Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

【CEDEC2024】鉄拳8で進化した補助骨とその応用例の紹介

 【CEDEC2024】鉄拳8で進化した補助骨とその応用例の紹介

鉄拳8では筋肉表現を初めとして7から進化した表現があります。その表現を実現するために補助骨も一躍を担っています。
本セッションでは、鉄拳8のために導入した補助骨の機能と実装の紹介と共に、鉄拳8でどのように補助骨が使われたか、代表的な筋肉表現以外の応用例も含めてご紹介します。

Bandai Namco Studios Inc.

December 24, 2024
Tweet

More Decks by Bandai Namco Studios Inc.

Transcript

  1. 鉄 拳 8 で 進 化 し た 補 助

    骨 と そ の 応 用 例 の 紹 介 TEKKEN 8 & ©Bandai Namco Entertainment Inc. 発売元:株式会社バンダイナムコエンターテインメント 株 式 会 社 バ ン ダ イ ナ ム コ ス タ ジ オ S O L - A V E S 開 発 室 エ ン ジ ン ユ ニ ッ ト 1 ア ニ メ ー シ ョ ン セ ク シ ョ ン テ ク ニ カ ル デ ィ レ ク タ ー 野 村 克 裕 株 式 会 社 バ ン ダ イ ナ ム コ ス タ ジ オ ア ー ト ス タ ジ オ 第 1 グ ル ー プ 制 作 1 部 テ ク ニ カ ル ア ニ メ ー シ ョ ン 課 テ ク ニ カ ル ア ニ メ ー タ ー 兼 リ ガ ー 近 藤 直 樹
  2. 鉄 拳 8 に お け る 補 助 骨

    の 役 割 • アニメーション骨に連動して自動的に動かす骨 ※ アニメーション骨 = 動きがある骨 • スキニング時の形状補正に主に使用 補助骨とは 本資料では開発中の画像を使用しています
  3. 鉄 拳 8 に お け る 補 助 骨

    の 役 割 • 鉄拳7までは、補助骨を用いてボリューム不足などのスキニング時に 不自然になる形状補正のために使用 • 鉄拳8では筋肉表現を中心に鉄拳ならではの表現を追求 鉄拳7から8へ役割の変化 本資料では開発中の画像を使用しています
  4. 鉄 拳 8 に お け る 補 助 骨

    の 役 割 使用した補助骨数 • 全身:34本 → 245本 • 鉄拳8で追加した独自要素 • 瞼の自動制御:34本 • パンプアップ:14本 • アリサなどのギミック:80本 本資料では開発中の画像を使用しています
  5. 補 助 骨 の 紹 介 • 鉄拳7以前の補助骨 • 形状補正のために限定した機能

    • 拡張性は乏しい • 鉄拳8の補助骨「AnimaDriver」 • 補助骨の仕組みを細分化した機能として実装 • 元々要望があった筋肉表現の改善だけでなく、独自に新しい表現も 行えるように拡張性のある構造として再構築 新しい補助骨 鉄拳8の補助骨「AnimaDriver」 鉄拳7以前の補助骨 2020年10月 開発スタート 2021年12月 鉄拳8向けの機能 収束 現在 別プロジェクト向けに 改良中 2021年3月 筋肉表現の機能 実装完了
  6. 補 助 骨 の 紹 介 • Source : アニメーション骨からローカルTransformのデータを取得

    • Target : ローカルTransformのデータを補助骨に設定 • Calc : 取得したデータに対して四則演算などの計算を行う • Constraint : AimConstraint (向きの制御) • Solver : RBF補間(多次元ドリブンキー)、Jiggle(揺れ) • その他 : AnimCurve(1次元ドリブンキー)、BlendWeighted(ブレンド) (Mayaノード) AnimaDriver の6つの機能ノード アニメーション骨 アニメーション骨 SourceTranslate VectorCalc TargetTranslate 補助骨 SourceRotate SourceRotate QuaternionCalc TargetRotate RBFSolver アニメーション骨 SourceRotate TargetScale 補助骨
  7. 補 助 骨 の 紹 介 • DCCツール(Maya)で設定した制御をゲーム側でも再現 するために、Maya側とゲーム側で同じ補助骨システムを実装 •

    データはMayaからエクスポートし、ゲーム側でインポート • 補助骨毎にAnimaDriverの接続情報をエクスポート ワークフロー Maya UE5 AnimaDriver (プラグイン) 内製ゲームエンジン (プラグイン)
  8. 各 機 能 紹 介 • データの受け渡しを行うノード • Source と

