「サウンドクリエイター新人研修の改革」インストラクショナルデザインの活用

CEDEC2023の講演資料です。

講演タイトル：「サウンドクリエイター新人研修の改革」インストラクショナルデザインの活用
講演者：倉持 啓伍、王 智、燕 青

セッションの内容：
本セッションでは、バンダイナムコスタジオサウンドチームの新人研修についてご紹介します。
研修は「新入社員が個々の強みを活かし、チームで成果を生み出せる人材へ成長すること」をサポートするために設計しています。
「インストラクショナルデザイン」の考えを基に、サウンドクリエイター向けに設計した「カリキュラム」と、そのカリキュラムの「進め方」について説明します。

また、新人同士でリリースを前提としたゲーム制作に取り組む、新人研修プロジェクト「GEMini」についてもご紹介します。
そして、研修後の成長も加速させる為に、研修担当者が意識していることをお伝えします。

Transcript

1. サウンドクリエイター新人研修の改革 インストラクショナルデザインの活用 株式会社バンダイナムコスタジオ 倉持 啓伍・王 智・燕 青
2. 1 はじめに CEDiLで 資料公開
3. 2 倉持 啓伍 2009年入社 etc… ©Bandai Namco Amusement Inc. ©Bandai Namco Studios Inc.
4. 3 王 智 2018年入社 ©岸本斉史 スコット／集英社・テレビ東京・ぴえろ ©Bandai Namco Entertainment Inc. ©Bandai Namco Entertainment Inc. etc…
5. 4 燕 青 2019年入社 ©Bandai Namco Studios Inc. etc… ©岸本斉史 スコット／集英社・テレビ東京・ぴえろ ©Bandai Namco Entertainment Inc. ©Bandai Namco Studios Inc. Published by Phoenixx Inc. ©Bandai Namco Entertainment Inc.
6. 5 ◼どんなセッション？ ⚫ インストラクショナルデザインを参考に サウンドクリエイター向けの新人研修をどう設計したか ◼得られる知見 ⚫ 効果的な新人研修の設計について ⚫ クリエイターの育成方法について ⚫ 「インストラクショナルデザイン」の活用事例 このセッションについて
7. 6 目次 1. サウンドクリエイターの新人研修に改革が必要だった背景 2. バンダイナムコスタジオ新人研修の概要 3. インストラクショナルデザインとは 4. インストラクショナルデザインを活用した サウンドクリエイターの新人研修 5. 研修担当者として意識したこと 6. まとめ 7. 質疑応答
8. 7 サウンドクリエイターの新人研修に改革が必要だった背 景 ◼ 依頼 ⚫ サウンドクリエイター向け新人研修のカリキュラムを作ってほし い ◼ 依頼の背景 ⚫ 採用人数の増加 ◼ これまで ⚫ その年ごとの担当者に任せていた ◼ このままだと
9. 8 背景を踏まえた依頼内容 ◼カリキュラムを制作して ⚫研修運営の負荷を下げる ⚫研修内容の標準化 ⚫育成スピードの向上を狙う
10. 9 目次 1. サウンドクリエイターの新人研修に改革が必要だった背景 2. バンダイナムコスタジオ新人研修の概要 3. インストラクショナルデザインとは 4. インストラクショナルデザインを活用した サウンドクリエイターの新人研修 5. 研修担当者として意識したこと 6. まとめ 7. 質疑応答
11. 10 新人研修を構成する3つの研修 ◼共通研修 ◼専門研修 ◼GEMini研修 ⇒ 全職種共通 ⇒ 職種別 ⇒ ゲーム開発
12. 11 新人研修のスケジュール(2022年度) 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 共 通 研 修 GEMini研修 O J T 専門研修 4月
13. 12 課題：専門研修で何をするのか？ 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 専門研修 ←この期間に 何をする？
