Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

Snowflakeとdbtで加速する 「TVCMデータで価値を生む組織」への進化論 / Ev...

Snowflakeとdbtで加速する 「TVCMデータで価値を生む組織」への進化論 / Evolving TVCM Data Value in TELECY with Snowflake and dbt

Findy data engineering summit 2025 登壇資料
TELECY 欧陽 江卉 (X: @ohyan233)

登壇ページ: https://data-engineering-summit.findy-tools.io/2025?m=2025/tt/bQLHDJPL

概要

本セッションは、運用型テレビCMを主軸とするテクノロジードリブンなマーケティングパートナーとして、創業当初から「データで価値を生む組織」を目指し、進化させてきたデータ基盤について紹介します。多様なマーケティングデータや消費者行動データを扱う中で、Snowflakeとdbt Cloudを活用し、柔軟かつ安定した運用を実現。さらに年間1,000万円以上のコスト削減につながった改善事例、事業のスケーラビリティを支える設計・実装、開発組織の半数がデータサイエンティストである理由についてお話しします。

Avatar for CARTA Engineering

CARTA Engineering

November 06, 2025
Tweet

More Decks by CARTA Engineering

Other Decks in Technology

Transcript

  1. データプランニングチーム チームリーダー 欧陽 江卉 おーやん @ohyan233 略歴 新卒で株式会社CARTA HOLDINGSに入社し、インターネット広告の 配信ロジックに関する設計・開発・運用に従事。その後、国内大手

    ECサービス事業会社へ転職し、2022年にCARTA HOLDINGSへ再入 社。現在はCARTA HOLDINGSの子会社である株式会社テレシーに て、データプランニングチームのチームリーダーとして、社内の データ分析基盤の構築・運用を担当し、マーケティング施策を支え るためのデータ設計・整備にも取り組んでいる。 #マーダーミステリー #筋トレ 2022年入社
  2. Snowflakeとdbtで加速する「TVCMデータで価値を⽣む組織」への進化論 テレシーアナリティクスの取り扱うデータ 消費者⾏動データ • データリソース ◦ Google Analytics 4 ▪

    Webサイト訪問、商品購⼊ ◦ Mobile Measurement Partners ▪ インストールログ、アプリ起動ログ ◦ Yahoo DS.INSIGNT ▪ 検索クエリボリューム テレビCM視聴率データ • データ形式 ◦ テレビ局、番組、放映時間、 リアルタイム視聴率、番組視聴率...
  3. Snowflakeとdbtで加速する「TVCMデータで価値を⽣む組織」への進化論 テレビCM効果分析の現場課題 テレビCMの効果分析は、大きく 2つに分けられる 1. 定常分析 決まったやり方で分析を行う →プロダクトにて分析結果を提供 2. アドホック分析

    お客様の状況や要望に合わせて、その都度やり方を変える →分析メンバーが介入 直近では、約 8割の案件がアドホック分析が求められる ※アドホック分析を提供している理由としては、テレシーは単にテレビCM枠を売る会社ではなく、お客様一人ひとり としっかり向き合い、伴走支援を提供している
  4. Snowflakeとdbtで加速する「TVCMデータで価値を⽣む組織」への進化論 分析ボトルネックの解決方法 After 1. Snowflakeの導⼊(選定理由は割愛) a. 分析専⽤のDWHを分離‧構築 b. ⾼速な分析処理が可能 i.

    本番システムに負荷をかからない 2. リモデリングの実施 a. 分析しやすい「⾮正規化モデル」(OLAP) b. 分析⽬的に合わせてあらかじめ集約‧整理 Before 1. データが「第三正規化」 • 分析⽤のSQLが⾮常に複雑化 • 分析に不向きなOLTPモデル • 複数テーブルに情報が分散 2. データモデルがシステム処理に最適化 • 分析者が「ビジネス視点」で 直感的にデータを抽出‧処理 することが困難
  5. Snowflakeとdbtで加速する「TVCMデータで価値を⽣む組織」への進化論 TELECY データ基盤のこれまでとこれから これまで: 運⽤型テレビCM領域 • 従来モデル(特許7112816) ◦ テレビCMの残存効果を考慮し、 番組やCM素材ごとのROIを

    分析可能 • 新規モデル(特許7651769) ◦ テレビCMの効果分析 ▪ 従来: 時間粒度 (per hour) ▪ 新規: 分間粒度 (per minute) ◦ CM放映枠や素材もより⾼精度に 分析することが可能になった これから: 統合マーケティング領域 テレビ以外の マーケティングデータを活⽤し 新たなソリューションの提案
  6. Snowflakeとdbtで加速する「TVCMデータで価値を⽣む組織」への進化論 データドリブン経営基盤とミッション データに基づいた意思決定を⾏うために必要なデータを収集‧蓄積‧加⼯‧分析‧ 活⽤するための⼀連の仕組みやシステム環境を提供 具体的な現場の課題 • 前年同期と⽐べ、売上、原価、売上総額がどのように変化しているか? • 直接部⾨の1⼈あたり売上総額がどのように推移しているか? •

    顧客セグメントごとのパフォーマンスはどのような状況か? • など 取り扱うデータ • CRMデータ(Salesforce):顧客情報、商談履歴など • 仕訳データ:売上、原価などの実績が反映された会計‧財務データ • 多種なマスターデータ:社員マスター、原価種⽬マスターなど • アドホックなデータリソース:各部⾨が個別に管理しているデータ
  7. Snowflakeとdbtで加速する「TVCMデータで価値を⽣む組織」への進化論 Single Source of Truthの確立 課題感 ◦ データリソースを単⼀化‧粒度と定義の統⼀ ◦ 複数データソースに情報が点在

    ▪ データ追従が出来ず、⼤量な⼈的リソースが必要 現状のデータリソース ◦ Salesforce ◦ 経理システム ◦ 請求書発⾏システム ◦ 台帳(スプレッドシート)
  8. Snowflakeとdbtで加速する「TVCMデータで価値を⽣む組織」への進化論 データガバナンスの実装と運用 課題感 ◦ データオーナーシップの曖昧さ ▪ データオーナーやアクセス権限の範囲が不明確 ◦ データ品質担保の難しさ ▪

    オペレーションミス(⼊⼒不備など)を検知‧防⽌する仕組 みが不⾜ • ユーザーごとのアクセスコントロールの設計‧実装 • データ品質を担保するためのテストケースを実装