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【CEDEC2025】ライティングアーティストってどんな仕事?
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Bandai Namco Studios Inc.
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December 22, 2025
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【CEDEC2025】ライティングアーティストってどんな仕事?
ライティングアーティストに求められる作業内容について説明します。
また実例などを交えての基礎知識の解説、それに加えて様々な情景の表現方法やゲームへの効果的な実装⽅法を具体的に解説します。
Bandai Namco Studios Inc.
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Transcript
ライティングアーティストってどんな仕事? CEDEC2025 2025年07月24日
オープニング
自己紹介 • 鈴木 雅幸 • キャラ、モーションを経てライティングアーティストやTAとしてグラフィッ クに関する各プロジェクトのサポート等を担当 • 溝口 優子
• 様々な背景アートのリードを経て、ライティング環境の重要性を痛感し、プ ロジェクトのワークフロー構築も担当 • 小林 裕 • 背景アーティストを経て、現在はTAとしてシェーダー制作やプロジェクト 環境の構築を担当
ライティングアーティストってどんな仕事? • 本公演はCGの世界、ゲームに特化した内容になります • ライトを配置しているだけではないライティングアーティストの知ら れざる、地味な作業内容などを紹介します
ライティングの基本的な流れ
ライティングの基本的な流れ • 作業環境の状況確認をします • LookDev環境の提供 • ライティング&ポスト処理
UE5.6 • Basicを開きます DefaultのUE画像 • 見慣れたHDR画像に変更
気が付きましたか?
ブルームやビネットなどのポスト処理をOFF
次にトーンカーブをAmountでOFF
トーンマップでOFFにすると…
Defaultの状態
UEのFilmic curveの特徴 Defaultカーブ
UEのFilmic curveの視覚化 スクリーンの左から右までを0~4のグラデーションにするマテリアル これをグリッド等に貼り、ポストプロセスマテリアルでカーブとして視覚化する
視覚化例 ポストプロセスマテリアルでカーブ化するマテリアル UEのFilmic curveの視覚化
UEのFilmic curveでのリニアとソフトクリップ Default (強い暗部強調と強いソフトクリップ) Linear近似 お勧めソフトクリップ
デフォルト
トーンカーブ無効
リニア近似
リニア近似 彩度調整
ソフトクリップ
ソフトクリップ 彩度調整
UEのFilmic curveの特徴 ① • ポストのTonemapperからではなくTone Curve Amountで切るのが正解 • ポストのTonemapperから切ると暗部が少し浮く問題がある (sRGBとγ2.2の差)
② • トーンカーブを入れた時点で彩度が下がる問題もある • 軽減策 彩度1.12 ホワイトバランスtint0.03(見た目調整) 赤だけは依然とくすむ問題は残る
リファレンスでmayaArnoldを使用する場合の注意 • デフォルトでは画が良く見える様なカーブが入っていますので注意です • 必ずトーンカーブを確認しましょう • さらにHDRテクスチャは設定を気を付けないと色も変になります このHDRテクスチャのはずが このような見た目にレンダリングされる sRGB色域のHDRテクスチャ
リファレンスでmayaArnoldを使用する場合の注意 • 解決方法① これに変更 これを ソフトクリップで見たい場合はこれ
リファレンスでmayaArnoldを使用する場合の注意 • 解決方法② • カラマネの設定をデフォルトから変えない場合 貼っているテクスチャのプロパティのカラースペースをrawからリニアsRGBに変更 アントーンマッピングに変更 カラマネやocioの知識があるとよい これを変更後に
初期化できていますか? • ライティングアーティストは常にニュートラルな状態を見慣れている必要があ りますが、以下の確認を習慣づけると安全 • Post処理などは無効になっていますか? • 目視で済ませずに数値で確認しましょう 人の目はモニターの状態、確認している環境の影響を受けています
では、太陽の状況を確認していきましょう • DirectionalLightに着目します • そして… 消します
よし!真っ黒になった • 必ず最初に行います • どの環境でも全て初期化した状態から作業を開始する
太陽の輝度について状況確認 • ライティングアーティストはこんな検証などもします
前提知識 intensityを3.14luxにすると真っ白な物 の輝度が1[cd/㎡]になります
太陽はあっているか? Base color 1.1.1 Specular 0 Materialを用意する planeにアサインし、DirectionalLightを真 上から当てる 先ずは真上にπ[lx]当てて白い板が1.0になるのか調べよう
• 1.0になっているので合っているかも 太陽はあっているか?
太陽はあっているか? • 30度にしたら半分になるはずだけど半分より小さい • これは大気を考慮していると思う • (sin30°= 0.5)
• 試しに10度にしてみよう • 理論値より小さく、より赤くなっているので大気を考慮していると思われる 太陽はあっているか?
太陽はあっているか? 真横からあててるのに明るいなぁ ? • 太陽光があたらないはずの0度から太陽を当ててみました ディスクサイズ0 skyAtomosphere off
3.14[lx]の太陽の輝度 • 視直径のDefaultは0.5357 • この場合の輝度は45734[cd/㎡]になるはず • 16000しかないのでオーバーフローしているかも
UE太陽オーバーフロー • 太陽視直径1°で照度3.14159[lx]の時の太陽輝度は13125[cd/㎡]で オーバーフローしなくなりました 半径を大きくする
ここまで調べた事 • UEの太陽はデフォルトの大気の設定で真上に太陽があるときの照度を指定 していることになる • 試しに宇宙空間と同じように大気をなくした場合、太陽を30°傾けると理論 通り真上は0.5になりました (6500Kは微妙に紫になってる)
ところで… • ライティングアーティストはこんなことを調べたりもします • ライトの単位って 難しいですよね??
そうですねー 分かりやすく解説します
明るさの単位について
照明の明るさは 光束 ルーメン [lm] 明るさの単位 照明のスペック 一般的な電球の明るさ https://panasonic.jp/lamp/products/LDG4DG70W.html 一灯で部屋を明るく https://panasonic.jp/lamp/products/FHC202734ECWH3K.html
インテリア用 https://www.nitori-net.jp/ec/product/8371241/
明るさの単位 照明のスペック 600[lm] 210[lm] 100[lm] 推定2.5[lm] → 40倍明るく撮影 実際のライトをカメラの露出固定で撮影 https://technorgb.blogspot.com/2018/10/blog-post.html
1[lm]を1本の光線とイメージするとわかりやすい point spot parallel area 10lm 明るさの単位 光束[lm]
1[lm]を1本の光線とイメージするとわかりやすい point spot parallel area 100lm 明るさの単位 光束[lm]
1[lm]を1本の光線とイメージするとわかりやすい point spot parallel area 1000lm 明るさの単位 光束[lm]
1[lm]を1本の光線とイメージするとわかりやすい point spot parallel area 10000lm 明るさの単位 光束[lm]
https://www.hitachi-gls.co.jp/lighting/search/item/HPF4301A.html https://www.hitachi-gls.co.jp/lighting/search/item/LDE54ANN-JX14A.html https://www.hitachi-gls.co.jp/lighting/search/item/LDE2304WL.html 光度[cd]や配光図が掲載されていることも 面光源特性に近い? 286[cd] 847[cd] 120 [cd] 226
[cd] 斜めが強い 明るさの単位 光度[cd]
基本量、組立量 量記号 単位 備考 SI基本単位 固有の名称を持つ SI組立単位 固有の名称を持たない SI組立単位 光束
luminous flux Φ,(Φv) - lm (Lumen ルーメン) cd·sr 全方向の光の量。全方向の光度を足し合わせ [lm]=[cd·sr] 光度 luminous intensity I,(Iv) cd (Candela カンデラ) - lm/sr 特定の方向の光の量。単位立体角当たりの光束 [cd]=[lm/sr] 照度 illuminance E,(Ev) - lx (Lux ルクス) lm/m² , cd/sr/m² 光が当たっている量。単位面積当たりの光束。受け側 [lx]=[lm/m²]=[cd/sr/m²] 輝度 luminance L,(Lv) - - cd/m² , lm/sr/m² 光度に面積をもった単位面積当たりの光度。 [cd/m²]=[lm/sr/m²] 冗長なので[nit]で表すことも多い 光束発散度 luminous exitance M,(Mv) - - lm/m² 発光面の単位面積当たりから全方向にどれだけの光束が出ているのか 照度とは向きが逆の概念で発光しているもの 光量 quantity of light Q,(Qv) - - lm·s 光束の時間積分。フラッシュなど 露光量 luminous exposure H,(Hv) - - lx·s 照度の時間積分。カメラの露光量など 発光効率 luminous efficacy η - - lm/W ランプ効率とも呼ぶ。1ワット当たりの光束。LEDライトなど ライトに関する単位 これらは測光量と呼ばれる単位 電磁波のエネルギーを「見える明るさ」に変換した単位 明るさの単位 測光量
電磁波の波長に対して人はこのような色で認識 555[nm]を一番明るく感じ徐々に見えなくなる 人間の明所視における波長ごとの感度 (CIE 1931 V(λ) 視感度関数) 見える範囲を可視光領域と言い380~780[nm]の範囲を表すことが多い 測光量と明るさ
明るさに変換 赤外線や紫外線は見えない 測光量と明るさ
グレースケール変換もそう リニアsRGBのグレー変換の係数 測光量と明るさ R=0.2126 G=0.7152 B=0.0722
単位が光度等の測光量なのでライトの色で明るさは変わらない 光度固定、色温度を変更した例 UE Light 色温度では明るさは変わらない ライト色を付けると暗くなる ライトの前のカラーフィルムの指定と考える カメラのホワイトバランスも明るさは変わらないタイプ
基本量、組立量 量記号 単位 備考 SI基本単位 固有の名称を持つ SI組立単位 固有の名称を持たない SI組立単位 光束
