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Pythonのじゃないけれど 本を書いた話

Pythonのじゃないけれど 本を書いた話

Pythonのじゃないけれど
本を書いた話

GOTOH Shunsuke

July 08, 2023
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Transcript

  1. 自己紹介 • 名前:後藤 俊介 • 所属:有限会社 来栖川電算 • コミュニティ:🌟機械学習名古屋, 🌟JuliaTokai,

    ⭐Python東海, ⭐jl.dev, … • 言語:Julia, Python, Scala(勉強中), … • SNS等:                  (@antimon2) • SNS等(2):      (@antimon2.jl) • Julia 本 執筆しました!🆕
  2. Julia とは?(1) • The Julia Language • 最新 v1.9.2(2023/07/05) ◦

    LTS:v1.6.7(2022/07/19) ◦ 次期:v1.10.0-α1(2023/07/06) • 科学技術計算に強い! • 動作が速い!(LLVM JIT コンパイル)
  3. Julia とは?(2) • Rのように中身がぐちゃぐちゃでなく、 • Rubyのように遅くなく、 • Lispのように原始的またはエレファントでなく、 • Prologのように変態的なところはなく、

    • Javaのように硬すぎることはなく、 • Haskellのように抽象的すぎない ほどよい言語である 引用元:http://www.slideshare.net/Nikoriks/julia-28059489/8
  4. Julia とは?(3) • C のように高速だけど、 Ruby のようなダイナミズムを併せ持っている • Lisp のような真のマクロを持ちながら、

    MATLAB のような直感的な数式表現もできる • Python のように総合的なプログラミングができて、 R のように統計処理も得意で、 Perl のように文字列処理もできて、 MATLAB のように線形代数もできて、 shell のように複数のプログラムを組み合わせることもできる • 超初心者にも習得は容易でありながら、 ハッカーの満足にも応えられる • インタラクティブな動作環境もあって、コンパイルもできる (Why We Created Julia から抜粋・私訳)
  5. 発端 • 突然編集者の方から Twitter DM が届く • Qiita や Twitter

    で Julia の 記事書いたり質問に答えていた のが目にとまった(らしい)
  6. こちらからの逆提案 • Juliaの入門的解説書。日本語でまとまった情報があまり提供されてい ないJuliaの仕様や特徴を理解してもらう。(ここまでは同意) • 3部構成: ◦ 入門編:Juliaの仕様やコンセプトを理解してもらい、基本的な文法 の解説をして「Julia を使える」ようになってもらう

    ◦ 基本編:Julia の標準ライブラリ関数や固有の機能を詳解(>紹介) し、Julia を Juliaらしく使いこなす ことを目指す ◦ 実践編:実際の応用として執筆時点でホットな話題に着目し、より具 体的で実用的な実践への発展を目標とする
  7. サンプルコード公開 • 刊行直前頃に、作り貯 めておいた Jupyter Notebook 形式のサ ンプルコードを Github で公開

    • (『“py”がつく』実績解除) https://github.com/antimon2/JuliaBook2023Samples.jl
  8. JupyterLab • ご存じ Python ベースの Notebook 環境(IDE) • 言語カーネルを追加することで Python

    以外の言語も扱える • もちろん Julia 用のカーネルも 存在(IJulia.jl) • てか Jupyter は 「Julia」+「Python」+「R」 から命名されたのは有名な話 ◦ “t” と “r” の間の “e” はどこから来 たの? 突っ込むところまでがセット w https://jupyter.org/
  9. Pluto.jl • Pure Julia の Notebook 環 境 • シンプル・軽量を謳っている

    • Julia の本だからこっちでも良 かったんじゃないの? ◦ というツッコミが入る可能性も当然 あったのですが… https://plutojl.org/
  10. JupyterLab vs Pluto.jl (1) JupyterLab (Jupyter Notebook) • セルごとの実行もできる(REPLと同じ感 覚)し、一括で実行もできる