14. 13 課題：専門研修で何をするのか？ 研修ってどうやって設計すればいいの？
15. 14 目次 1. サウンドクリエイターの新人研修に改革が必要だった背景 2. バンダイナムコスタジオ新人研修の概要 3. インストラクショナルデザインとは 4. インストラクショナルデザインを活用した サウンドクリエイターの新人研修 5. 研修担当者として意識したこと 6. まとめ 7. 質疑応答
16. 15 インストラクショナルデザインと出会 う 編著：中原 淳 著：荒木 淳子・北村 士朗・長岡 健・橋本 諭 書名：『企業内人材育成入門』 出版社：ダイヤモンド社 発売日：2006/10/20 総ページ数：369ページ 著者：森田 晃子 書名：『改訂版 魔法の人材教育』 出版社：幻冬舎 発売日：2019/5/14 総ページ数： 259ページ 著者：鈴木 克明 書名：『研修設計マニュアル: 人材育成のためのイン ストラクショナルデザイン』 出版社：北大路書房 発売日：2015/4/19 総ページ数： 304ページ
17. 16 インストラクショナルデザイン(ID)と は ◼IDの定義 ◼IDでやること ◼IDのプロセス ◼IDの理論・モデル
18. 17 インストラクショナルデザインの定義 教育活動の「効果」と「効率」と「魅力」を 高めるための手法を集大成したモデルや研究分野 またはそれらを応用して学習支援環境を実現するプロセス 出所：『研修設計マニュアル: 人材育成のためのインストラクショナルデザイン』 鈴木 克明(著)
19. 18 インストラクショナルデザインでやること 学習対象者の「ゴール」と「現状」と そのギャップを埋めるための「教育戦略」の ３つの視点で教育プログラムをデザインする ゴール 現状 教育戦略 ギ ャ ッ プ 出所：『改訂版 魔法の人材教育』森田 晃子 (著)を元にバンダイナムコスタジオが作 成
20. 19 インストラクショナルデザインのプロセス 1. 分析 (Analysis) 2. 設計 (Design) 3. 開発 (Development) 4. 実施 (Implementation) 5. 評価 (Evaluation) 分析 設計 開発 実施 評価 ADDIEモデル
21. 20 インストラクショナルデザインのプロセス 分析 設計 開発 実施 評価 ADDIEモデル 1. 分析＝現状の分析 2. 設計＝教育戦略の設計 3. 開発＝カリキュラムの開発 4. 実施＝研修の実施 5. 評価＝振り返り
22. 21 インストラクショナルデザインの理論・モデル ◼ペタゴジーとアンドラゴジー ◼ARCSモデル ◼経験学習モデル ◼IDの第一原理（メリル）
23. 22 目次 1. サウンドクリエイターの新人研修に改革が必要だった背景 2. バンダイナムコスタジオ新人研修の概要 3. インストラクショナルデザインとは 4. インストラクショナルデザインを活用した サウンドクリエイターの新人研修 5. 研修担当者として意識したこと 6. まとめ 7. 質疑応答
24. 23 インストラクショナルデザインの活用 分析 設計 開発 実施 評価
25. 24 分析 設計 開発 実施 評価 分析フェーズ(Analysis)
26. 25 分析フェーズ(Analysis) で行うこと 学習対象者の 「ゴール」と「現 状」を明確にするこ と ゴール 現状 出所：『改訂版 魔法の人材教育』森田 晃子 (著)を元にバンダイナムコスタジオが作 成
27. 26 新人社員のゴールと現状 ◼ゴール ⚫ 会社から期待されていることをベースに、 自ら学び 自ら考え 自ら行動し、 期待以上の成果をあげられる人材になること ◼現状 ⚫ 会社について知らないことが多い 出所：『改訂版 魔法の人材教育』森田 晃子 (著)を元にバンダイナムコスタジオが作 成
28. 27 先輩社員のゴールと現状 ◼ゴール ⚫ 新入社員の得意を知り 研修後のOJTやプロジェクトで、 お願いしたい業務が想像出来る ◼現状 ⚫ 新入社員について知らないことが多い
29. 28 分析フェーズ(Analysis) まとめ ◼ゴール ⚫ 新入社員 ⚫成果を上げる人材になる ⚫ 先輩社員 ⚫新入社員のことを知り、活かせる ◼現状 ⚫ 新入社員と先輩社員の 双方に沢山の「知らない」ことがあ る ゴール 現状
