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アノテーション作業書作成のGood Practice

アノテーション作業書作成のGood Practice

Search Engineering Tech Talk 2025 Autumn (https://search-tech.connpass.com/event/370754/) での発表資料です。

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October 30, 2025
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  1. © Cierpa&Co., Inc. ⽒名 • 神⽥ 峻介 / Kampersanda (Kanda

    → K and A → K & A → K ampersand A) 経歴 • 特別研究員@理研AIP (2018〜2021) • シニアリサーチエンジニア@LegalOn Technologies (2021〜2024) • ソフトウェアエンジニア@Cierpa&Co. (2024〜) (ここ2年くらい検索技術勉強会のスタッフもやってます) About me
  2. © Cierpa&Co., Inc. 記事を読み、「⼈権問題」に関連する 内容が含まれていると思えば「該当」 を選んでください。そうでなければ 「⾮該当」を選んでください。 簡単な定義 以下の基準をすべて確認し、判断してください。 1.

    深刻な⼈権侵害(必須):「児童労働」「強制労働」「⼈⾝売 買」「拷問」に明確に⾔及している場合は「該当」。 2. 差別‧ハラスメント:「⼈種」「性別」「宗教」「出⾝」に基 づく差別やハラスメントに関する記述がある場合は「該当」。 例外: ただし、それが「ダイバーシティ&インクルージョン (D&I)」のポジティブな取り組みとしてのみ⾔及されている 場合は、「⾮該当」(「労働慣⾏」トピックとする)。 3. コミュニティ‧先住⺠の権利:「⼟地の強制収⽤」「先住⺠の 権利侵害」に⾔及している場合は「該当」。注意: 「地域への 寄付」「対話の実施」といったポジティブな活動は「⾮該 当」。 4. ガバナンスとの重複: 主題がガバナンス(例:CEO辞任)で あっても、その発端となった事象がルール2(例:差別的発 ⾔)に抵触する場合は「該当」。 5. … 複雑化した定義 (例)ニュース記事が「⼈権問題」に「該当」か「⾮該当」かを判別する どこまで作り込めば「完全な定義」は完成する?
  3. © Cierpa&Co., Inc. 1. ワークフローの修正 • 定義を簡潔に保ち、判断が難しい事例は「別フロー」で処理する • (例)⾮専⾨家で判別できない事例は専⾨家へ(Practice 2)

    2. 問題の単純化 • ⼀つのタスクで全てを満たそうとしない • (例)完璧に識別するのを⽬指さず、⽬的を単純化する(Practice 3) 過度な複雑化に繋がりそうな場合は「仕組み」で対処する
  4. © Cierpa&Co., Inc. 判別困難な事例は必ず発⽣する(例: ⾼すぎる専⾨性、データ不備...) 「逃げ道」がない場合 • 時間の消費: 無益に悩み、⼿が⽌まる •

    品質の低下: 主観的な判断でラベル付け 解決策: 「分からない」ラベルを導⼊ • 困難な事例のスキップとエスカレーションが可能に • 無理な誤ラベルの付与を回避 Practice 2 ‒ 「分からない」を⽤意する
  5. © Cierpa&Co., Inc. Case A: 「明らかに該当」なものを判別したい • 例: 絶対に外さないアイテムだけを推薦したい •

    定義: 部分的にも⾮該当な事例は「⾮該当」(適合率重視) Case B: 「少しでも該当」なものを判別したい • 例: 不良品を絶対に⾒逃したくない • 定義: 部分的にも該当な事例は「該当」(再現率重視) 難しい事例をどちらに倒すか決めるだけで、判断は容易になる システムが「少なくとも満たすべき要件」はどちらか?
  6. © Cierpa&Co., Inc. ルール: 1事例あたり〇〇秒以上悩んだら「分からない」を選ぶ 2つの利点 1. 品質の担保 a. 「⻑時間悩む事例」はそもそも判別不能

    b. 無理な判断によるノイズの混⼊を防ぐ 2. コスト‧⼯数の管理 a. ムダな思考時間を強制的にカット b. 1件あたりの最⼤時間が決まり、⼯数⾒積もりが容易に Practice 4 ‒ 思考時間の上限を設定する
  7. © Cierpa&Co., Inc. 本⽇の4つのGood Practice 1. 定義の複雑化を「仕組み」で回避する 2. 「分からない」を⽤意する 3.

    少なくとも満たすべき要件を定義する 4. 思考時間の上限を設定する 「運⽤可能なアノテーションフロー」を作ろう! まとめ シェルパ‧アンド‧カンパニー株式会社では、エンジニアやインターン シップを絶賛募集中です!是⾮お声がけ下さい!