luminous flux Φ,(Φv) - lm (Lumen ルーメン) cd·sr 全方向の光の量。全方向の光度を足し合わせ [lm]=[cd·sr] 光度 luminous intensity I,(Iv) cd (Candela カンデラ) - lm/sr 特定の方向の光の量。単位立体角当たりの光束 [cd]=[lm/sr] 照度 illuminance E,(Ev) - lx (Lux ルクス) lm/m² , cd/sr/m² 光が当たっている量。単位面積当たりの光束。受け側 [lx]=[lm/m²]=[cd/sr/m²] 輝度 luminance L,(Lv) - - cd/m² , lm/sr/m² 光度に面積をもった単位面積当たりの光度。 [cd/m²]=[lm/sr/m²] 冗長なので[nit]で表すことも多い 光束発散度 luminous exitance M,(Mv) - - lm/m² 発光面の単位面積当たりから全方向にどれだけの光束が出ているのか 照度とは向きが逆の概念で発光しているもの 光量 quantity of light Q,(Qv) - - lm·s 光束の時間積分。フラッシュなど 露光量 luminous exposure H,(Hv) - - lx·s 照度の時間積分。カメラの露光量など 発光効率 luminous efficacy η - - lm/W ランプ効率とも呼ぶ。1ワット当たりの光束。LEDライトなど ライトに関する単位 放射量(参考) 放射量は物理的なエネルギーを表す 放射量(Radiometric Quantity) 波長に関係なく純粋な物理量 組立量 量記号 単位 備考 SI基本単位 固有の名称を持つSI組立単位 固有の名称を持たないSI組立単位 放射束 radiant flux Φ,(Φe) - W (Watt ワット) J/s 全方向に放射されるエネルギーの流れ。時間あたりの放射エネルギー。 放射強度 radiant intensity I,(Ie) - - W/sr 特定方向への放射エネルギー密度。単位立体角あたりの放射束。 放射照度 irradiance E,(Ee) - - W/m² 受光面の単位面積あたりに到達する放射束密度。 放射輝度 radiance L,(Le) - - W/sr/m² 単位面積・単位立体角あたりの放射束密度。発光面や反射面の放射特性を表す。 放射発散度 radiant exitance M,(Me) - - W/m² 発光面の単位面積あたりから放射される放射束密度。 放射エネルギー radiant energy Q,(Qe) - J (Joule ジュール) N·m 放射されたエネルギーの総量。ジュールはニュートンメートルと等価。 放射露光量 radiant exposure H,(He) - - J/m² 受光面の単位面積あたりに蓄積された放射エネルギー。 - - - - - - 組立量 量記号 単位 備考 SI基本単位 固有の名称を持つ SI組立単位 固有の名称を持たない SI組立単位 放射束 radiant flux Φ,(Φe) - W (Watt ワット) J/s 単位時間あたりに全方向へ放射される電磁エネルギーの総量 放射強度 radiant intensity I,(Ie) - - W/sr 特定方向への放射エネルギー密度 単位立体角あたりの放射束 放射照度 irradiance E,(Ee) - - W/m² 受光面の単位面積あたりに到達する放射束密度 放射輝度 radiance L,(Le) - - W/sr/m² 単位面積・単位立体角あたりの放射束密度 発光面や反射面の放射特性を表す 放射発散度 radiant exitance M,(Me) - - W/m² 発光面の単位面積あたりから放射される放射束密度 放射エネルギー radiant energy Q,(Qe) - J (Joule ジュール) N·m 放射されたエネルギーの総量。ジュールはニュートンメートルと等価 放射露光量 radiant exposure H,(He) - - J/m² 受光面の単位面積あたりに蓄積された放射エネルギー - - - - - - 明るさの単位 放射量
「立体角とは?光の広がりを測る単位」 平面角θ (Plane angle) [rad] : Radian : ラジアン 平面角ラジアンは単位円の弧の長さそのもの!
立体角Ω (Solid angle) [sr] : Steradian : ステラジアン 立体角ステラジアンは単位球の切り取り面積そのもの! 1[sr]とは 面積が1㎡で切り取られる立体角のこと 立体角
光束:1257 [lm] (きりの良い値) 点光源からの放射は全方向(立体角 4π [sr])に広がる 全方向均等な密度で照射する点光源がある 1[lm]を1本で表すと 明るさの単位 光束で説明
特定方向の1.0[sr]に何本あるかが光度[cd] 正確には単位立体角当たりの光束 微小立体角内の光束を微小立体角で割る [cd]を[lm/sr]と書いても正解 1[sr]内に何[lm]あるか数えてみる 明るさの単位 光束で説明 光度
特定方向の1.0[sr]に100[lm]入っていた = 100[cd] 100[lm] / 1[sr] = 100 [cd] 1257[lm]の点光源の光度は100[cd]
明るさの単位 光束で説明 光度
1/10の立体角の0.1[sr]の中には10[lm]入っている 10[lm] / 0.1[sr] = 100 [cd] 密度は均等なので光度は変わらない 明るさの単位 光束で説明
光度
1[㎡]当たりに何本ぶつかったが 照度[lx] 正確には単位面積当たりの光束。 微小面積内の光束を微小面積で割っもの [lx]を[lm/㎡] と書いても正解 1m先の1[㎡]に100本ぶつかる = 100 [lx]
100[lm] / 1[㎡] = 100 [lx] 明るさの単位 光束で説明 照度
2[m]離れると25本ぶつかった = 25 [lx] 25 [lm] / 1 [㎡]= 25
[lx] 点光源の減衰計算 照度[lx] = 光度[cd] / 距離[m]^2 = 100/4 = 25 [lx] 明るさの単位 光束で説明 照度
4[m]離れると6本ぶつかった = 6 [lx] 6 [lm] / 1 [㎡]= 6
[lx] 点光源の減衰計算 照度[lx] = 光度[cd] / 距離[m]^2 = 100/16 = 6.25 [lx] 明るさの単位 光束で説明 照度
10 [lx] にしたいので距離を√10である 3.162mにした 10 [lx]は1㎡当たり10本の光束を受けている状態 明るさの単位 光束で説明 照度
0.1[㎡]当たり1本受けている 微小面積の1lmが分かりやすいのでこれで輝度を説明 明るさの単位 光束で説明 輝度
Lambert光束分布を表した (真っ白なので100%反射とする) 1 [lm]が完全拡散反射した光束の広がりとする 作図のため1本を1000分割したので1本を0.001[lm]とする 反射は法線方向が最大で真横が0ルーメン (ランバート減衰) 明るさの単位 光束で説明 輝度
正面から見た0.1[sr]内の本数は32なので0.032[lm] 単位立体角当たりに換算すると0.32[cd] 面積0.1[㎡]なので3.2[cd/㎡] 10[lx]で照らされた真っ白な拡散反射は輝度3.2[cd/㎡]が確認できた 明るさの単位 光束で説明 輝度
60度斜めから見てみよう 明るさの単位 光束で説明 輝度
斜めほど投影面積が小さく光度は少なくなるが 分母である投影面積も同様に小さくなるので結果は変わらない 0.1[sr]内の本数は16なので0.016[lm] 単位立体角当たりに換算すると0.16[cd] 投影面積は0.1*0.5[㎡]なので3.2[cd/㎡] 明るさの単位 光束で説明 輝度
照度10[lx]の完全拡散反射の輝度 = 10/π ≈ 3.18[cd/㎡] 明るさの単位 光束で説明 輝度 Diffuse Albedo
が0.1なら 輝度は0.318 [cd/㎡]
光束1257[lm]の点光源は 光度は100[cd] 点光源の光度[cd] = 光束/(4π) √10m先の照度は10[lx] 照度[lx] = 光度/距離^2 この時の完全拡散反射の輝度は3.18[cd/㎡]
輝度[cd/㎡] = 照度/π 明るさの単位 光束で説明 まとめ
光度と配光 光度 : 放射状に放たれる光束の量(光束の密度) 方向によって密度が違う光束の例 真下が強く上が弱い
切りの良い12.57[lm]で1[lm]を1000分割で確認(12566本) 真下を正面として、0.05[sr]の中の本数をカウント 角度 個数 0 100 15 95 30 93
45 86 60 72 75 62 90 51 105 40 120 25 135 16 150 6 165 2 180 0 0 2 6 72 16 25 40 51 62 86 93 95 100 光度[cd] 2 1.9 1.86 1.72 1.44 1.24 1.02 0.8 0.5 0.32 0.12 0.04 0 光度と配光
光度を長さとしてプロット 線でつなげる 面でつなげる 光度と配光
Spotlightの光束と光度での違い UE-SpotLight 光束[lm]で指定 コーンアングルによって密度(光度)が変わる アングルが狭いと光が集まるので明るくなる 光度[cd]で指定 コーンアングルによって光束が変化することで光度 を保っている 狭いと光束が弱くなり広いと強くなる 半頂角50度で同じ明るさで設定したもの
IESを使って同じになるか Photo UE5+lumen [補足] 面光源+IESの注意 面光源の指向性(横は光が届かない)効果があるため 面光源配光(コサイン減衰)がIESデータに掛けられるため IESを直に弄ってコサイン減衰をカウンターしている が、カウンターしなくても気にはならいかもしれない UE5+lumenで改めて確認
照明はIESを使用 (アセットは古いが写真は新しいため違うとこあり) 比較用のリファレンスの写真はリニア現像
斜めからの光はなぜ暗くなる? ライトに向いている面を斜めにしていくと暗くなる(照度が減る) 斜めほど照らす面積が増える代わりに弱くなるから 正面(0°) 100[lx] 60° 50[lx] 89° 1.7[lx]
1万6千[cd/㎡] 400[lm] 1000万[cd/㎡](一番明るい一点) 820[lm] *撮影情報から輝度を求めた [補足] カメラや計測器が無い場合の推測例 400[lm]が点光源だとしたら4πで割って約32[cd] この発光球の半径が2.5cmだとしたら投影面積はr*r*π ≈
0.00196[㎡] 輝度は 32[cd]/0.00196[㎡] ≈ 16300[cd/㎡] 照明と輝度の関係 CEDEC2021 「レイトレ時代のゲームグラフィックス、地に足をつけて備えよう」 より 1500[cd/㎡] 2000[lm] (予想) 輝度は発光面積に逆比例
完全拡散反射(Lambert)の光束、光度、輝度の分布 https://technorgb.blogspot.com/2018/10/blog-post.html,technorgb: 明るさの単位
UEで太陽とスカイライトを設定してみよう UEで晴天の屋外のライトを再現
ここによさげなIBLがあるのでこれを使ってみる https://www.bandainamcostudios.com/projects/truehdri/library UEで太陽とスカイライトを設定してみよう
Clippedに変更 Clippedはメインの光源を高輝度を消す代わりに平行光源で使うもの Unclippedはオフラインレンダー等で平行光源無しでレンダリングする用途 解像度変更の注意点 「.exr」 の場合はphotoshopで開くとhalf精度になってしまうので別のアプリを使用すること (photoshopのプラグインExr-IOならOK) 特にUnclippedは光源が消失するので問題 「.hdr」 の場合はphotoshopでも問題ない
[補足] 簡単な輝度推測の方法 地面に10万ルクスと仮定、Diffuse Albedoが0.2だとしたら輝度=10万/π*0.2 なので6000[cd/㎡]くらい 1000[cd/㎡]が1.0で格納されているので6くらいになっているということなので白く飛んでてOK UEで太陽とスカイライトを設定してみよう
arnoldでレンダリングする露出値なので 今回は関係ない なんとなくの適正露出値 1000[cd/㎡]を1.0で記録したIBLと言うこと 1000倍すれば本当の値になる HDRモニタの真っ白くらいの明るさが1.0で写っているってこと 90の差があるので rot z =
MOD((azimuth+270),360)-180 sRGB_to_Linearにして255を掛ける UEで太陽とスカイライトを設定してみよう
マテリアル側で1000倍する必要がある (またはテクスチャエディタのbrightnessで1000倍してもよいがhalfだとオーバーフローに注意) Sky Dome こちらも同様に Sky Light の Intensity Scale
で1000倍する Sky Light ポストプロセスで余計なのを切って露出を固定 UEで太陽とスカイライトを設定してみよう
完成 お勧めソフトクリップ(彩度調整版) UEで太陽とスカイライトを設定してみよう