30. 29 分析 設計 開発 実施 評価 インストラクショナルデザインのプロセス
31. 30 設計フェーズ(Design)で行うこと ギャップを埋める 「教育戦略」を設計する ゴール 現状 教育戦略 ギ ャ ッ プ 出所：『改訂版 魔法の人材教育』森田 晃子 (著)を元にバンダイナムコスタジオが作 成
32. 31 教育戦略の立てるステップ 1. 研修のコンセプトを立てる 2. 必要なカリキュラムを選定する 3. カリキュラムを行う順番を決め、ロードマップを引 く
33. 32 コンセプトを立てる ◼分析フェーズの結果 ◼インストラクショナルデザインの理論・モデル
34. 33 インストラクショナルデザインの理論・モデル ◼ARCSモデル ◼IDの第一原理（メリル） ◼経験学習モデル ◼ペタゴジーとアンドラゴジー
35. 34 ARCS（アークス）モデル 1. 注意（Attention）⇒ 面白そう！ 2. 関連性（Relevance）⇒ やりがいがありそう！ 3. 自信（Confidence）⇒やれば出来そう！ 4. 満足感（Satisfaction）⇒ やってよかった！ 出所：『改訂版 魔法の人材教育』森田 晃子 (著)を元にバンダイナムコスタジオが作 成
36. 35 経験学習モデル 経験 省察 概念化 実践 経験学習モデル 1. 経験：具体的な経験をする 2. 省察：経験を振り返る 3. 概念化：気付きを独自の知見にする 4. 実践：知見を新しい状況に活用する 出所：『改訂版 魔法の人材教育』森田 晃子 (著)を元にバンダイナムコスタジオが作 成
37. 36 IDの第一原理(メリル) 1. 現実に起こりそうな問題に挑戦する 2. すでに知っている知識を動員する 3. 例示がある（Tell me でなく Show me) 4. 応用するチャンスがある 5. 現場で活用し、振り返るチャンスがある 出所：『改訂版 魔法の人材教育』森田 晃子 (著)を元にバンダイナムコスタジオが作 成
38. 37 ペタゴジーとアンドラゴジー ペタゴジー （子どもの学び） 学ぶこと 教えること 他者依存的 教科の習得が中心 いつか、役に立つ アンドラゴジー （大人の学び） 成果を出すこと 支援すること 自己主導的 課題の解決が中心 今、役に立つ ゴール 指導者の役割 学習者の自己概念 学習の方向性 即時性
39. 38 新人研修のコンセプト ◼「知識」ではなく「課題」を与える ◼「課題」は「プロジェクトの業務」から落とし 込む ◼「課題」を単発的ではなく「体型的」に組み立 てる ◼「学んだことを応用する機会」を作る
40. 39 やってはいけない研修 ◼一方的に教え続ける研修 ◼単発的で場当たり的な研修 ◼業務には関係のない研修
41. 40 教育戦略を立てる 1. 研修のコンセプトを立てる 2. 必要なカリキュラムを選定する 3. カリキュラムを行う順番を決め、ロードマップを引 く
42. 41 サウンド専門研修のカテゴリー 座学研修 制作研修
43. 42 座学研修のカリキュラム選定 ◼ 選定基準 ⚫ 専門研修のタイミングで伝える必要があるもの ⚫ 制作研修とGEMini研修の準備に必要なもの ◼ カリキュラム ⚫ サウンドチームについて ⚫ 新人研修について ⚫ 先輩社員との顔合わせ（機材紹介） ⚫ サウンド開発機材の整備
44. 43 制作研修のカリキュラム選定 ◼ 選定ステップ ⚫ サウンドチームが行っている制作業務の一覧を作成する ⚫ 多くのプロジェクトに対して汎用性の高い制作業務をピックアッ プ ◼ カリキュラム ⚫ ボイス制作・効果音制作・楽曲制作・MA制作 サウンドリスト制作・実装・プレゼンテーション
45. 44 選定したカリキュラム ◼ 制作研修 ⚫ ボイス制作 ⚫ 効果音制作 ⚫ 楽曲制作 ⚫ MA制作 ⚫ サウンドリスト制作 ⚫ 実装 ⚫ プレゼンテーション ◼ 座学研修 ⚫ サウンドチームについて ⚫ 新人研修について ⚫ 先輩社員との顔合わせ ⚫ サウンド開発機材の整備
46. 45 教育戦略の中身 1. 研修のコンセプトを立てる 2. 必要なカリキュラムを選定する 3. カリキュラムを行う順番を決め、ロードマップを引 く
