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日本から参加する AWS re:Invent 2024 : Simplexityってなんだ?

Seigo Watanabe
December 12, 2024
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日本から参加する AWS re:Invent 2024 : Simplexityってなんだ?

Seigo Watanabe

December 12, 2024
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Transcript

  1. 登壇者紹介 3 2021 APN AWS Top Engineer / ALL AWS

    Certifications Engineer 2022 APN ALL AWS Certifications Engineer 2023,2024 Japan AWS All Certifications Engineer 2025 Google Cloud Partner Top Engineer Mackerel Ambassador (2019-) New Relic Partner Trailblazer (2023) https://dev.classmethod.jp/author/watanabe-seigo/ https://www.credly.com/users/seigo-watanabe.29d196c2/ ▸ クラスメソッド株式会社 アライアンス事業部 ▸ 指向 : 運⽤‧モニタリング‧SRE ▸ 好きな AWS サービス : Certificate Manager (ACM) Route 53 CloudWatch metric streams ▸ 好きな Google Cloud サービス : Compute Engine Live Migration Cloud Run Jobs ▸ ネタを挟まないと死んじゃう病 渡辺聖剛 (Seigo Watanabe)
  2. ざっくり 7 ❏ ライブ配信 (livestream) を聴講 ❏ キーノート ❏ あとから録画配信を聴講

    ❏ キーノート ❏ ブレイクアウトセッション 今年は リモートから参加出来る Activity の ようなものはありませんでした (悲しみ ※画像はイメージです
  3. Keynote livestream 9 ライブ配信は Keynote のみ 配信機能は毎年進化している • ⽇本語字幕付き(機械翻訳) •

    遅延も低い(体感で 1分以内) 聴講環境を整えられるので、 むしろ快適まである (ネット、PC) スクショも撮り放題 現地にいても、あえて ライブ配信を選択するメンバーも AWS re:Invent 2024 のキーノートを日本語字幕付きストリーミングで見ながら参加してみた https://dev.classmethod.jp/articles/re-invent-2024-keynote-subtitles-live-streaming/
  4. ⽋点 : 時差 10 Monday Night Live: 12:30-14:00 (JST) 1.5h

    Partner Keynote: 08:00-09:30 (JST) 1.5h それ以外: 01:30-03:30 (JST) 2.0h これを連⽇、 この時間ひとりで⾒るのは なかなかつらい
  5. そもそも 11 基調講演での発表にあわせて、 • 何かの発売⽇が公開されて 即⽇予約の受付が始まる • 何かの新作 PV が公開されて

    ネット上でネタバレが拡散される こういうわけではないので、 リアルタイムに視聴する意味も そんなに⾼くない (※業務都合を除く) ➡ 録画でよくね? DALL-E 3
  6. 公式YouTubeチャネル 13 @AWSEventsChannel https://www.youtube.com/@AWSEventsChannel 公開動画はここに集められる • 配信対象: Keynote Innovation Talk

    Breakout session • わりと早く (数時間で) 公開された Innovation Talk: レクチャースタイルの事例セッション
  7. Breakout Sessions 14 700本以上公開 ジャンルごとに Group 分け • AI/ML /

    Analytics / Architecture / Business Apps / Community / Compute / Customer Enablement / Cloud Operations / Databases / Dev Chats / Developer Productivity & DevOps / End-User Computing / Hybrid Cloud / Industry / IoT & Robotics / Kubernetes / Networking & Content Delivery / New to AWS / Migration & Modernization / Partner Enablement / Security Compliance & Identity / Serverless Compute / SMB / Storage ...
  8. ...なんていう話は 17 まとめ記事がもうあるので こちらをご参照下さい 俺達の AWS re:Invent 2024 はまだ 終わってない!

    〜 After re:Invent を256倍楽しむ⽅法 https://dev.classmethod.jp/articles/aws-reinvent-2024-after-reinvent-256/
  9. keynote x5 の傾向 18 • Monday Night Live : Peter

    DeSantis ◦ Senior Vice President of AWS Utility Computing ◦ インフラまわり ◦ ⽇本時間の昼間にやる、拝聴しやすい • CEO : Matt Garman ◦ AWS CEO ◦ AWSの⽴ち位置や⽅針、株主向け ◦ イベントとしてはメインキーノート • データ/ML : Dr. Swami Sivasubramanian ◦ Vice President of AI and Data at AWS ◦ データアナリスト向け ◦ 新しい SageMaker ファミリーの発表 • パートナー : Dr. Ruba Borno ◦ Vice President, Global Specialists and Partners ◦ パートナー企業向け • CTO : Dr. Werner Vogels ◦ Vice President and CTO at Amazon.com ◦ 開発者向け
  10. これまでの Dr. Werner キーノート 19 希代の名⾔メーカー • You build it,

