AWSのサービス終了に備えるシステム運用 / cariot-cloud-shokudo

2025年11月19日に開催されたクラウド食堂 #5 ~運用にまつわるLT会~の発表資料です。

https://cloud-shokudo.connpass.com/event/365949/

Transcript

1. 株式会社キャリオット 遠藤 匠 AWSのサービス終了に備えるシステム運用 2025/11/19 クラウド食堂 #5 ~運用にまつわるLT会~
2. 2 自己紹介 2 • 遠藤 匠 • 株式会社キャリオット プロダクト開発部 部長 – ソラコム（IoTプラットフォーマー）とフレクト（クラ ウドインテグレーター）の合弁会社 • 役割 – エンジニアリングマネージャー – プロダクトマネージャー • 経歴 – 2007/4〜 SIer – 2015/2〜 フレクト – 2024/10〜 キャリオット（事業承継による転籍）
3. 3 サービス紹介：Cariot (Car + IoT) = B2Bの車両動態管理SaaS スマートフォンアプリ、車載デバイス、ドラレコを活用して、 モビリティデータをかんたん＆リアルタイムに、可視化・分析・共有したり、 アルコールチェック、車両予約、点検など車に関する業務のDXを支援するクラウドサービス 契約数 400社以上 稼働台数 約10,000台
4. 4 AWS Product Lifecycle https://aws.amazon.com/jp/products/lifecycle/ サービス終了など重要な変更に関する包括的・一元的な情報リソース
5. 5 Amazon S3 Select 新規作成はすでに停止済み S3バケット上のオブジェクト (JSON, CSV)をSQLライクな構文で クエリできる機能
6. 6 Amazon S3 Select Redis, DynamoDB, S3 Selectを使ったIoT向け時系列データベースのアーキテクチャ https://zenn.dev/cariot_dev/articles/b310d7be123994 S3上にあるコールドデータのクエリ手段として利用
7. 7 Kinesis Data Analytics for SQLアプリケーション 新規作成はすでに停止済み 2026/1/27 アプリケーション削除 ストリーミングデータ(Kinesis Data Streamas, Amazon Data Firehose)を SQLを使用して処理、分析するサービス
8. 8 Kinesis Data Analytics for SQLアプリケーション Kinesis Analytics SQL Application Amazon DynamoDB Amazon Athena Amazon Kinesis Data Streams Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS) AWS Lambda AWS Lambda Amazon EventBridge Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) Amazon Data Firehose 車両動態管理システムCariotの リアルタイム性を実現する技術 https://speakerdeck.com/cariotinc/cariot-mobility-night2 時系列プローブデータのニアリアルタイム集計（ウインドウ計算）で利用
9. 9 サービス終了の困りポイント 公式として代替手段は提示されているのだが、 機能互換性は保証されていなく、完全な代替手段にはなり得ない ・Amazon S3 Select 　（代替手段）AWS Athena, S3 Object Lambda 　　→ 単一のファイルで単純なクエリパターンなら、S3 Selectの方がAthenaよりも 　　　早い＆安い ・Kinesis Data Analytics for SQLアプリケーション 　（代替手段）Managed Flink 　　→ Staggerウインドウが独自の機能であり、Flinkに同様のモードがない 　　→ 前処理でLambdaを実行できない（deaggregationなど）
10. 10 Kinesis Data Analytics for SQLアプリケーションのStagger Windows （ずらしウインドウ） 到着順 イベント時刻 固定の時間間隔ではなく、イベントが届いた時点からウインドウが開く ウインドウが開いてから指定した時間が経つと閉じる（結果を1回出力） 遅延データでもウインドウが開く Window1 Window2 Window3 Window4 ：受信データ
11. 11 Amazon Managed Service for Apache Flink 大きな遅延データに対しては別ストリーム側で処理させる二系統方式で実装 Amazon Managed Service for Apache Flink Amazon Kinesis Data Streams AWS Lambda Amazon Kinesis Data Streams 許容時間を超えた遅延データは Side Outputsとして別ストリームに流す AWS Lambda deaggregation含めた処理を実装
12. 12 教訓・まとめ AWSのサービス終了を完全に予期することは難しい。ただし、一定の傾向はある ・あまり使われていない・使われなくなった ・有力な代替手段が新しく登場した ・東京リージョンへのローンチが遅い ※ 移行の際にも「使っている事例が少ない」≒「情報が少ない」ので苦労する… 早め早めに余裕をもって備えることが大事 （仕様や要件の見直し、ユーザ影響調査や告知、データ互換性、監視設計、などなど） 気づいたら期限が迫っていたということがないように、 使っているサービスが終了アナウンスやアップデート情報は日々確認していきましょう
13. ご清聴ありがとうございました https://www.cariot.jp/ We're hiring!