47. 46 専門研修のスケジュール 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 専門研修 4月
48. 47 座学研修のロードマップ 5月 6月 7月 座 学 研 修 1. サウンドチームについて 2. 新人研修について 3. 先輩社員との顔合わせ 4. サウンド開発機材の整備 4月
49. 48 制作研修のロードマップ 5月 6月 7月 制作研修 1. ボイス制作 2. 効果音制作 3. 楽曲制作 4. MA制作 5. サウンドリスト制作 6. 実装 7. プレゼンテーション （専門研修の成果報告） 4月
50. 49 新入社員が研修の課題を選択する 楽曲制作とMA制作の課題は 新入社員が選択する ＝ 作業の見積を経験
51. 50 設計フェーズ(Design)まとめ ◼研修のコンセプトを立てる ◼必要なカリキュラムを選定する ◼カリキュラムを行う順番を決め、ロードマップを引 く
52. 51 開発フェーズ(Development) 分析 設計 開発 実施 評価
53. 52 開発フェーズ(Development)で行うこと ◼カリキュラムの作成（ミクロデザイン） ⚫「課題と成果(制作物)」の設定 ⚫「道具と手法」の洗いだし
54. 53 行動するために必要な道具と手法を渡す 行動を 成果に結びつける 道具と手法 成果 課題 行 動 道具 手法
55. 54 効果音制作 SEライブラリで制作 フォーリー収録 フィールドレコーディング etc… 必要な道具と手法を渡す。例示する。 例示する
56. 55 ボイス制作カリキュラム ◼ 課題 ⚫ 企画書・台本・動画を確認し ボイスデータを作成する。 ◼ 制作物 ⚫ 仕様に沿ったボイスデータ ⚫ フォーマットWAV/48kHz/16bit/Mono ◼ 道具・手法 ⚫ レコーディングスタジオ研修 ⚫ 複合機 ⚫ 波形編集ソフト ⚫ EXCEL ⚫ etc… ©Bandai Namco Entertainment Inc.
57. 56 効果音制作カリキュラム ◼ 課題 ⚫ 仕様書・企画書・モーション動画 を確認して攻撃がヒットした時のSE 「弱・中・強」を制作 ◼ 制作物 ⚫ 仕様に沿ったSEデータ ⚫ フォーマットWAV/48kHz/16bit/Mono ◼ 道具・手法 ⚫ フォーリースタジオ ⚫ 効果音ライブラリ ⚫ 効果音ライブラリの管理ツール ⚫ etc... ©Bandai Namco Entertainment Inc.
58. 57 楽曲制作カリキュラム ◼ 課題 ⚫ 企画書/仕様書/参考資料 を確認して楽曲を制作する ◼ 制作物 ⚫ 仕様書に沿った楽曲データ ◼ 道具・手法 ⚫ 特になし ©Bandai Namco Studios Inc. Tales of Arise™ & ©Bandai Namco Entertainment Inc. SCARLET NEXUS™ & ©Bandai Namco Entertainment Inc. ©Bandai Namco Entertainment Inc.
59. 58 楽曲制作カリキュラム（太鼓の達人） 【出所】 • 太鼓の達人 楽曲募集だドン! 2023 音楽制作ガイド • https://columbia-makes.jp/taikonotatsujin2023/entry_detail/guide.html ©Bandai Namco Entertainment Inc.
60. 59 ＭＡ制作カリキュラム ◼ 課題 ⚫ 仕様書・企画書・動画 を確認して動画にMAを行う ◼ 制作物 ⚫ MA済みの動画データ mp4またはMOV/16:9/ (1280×720推奨) ◼ 道具・手法 ⚫ 効果音ライブラリ ⚫ 効果音ライブラリの管理ツール ⚫ フォーリースタジオ ⚫ etc... ©Bandai Namco Studios Inc. Tales of Arise™ & ©Bandai Namco Entertainment Inc. SCARLET NEXUS™ & ©Bandai Namco Entertainment Inc. ©Bandai Namco Entertainment Inc.