    You run it. (あなたが作り、あなたが動かす) • Everything fails all the time (全てのものはいつか壊れる) • Security is everyone's job (セキュリティは全員の仕事) • Log everything (すべてを記録せよ) • Operations are forever (運⽤は⼀時にあらず) etc...
  11. 「複雑さ」注意報 23 こういうシグナルが⾒られたら注意 1. 機能追加速度の低下 2. 繰り返される エスカレーション 3. デバッグに時間がかかる

    4. コード量の過剰な増加 5. ⼀貫性の⽋如 6. あらゆるところで発⽣する 依存性(密結合) 7. 進まない分業 開発が進むほどにありがち...
  12. 「複雑さ」注意報は⾒逃さない 24 いわゆる (⽐喩としての) ゆでガエル (Boiling frog) 理論 時間が経過するにつれて複雑になる ➡

    ⼩さな警告は⾒逃されやすい ➡ そのうち警告に慣れてしまって、 じわじわと複雑になっている、 ということに気付かない ➡ 気付いた時には⼤惨事! ⽇本的には「オオカミ少年」の亜流表現
  13. ⼀⽅で:complexity ≠ num_components 25 コンポーネントの量 (多い少ない) が 複雑さの指標ではない ⼀輪⾞: コンポーネント⼩

    乗りこなすのは⼤変 三輪⾞: 乗るのは簡単だが 速度が出ると曲がれなくなる 柔軟性に⽋ける ➡ ⼆輪⾞: 乗り⽅‧運転まで含めて 全体的に最もシンプル
  14. Simplicity requires discipline (シンプルに保つための規律) 26 シンプルさは、偶然には⼿に⼊らない Canvaの事例: • 最初からスケールを意識した ステートレスなモノリス構造から始まる

    • マイクロサービスに移⾏ ◦ サービス部 ◦ DB • 現在はRDSをDynamoDBへ移⾏ 指数関数的な利⽤拡⼤にも対応できた 時間の経過と共に成⻑できる性能 機能追加/変更を容易に取り込める能⼒ ➡ 進化可能性( Evolvability )
  15. Evolvable (進化可能) なシステム 27 1. ビジネスコンセプトに準拠する 2. 内部の詳細を隠す 3. キメの細かなインタフェース

    4. エンドポイントはスマートに 5. 中央⾮集権(分散)化 6. ユニット個別にデプロイ可能 7. ⾃動化する 8. クラウドネイティブな設計 9. 障害が伝播しない構造 10. 可観測性(= 状況把握性能)は⾼く 11. 複数のパラダイム 「How big should a service be?」  (このサービスは、どのようにして⼤きくするべきか?)
  16. Automation / Automate 28 複雑なものは、⾃動化によって管理可能になる (Automation makes complexity manageable) ⼈間の関与は「例外」とすべき

    ⼈間による⾼度な判断が 「本当に」必要な領域以外は全て⾃動化する ※ ここでいう「Automate (⾃動化)」は、いわゆる「機械化」ではなく、 判断 (含エスカレーション) 不要で⾃動的に処理される状態にすることの意 ⼿順の整備や簡略化、権限委譲も含まれる ➡ それなら機械やスクリプトに任せてもいいよね、と⾔うことはできる
  17. AWSでの例 29 Amazon S3 Amazon CloudWatch ➡ AWSの初期からあり、規模の拡⼤に応じて機能を追加していった Amazon RDS

    ➡ RDBMS on EC2 から始まり、⾃動化できる部分を⾃動化したもの ➡ コンピューティングとストレージを分離、さまざまなメリット そうして出来たのが Amazon Aurora ➡ Aurora Serverless / Limitless を経て Aurora DSQL (New!)
  18. このあとは? 30 スーパー DSQL タイム (30min) 仕組みや理論が Deep Dive 並に

    語られる その間も シンプルさ‧複雑さの話は ちょいちょい差し込まれる あと re:Play 他の告知 などなど
  19. まとめ 32 re:Invent はオンラインでも楽しめる 特に Dr. Werner Vogels ⽒の Keynote

    は エンジニアに向けたメッセージてんこ盛り この資料で省いた話も多い (⼨劇も⾯⽩いよ!) 字幕も機械翻訳もあるので、 2h ⻑いけど⾒てみてください! レポートブログもあります(⽇本語) 【report】 Managing Complexity #AWSreInvent #WernerVogels #Keynote https://dev.classmethod.jp/articles/report-managing-complexity-awsreinvent-wernervogels-keynote/
  20. と思われるかもしれませんが、 34 2017年に SRE 本がでたとき、 「 Google だからできること」と 散々⾔われてきました いまではSREは「普通」です

    (ちょっと変質してるかもですが) Dr. Werner の話も、実は 普遍的な内容の現代への適応です 何かひとつ、拾えるものがあるはず!
  21. 成功させるには 35 “短距離⾛ではなく、マラソンである” “Remember: it's a marathon, not a sprint”

    https://cloud.google.com/blog/ja/products/gcp/sre-success-starts-with-getting-leadership-on-board