    Target ではデータのオフセット・スケール・基準空間の変更も可能 ※鉄拳8では基準空間は親空間での計算しか行われていないため、未使用 Source・Targetノード Source:データを取得 Target:データを設定 Referencing:データを参照 本資料では開発中の画像を使用しています
  9. 各 機 能 紹 介 • Mayaとゲームで使用するデータ Source・Targetノード Maya アニメーション骨

    AnimaDriver 補助骨 Translate Rotate Scale Translate Rotate Scale ゲーム アニメーション骨 AnimaDriver 補助骨 ObjectSpace Matrix Object Matrix 補助骨 Object Matrix ローカルTransformでのデータのやり取り PostProcessでの処理のため、オブジェクト空間のマトリクスでのデータのやり取り
  10. 各 機 能 紹 介 • Mayaとゲームで使用するデータ Source・Targetノード Maya アニメーション骨

    AnimaDriver 補助骨 Translate Rotate Scale Translate Rotate Scale ゲーム アニメーション骨 AnimaDriver 補助骨 ObjectSpace Matrix Object Matrix 補助骨 Object Matrix ローカルTransformでのデータのやり取り PostProcessでの処理のため、オブジェクト空間のマトリクスでのデータのやり取り オブジェクト空間 || キャラクタに対して 相対となる空間 本資料では開発中の画像を使用しています
  11. 各 機 能 紹 介 • Mayaとゲームでの処理の差を吸収 • AnimaDriverの内部処理は全てローカルTransformで計算 •

    回転はQuaternionに変換後に使用可能な各回転表現に変換 • ゲーム側ではオブジェクト空間のマトリクス⇔ローカルTransformへの変換を実行 Source・Targetノード アニメーション骨 他のAnimaDriver SourceTranslate SourceRotate SourceScale アニメーション骨 アニメーション骨 Translate Vector3 各回転表現 他のAnimaDriver 他のAnimaDriver Eulerを取得後、Quaternionへ変換。Quaternionから各回転表現に変換 Vector3 Maya Rotate(Euler) Scale
  12. 各 機 能 紹 介 • Mayaとゲームでの処理の差を吸収 • AnimaDriverの内部処理は全てローカルTransformで計算 •

    回転はQuaternionに変換後に使用可能な各回転表現に変換 • ゲーム側ではオブジェクト空間のマトリクス⇔ローカルTransformへの変換を実行 Source・Targetノード アニメーション骨 他のAnimaDriver SourceTranslate SourceRotate SourceScale アニメーション骨 アニメーション骨 ObjectMatrix Vector3 各回転表現 他のAnimaDriver 他のAnimaDriver オブジェクト空間のマトリクスを取得後、Quaternionへ変換。Quaternionから各回転表現に変換 Vector3 ゲーム ObjectMatrix ObjectMatrix
  13. 各 機 能 紹 介 • Mayaとゲームでの処理の差を吸収 • AnimaDriverの内部処理は全てローカルTransformで計算 •

    回転はQuaternionに変換後に使用可能な各回転表現に変換 • ゲーム側ではオブジェクト空間のマトリクス⇔ローカルTransformへの変換を実行 Source・Targetノード 他のAnimaDriver 補助骨 TargetTranslate TargetRotate TargetScale 他のAnimaDriver 他のAnimaDriver Vector3 Translate Rotate(Euler) 補助骨 補助骨 各回転表現からQuaternionへ変換。QuaternionからEulerに変換 Scale Maya 各回転表現 Vector3
  14. 各 機 能 紹 介 • Mayaとゲームでの処理の差を吸収 • AnimaDriverの内部処理は全てローカルTransformで計算 •

    回転はQuaternionに変換後に使用可能な各回転表現に変換 • ゲーム側ではオブジェクト空間のマトリクス⇔ローカルTransformへの変換を実行 Source・Targetノード 他のAnimaDriver TargetTranslate TargetRotate TargetScale 他のAnimaDriver 他のAnimaDriver 補助骨 ObjectMatrix 各回転表現からQuaternionへ変換。Quaternionからオブジェクト空間のマトリクスに変換 ゲーム Vector3 各回転表現 Vector3
  15. 各 機 能 紹 介 • 回転表現 • BendRoll(曲げ・捻り)、Quaternion、ExponentialMap(対数クォータニオン) Euler

