本研究では,ラフスケッチの自動線画化を効果的に学習するための統合的なフレームワークを提案する.提案手法では,線画化ネットワークおよび線画識別ネットワークを構築し,線画識>
別ネットワークは本物の線画と線画化ネットワークによって作られた線画を区別するように,線画化ネットワークは出力した線画を識別ネットワークが区別できないように学習を行う.この
アプローチには2つの利点がある.一つ目は,識別ネットワークは線画の「構造」を学習できるため,線画化ネットワークがより精細で本物に近い線画を出力できるようになる.二つ目は,>
対応関係のないラフスケッチと線画を学習に取り入れることができ,実世界の多様な教師なしデータを線画化ネットワークに学習させることができる点である.本学習フレームワークを用い
ることで,最新の線画化手法よりも精細で多様な線画化が可能となる.さらに提案手法では,入力画像を用いてモデルをさらに学習することで,入力画像に対する線画化ネットワークの最適
化を行うことができる.また,提案手法により,逆問題,すなわち線画から鉛筆画への変換も学習できることを示す.