    • セルタイプを「Code」「Markdown」など と切り替えができる • 多機能で、多くの機能がキーボードショート カットでも操作できる 個人的にはセルのコピー機能が重宝してい る • ファイル形式は .ipynb 形式(各種メタ情報 や出力結果なども保持するJSON形式) Pluto.jl • セルの変更が、依存する他のセルに影響し 自動で再実行される (ノートブックを開いた直後は全て再実行が 走るので重い処理が書いてあると重い) • セルはJuliaの有効な式が入力できるだけ、 ただし `md”~”` で markdown を入力 できる(markdown文字列オブジェクト) • シンプルすぎてセルのコピー機能すらない (自分が知らないだけかもしれない…) • ファイル形式は .jl 形式(普通のJuliaソー スファイル形式、メタ情報はコメントとして 埋め込まれる) 基本機能の比較
  11. JupyterLab vs Pluto.jl (2) JupyterLab (Jupyter Notebook) • セルの実行結果が特殊なオブジェクトの場 合は適切なレンダリング(例:画像(グラフプ

    ロット含む)、表形式、Markdown等) • セルの先頭文字によって特殊入力(“?” で ヘルプ、“]” でパッケージモード等) • 『REPL でできることはほぼなんでもでき る』環境 ◦ module 定義できる ◦ ソフトスコープ(だったと思う、要確認) ◦ 複数行入力等 Pluto.jl • セルの実行結果が特殊なオブジェクトの場 合は適切なレンダリング(例:画像(グラフプ ロット含む)、表形式、Markdown等) • 特殊入力システムはない(“using XXX” 等 としたときそのパッケージが未導入なら勝 手に導入してくれる便利機能はあり) • 色々制限あり: ◦ module 定義できない ◦ ハードスコープ(だったと思う、要確認) ◦ 複数行入力したかったら明示的にブロック (begin~end)を記述する必要あり Julia の実行環境としての機能比較
  12. JupyterLab vs Pluto.jl (3) • module が定義できない ◦ Julia の入門書として「module」の定義は当然必要になってくるがそれがサン

    プルコードとして提供できない • 標準出力が直感的に表示できない(できなかった) ◦ 執筆時点 ◦ こちらは昨年辺りのバージョンで改善され普通に `println()` の結果がセル の下に表示されるようになった • REPL との感覚があまりに違いすぎる ◦ 書籍内のコードはほぼ全て「REPL に打ち込んで動かしてみる」という体で記述 していたのでそれに全く合わない Pluto.jl を採用しなかった決定的な理由
  13. JupyterLab vs Pluto.jl (4) • REPL との感覚の差があまりない ◦ 書籍内のコードはほぼ全て「REPL に打ち込んで動かしてみる」という体で記述

    していたのでそれとかなりよくマッチする • プレイグラウンドも充実している ◦ MyBinder、Google Colab、Studio Lab 等でオンラインで実行できる ◦ MyBinder と Studio Lab についてはリポジトリトップに launch ボタンも ◦ (なお Pluto.jl 形式のノートブックも MyBinder で実行できる) • REPL で実行する用の .jl ファイルも簡単に出力できた ◦ jupytext を利用 JupyterLab を採用した建設的な理由
  14. 補足(弁護) • Pluto.jl も「実験結果の共有」には便利だよ ◦ ノートブック編集画面の見た目そのままHTML化 ◦ HTML 形式で出力すると 元の

    .jl ファイル (Pluto.jl ノートブック形式)のダウンロードもでき る • 要は目的による使い分け・棲み分け
  15. 数学と物理における Juliaの活用 • 7/10-12 九州大学(福岡)に 行ってきます • Julia のチュートリアル講演して きます(3コマのうち後ろ2コマ、

    約2時間(!)) • オンライン視聴できる(まだ申込 受け付けている)そうなので、ご 興味があればぜひ! https://akio-tomiya.github.io/julia_imi_workshop2023/