これで単位もわかってライトの設定できるようになったよね
もう一つ重要な仕事 LookDev環境作成
LookDev環境 様々な条件の環境光を当てて確認する手法
LookDevで何を確認してる? • PBRの設定の確認 • ポスト処理 • 発光体の輝度の確認 • VFXの確認
どの環境でも同じ質感に見えている • ライティングを行う際、この工程を通過したアセットであるという保証が必要
LookDevに必要な要素 • 信頼できるライティング 弊社IBL素材より
「信頼できる」ライティング環境の条件 • 輝度の欠落がない 暗い処から明るい処までキャプチャ出来ているデータ • ホワイトバランス調整や彩度、コントラスト調整などの情報に バイアスが入っていない ニュートラルで編集のはいっていない環境
という事で
正しいHDRIパノラマ素材を撮影します CEDEC2020「信頼性の高いHDRI作成術」より
LookDevと本番のルックの違い • 用意したライティング環境ですが… • 晴天の屋外の様に明るかったり、 夜の室内の様に暗かったり様々な明るさの環境があるはずです • そこで用いるパラメータがEV値です CEDEC2024「アーティストのためのカメラの仕組み講座」もご覧ください
None
白飛びしちゃうんだけど • EV値で環境に合わせた明るさで確認できるようになりました • しかしハイライトのディティールが潰れてしまっています • そこでソフトクリップして少し見えるようにしましょう!
ソフトクリップ– あり
ソフトクリップ– なし
ソフトクリップ • ソフトクリップは Photoshopのトーンカーブのイメージです • こうすることで最小限のバイアスで ほぼニュートラルな環境を構築できます
LookDev環境のソフトクリップ • LookDev環境ではEV値とソフトクリップは調整したほうが良い • 特にソフトクリップはLookDev環境の設定であると同時に プロジェクト全体の画作りの基盤となります ハイライト部分の彩度どのくらい残す?など 特にエフェクトがとても影響を受けます
ソフトクリップ オレンジの炎が明るくなっていくと オレンジ → 黄色 → 白 人の目では明るくてもオレンジ (HDRモニタも人の目に近い)
ソフトクリップ ソフトクリップ処理をいれます していない RGB毎にソフトクリップをしたもの 色が残りやすいようにソフトクリップしたもの
ライティングアーティストにLookDevは必須 • 質感が保障されたアセットが必要だからLookDev環境が必要 それ以外にも • ライティング作業中に起こる様々な障害を円滑に解決していくために も必要
ステージに出すとイメージと違う… 正しいLookDev環境でいくつか確認してみましょう LookDevでも曇りはスペキュラーが出ていない 例:ステージに出すとスペキュラーが目立たない…
期待した結果と違っても… LookDevで問題ないならテクスチャーやマテリアルは問題ない ライティング班がライトを焚いて解決します! → ライトを追加 実際の撮影現場でもやる
LookDevでは物足りないくらいが… Basecolorに濃いめの陰影が入っています A B AOを別マップで適切な範囲に入れています
LOOKDEVでは物足りないくらいが… Basecolorに濃いめの陰影が入っています AOを別マップで適切な範囲に入れています A B
LookDevでは物足りないくらいが…丁度良い LOOKDEVでモデルを見た時になにか物足りないくらいが丁度良い調整 A B
全部こんな感じでキャラが出ることを期待される ステージに出すと思ったのと違う 作業中はかっこよかったのにステージに出すとなんかショボい... •確認環境が間違ってたり、一つしか用意されていない状態でアセットを 確認していると起きる問題 この環境のみで確認していたとします
• 陰影がなくなったんだけど! • ステージのキャラに当てるライトが間違っていない? ? ステージに出してみると… といわれたりしますが
これは地面が明るいステージだからコントラストが低くなるのは正しい!
因みにレフ版効果というものもあります レフ版効果の動画
レフ版効果の動画
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• 実際のあらゆるライティングで確認できるので理解が深まる 晴天 地面は暗い 曇り 公園 雪なので照り返しは強い 晴天 雪原 本社1階
夜間 街灯下 一番左とほぼ同じ場所の夜 晴天(白いレフ) 左のものに地面だけ白いレフを敷いたもの LookDev環境で確認する事は
本当にLOOKDEVと現実世界は一緒? 机の上に白い紙 机の上に黒いシート 室内照明を消してポケットライトを点灯 • 会議室の机の上にカメラを置いて3種類のIBLを撮影しました • 弊社で作成しているIBLは色や輝度も正しいものとして作られています
現実のライティングをほぼ再現できてることが分かる リファレンス写真 象のモデル(フォトグラメトリ)を用意し IBLでレンダリング(maya arnold)
• 事前準備が終わりました • やっとライティング作業に入ります
いざライティング! 完全に環境を把握できたところでライティング作業に入ります
なんか変!? 補足:インダイレクトディフューズはベイクされています
• 部屋の構造 • LookDevでは問題ない
• これは変ですねぇ ここからはライティングアーティストやTAが問題を解決して いく流れを紹介していきます
ライティング成分
• ライティング処理は要素に分けて考えることが大事 • シェーダーの破綻が起きづらい • 問題の原因も特定しやすい
ライティング成分
Direct Indirect 直接光 環境光 ライティング成分
Direct Indirect Diffuse Direct Diffuse Indirect Diffuse Specular Direct Specular
Indirect Specular 拡散成分 指向性成分 ライティング成分
Direct Indirect Reflection Diffuse Direct Diffuse Reflection Indirect Diffuse Reflection
Specular Direct Specular Reflection Indirect Specular Reflection Transmission Diffuse Direct Diffuse Transmission Indirect Diffuse Transmission Specular Direct Specular Transmission Indirect Diffuse Transmission 反射成分 透過成分 ライティング成分
Direct Diffuse Reflection (直接光成分の拡散反射) ライティング成分 • 直接光の拡散反射 • ダイレクトライトのマスクがシャドウ
Direct Indirect Reflection Diffuse Specular ライティング成分
Indirect Diffuse Reflection (環境光成分の拡散反射) ライティング成分 • 間接光や帯域照明の拡散反射 • LightMap、IBL、SH、UEのLumen •
AmbientOcclusion
Direct Indirect Reflection Diffuse Specular ライティング成分 Subsurface Scatteringは拡散反射の仲間
Direct Specular Reflection (直接光成分の鏡面反射) ライティング成分 • 直接光のスペキュラ • ライトの映り込み
Direct Indirect Reflection Diffuse Specular ライティング成分
Indirect Specular Reflection (環境光成分の鏡面反射) • 環境光の映り込み • Specular Occlusion ライティング成分
Direct Indirect Reflection Diffuse Specular ライティング成分
Direct Indirect Reflection Diffuse Specular ライティング成分 次はこれの透過版
Direct Diffuse Transmission (直接光成分の拡散透過) • 直接光の拡散透過 ライティング成分
Direct Indirect Transmission Diffuse Specular ライティング成分
Indirect Diffuse Transmission (環境光成分の拡散透過) • 環境光の拡散透過 ライティング成分
Direct Indirect Transmission Diffuse Specular • 紙、葉 等 • Subsurface
Scatteringの透過版もこの仲間 ライティング成分
Direct Specular Transmission (直接光成分の屈折) • 直接光の屈折 • ガラス越しに見た光源 ライティング成分
Direct Indirect Transmission Diffuse Specular ライティング成分
Indirect Specular Transmission (環境光成分の屈折) • 環境光の屈折 • ガラス越しに見える景色 ライティング成分
Direct Indirect Transmission Diffuse Specular ライティング成分
Direct Indirect Reflection Diffuse Direct Diffuse Reflection Indirect Diffuse Reflection
Specular Direct Specular Reflection Indirect Specular Reflection Transmission Diffuse Direct Diffuse Transmission Indirect Diffuse Transmission Specular Direct Specular Transmission Indirect Diffuse Transmission ライティング成分
Direct Indirect Reflection Diffuse Direct Diffuse Reflection Indirect Diffuse Reflection
Specular Direct Specular Reflection Indirect Specular Reflection ライティング成分
Direct Indirect Reflection Diffuse Direct Diffuse Reflection Indirect Diffuse Reflection
Specular Direct Specular Reflection Indirect Specular Reflection Transmission Diffuse Direct Diffuse Transmission Indirect Diffuse Transmission Specular Direct Specular Transmission Indirect Diffuse Transmission ライティング成分
emission や opaque(opacity)は ライト処理と直接関係しない ライティング成分
transmission opaque ライティング成分 1で透明 0で透明
改めて問題のあるシーンをみてみましょう なんか明るくない? 屋外のキューブマップをそのまま使っているからだね キューブマップ適用時にインダイレクトディフューズの明るさに比例させてみよう
これがインダイレクトディフューズ成分 奥まったとこは暗くなっている
これがさっきのインダイレクトスペキュラー
インダイレクトスペキュラーの明るさを インダイレクトディフューズに準拠させたので奥まった個所のリフレクションも暗くできた
暗いところのインダイレクトスペキュラーも暗くなったので良くなったね 特にギャー君の正面の映り込みが自然になったね
前
後
インダイレクトディフューズを参照して明るさや色を補正する手法 結構使えるので 一例
Emission が固定 ここでemissionを調整 明るいとこ 暗いとこ Emission を Indirect Diffuse に準拠
だけどまだスペキュラ貫通してて嫌だ インダイレクトディフューズ成分が粗いのもあるからAOで補ってみよう
AO入れるとこんな感じ
まだスペキュラーの貫通が気になる
環境光ライティングをどうにかしたい うーん、そうですね...