61. 60 サウンドリスト制作カリキュラム ◼ 課題 ⚫ タイトルシーケンスの動画を確認して 必要な音をサウンドリストにする ◼ 制作物 ⚫ サウンドリスト ◼ 道具・手法 ⚫ Excel SCARLET NEXUS™ & ©Bandai Namco Entertainment Inc.
62. 61 サウンド実装カリキュラム ◼ 課題 ⚫ マニュアルを確認して 自分で作成したサウンドアセットを ゲームエンジンに実装して再生する ◼ 制作物 ⚫ サウンドアセットの再生が確認出来る ゲームエンジンのプロジェクトファイル一 式 ◼ 道具・手法 ⚫ ゲームエンジン ⚫ サウンドミドルウェア
63. 62 サウンド実装カリキュラム（CRI ADX） 【出所】 • CRIWARE for Games > 学ぶ > チュートリアル > CRI ADX(Unreal Engine) • https://game.criware.jp/learn/tutorial/ue4/
64. 63 プレゼンテーション研修カリキュラム ◼課題 ⚫制作研修の成果報告を行う ◼制作物・成果 ⚫報告資料 ⚫成果報告会の実施 ◼道具・手法 ⚫PowerPoint etc
65. 64 道具と手法を渡すタイミング ◼ 課題 ⚫ 企画書・台本・動画を確認し ボイスデータを作成する。 ◼ 制作物 ⚫ 仕様に沿ったボイスデータ ⚫ フォーマットWAV/48kHz/16bit/Mono ◼ 道具・手法 ⚫ レコーディングスタジオ研修 ⚫ 複合機 ⚫ 波形編集ソフト ⚫ EXCEL ⚫ etc… ©Bandai Namco Entertainment Inc.
66. 65 ボイス制作研修（収録） ◼ 台本を用意する ⚫ EXCELで整形 ⚫ 複合機でプリントアウト ◼ レコーディングの準備をする ⚫ マイキング ⚫ スタジオ機材の電源の入れ方について ◼ 収録を行う ⚫ 実践 ⚫ 最低限のProtoolsの操作方法を伝える
67. 66 行動するために必要な道具と手法を渡す 課題と成果が 共有出来ている状態で 道具と手法を渡す 成果 課題 行 動 道具 手法
68. 67 行動するために必要な道具と手法を渡す 課題と成果が 共有されていない状態で 道具と手法だけ渡さない ？ ？ 行 動 道具 手法 ×
69. 68 実施 (Implementation) 分析 設計 開発 実施 評価
70. 69 実施フェーズで行うこと 経験学習サイクルを回す フィードバックを行う
71. 70 全ての制作研修に共通する進行 終了 最終FB 最終稿 FB反映 中間FB 初稿 制作 課題提示
72. 71 経験学習サイクルを回す 振り返り 制作 終了 最終FB 最終稿 FB反映 中間FB 初稿 制作 課題提示
73. 72 フィードバックの担当者 ◼制作物へのフィードバック ⚫ プロジェクトで 制作やディレクションを担当したサウンドクリエイター ◼業務全般へのフィードバック ⚫ 主にインストラクター
74. 73 フィードバックをする 現状とあるべき姿の ギャップを埋めるための「支 援」 ＝ 「フィードバック」 あるべき姿 現状 フィード バック ギ ャ ッ プ
75. 74 フィードバックで行うこと 1. 省察を促す 2. 助言をする 3. 軌道修正をする 介 入 度 低 高
76. 75 まさに現在、経験学習中！ 経験 省察 概念化 実践
77. 76 省察をしてみた ◼反省点 ⚫ 各々が持ち時間を把握していなかった ⚫ プレゼン中、見える場所に時計がなかった （自分たちで用意していなかった） ⚫ 発表者ツールの使い方に慣れていなかった ⚫ 声に出して読み込んでいなかった。 ⚫ etc…
78. 77 助言をする 「できること」と「やりたいこ と」のギャップを埋める支援 ＝ 「助言」 やりたいこと 出来ること 助言 ギ ャ ッ プ
79. 78 軌道修正をする 基準を共有する
80. 79 名門サッカークラブの要求基準 編著：小林有吾 取材・原案協力： 上野直彦 書名：『アオアシ（１） 』 出版社：小学館 発売日：2015/4/30 総ページ数：204ページ 編著：仲山進也 書名：『アオアシに学ぶ「考える葦」の育ち方 ～カオスな環境に強い「頭の良さ」 とは～』 出版社：小学館 発売日：2022/6/4 総ページ数：255ページ