    の4タイプ • Source : BendRoll、Quaternion、ExponentialMap • Target : BendRoll、Quaternion、ExponentialMap、Euler • RBFを使用する場合にEulerを使用(詳細は後述) • BendRollの曲げはステレオ投影を用いて縦横2方向の曲げにさらに分解 • 曲げ・捻りの分解順序は選択可能 Source・Targetノード 曲げ・捻り 捻り・曲げ 本資料では開発中の画像を使用しています
  16. 各 機 能 紹 介 • 変換による問題 • ゲーム側では、オブジェクト空間のマトリクス⇔ローカルTransformでの 変換が行われるが、変換時に数値誤差が発生。

    誤差によって結果に差が出るケースがあった Source・Targetノード Sourceノードの変換誤差による振動 本資料では開発中の画像を使用しています
  17. 各 機 能 紹 介 • 変換による問題の解決 • 変換処理を行った時点で誤差の発生やScale値に差が出る問題は 避けられなかったため、ローカルTransformを別途保持し、

    そこから値を取得することで回避 Source・Targetノード アニメーション骨 他のAnimaDriver SourceTranslate SourceRotate SourceScale アニメーション骨 アニメーション骨 Translate Vector3 各回転表現 他のAnimaDriver 他のAnimaDriver Quaternionから各回転表現に変換 Vector3 Quaternion Scale ローカルTransform ゲーム
  18. 各 機 能 紹 介 • VectorとQuaternion用の計算ノード • Vector •

    Add/Sub/Multiply/Divide(四則演算) • Dot(内積) • Cross(外積) • Length(長さ) • Sum(合計値) • Lerp(線形補間) • BaseMultiply(基準からの相対値を乗算) • 計算結果に対してアトリビュート毎の制限も可能 Calcノード (𝐼𝑛𝑝𝑢𝑡𝐴 − 𝐵𝑎𝑠𝑒𝐼𝑛𝑝𝑢𝑡) ∗ 𝐼𝑛𝑝𝑢𝑡𝐵 + 𝐵𝑎𝑠𝑒𝐼𝑛𝑝𝑢𝑡 • Quaternion • Multiply(乗算) • Dot(内積) • Negate(符号反転) • Conjugate(共役) • Inverse(逆クォータニオン) • Normalize(正規化) • Slerp(球面線形補間)
  19. 各 機 能 紹 介 • RBF(Radial Basis Function)ノード •

    RBF補間 • 入力したN個の点列(𝑋1 , 𝑌1 ), ⋯ , (𝑋𝑁 , 𝑌𝑁 )を通る滑らかな補間を行う手法 • 多次元における補間も可能 • 補間曲線はLinear、Gaussian、MultiQuadricなど7種類が選択可能 • 鉄拳8では、全てLinearで制御 Solverノード
  20. 各 機 能 紹 介 • RBF(Radial Basis Function)ノード •

    ポーズ(=入力した点)を登録し、登録したポーズを基に補間 • 𝑋:Driver のアトリビュート • 𝑌:Driven のアトリビュート Solverノード 𝑋:肘の曲げ・手首の捻り 𝑌:補助骨のSRT (黄色) 登録したポーズ 本資料では開発中の画像を使用しています
  21. 各 機 能 紹 介 • RBF(Radial Basis Function)ノード •

    ポーズ(=入力した点)を登録し、登録したポーズを基に補間 • 𝑋:Driver のアトリビュート • 𝑌:Driven のアトリビュート Solverノード 登録したポーズ Driver Driven 本資料では開発中の画像を使用しています 𝑋:肘の曲げ・手首の捻り 𝑌:補助骨のSRT (黄色)
  22. 各 機 能 紹 介 • RBF(Radial Basis Function)ノード •

    RBFの出力値の回転表現はEulerを主に使用 • RBFのポーズ登録時に編集を簡易にするため、Viewportで編集した値を 即時反映する機能を作成 • 登録される値がEulerのため、回転表現としてEulerを使用できるように対応 Solverノード 1.ポーズを登録 2.編集モードに移行 4.編集モードを解除 ポーズ編集の流れ 3.ポーズを編集 本資料では開発中の画像を使用しています
  23. 各 機 能 紹 介 • RBF(Radial Basis Function)ノード •

    拡張機能 1. Driver の値の制限機能(登録したポーズ外の入力があった時の破綻対策) • 登録したポーズの最小値と最大値で Driver の値を制限 2. 出力のベース値設定(Scaleに対してRBFで補間した場合に値が0になってしまう対策) • ポーズがない時や補間できない時はベース値に戻るように設定 • ベース値を引いた状態で計算し、最後にベース値を加算 Solverノード 制限オフ 制限オン 本資料では開発中の画像を使用しています
  24. 各 機 能 紹 介 • RBF(Radial Basis Function)ノード •