環境光ライティングをどうにかしたい ベント法線を使うといいかも!
環境光ライティングの改善 • ベント法線による環境光ライティングの改善
環境光ライティングの改善 • 今回はインダイレクトスペキュラーへの効果について
環境光ライティングの改善 • ケース o陰影差が激しい環境のIBLライティング 暗 明 明
環境光ライティングの改善 • パストレーシングで 自己反射ありのレンダリング • 眼元の反射に着目
環境光ライティングの改善 • 自己反射を切った状態 • スペキュラが遮蔽を貫通するように なった
環境光ライティングの改善 • アンビエントオクルージョンを適用 • スペキュラーは貫通されたまま
環境光ライティングの改善 • ベント法線を適用する • 眼元でスペキュラーが遮蔽された
環境光ライティングの改善 • レンダリング比較 自己反射 有効 自己反射 無効 AO 適用 ベント法線
適用
環境光ライティングの改善 • インダイレクトスペキュラ成分で比較 自己反射 有効 AO 適用 自己反射 無効 自己反射
無効 AO 適用 ベント法線 適用
環境光ライティングの改善 • そもそもベント法線って何? • 通常の法線は平面に垂直な方向 • ベント法線は“開けた方向” ベント法線 通常の法線
環境光ライティングの改善 • 通常法線を表示
環境光ライティングの改善 • ベント法線を表示
環境光ライティングの改善 • 通常法線を表示
環境光ライティングの改善 • ベント法線を表示
環境光ライティングの改善 • 通常法線を断面上で表示
環境光ライティングの改善 • ベント法線を断面上で表示
環境光ライティングの改善 • 法線とベント法線を断面上で表示
環境光ライティングの改善 • 通常法線による反射ベクトルを断面上で表示
環境光ライティングの改善 • ベント法線による反射ベクトルを断面上で表示
環境光ライティングの改善 • 通常法線による反射ベクトルにフレネル反射強度を適用 ※法線ベクトル長は全反射の時の長さ
環境光ライティングの改善 • ベント法線による反射ベクトルにフレネル反射強度を適用 ※法線ベクトル長は全反射の時の長さ
環境光ライティングの改善 • 引いてみたときの通常法線による反射ベクトル
環境光ライティングの改善 • 引いてみたときのベント法線による反射ベクトル
環境光ライティングの改善 • インダイレクトスペキュラーへの影響 通常法線の場合の鏡面放射輝度
環境光ライティングの改善 • インダイレクトスペキュラーへの影響 ベント法線の場合の鏡面放射輝度
環境光ライティングの改善 • ケース o色差が激しい環境のIBLライティング 橙 淡青 淡青 濃青 焦茶
環境光ライティングの改善 • パストレーシングで 自己反射ありのレンダリング • 接触部分の机の上面が橙色に被って いることに着目
環境光ライティングの改善 • 自己反射を切った状態 • 橙色だったのが濃青色に被るように なってしまった
環境光ライティングの改善 • アンビエントオクルージョンを適用 • 遮蔽部分に陰影はついたものの色 の被り方に変化はない
環境光ライティングの改善 • ベント法線を適用する • 自己反射ありの場合と同様に橙色に 被るようになった
環境光ライティングの改善 • レンダリング比較 自己反射 有効 自己反射 無効 AO 適用 ベント法線
適用
環境光ライティングの改善 • インダイレクトディフューズ成分で比較 自己反射 有効 AO 適用 自己反射 無効 自己反射
無効 AO 適用 ベント法線 適用
環境光ライティングの改善 • インダイレクトディフューズへの影響 通常法線の方向
環境光ライティングの改善 • インダイレクトディフューズへの影響 ベント法線の方向
環境光ライティングの改善 • インダイレクトディフューズへの影響 通常法線の場合の拡散放射輝度
環境光ライティングの改善 • インダイレクトディフューズへの影響 ベント法線の場合の拡散放射輝度
ベント法線に関する補足 • ベント法線をベイクする必要がある • テクスチャーベイクの場合はベイク用のユニークUVが必要 • ベント法線用のタンジェントがない場合はワールド法線でのベイクが必要 • インダイレクトスペキュラーについて •
正しい反射像ではないことに注意 • あくまでも「なんとなく無難な」方向をフェッチしているだけ • ラフネスが低いマテリアルでは顕著にあらわれるので注意
ベント法線の効果を追加
適用前はこんな感じ
ベント法線の効果を追加
• あと…気になることが
• 黒い鞄なのに黒く感じない
BaseColorの黒
BaseColorの黒 sRGB 8bit 50/255
BaseColorの黒 sRGB 8bit 10/255
• 調整前 BaseColorの黒
• 調整後 BaseColorの黒
ベースカラーの黒は8bit値50以下って使っている? あまり小さな値は使わないほうが良いというルールがあったり? スペキュラ除去した本当の Diffuse Albedo はもっと黒い カラーチェッカーの黒(反射率0.03)はsRGB8bitで50位 それより下回る数値は敬遠されがちかも BaseColorの黒
BaseColorの黒 nixで測ってみるとツルツルな黒はかなり黒 反射率1パーセント以下 反射率1パーセント以下 色域外
BaseColorの黒 測色計はこうやって測る ツルツルはスペキュラが逃げる 測色計は単方向照明方式では45/0ジオメトリ
設定メモ • baseColor = 0.02 • F0 = 0.04 (ior1.5)
• light強度 = π/sin(45度) = 4.443[lx] → 真っ白のdiffuseが1.0になる値 試料が各方向に反射したradiance、真上のセンサーから見えるradianceを表した BaseColorの黒 ツルツルだとスペキュラが逃げる為、 純粋なDiffuse Albedo が計測され るが、表面が粗いと Specular も含んでしまう
BaseColorの黒 Diffuse1のLambertのみ Diffuse0のspecularのみ有効 roughness0.3 roughness0.7 roughness1.0 roughness0.0 0 0.005 0.026
0.012 sRGB 8bit 0 sRGB 8bit16 sRGB 8bt 45 sRGB 8bit 28 standard surface setting • Base Color = 0 • Ior = 1.5 light setting • Light intensity = 4.443 • Light angle 45° Arnoldで試した
スペキュラを除去したカラーチェッカーを Arnold でレンダリング Diffuse Albedo レンダリング ※ カメラを使ってテクスチャ現像したもの Diffuse Albedo
スペキュラを含むカラーチェッカーを Arnold でレンダリング Diffuse Albedo レンダリング 公称されているパッチの色は スペキュラが含まれているので注意 ※ カメラを使ってテクスチャ現像したもの
スペキュラが2重に乗るので暗部が浮いてしまっている Diffuse Albedo
スペキュラを含むカラーチェッカーを Diffuse Albedo を使ってレンダリング レンダリング結果の拡大 スペキュラ除去した Diffuse Albedo Diffuse Albedo
スペキュラを含むカラーチェッカーを Diffuse Albedo を使ってレンダリング レンダリング結果の拡大 スペキュラ含むDiffuse Albedo Diffuse Albedo
スペキュラー除去について • 実際スペキュラーが除去されるとどうなるのか・・・
スペキュラ除去について 幾つかのリファレンス素材を紹介
スペキュラー除去のリファレンス素材 リンゴ スペキュラー無 スペキュラー有
スペキュラー除去のリファレンス素材 リンゴ(拡大) スペキュラー無 スペキュラー有
スペキュラー除去のリファレンス素材 落葉、芝生 スペキュラー無 スペキュラー有
スペキュラー除去のリファレンス素材 落葉、芝生(拡大) スペキュラー無 スペキュラー有
スペキュラー除去のリファレンス素材 革ジャン スペキュラー無 スペキュラー有
スペキュラー除去のリファレンス素材 超低反射の黒い塗料を撮影してみる スペキュラー無 スペキュラー有
スペキュラー除去したカラーチェッカーについて • カラーチェッカーの比較 スペキュラー成分あり スペキュラー成分なし ※経年劣化による変色や計測誤差が生じている可能性があります。あくまでも参考値としてご確認ください
スペキュラー除去したカラーチェッカーについて • カラーチェッカーの比較 (sRGB値表示 0-255) スペキュラー成分あり スペキュラー成分なし 19.7% 13.0% ※経年劣化による変色や計測誤差が生じている可能性があります。あくまでも参考値としてご確認ください
スペキュラー除去したカラーチェッカーについて • カラーチェッカーの比較 (色域外表示) スペキュラ成分あり スペキュラ成分なし ※経年劣化による変色や計測誤差が生じている可能性があります。あくまでも参考値としてご確認ください
スペキュラー除去したカラーチェッカーについて • スペキュラー除去したカラーチェッカーは役に立つ! • スペキュラー除去した撮影写真の色補正に使える • 素材の正しい Diffuse Albedo が分かる
• なるべく正確に計測したい
スペキュラー除去したカラーチェッカーの計測 計測方法
スペキュラー除去したカラーチェッカーの計測
スペキュラー除去したカラーチェッカーの計測 持ってないので代替方法で計測しました!