81. 80 TIPS（アヤックスの選抜基準） ◼ T テクニック：技術力 ⚫ 高難易度の技が出来る意味ではなく、基本動作を精度高く出来ること ◼ I インテリジェンス：思考力 ⚫ 流れの中で精度の高い判断が出来ること ◼ P パーソナリティ：性格 ⚫ 従順な人・いい人の意味ではなく、チームワークが出来る性格 ◼ S スピード：速さ ⚫ 最高速度よりも動き出しの早さや機敏さ、さらに判断の速さ 出所：『アオアシに学ぶ「考える葦」の育ち方 ～カオスな環境に強い「頭の良さ」とは～』仲山進也(著)を元にバンダイナムコスタジオが作成
82. 81 フィードバックを行うために必要なも の 信頼
83. 82 信頼＝全てのフィードバックに必要 ◼「何を言うか」より「誰が言うか」 ◼相手から信頼を得ていない状態で フィードバックしても機能しない
84. 83 フィードバックのまとめ まず、信頼を得る 1. 省察を促す 2. 助言をする 3. 軌道修正をする
85. 84 新人研修のスケジュール(2022年度) 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 GEMini研修 ＝ 専門研修で学んだことを 応用する機会 専門研修 4月
86. 85 GEMini研修 ◼個人作業から共同作業「ゲーム開発」 へ
87. 86 GEMini研修の成果(2021・2022) ©Bandai Namco Studios Inc. Published by Phoenixx Inc.
88. 87 評価(Evaluation) 分析 設計 開発 実施 評価
89. 88 評価フェーズで行うこと ◼評価項目の設定 ◼評価基準の設定 ◼評価の実施 ◼課題の洗いだし
90. 89 研修の評価 魅力的 効果的 効率的 再現性 判断基準 モチベーション チャレンジ フィードバック 学習効率 担当者の負荷 研修内容 担当者の判断 今期の評価 ◎ ◦ △ △ 来期以降 の課題
91. 90 目次 1. サウンドクリエイターの新人研修に改革が必要だった背景 2. バンダイナムコスタジオ新人研修の概要 3. インストラクショナルデザインとは 4. インストラクショナルデザインを活用した サウンドクリエイターの新人研修 5. 研修担当者として意識したこと 6. まとめ 7. 質疑応答
92. 91 研修担当者として意識したこと 「教える」「教えられる」 という関係ではない
93. 92 研修担当者として意識したこと 「やり方」を教えるのではなく 「考え方」を教える
94. 93 研修担当者として意識したこと 他人に共有できる ところまで「言語化」する
95. 94 目次 1. サウンドクリエイターの新人研修に改革が必要だった背景 2. バンダイナムコスタジオ新人研修の概要 3. インストラクショナルデザインとは 4. インストラクショナルデザインを活用した サウンドクリエイターの新人研修 5. 研修担当者として意識したこと 6. まとめ 7. 質疑応答
96. 95 まとめ（インストラクショナルデザインの効 果） アウトプットする過程にインプットの機会がある クリエイター向けの研修がデザイン出来た
97. 96 理論と実践にはギャップがある 実践 理論 ギ ャ ッ プ 試行錯誤
98. 97 守破離 ◼守：基本となる形や技を正確に模倣する ◼破：基本を身につけた上で新しいアプローチを探る ◼離：形や技にとらわれず、独自のスタイルを生み出 す
99. 98 理論と実践にはギャップがある 実践 理論 ギ ャ ッ プ クリエイティ ブ
100. 99 目次 1. サウンドクリエイターの新人研修に改革が必要だった背景 2. バンダイナムコスタジオ新人研修の概要 3. インストラクショナルデザインとは 4. インストラクショナルデザインを活用した サウンドクリエイターの新人研修 5. 研修担当者として意識したこと 6. まとめ 7. 質疑応答