    拡張機能 1. Driver の値の制限機能(登録したポーズ外の入力があった時の破綻対策) • 登録したポーズの最小値と最大値で Driver の値を制限 2. 出力のベース値設定(Scaleに対してRBFで補間した場合に値が0になってしまう対策) • ポーズがない時や補間できない時はベース値に戻るように対応 • ベース値を引いた状態で計算し、最後にベース値を加算 Solverノード ベース値 0 ベース値 1 ベース値1を 設定 本資料では開発中の画像を使用しています
  25. 各 機 能 紹 介 • RBF(Radial Basis Function)ノード •

    拡張機能 1. Driver の値の制限機能(登録したポーズ外の入力があった時の破綻対策) • 登録したポーズの最小値と最大値で Driver の値を制限 2. 出力のベース値設定(Scaleに対してRBFで補間した場合に値が0になってしまう対策) • ポーズがない時や補間できない時はベース値に戻るように対応 • ベース値を引いた状態で計算し、最後にベース値を加算 Solverノード 0.0 𝑌: Driven値 𝑋:Driver値 ベースのDriven値 0.0 𝑌: Driven値 𝑋:Driver値 計算後にベース値 を加算
  26. 各 機 能 紹 介 • RBF(Radial Basis Function)ノード •

    拡張機能 1. Driver の値の制限機能(登録したポーズ外の入力があった時の破綻対策) • 登録したポーズの最小値と最大値で Driver の値を制限 2. 出力のベース値設定(Scaleに対してRBFで補間した場合に値が0になってしまう対策) • ポーズがない時や補間できない時はベース値に戻るように対応 • ベース値を引いた状態で計算し、最後にベース値を加算 Solverノード ベース値 0 ベース値 1 本資料では開発中の画像を使用しています
  27. 各 機 能 紹 介 • RBF(Radial Basis Function)ノード •

    高速化対応 • RBFの処理負荷はポーズ数とアトリビュート数に依存しているため、 数を減らすことで高速化 1. 1つのRBFノードに集約している場合はポーズ数や アトリビュート数が大きくなるため、補助骨毎に分割 2. 無駄なポーズやDriver・Driven用のアトリビュートの削除 • 同じ値になっているポーズを削除 • 接続がないアトリビュートを削除 • 全ポーズで値に変化がないアトリビュートを削除 Solverノード 45%に削減 本資料では開発中の画像を使用しています
  28. 各 機 能 紹 介 • Jiggleノード • Spring-Damperによる揺れ機能 •

    𝐹 = −𝑘 ∗ 𝑥 − 𝑟𝑒𝑠𝑡𝑋 − 𝑐 ሶ 𝑥 • 𝑘:バネ係数 • 𝑟𝑒𝑠𝑡𝑋 ∶ 揺れの中心 • 𝑐:減衰率 • 揺れの結果の割合(0~1)と揺れ幅の制限の設定も可能 Solverノード 𝑘 𝑘 𝑐
  29. 各 機 能 紹 介 • Jiggleノード • 鉄拳8においては筋肉の揺れで使用 •

    筋肉の動きの結果に揺れ(Translate・Rotateでの揺れ)を追加 Solverノード ※ゲーム中の揺れと同じではありません 本資料では開発中の画像を使用しています • 揺らした個所 • 大殿筋、大胸筋、広背筋、 三角筋、上腕、上腿、下腿
  30. 各 機 能 紹 介 • Jiggleノード • 鉄拳8における筋肉の揺れ機能 •

    𝐹 = −𝑘 ∗ 𝑥 − 𝑟𝑒𝑠𝑡𝑋 − 𝑐 ሶ 𝑥 • 𝑘:バネ係数 • 𝑟𝑒𝑠𝑡𝑋 ∶ 揺れの中心(筋肉の動きの結果) • 𝑐:減衰率 Solverノード 本資料では開発中の画像を使用しています
  31. 各 機 能 紹 介 • Jiggleノード • 揺れない原因 •

    ローカルTransformでの動きのため、動きの影響度が小さく揺れない ⇒ キャラクタの動きの変化量を揺れの外力として追加 Solverノード 本資料では開発中の画像を使用しています
  32. 各 機 能 紹 介 • Jiggleノード • 揺れない原因 •

    ローカルTransformでの動きのため、動きの影響度が小さく揺れない ⇒ キャラクタの動きの変化量を揺れの外力として追加 Solverノード 本資料では開発中の画像を使用しています
  33. 各 機 能 紹 介 • Jiggleノード • 揺れない原因 •