スペキュラー除去したカラーチェッカーの計測 • 計測に使用する現象について
スペキュラー除去について • 計測に使用する現象について
スペキュラー除去したカラーチェッカーの計測 • 計測に使用する現象について oライトやスペキュラー反射が消光した状態の偏光板の配置 →クロスニコル
スペキュラー除去したカラーチェッカーの計測 • 機材準備 • 暗室で撮影
スペキュラー除去したカラーチェッカーの計測 • 機材の詳細 • 色彩輝度計 • 分光測色機 • 高演色性ライト •
太陽光の波長に近いライト • カラーチェッカー • 偏光板 × 2 • 白紙 • 機材を固定する器具 • 三脚など
スペキュラー除去したカラーチェッカーの計測 • 計測しておきたい内容一覧 • スペキュラ除去された/されてないカラーパッチの反射色 • 基準となるグレーの反射色 • 偏光板の透過率 •
白紙による透過色の変色 • 今回は計測せず
スペキュラー除去したカラーチェッカーの計測 • 計測その1 グレーの反射率の計測 o 番下の段の右から3番目のカラー チェッカーの一グレーを計測
スペキュラー除去したカラーチェッカーの計測 • 計測その2 偏光板の透過率計測 事前実験 • ライトの前に直接偏光板を設置 • 偏光がある •
正しい透過率が計測できない 90°回転
スペキュラー除去したカラーチェッカーの計測 • 計測その2 偏光板の透過率計測 事前実験 • ライトの前に白紙を設置し、その前に偏光板を設置 • 偏光がなくなった 90°回転
スペキュラー除去したカラーチェッカーの計測 • 計測その2 偏光板の透過率計測 o 拡散透過光を色彩輝度計で定点計測 o 偏光板有り、無しの2パターンを計測
スペキュラー除去したカラーチェッカーの計測 • 計測その3 カラーチェッカーの計測 • 各パッチを色彩輝度計測 • クロスニコル計測 • 無偏光計測
スペキュラー除去したカラーチェッカーの計測 • 計測その3 カラーチェッカーの計測 • 機材の設置 1.カラーチェッカーを設置
スペキュラー除去したカラーチェッカーの計測 • 計測その3 カラーチェッカーの計測 • 機材の設置 1.カラーチェッカーを設置 2.ライトを斜め45度照射 45°
スペキュラー除去したカラーチェッカーの計測 • 計測その3 カラーチェッカーの計測 • 機材の設置 1.カラーチェッカーを設置 2.ライトを斜め45度照射 3.色彩輝度計を正面に設置
スペキュラー除去したカラーチェッカーの計測 • 計測その3 カラーチェッカーの計測 • 機材の設置 1.カラーチェッカーを設置 2.ライトを斜め45度照射 3.色彩輝度計を正面に設置 4.ライト、色彩輝度計に偏光板装着
• クロスニコル配置にする
スペキュラー除去したカラーチェッカーの計測 • 計測その3 カラーチェッカーの計測 • 計測手順 1.順々にカラーパッチを計測 ⚫ カラーチェッカーを動かして合わせる ⚫
他の機器は固定したまま 2.色彩輝度計の偏光板を外して再度計測
スペキュラー除去したカラーチェッカーの作成 o計測データからカラーチェッカー画像ができるまで 反射色変換 偏光板補正 D65 sRGB へ変換 クロス偏光 無偏光
再度カバンを確認
ライティング調整完了!
知っておいた方が良い情報 知識として知っておいた方が良いこと
BaseColorってDiffuseAlbedo? BaseColor 非金属 → DiffuseAlbedo だが、 金属 → SpecularAlbedo に変身する
2つの Albedo を排他で持っている なので Metalness が0.5等の場合は思ったものにはならない 正確に行いたい場合は Specular Work Flow が良い
晴天の直射日光とスカイライトのコントラスト比 参考として晴天のスカイライトと直射日光部分のコントラスト 1:2 1:10 1:5
屋外の昼、夜、室内が明るさの参考 屋外晴天昼 10万 ルクス 室内照明 100~1000 ルクス 屋外夜満月のみ 0.2 ルクス
順光ってあまりないよ 順光はキャラが白く飛びやすいく扱いづらい 露出で暗くすると背景が暗く感じる ソフトクリップ入れてるけど明るめな素材はそれでも厳しい HDR表示なら実は違和はないのですが... 白飛ばないようにすると背景が暗くなる
順光ってあまりないよ 逆光気味や日陰くらいの方が扱いやすい コントラストが強いのが嫌ならレフ版で明るく
このパターンはあり 背景を見せるときは良い
リムライトは基本入れる tips インダイレクトもダイレクトも青くすれば記号的に夜になる(WBでも青に) リムと反対側の手前にフィルライトとして暖色入れるのもあり マットなライトでも一応リムは入れたい 日陰
影を紫にしたいからスカイライトの上の方を紫 インダイレクト成分だけ寄与 露光後のインダイレクト成分だけカラグレで暗部を紫にするのも面白そう
色温度、ホワイトバランス • ライトの色温度とカメラの色温度は逆の意味に感じるかもしれないです • カメラのホワイトバランスは照らされたライトの色温度を指定して、それを打 ち消しています 低い 高い 赤いライト 青いライト
低い 高い 被写体が青くなる 被写体が赤くなる ライトの色温度 カメラのホワイトバランスの色温度
色温度、ホワイトバランス 白熱灯の様なオレンジ色のライトってCGだとなぜか使いたがらないことがあ る。 でもそうじゃなくてホワイトバランスで補正すると現実みたいに補色が際立っ てリアルになるからやったほうが良いかもね
色温度、ホワイトバランス 2400Kのライトって赤いよね ライトの色でもう少し抑えよう ホワイトバランスで抑えよう 補色がより強調される (実際の写真はこれ) 室内に目が慣れると外が青く 感じるのもこれ
色温度、ホワイトバランス IBLに写っている照明も同じくらい低いケルビンとわかる 日没付近のライティングって青いよね ホワイトバランスで青みを取ってみると さらに室内がオレンジになった 屋外の青いアンビエントに目が慣れると マンションの明かりがよりオレンジに感じるのも同じ
色温度、ホワイトバランス カメラホワイトバランス6500K カメラホワイトバランス2700K 4200 3300 2700 2300 2050 4200 3300
2700 2300 2050 6500Kから見たら全部暖色 ここが中心 ケルビンじゃなくてミレッドと言うのもあってそっちの方が扱いやすい かもね。ミレッドのほうが色の変化がリニアに感じられる
オートホワイトバランスもやりたいね AWB100%をシミュレーションした例 (理想的なAWB) 青い日影に寄ると暖色に補正され、色が打ち消された様子が分かる (自動露出も同時に行っている) 補正に使用するライティング成分画像 注意 : 現実のカメラのAWBはこのようにライティング成分だけを抽出 できないのでマテリアルの色に振り回されることになる
影のボケとは光源が何割見えているかと言うこと 光源に向かってレイを飛ばして到達できない割合が影の濃さ 光源を見て何割隠れたかが影の濃さ 半影 本影 影無し 影無し 本影 半影
影が吸い付く現象 半影と言えば影が吸い付く現象が面白い Arnoldでも普通に再現できる
上手くいかない時に 破綻が少ないアドホックを考えたいです
• やみくもにアドホックを入れると不具合回避のためのアドホックがはいって どんどん複雑になります。 特にゲームだと負荷もデバックも重くなります • ライティング班も含めて進めたいです • 出来るだけライトで対応して、それでもダメならマテリアルでアドホックを入 れる •
でも、うまくいくように熟考する 負の連鎖の始まりに…
破綻が少ないアドホック • インダイレクトディフューズを参照したアドホック • 明るさ自動補正リムライト
• 影は光を遮っているだけ • 柔らかいライトの雰囲気にしたい時に影を薄くする対応はよくない 影について Density 1.0 Density 0.8 2割光が透過するってことは2万ルクスも透過だよ
• 室内の場合… 照らされて大変な事に! 影について • 影を薄くではなく、影部分のインダイレクトに色を付けたり明るくするのが良い こうだったのが こうなる
まとめ • ライティングアーティスト(特にゲーム)はライトを配置しているだけでなく、 地味な裏側の作業もしている話をしました • 勿論、かっこいい画作りもします その過程で何か怪しいものを発見したり、原因を調査する仕事 も同時に行っている • 因みに…
この様な道具を使用して検証も頻繁に行います
ライティングアーティストの道具 色彩輝度計、NIX、カメラ7RⅢ、thetaZ1、FXⅢ、照度計、カラーチェッカー、白い箱、黒色無双、カルマン、演色カード、各種レンズ、偏光フィルム、ポケットライト、 高演色ライト、HDRI撮影道具一式、AR400、レフ版、サンポール、錆板、象、傘、パーマセル、塗料、DYI道具一式
ご静聴ありがとうございました 資料提供 GYAAR STUDIO ©Bandai Namco Studios Inc. e-mail ・
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Tips 技術的な補足や紹介できなかった内容
凄く黒い物体のDiffuseAlbedoはどのくらい?
