕組みへ移行できるものです。
    事例であげた Excel
    シートも大半の項目は Redmine
    チケットに対応づけ可能でした。
    16

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  17. 既存の仕組みを尊重する 4/4
    以上を踏まえ
    既存の仕組みや管理者を尊重
    します。よくぞ管理してくれていました、と。そして
    Redmine
    導入や移行に際しては
    あなたの管理してきた情報は価値あるもので、それを
    より便利なツールに移行するだけ
    という点を強調。これは事実でもありますし、あえて
    明示的に強く伝えることで雰囲気もよくなります。
    17

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  18. 活況を演出する
    Redmine
    を導入しても使われなければ意味がありま
    せん。
    そして使われるとしても、それが自発的でなければす
    ぐに廃れるでしょう。ではどのように動機づけする
    か。
    ひとつの施策として活況の演出を提案します。
    18

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  19. 活況を演出する
    多くのユーザーに利用されて勢いのある状態を活況と
    定義します。
    この状態になれば黙っていてもユーザーは維持され、
    増えます。
    レストランに例えると、流行っている店は流行ってい
    ること自体が客を呼び込みます。
    Redmine
    の場合、みんなに使われているから使うと
    なるでしょう。
    19

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  20. 活況を演出する
    みんなに使われているように見せるため、Redmine
    導入 &
    推進者が積極的にコンテンツを増やしましょ
    う。
    Redmine
    の主なコンテンツは
    Wiki
    チケット
    です。これらを増やしてゆきます。
    20

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  21. 活況を演出する
    チケットよりも先に Wiki
    ページの構築をオススメし
    ます。理由は以下。
    文章を書くだけなので心理的に楽
    覚える規則がすくない
    Markdown/textile
    もさほど難しくない
    開発知識なしに Web
    ページ作成を体験できる
    環境面はすべて Redmien
    が面倒みてくれる
    Web
    ページ、便利なのはわかるけど難しそう...
    というハードルを解決
    21

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  22. 活況を演出する
    Wiki
    ページに書くものとしては
    1.
    資料
    2.
    業務メモ
    3.
    議事録
    4.
    日報
    あたりがよいでしょう。定期もの (
    例えば議事録)

    あれば前回のを見本に書いてみてくださいという感じ
    で Redmine
    経験の機会をつくりやすいです。
    22

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  23. 活況を演出する
    Wiki
    ページが自発的に書かれるようになったらチケ
    ットの普及に挑戦してみましょう。
    先に Redmine
    導入 &
    推進者がチケットで業務や雑務
    を管理して、それを見本とします。
    といっても Wiki
    に比べると心理的なハードルはかな
    り高いはず。
    私が見聞きした範囲だとなにをチケットにすればよい
    かわからないという意見が多かったですね。
    23

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  24. 活況を演出する
    なにをチケットにすればよいかわからない理由として

    1.
    チケット =
    業務の可視化、に抵抗感がある
    2.
    業務を小さく分解するのに慣れていない
    3. Redmine
    に関する理解の不足
    という感じ。
    3
    は時間と経験が解決してくれるとして、1
    と 2
    は心
    理的なハードルと概念の教育が絡むので解決するのは
    けっこう難しい。
    24

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  25. 活況を演出する
    対策として必ず短期で終了する雑務のチケット化はオ
    ススメです。例えば
    備品購入
    掃除
    など。長くても 1
    日かからず、効果を目視しやすいも
    のがよいでしょう。
    目的と期間がはっきりしているためチケットにする抵
    抗感はかなり小さいはず。
    25

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  26. 活況を演出する
    このような感じで Wiki
    やチケット運用を体験しても
    らう人数を増やしてゆくと
    演出されていた活況が本物
    になります。Redmine
    以外にもチャットワークや
    Slack
    なども組み合わせると更によいです。
    Wiki
    やチケットを更新したらチャットでお知らせし
    ます。Redmine
    にもメール通知機能はありますが、
    チャットなら同時・多数・即時に通知できるため活況
    感を強調できます。
    26

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  27. マメなサポート
    Redmine
    に関する
    疑問
    トラブル
    要望
    はマメに対応しましょう。こうした問題は Redmine
    と組織のギャップにあたります。ギャップは放置する
    と忌避感を生みます。
    解決すれば逆に親近感を得られるでしょう。サポート
    がマメ =
    迅速ならば活況の演出にもなります。
    27

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  28. マメなサポート
    サポートの方法としては
    チャット
    Redmine Wiki
    Redmine
    チケット
    あたりが考えられます。コストや記録の観点から非同
    期なテキスト ベースの仕組みで対応することをオス
    スメします。
    対面は最後の手段です。
    28

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  29. マメなサポート
    近年は業務でチャット サービスが普及しています。
    代表的なものだと
    Slack
    ChatWork
    など。このようなサービスを利用しているなら
    Redmine
    専用のチャット ルームを用意します。
    ここにはユーザー全員を招待して、Redmine
    に関す
    る議論ならなんでも投稿できるようにします。
    29

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  30. マメなサポート
    チャットや対面などで Redmine
    に関する質疑応答や
    知見がたまってきたら Wiki
    に FAQ
    などの形で記録し
    ましょう。
    テキスト ベースな仕組みで固めているならコピペで
    運用できます。
    より高度に効率化するならチャットと Redmine
    を連
    携させてこの辺を自動化するのもよいですね。
    例えば Redmine
    ルームの書き込みを REST API

    Wiki
    ページ化するなど。
    30

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  31. マメなサポート
    チャット以外の対話方法として Redmine
    チケットも
    オススメ。
    チャット代替となるだけでなく、チケットに親しむ機
    会としても有用です。例えば
    プロジェクト作成依頼
    リポジトリー作成依頼
    といった Redmine
    運用に関わるものはそれ自体をチ
    ケットで管理します。
    31

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  32. 課題
    32

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  33. 課題
    ここまでの内容をみると大成功しているように見えま
    すが、
    Redmine
    のなじまない人、部署がある
    タスクや工数管理に別サービスが利用されている
    といった課題もあります。
    これは教育や不足している機能のプラグイン補完など
    による対応を検討していますが、道のりは長い...
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  34. 課題
    最近、日本の Redmine
    界隈で話題?になった記事
    Redmine
    の直近の課題~競合ツールGitlab
    に対抗で
    きるか:
    プログラマの思索

    で挙げられている内容は Redmine
    運用していて強く
    実感させられる課題です。
    私的には環境面の運用が厳しい。インストール、更
    新、プラグインやテーマの配布と互換性など。
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  35. ご静聴、
    ありがとうございました!!
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