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GDPRが生まれた背景と目指す先/Background of GDPR and what it aims for

Ara
July 06, 2018

GDPRが生まれた背景と目指す先/Background of GDPR and what it aims for

Ara

July 06, 2018
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  1. GDPR = General Data Protection Regulation (一般データ保護規則) • EEA(欧州経済領域)の個人データ保護が目的 •

    欧州議会、欧州理事会、欧州委員会が 2016年4月27日に制定、2018年5月25日より実施
  2. GDPR 遵守の対象者 1. EU 加盟国に物品/サービスを提供している 2. EU 加盟国居住者の行動をトラッキングしている 3. EU

    加盟国内の個人から生成された何らかのデータを取り扱っている ※ 守らなければ、最大 2000 万ユーロ(約 22 億 6000 万円)   または前年度売上の 4 % の制裁金
  3. GDPR が生まれた背景 • Google Books 世界の著名な図書館の電子図書館化を Google が サポートしたが、電子化された膨大な著作物は、 Google

    の AI 開発の「知性の源泉」に利用された → 欧米の図書館同盟は法廷闘争に踏み切った • スノーデン事件 2013年6月、米国家安全保障局(NSA)が 極秘に世界中の個人情報を収集していたことを CIA 元職員のエドワード・スノーデンが告発
  4. 個人データは多大な富を生み出す • 個人データを蒐集・解析 → 高い精度のターゲット広告 → 売れる • 米国のデジタル広告収益は、Google と

    Facebook でほぼすべてを占める   例えば Facebook は、ブラウザに「追跡クッキー」を挿入し   ユーザが訪れる全サイト情報を蒐集している
  5. 欧州委員会からの断罪 • 2014年: Google に「忘れられる権利」を遵守する必要があると命じた • 2017年: Facebook の WhatsApp

    買収に対して「誤解を招く間違った情報を     意図的に提供した」として約 146 億円の罰金刑 • 2017年: Google に検索の独占権を乱用したとして約 3194 億円の罰金 • 問題視されていること: ◦ Google や Facebook のビジネスシステムは、 ブレグジットや米大統領選挙で政治アクターに利用された ◦ 個人データ蒐集と錬金術は、データポリティクスやサイバー犯罪に転用されるリスク ◦ 膨大な個人データをもつエンティティは、想定外の問題を引き起こす火種