凄く黒い物体のDiffuseAlbedoはどのくらい? 太黒門というとても黒い生地を撮影してみた スペキュラ含む撮影 スペキュラを除去した撮影 スペキュラを除去した撮影(明るく撮影) 背景の暗幕(ベルベッド素材) カラーチェッカーの黒 太黒門 大黒門 0.15%
(公称値約0.1%) 反射率 0.03% Nixでの計測だと0.19% スペキュラ含む 反射率 sRGB 8bit カラーチェッカーの黒 3.00% 50 大黒門 0.15% 5 スペキュラ除去 反射率 sRGB 8bit カラーチェッカーの黒 0.60% 18 大黒門 0.03% 1
色温度について詳しく
ケルビンとは「絶対温度」と言う種類の温度で単位は[K] 普段みんなが使っているのは「摂氏」と言う種類の温度で単位は[℃] ケルビンは「絶対零度 (摂氏-273.15℃)を0[K]」としたもの 摂氏 → ケルビン K = °C
+ 273.15 ケルビン → 摂氏 °C = K - 273.15 色温度 : ケルビン
ケルビンで指定したライトの色 主なライトの色温度 光源 色温度(K) ろうそく 1800 ガス灯 2000 太陽直射(日中) 5500
晴天の青空 10000~20000 白熱電球 2500~3000 蛍光灯(昼光色) 5700~7000 蛍光灯(昼白色) 4600~5500 蛍光灯(電球色) 2600~3200 明るさが保持された場合と保持されない場合の比較 色温度で指定した場合は測光量なので基本的には明るさは変わらない 熱放射の光源は 光源温度 ≈ 色温度 蛍光灯や青空は熱放射ではない 青空の温度が2万Kではなく、青空の色温度が2万K Arnoldでレンダリング、aiPhotometricLightを使用、WBはD65、unityNeutralTonemap 色温度 : ケルビン
色温度 : ケルビン ケルビンで指定したライトの色 カメラのホワイトバランス(WB)をケルビンで指定 ArnoldのpostのaiImageWhiteBalance使用 ライトの色を打ち消すために、ライトの補色で乗算されるイメージ 色温度で指定したWBは基本的に明るさは変わらない
色温度が照明に使われるようになった背景
• 熱放射について • 白熱電球の発明 • 黒体放射の発見と理論化 • 色温度とは「黒体を熱した温度によって発光する色」 • 電球のフィラメントの温度を色温度として適用できる
色温度が照明に使われるようになった背景
熱放射について •固体や液体は、温度を持っている限り「電磁波」を放射し、この現象を「熱放射」と呼ぶ • 地面、人体、コップ、おにぎり…あらゆる物体は絶対零度でない限り何らかの電磁波が出ている •目には見えない波長もたくさん • 特に「遠赤外線」と呼ばれる波長(約8~15μm)が物体や体から多く出ている •物体を高温にしていくと光る理由 • 高温になるほど放射される電磁波の強度は強くなり、最も多く出る波長(ピーク波長)は短くなる
• 温度が低い時は「遠赤外線」が放出され、温度を上げると「近赤外線」→「赤」→「黄色」の可視光になる 色温度が照明に使われるようになった背景
色温度が照明に使われるようになった背景 熱放射について 鉄を高温にするほど赤から黄色に近づいて発光量も増える • 600℃くらいからボーっと赤く光ってくるのが分かるらしい • 温度を上げていくと色が「赤」→「橙」→「黄」→「白」→「青」→「紫外線」となり強烈な明るさに なっていくがそこまで耐えられる金属はなくて、オレンジくらいまでしか行けない • 黄色や白に見えるのは写真だと明るい部分が飽和しているからそう見えるだけ
https://jp.meviy.misumi-ec.com/info/ja/howto/metal-machining/18556/ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E6%B8%A9%E7%99%BA%E5%85%89
色温度が照明に使われるようになった背景 白熱電球の発明 現在の電球のフィラメントには「タングステン(W)」が使われている 金属の中でも特に融点が高く約3,422℃ • 19世紀末、白熱電球が発明され、フィラメント(金属線)を高温に加熱して発光させる照明が実 用化 • フィラメントの素材や温度の違いで光の色合いが変化することは、発明当初から経験的に知ら れていた
色温度が照明に使われるようになった背景 黒体放射の発見と理論化 黒体とは 熱放射として最も効率の良い物体は、反射率0・吸収率100%の真っ黒な物体。 受け取った熱エネルギーを無駄なくすべて自分からの放射熱として出すことが出来る(放射率100%) 熱放射を定量的・理論的に表現したモデルが黒体放射。 プランクの法則等で放射エネルギーの波長分布を厳密に記述できるようにしたのが黒体放射理論 「黒体」からの熱放射は温度だけで放射エネルギーの分布が決まる。 素材によって放射される波長は微妙に異なるが、お手本となる「黒体放射」と比べることで、 物質の性質や違いを科学的に議論できるようになった
色温度が照明に使われるようになった背景 • 「可視光」の領域内に十分な強さの分光放射輝度が存在していれば人に見える • 可視光内のグラフの傾きが右上がりで赤、平らで白、右下がりで青に見える • 縦軸は分光放射輝度 L [W/sr/㎡/m]、横軸は波長[m] •
対数グラフのため高さが1目盛り違うと明るさが10倍違うので温度を上げるほど明るくなることが分かる • 人からは遠赤外線が出ているが、電熱ヒーターは人よりも数百倍遠赤外線が出ていて可視光の赤として視認できる • 数万Kを超えると、一定の青より青くならないことが分かる(可視光部分の傾きに変化はないから) 黒体放射の発見と理論化
色温度が照明に使われるようになった背景 色温度とは「黒体を熱した温度によって発光する色」 • 2000ケルビン以下になってくるとsRGBでは色域外になるためBチャンネルが0になる • 1000ケルビンは輝度が2.7[cd/㎡] PCモニタの白が100[cd/㎡]とした場合 Photoshopの8bitドキュメントのsRGB[99,4,0]でにして塗りつぶした色と明るさになる リニアsRGB正規化 (最大1.0)
リニアsRGB 輝度[cd/㎡] ↓ これがまさに1000Kの色と明るさ(摂氏1273度の金属発光) (ホワイトポイント100nitのsRGBモニタで見た場合)
色温度が照明に使われるようになった背景 電球のフィラメントの温度を色温度として適用できる 昔はフィラメントを加熱して光を放つタイプの照明が多く、フィラメントの温度で色が決まった 3000Kに熱せられたタングステンの色や輝度は? 輝度 約1200万[cd/㎡] sRGBリニア正規化 [1, 0.48, 0.15]
計算方法 黒体放射の分光放射輝度に683[lm/w]を掛けて分光輝度[cd/㎡/m]にする 分光輝度にXYZ等色関数を掛けたものを積分してXYZが求まる XYZ = [ 3.27*10^7, 3.02*10^7, 1.19*10^7 ] 黒体放射3000Kより 可視光域放射率を0.4としたら0.4を掛けて XYZ = [ 1.31*10^7, 1.21*10^7, 0.47**10^7 ] sRGB = [ 2.14*10^7, 1.02*10^7, 0.329*10^7 ] 輝度Y[cd/㎡] 1.21*10^7 放射率:物体が理想的な黒体に比べて、どれだけ効率よく熱放射をするかを示す割合 Rawから正しい色で現像
色温度が照明に使われるようになった背景 電球のフィラメントの温度を色温度として適用できる 現代の照明にはあまり意味はない? 水銀灯やナトリウムランプや蛍光灯はスペクトルが黒体放射とは別物だが、 「相関色温度」と言う表現で「黒体放射」の色に近い色温度を表すことができる LEDライトは自由な色が作れるが、白熱電球を模した色として色温度は今でも使われている 1800Kの色温度と書いてあるLEDライトを計測してみた例 計測したXYZ X 5762
Y 4279 Z 421.7 sRGB Linear R 11884 G 2460 B 0 sRGB Linear 正規化 8bitγ補正 R 1 255 G 0.207 126 B 0 0 黒体放射1800KのXYZ X 158051 Y 117471 Z 12238.4 sRGB Linear R 325501 G 67724.2 B 0 sRGB Linear 正規化 8bitγ R 1 255 G 0.208 126 B 0 0 スマホ撮影 → → → → とても一致してる
色温度が照明に使われるようになった背景 電球のフィラメントの温度を色温度として適用できる 緑色に写るライト 水銀灯や演色性の悪い蛍光灯は人の目だと緑被りしないが、カメラだと緑に被るものがある。 不連続な波長(演色性が悪い)照明の色は見た目とは違う色に撮影される原因となる。 理由は、カメラのセンサーが人の特性とは違うのため。(効率化のため人とは違う特性になっている) CEDEC2020_信頼性の高いHDRI作成術より抜粋 カメラで写る方の色を使いたい場合は色温度では難しいのでカラー値を使う
D65と6500Kは少し違う
D65と6500Kは少し違う 6500K (少しマゼンタに見える) 6500Kの色を塗るとわずかにマゼンタになる D65 モニタやレンダリングの大体がD65が基準はD65 6500Kのライトは白にならないがカメラ側のWBを有効にしてカメラホワイトバランスを6500Kにすれば白にできる D65 6500K D65
6500K 定義 CIEが定めた標準光源で色評価用にも使われる光源 プランクの法則に基づく理想的な黒体放射 スペクトル 晴天の太陽と青空の両方を含んだ不連続なスペクトル 連続スペクトル 色 0.3127, 0.3290 6500Kから見るとグリーン寄り 0.313, 0.337 D65から見るとマゼンタ寄り D65を基準とした場合
平行光源はなぜ照度? 太陽の明るさを求める 太陽の温度 5778 [K] 太陽の直径 1,392,700 [km] 地球の直径 12,742
[km] 太陽と地球の距離 149,600,000[km] 条件 輝度は? 太陽はほぼ黒体なので表面温度からエミッシブが求められる color_XYZ = [1.80114392e+09, 1.85241879e+09, 1.86413597e+09] 輝度[cd/㎡] = 1.85241879e+09 (宇宙から見た太陽輝度) ちなみにsRGBのエミッシブ値 color_sRGB= [2.05976981e+09, 1.80683614e+09, 1.69309188e+09]
平行光源はなぜ照度? 太陽の明るさを求める 光度は? 輝度に太陽の平行投影面積を掛ければ光度になる 光度[cd] =2.82192E+27 光束は? 全方向均等とすると光度に4πを掛けて 光束[lm] =
3.54433E+28
平行光源はなぜ照度? 太陽の明るさを求める 光束にしても光度にしてもこんな大きな値を扱うのは不向き! 太陽から見た地球の見た目は分かりやすく言うと470メートル先のピンポン玉 立体角は 5.7*10^-09[sr] 全光束の内地球にぶつかる割合は4.53592*10^-10 それなら地球に当たる光束の単位面積当たりの光束である照度で指定するほ うが適切
平行光源はなぜ照度? 太陽の明るさを求める 照度は? 立体角から求める場合 地球ぶつかる光束は先ほどの割合を掛けて 1.60768E+19 [lm] 1平方メートル当たりの光束は地球の投影面積で割ればよいので 照度[lx] =126076[lx]
距離から求める場合 光度に対して距離減衰を行った場合 照度[lx] =126090[lx] 地球に届く照度は12万6千[lx]位 但し地上から見た太陽照度は10万[lx]位になる。 減る理由 : 一部は宇宙への反射と大気散乱による帯域照明になるため
スペキュラ除去の計測データ解析
スペキュラ除去の計測データ解析 • 前提条件 • 測定色空間 • CIE XYZ • 基準白色点
• D65
スペキュラ除去の計測データ解析 • 計測データの解析の流れの概要 1. 反射色係数を求める 2. 偏光板の減光割合を求める 3. 計測光源によるXYZ反射色を求める 4.