    ローカルTransformでの動きのため、動きの影響度が小さく揺れない ⇒ キャラクタの動きの変化量を揺れの外力として追加 Solverノード 10倍スローでの再生時 本資料では開発中の画像を使用しています
  34. 各 機 能 紹 介 • Jiggleノード • スロー時に揺れない原因 •

    スロー再生時はdeltaTimeが小さくなるため揺れない ⇒ 1/60秒動いた揺れの結果をdeltaTimeで分割して使用 Solverノード 本資料では開発中の画像を使用しています
  35. 各 機 能 紹 介 • Jiggleノード • スロー時に揺れない原因 •

    スロー再生時はdeltaTimeが小さくなるため揺れない ⇒ 1/60秒動いた揺れの結果をdeltaTimeで分割して使用 Solverノード 本資料では開発中の画像を使用しています
  36. 各 機 能 紹 介 • Jiggleノード • 鉄拳8における筋肉の揺れ機能(最終結果) •

    𝐹 = −𝑘 ∗ 𝑥 − 𝑟𝑒𝑠𝑡𝑋 − 𝑐 ሶ 𝑥 + 𝐹𝑒𝑥𝑡𝑒𝑟𝑛𝑎𝑙 • 𝑘:バネ係数 • 𝑟𝑒𝑠𝑡𝑋 ∶ 揺れの中心(筋肉の動きの結果) • 𝑐:減衰率 • 𝐹𝑒𝑥𝑡𝑒𝑟𝑚𝑎𝑙 ∶ 外力(親骨の移動値) • 1/60秒以上動いた場合に揺れを計算 • スロー時は1/60秒での動いた結果を分割 Solverノード
  37. 各 機 能 紹 介 • Jiggleノード • 鉄拳8における筋肉の揺れ機能 •

    実運用では常に揺らしているがほとんど揺れていない状態 • 演出面など様々なタイミングで形状が崩れる事が問題になった Solverノード 最終結果 テスト 本資料では開発中の画像を使用しています
  38. 各 機 能 紹 介 • AnimaDriver設定用のGUIを作成し設定をサポート • 計算には必要だがユーザが意識する必要のないノードの自動接続 •

    RBFのDriver・Driven・ポーズ設定の簡易化 • よく使う機能の簡易作成・ミラー・設定のインポート/エクスポート 設定をサポートするツール群の紹介 本資料では開発中の画像を使用しています
  39. 各 機 能 紹 介 • AnimaDriver設定用のGUIを作成し設定をサポート • 計算には必要だがユーザが意識する必要のないノードの自動接続 •

    RBFのDriver・Driven・ポーズ設定の簡易化 • よく使う機能の簡易作成・ミラー・設定のインポート/エクスポート 設定をサポートするツール群の紹介 本資料では開発中の画像を使用しています
  40. 各 機 能 紹 介 • AnimaDriver設定用のGUIを作成し設定をサポート • 計算には必要だがユーザが意識する必要のないノードの自動接続 •

    RBFのDriver・Driven・ポーズ設定の簡易化 • よく使う機能の簡易作成・ミラー・設定のインポート/エクスポート 設定をサポートするツール群の紹介 本資料では開発中の画像を使用しています
  41. 補 助 骨 を 使 っ た 独 自 表

    現 • 既存の補助骨の仕組みに後付け • アニメーションでパンプアップを制御可 • MayaとUEの双方で確認が可能 パンプアップ 本資料では開発中の画像を使用しています
  42. 補 助 骨 を 使 っ た 独 自 表

    現 パンプ制御用骨のTranslateやScaleを補助骨の計算に追加するこ とでアニメーションによって外から追加表現をできるように拡張 パンプアップ パンプアップ制御用骨 アニメーション骨 補助骨の仕組み パンプアップの仕組み 補助骨 既存の補助骨の仕組み 加算
  43. 補 助 骨 を 使 っ た 独 自 表

    現 全22箇所に追加し14の骨で制御 パンプアップ 本資料では開発中の画像を使用しています
  44. 補 助 骨 を 使 っ た 独 自 表

    現 切断部がバレないようにして 切り離す仕組み 部位の切り離し 本資料では開発中の画像を使用しています
  45. 補 助 骨 を 使 っ た 独 自 表

    現 切り離される部分が上腕や首の中間にあるた め胴体側と切断側に同じ補助骨の仕組みを持 たせる必要がある 部位の切り離し 本資料では開発中の画像を使用しています
  46. 補 助 骨 を 使 っ た 独 自 表

