Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
About累積和
Search
Catupper
August 22, 2013
How-to & DIY
0
1.6k
About累積和
ぷろ
しゅみ
るいせいき
わ
Catupper
August 22, 2013
Tweet
Share
More Decks by Catupper
See All by Catupper
ants' roots
catupper
1
2.4k
Trianguler
catupper
0
190
sort conference
catupper
2
97
計算量の話
catupper
0
1.1k
Graph is Fun
catupper
0
130
For You
catupper
1
140
Other Decks in How-to & DIY
See All in How-to & DIY
enebularを活用したNode-REDによるIoTシステム開発と運用
taokiuhuru
0
460
CH32Vシリーズを楽しもう(74thの場合) / enjoy ch32v series
74th
1
130
enebular Update for the second half of 2023
taokiuhuru
0
170
カフェでノートPCが盗難されたかどうかを検知するIoT #linedc #iotlt #obniz #protoout
n0bisuke2
1
300
Learning from Firefighters
ksatirli
PRO
0
140
リアル登壇だから気をつけたい「マイクの使い方」のコツ
shirayanagiryuji
0
190
Terra Charge|普通充電器ご利用ガイドブック / Terra Charge Ordinary Charger Guidebook
contents
1
130
「おうちクラウド」が今も熱い!
hirosat
2
1k
How to Hire a Driver for Long Distance Travel?
greaterservice
0
130
さらなるアウトプットに、Let's ライトニングトーク! ― LTのやり方
ma2shita
2
650
Career Opportunities In WordPress
wchk2023
0
240
IoTと田中の距離 #iotlt #田中 #openai
n0bisuke2
1
310
Featured
See All Featured
Intergalactic Javascript Robots from Outer Space
tanoku
270
27k
[Rails World 2023 - Day 1 Closing Keynote] - The Magic of Rails
eileencodes
33
2k
We Have a Design System, Now What?
morganepeng
51
7.3k
How To Stay Up To Date on Web Technology
chriscoyier
789
250k
[RailsConf 2023] Rails as a piece of cake
palkan
53
5k
The World Runs on Bad Software
bkeepers
PRO
66
11k
Put a Button on it: Removing Barriers to Going Fast.
kastner
59
3.6k
Build your cross-platform service in a week with App Engine
jlugia
229
18k
Rebuilding a faster, lazier Slack
samanthasiow
79
8.7k
KATA
mclloyd
29
14k
Responsive Adventures: Dirty Tricks From The Dark Corners of Front-End
smashingmag
251
21k
Speed Design
sergeychernyshev
25
670
Transcript
なつやすみは突然に ひとなつの 競技プログラミング講座
ぱちぱちー 累積和
問題 • 長さ100,000の数列があります • いろいろな区間についてそこの合計を聞くので答えて – 100,000くらい聞く • 例: {1,
4, -1, 2, 5, 9, 10, -4, 5, 0} – 0〜7は? → 26 – 2〜4は? → 6 – 3〜9は? → 27 – …
愚直にやると? • 聞かれるたびにいちいち足して計算する – 最悪100,000 * 100,000で 10^10 – 遅い
そこまでの和をもつの • 累積和という概念をつかうとうまく行く – どこかからどこかまでの和のこと – 今回は一番左からそこまでの和 • 要素A[i]以左の要素の総和をS[i]とする •
A[l] + A[l + 1] + A[l + 2]... A[r] = S[r] – S[l – 1] • S[i]をすべて保存しておけば一回引き算するだけ – 計算は100,000回だけになる
これこそが 累積和
基本概念 • 連続した範囲の総和を持つこと • それを使うことで計算量を減らす • どう使うかはあなたが考える
たったの これだけ
演習問題 • AOJ0549 • 一直線上に宿屋がたくさんならんでいる • 旅人がその宿屋をある順番でめぐる • そのときの総移動距離を求めよ •
簡単なので考えてみて
Thinking Time • 3分で答えを考えてください • コードは実装しなくていいです
例題 • 最初は全部0の数列があります – サイズは10,000くらい • 連続した範囲に1足す操作をたくさんします – 10,000回くらい •
操作を全部し終わった後の数列の状態を教えて
わかりやすい図
ためされる頭脳 どうやってとくのか
逆転の発想 • さっきまでは、状態の累積和をとっていた • 今度はなにかの累積和が状態になるように考える • 元の状態を変えると累積和がどう変わるか考えてみる
+1してみる • 累積和する前のもの • 累積和をとった後
考察 • 累積和前の数列に1を足すとそれ以降全てが一様にたさ れる • 連続した範囲に一様に値を足すことの代わりになる – だけど余計なところまでたされてしまう • 余計なところは-1して帳尻をあわせる
-1でちょうじりあわせ • 累積和する前のもの • 累積和をとった後
これが港でゆうめいな いもす法
演習問題 • AOJ0231 • 重量制限がある崩れそうなヤバイ橋(ヤ橋)がある • その橋を何人かが渡ります – それぞれの渡り始め、渡り終わりの時刻 –
それぞれの体重 – が与えられる • 崩れるか崩れないか判断してください • 崩れるならいつ崩れるか教えてください
Thinking Time • 5分で答えを考えてください • コードは実装しなくていいです – ちょっとむずいです • わかった人は前に出て発表
– 先着1名
次元をこえて 2次元への応用
考え方はいっしょ • 累積和のつよみ – 1次元配列よりも2次元配列で本領を発揮する • 考え方は変わらないのでとりあえず例題
応用問題 • AOJ0560 • Jangle, Ocean, Iceの3種類の地形からなる地図が与えら れる – 2次元 1000
* 1000のマス目状 • ある長方形の範囲の中のJ,O,Iの数を教えてください – ということを100,000回します • うまく処理して
参考までに愚直解 • 聞かれるたびにいちいち答えるとクソおそいです – 1,000 * 1,000 * 100,000 =
10^11 – 数分かかる • 今回の問題はO(10^6)でとけます – がんばって考えよう
Thinking Time • 5分で答えを考えてください • コードは実装してもいいです – 時間かかるのでせんでもいいです • わかった人は前に出て発表
– 先着1名
答え • (0,0)を頂点にする全ての長方形の結果を持っておく – 1,000 * 1,000個 → O(10^6) –
A[i][j]を長方形(0,0) (i, j)の結果とする • 長方形(a,b) (c,d)の結果は – A[c, d] - A[a, d] – A[c, b] + A[a, b] – 一回の計算で出せる – O(100,000)
ちなみに 日本情報オリンピック 2010 本選第一問
宣伝 • 夏休みおわった直後くらいに申し込み始まります • 応募してちょ – 無料 – 参加は家から可能 –
予選を通れば東京にタダでいける – 代表に選ばれれば台湾にタダでいける – 来年はカザフスタン
その他応用問題たち • AOJ0509 – Sheets – メモリの工夫が必要 • AOJ0574 –
Nails – DPでもとけます • AOJ0580 – Fish – 座標圧縮が必要