D65 XYZ反射色へ白色点補正する 5. D65 sRGB反射色へ変換する
スペキュラ除去の計測データ解析 o計測データからカラーチェッカー画像ができるまで 反射色変換 偏光板補正 D65 sRGB へ変換 クロス偏光 無偏光
スペキュラ除去の計測データ解析 o無偏光時の反射色係数を求める 反射色変換 偏光板補正 D65 sRGB へ変換 クロス偏光 無偏光
スペキュラ除去の計測データ解析 o無偏光時の反射色係数を求める ▪ カラーパッチ一番下の行の右から3番目のグレーを基準とする ▪ 対象グレーの反射率は分光測色機で測った値を使用 約19%
スペキュラ除去の計測データ解析 o無偏光時の反射色係数を求める ▪ 𝑹𝒈𝒓𝒂𝒚 ∶ グレーの反射率 ▪ 𝒀𝒈𝒓𝒂𝒚 ∶ グレーの計測輝度値
▪ 𝒌𝒖𝒑 ∶ 無偏光時の反射色係数 𝒌𝒖𝒑 = 𝑹𝒈𝒓𝒂𝒚 𝒀𝒈𝒓𝒂𝒚
スペキュラ除去の計測データ解析 o偏光板の減光割合を求め、クロスニコル時の反射色係数を求める 反射色変換 偏光板補正 D65 sRGB へ変換 クロス偏光 無偏光
スペキュラ除去の計測データ解析 o偏光板の減光割合を求める o 計測した紙の拡散透過輝度を使用 o 𝒀𝒄𝒑 : 偏光板有の白紙輝度 o 𝒀𝒖𝒑
: 偏光板無の白紙輝度 o 𝜶 ∶ 透過率 𝜶 = 𝒀𝒄𝒑 𝒀𝒖𝒑 o 今回は約𝜶 = 𝟎. 𝟒
スペキュラ除去の計測データ解析 oクロスニコル時のカラーパッチ値の反射色係数を求める • 𝒌𝒄𝒑 ∶ クロスニコル時の反射色係数 • 𝒌𝒖𝒑 ∶ 無偏光時の反射色係数
• 𝜶 ∶ 減光割合 𝒌𝒄𝒑 = 𝒌𝒖𝒑 𝜶𝟐
スペキュラ除去の計測データ解析 • 計測光源によるXYZ反射色を求める ▪ 反射値係数を各カラーパッチのXYZ値に掛けて求める • 𝒌𝒄𝒑 ∶ クロスニコル時の反射色係数 •
𝒌𝒖𝒑 ∶ 無偏光時の反射色係数 • 𝑪𝒎𝑿𝒀𝒁 ∶ 各カラーパッチの𝑿𝒀𝒁計測値 • 𝑪𝒓𝒆𝒇𝒎𝑿𝒀𝒁 : 各カラーパッチの計測光源の𝑿𝒀𝒁反射値 𝑪𝒓𝒆𝒇𝒎𝑿𝒀𝒁 = ቐ 𝒌𝒖𝒑 𝑪𝒎𝑿𝒀𝒁 , 無偏光時 𝒌𝒄𝒑 𝑪𝒎𝑿𝒀𝒁 , クロスニコル時
スペキュラ除去の計測データ解析 oここまでの計算おさらい 反射色変換 偏光板補正 D65 sRGB へ変換 クロス偏光 無偏光 𝑪𝑚𝑋𝑌𝑍
𝑪𝑟𝑒𝑓𝑚𝑋𝑌𝑍 × 𝑘𝑢𝑝 × 𝑘𝑢𝑝 /α2
スペキュラ除去の計測データ解析 o白色点D65のsRGB反射色へ変換 反射色変換 偏光板補正 D65 sRGB へ変換 クロス偏光 無偏光
スペキュラ除去の計測データ解析 o白色点D65のsRGB反射色へ変換(詳細) D65 XYZ へ変換 D65 sRGB へ変換 クロス偏光 無偏光
D65 sRGB (Linear) へ変換 𝑪𝑟𝑒𝑓𝑚𝑋𝑌𝑍 𝑪D65𝑠𝑅𝐺𝐵 𝑪′D65𝑠𝑅𝐺𝐵 𝑪D65𝑋𝑌𝑍
スペキュラ除去の計測データ解析 oD65へ白色点補正する D65 XYZ へ変換 D65 sRGB へ変換 クロス偏光 無偏光
D65 sRGB (Linear) へ変換 𝑪𝑟𝑒𝑓𝑚𝑋𝑌𝑍 𝑪D65𝑠𝑅𝐺𝐵 𝑪′D65𝑠𝑅𝐺𝐵 𝑪D65𝑋𝑌𝑍
スペキュラ除去の計測データ解析 • 白色点補正する o計測光源のXYZ反射色をD65のXYZ反射色に補正する o計測光源の白色点を求める ▪ 紙の拡散透過のXYZ計測値を無偏光時、クロスニコル時それぞれ輝度1の状態にな るように補正する(それぞれ自身のY値で割ればよい) ▪ 𝑾𝒄𝒑
, 𝑾𝒖𝒑 ∶ 白紙の拡散透過𝑿𝒀𝒁値(クロスニコル時, 無偏光時) ▪ 𝒀𝒄𝒑 , 𝒀𝒖𝒑 ∶ 白紙の拡散透過輝度 クロスニコル時, 無偏光時 ▪ 𝑾′𝒄𝒑 , 𝑾′𝒖𝒑 ∶ 補正したXYZ値 クロスニコル時, 無偏光時 𝑾′𝒄𝒑 = 𝑾𝒄𝒑 𝒀𝒄𝒑 , 𝑾′𝒖𝒑 = 𝑾𝒖𝒑 𝒀𝒖𝒑
スペキュラ除去の計測データ解析 • 白色点補正する o XYZ白色点からLMS (錐体応答値)白色点へ変換 o 𝑾′𝒄𝒑 , 𝑾′𝒖𝒑
を以下まとめて 𝑿𝑾𝑺 𝒀𝑾𝑺 𝒁𝑾𝑺 とする 双方とも以降の計算方法は同じ o 𝑿𝑾𝑺 𝒀𝑾𝑺 𝒁𝑾𝑺 : 偏光、無偏光時の撮影光源によるXYZ白色点 o 𝑿𝑾𝑫 𝒀𝑾𝑫 𝒁𝑾𝑫 : 𝑫𝟔𝟓 𝑿𝒀𝒁白色点 (=( 0.95047, 1.00000, 1.08883 ) ) o 𝑳𝑺 𝑴𝑺 𝑺𝑺 ∶ 偏光、無偏光時の撮影光源によるLMS白色点 o 𝑳𝑫 𝑴𝑫 𝑺𝑫 ∶ 𝑫𝟔𝟓 𝑳𝑴𝑺白色点 o 𝑴𝑨 ∶ 𝑿𝒀𝒁 から𝑳𝑴𝑺への変換行列 参考文献 http://www.brucelindbloom.com/Eqn_ChromAdapt.html
スペキュラ除去の計測データ解析 • 白色点補正する oXYZ白色点からLMS (錐体応答値)白色点へ変換 (続き) 𝑳𝑺 𝑴𝑺 𝑺𝑺 =
𝑴𝑨 𝑿𝑾𝑺 𝒀𝑾𝑺 𝒁𝑾𝑺 𝑳𝑫 𝑴𝑫 𝑺𝑫 = 𝑴𝑨 𝑿𝑾𝑫 𝒀𝑾𝑫 𝒁𝑾𝑫 𝑴𝑨 0.8951000 0.2664000 −0.1614000 −0.7502000 1.7135000 0.0367000 0.0389000 −0.0685000 1.0296000 参考文献 http://www.brucelindbloom.com/Eqn_ChromAdapt.html
スペキュラ除去の計測データ解析 • 白色点補正する o計測光源の白色点からD65白色点へBradford変換 o 白色点補正の変換行列𝑴を求める 𝑴 = 𝑴𝑨 −𝟏
𝑳𝑫 𝑳𝑺 𝟎 𝟎 𝟎 𝑴𝑫 𝑴𝑺 𝟎 𝟎 𝟎 𝑺𝑫 𝑺𝑺 𝑴𝑨 o 求めた変換行列で各パッチのD65XYZ反射色を求める 参考文献 http://www.brucelindbloom.com/Eqn_ChromAdapt.html
スペキュラ除去の計測データ解析 • 白色点補正する o計測光源の白色点からD65白色点へBradford変換(続き) o 求めた変換行列で各パッチのD65XYZ反射色を求める • 𝑪𝒓𝒆𝒇𝒎𝑿𝒀𝒁 ∶ 各カラーパッチの計測光源の𝑿𝒀𝒁反射色
• 𝑪𝑫𝟔𝟓𝑿𝒀𝒁 ∶ 各カラーパッチのD65の𝑿𝒀𝒁反射色 • 𝑴𝒖𝒑 , 𝑴𝒄𝒑 ∶ 白色点補正の変換行列(無偏光時, クロスニコル時) 𝑪𝑫𝟔𝟓𝑿𝒀𝒁 = ቐ 𝑴𝒖𝒑 𝑪𝒓𝒆𝒇𝒎𝑿𝒀𝒁 , 無偏光時 𝑴𝒄𝒑 𝑪𝒓𝒆𝒇𝒎𝑿𝒀𝒁 , クロスニコル時
スペキュラ除去の計測データ解析 oD65 sRGBリニア反射色へ変換 D65 XYZ へ変換 D65 sRGB へ変換 クロス偏光
無偏光 D65 sRGB (Linear) へ変換 𝑪𝑟𝑒𝑓𝑚𝑋𝑌𝑍 𝑪D65𝑠𝑅𝐺𝐵 𝑪′D65𝑠𝑅𝐺𝐵 𝑪D65𝑋𝑌𝑍