    現 部位の切り離し 本資料では開発中の画像を使用しています 切断側の補助骨の仕組み 切断側の骨 胴体側の骨 どちらからも 影響を受ける 切断部周辺 胴体側の補助骨の仕組み
  47. 補 助 骨 を 使 っ た 独 自 表

    現 部位の切り離し 本資料では開発中の画像を使用しています 切断側の補助骨の仕組み 切断側の骨 胴体側の骨 胴体側の補助骨の仕組み 複製 複製 胴体側の骨 胴体側の補助骨の仕組み 切断側の補助骨の仕組み 切断側の骨 切断しても形状が維持 できるように必要な骨 と補助骨の仕組みを複 製
  48. 補 助 骨 を 使 っ た 独 自 表

    現 部位の切り離し 本資料では開発中の画像を使用しています 切断側の補助骨の仕組み 切断側の骨 胴体側の骨 胴体側の補助骨の仕組み 複製 複製 胴体側の骨 胴体側の補助骨の仕組み 切断側の補助骨の仕組み 切断側の骨 構造はなるべくシンプルに作る
  49. 補 助 骨 を 使 っ た 独 自 表

    現 部位の切り離し 本資料では開発中の画像を使用しています 切断側の骨 胴体側の骨 切断側の骨 胴体側の骨 切断 複製 切断側の骨 複製 胴体側の骨 複製 切断側の骨 複製 胴体側の骨 構造は維持したままコンストレインで追従
  50. 補 助 骨 を 使 っ た 独 自 表

    現 部位の切り離し 本資料では開発中の画像を使用しています • 既存の補助骨の変形を維持したまま切り離す • 前作のアニメーションが流用できる • 既存の補助骨の仕組みを壊さない • アニメーションで切断のON/OFF • MayaとUEの双方で確認 • なるべく軽量に
  51. 補 助 骨 を 使 っ た 独 自 表

    現 ゲーム中の視線移動で瞼を追従させる ことで自然な表情を実現 瞼の自動追従 本資料では開発中の画像を使用しています
  52. 補 助 骨 を 使 っ た 独 自 表

    現 キャラクターによって眼球の大きさや瞼の形状が違うこと、 キャラクターごとの個性が表現できることが重要なので 後から微調整できる仕組みを追加 瞼の自動追従 上瞼の動く割合 下瞼の動く割合 視線(眼球の向き) 瞼が眼球に沿う仕組み 瞼の骨 瞼の動きを調整 本資料では開発中の画像を使用しています 眼球からのオフセット 調整用の骨
  53. 補 助 骨 を 使 っ た 独 自 表

    現 さらに表情のアニメーションとブレンドする仕組みを持つことで アニメーションの良さとインタラクティブの良さを融合 瞼の自動追従 調整用の骨 視線(眼球の向き) 瞼が眼球に沿う仕組み 瞼の骨 瞼の動きを調整 アニメーション 本資料では開発中の画像を使用しています 自動追従のON/OFF 上下瞼の衝突判定
  54. • 補助骨の機能の進化と数の増加により、表現力が大幅に向上。 • 補助骨の刷新と開発が同時並行だったのもあり、機能やツール周りは 今後改修が必要(現在進行中) • 今後の拡張 • GUIの刷新 •

    機能を細分化しノードを分割した結果、逆に簡単に作成ができなくなったため、 機能を集約したノードの提供 • 条件分岐や計算ノードの拡充、筋肉の表現を簡易的に行える機能の追加 etc まとめ
  55. 関連セッション 『鉄拳8』 カスタマイズキャラクターのための多重リグシステム ~ 複雑な筋肉表現と大量生産の両立 ~ 8/21(水) 13:40 〜 14:40

    レギュラーセッション(60分) セッション会場:第三会場 株式会社アクトエイジ 大橋 英樹 株式会社バンダイナムコスタジオ 近藤 直樹 『鉄拳8』リアルな筋肉表現をどう実現したか ~大量生産を考慮したリグと補助骨の仕組み~ 8/21(水) 15:00 〜 16:00 レギュラーセッション(60分) セッション会場:第三会場 リブゼント・イノベーションズ株式会社 福本 健太郎 『鉄拳8』アニメーション技術 ~鉄拳7からの進化 8/21(水) 16:40 〜 17:05 ショートセッション(25分) セッション会場:第三会場 株式会社バンダイナムコスタジオ 稲城 聡