スペキュラ除去の計測データ解析 • D65 XYZ反射からD65 sRGB反射色へ変換 o各カラーパッチ反射値にXYZからリニアsRGBへの変換行列を掛ける ▪ 𝑴𝑿𝒀𝒁𝒕𝒐𝒔𝑹𝑮𝑩 : 𝑿𝒀𝒁から𝒔𝑹𝑮𝑩リニアへの変換行列
▪ 𝑪𝑫𝟔𝟓𝑿𝒀𝒁 ∶ 各カラーパッチのD65の𝑿𝒀𝒁反射値 ▪ 𝑪𝑫𝟔𝟓𝒔𝑹𝑮𝑩 ∶ 各カラーパッチのD65のリニア𝒔𝑹𝑮𝑩反射値 𝑪𝑫𝟔𝟓𝒔𝑹𝑮𝑩 = 𝑴𝑿𝒀𝒁𝒕𝒐𝒔𝑹𝑮𝑩 𝑪𝑫𝟔𝟓𝑿𝒀𝒁 𝑀𝑋𝑌𝑍𝑡𝑜𝑠𝑅𝐺𝐵 3.2404542 −1.5371385 −0.4985314 −0.9692660 1.8760108 0.0415560 0.0556434 −0.2040259 1.0572252 参考文献 http://www.brucelindbloom.com/Eqn_RGB_XYZ_Matrix.html
スペキュラ除去の計測データ解析 oD65 sRGB反射色へ変換 D65 XYZ へ変換 D65 sRGB へ変換 クロス偏光
無偏光 D65 sRGB (Linear) へ変換 𝑪𝑟𝑒𝑓𝑚𝑋𝑌𝑍 𝑪D65𝑠𝑅𝐺𝐵 𝑪′D65𝑠𝑅𝐺𝐵 𝑪D65𝑋𝑌𝑍
スペキュラ除去の計測データ解析 • リニアsRGB反射色からsRGB反射色へ変換 o非線形伝達関数で変換する o 𝑪𝑫𝟔𝟓𝒔𝑹𝑮𝑩 ∶ 各カラーパッチのD65 𝑳𝒊𝒏𝒆𝒂𝒓 𝒔𝑹𝑮𝑩反射色
o 𝑪′ 𝑫𝟔𝟓𝒔𝑹𝑮𝑩 : 各カラーパッチのD65 𝒔𝑹𝑮𝑩反射色 o 𝑪′ 𝑫𝟔𝟓𝒔𝑹𝑮𝑩 = ൝ 𝟏𝟐. 𝟗𝟐𝑪𝑫𝟔𝟓𝒔𝑹𝑮𝑩 , 𝑪𝑫𝟔𝟓𝒔𝑹𝑮𝑩 ≤ 𝟎. 𝟎𝟎𝟑𝟏𝟑𝟎𝟖 𝟏. 𝟎𝟓𝟓 𝑪𝑫𝟔𝟓𝒔𝑹𝑮𝑩 Τ 𝟏 𝟐.𝟒 − 𝟎. 𝟎𝟓𝟓, 𝑪𝑫𝟔𝟓𝒔𝑹𝑮𝑩 > 𝟎. 𝟎𝟎𝟑𝟏𝟑𝟎𝟖 参考文献 http://www.brucelindbloom.com/Eqn_XYZ_to_RGB.html
スペキュラ除去の計測データ解析 o白色点D65のsRGB反射色へ変換する工程のおさらい D65 XYZ へ変換 D65 sRGB へ変換 クロス偏光 無偏光
D65 sRGB (Linear) へ変換 𝑪𝑟𝑒𝑓𝑚𝑋𝑌𝑍 𝑪D65𝑠𝑅𝐺𝐵 𝑪′D65𝑠𝑅𝐺𝐵 𝑪D65𝑋𝑌𝑍 𝑀𝑐𝑝 𝑪𝑟𝑒𝑓𝑚𝑋𝑌𝑍 𝑀𝑋𝑌𝑍𝑡𝑜𝑠𝑅𝐺𝐵 𝑪D65𝑋𝑌𝑍 𝑀𝑢𝑝 𝑪𝑟𝑒𝑓𝑚𝑋𝑌𝑍 12.92𝑪D65𝑠𝑅𝐺𝐵 , 𝑪D65𝑠𝑅𝐺𝐵 ≤ 0.0031308 1.055 𝑪D65𝑠𝑅𝐺𝐵 Τ 1 2.4 − 0.055, 𝑪D65𝑠𝑅𝐺𝐵 > 0.0031308
スペキュラー除去した写真の撮り方
スペキュラー除去した写真の撮り方 • 「スペキュラー除去したカラーチェッ カーの計測」で使用した色彩輝度計 の箇所をカメラに変更 • ライトにストロボを使用すれば暗室 外でも撮影可能 • 非偏光時の計測が目的ではない場
合はライトを正面から当ててもよい
スペキュラー除去した写真の撮り方 • 機材一覧 • 一眼カメラ • ストロボ同調可能なカメラ • レンズ •
フィルター装着可能なもの • CPLフィルター • ストロボ • 今回はリング形状のものを用意 • 光量は強めのものが好ましい • ストロボ側の偏光フィルム • 工作して装着しやすくする • ストロボケーブル • 三脚、カラーチェッカー 他
スペキュラー除去した写真の撮り方 撮影工程について
スペキュラー除去した写真の撮り方 • 撮影準備 • 2つのCPLフィルター、偏光フィルムの装着について • 互いの偏光軸がクロスニコルになるように装着 • あらかじめ調整用の印があるとわかりやすい
スペキュラー除去した写真の撮り方 • 撮影準備(続き) • テスト撮影で微調整する • 鏡面反射の強い材質を撮影して鏡面反射が消光されていることを確認 • CPLフィルターを回転させて微調整
スペキュラー除去した写真の撮り方 • 撮影時の設定 • 撮影データ形式はRAW • カメラ設定はマニュアル • シャッタースピードはストロボ同調可能なスピードに設定 •
絞りは被写体に対してディープフォーカスになるように設定 • ISO感度は100 • ホワイトバランスは6500K固定 • ストロボの発光量は可能な限り強くする方が望ましい • ストロボの発光が十分に届く位置に被写体を配置
スペキュラー除去した写真の撮り方 • 撮影時の設定調整方法 • 適正な露光設定になるように調整 • カラーチェッカーを撮影して白飛び等しないように調整 • カラーチェッカーは撮影後の調整にも使用 •
被写体と同様の設定、条件で撮影しておくとよい
スペキュラー除去した写真の撮り方 • 撮影について • 事前にカラーチェッカーの撮影 • 同条件で対象の被写体の撮影
スペキュラー除去した写真の撮り方 • 現像方法 • RAW現像ソフトで現像する • RawTherapee v5.8 を用いて以下説明 •
カラーチェッカーを撮影したRAW画像を開く • 処理プロファイルを「(ニュートラル)」に設定
スペキュラー除去した写真の撮り方 • 現像方法(続き) • カラーマネジメント • 入力プロファイル • よくわからない場合は「カメラの標準的プロファイル」 •
作業プロファイル • sRGB • 出力プロファイル • リニア編集の場合は別途プロファイル作成が必要 • ICCプロファイルクリエーターを用いて作成 プライマリ : sRGB トーン再現カーブ : linear_g1.0 光源 : D65 ICCのバージョン : ICC v4
スペキュラー除去した写真の撮り方 • 現像方法(続き) • ホワイトバランス • 同時に撮影したカラーチェッカーを使用 • 一番下段の右から3番目のグレーをピック
スペキュラー除去した写真の撮り方 • 現像方法(続き) • 露光補正 • 同時に撮影したカラーチェッカーを使用 • 一番下段の右から3番目のグレーを ロック式カラーピッカーでピック
• ピック値が13%ぐらいになるように露光量補正
スペキュラー除去した写真の撮り方 • 現像方法(続き) • プロファイルの適用 • ファイルブラウザで操作します。 • カラーチェッカーを撮影したRAWファイルのコンテキストメニューで以下の操作 •
プロファイルの操作 > プロファイルのコピー • 対象の被写体を撮影したRAWファイルのコンテキストメニューで以下の操作 • プロファイルの操作 > プロファイルの貼り付け
スペキュラー除去した写真の撮り方 • 現像方法(続き) • 画像出力 • 対象RAWファイルをキューに追加 • コンテキストメニューから追加 •
キュータブに移動して出力設定 • キューを実行して出力