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エンジニアの教養2023 #1 メタ学習

Seigo Watanabe
July 07, 2023
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エンジニアの教養2023 #1 メタ学習

Seigo Watanabe

July 07, 2023
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  1. エンジニアの教養2023
    #1 メタ学習
    クラスメソッド株式会社
    2023.05

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  2. Agenda
    1. 「学習する」ことの意義 in クラメソ
    2. メタ学習 #とは
    3. OODAループ学習
    4. ダブルループ学習
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  3. ※注意
    この記事には複数の問題があります。
    ● 出典がまったく⽰されていないか不⼗分です。
    内容に関する⽂献や情報源が必要です。
    ● 独⾃研究が含まれているおそれがあります。
    ● 話者の主義‧主観が含まれているおそれがあります。
    https://w.wiki/3GDh
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  4. クラメソにおいて
    なぜ学習が⼤切なのか

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  5. クラメソ そもそも社会⼈において
    なぜ学習が⼤切な(とされる)のか

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  6. クラメソ業務で「勉強」が⽣きてくるところの例
    業務上の必要性 ➡ クラメソ全体の価値向上
    (質の⾼いエンジニア/メンバーが多数在籍すると外部からも認められるため)
    ● 認定資格(AWS、Google Cloud、IPA、各種ベンダー資格 他)
    ● 担当業務範囲における最新技術のキャッチアップ
    ● アウトバウンドスキル(執筆、登壇、顧客対応)
    ● ソフトスキル(社の⽅針に沿った「ひと」としての成⻑) ←

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  7. 「学習できる」はスキル
    ● 学歴から「⼊社前に⼀定以上は⾝につけている」と判断されている
    ● とはいえ、磨くことを⽌めてもらっては困る
    ○ 経年で劣化する
    ○ アップデートする必要(時代と対象に合った最適化)
    「学習⽅法を学習する」➡ メタ学習

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  8. Q:「ChatGPTがあるのに勉強する意味あるんですか?」
    (Free discussion)

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  9. 登壇者なりの答え
    ● 検索 ➡ 出⼒ ➡ 実⾏の速度感
    ○ ⾝についてない知識はレイテンシが問題
    ○ 脳が直接API叩けるようになるまではアドバンテージがある
    ● 「調べれば分かる」ことしか⾔えないなら、
    他と取って換えられてしまう
    ○ 逆に⾔えば「調べないと分からない」というコスパの問題
    ■ 調べ⽅が正しかったのか? という疑念を誰かに拭って欲しい
    ○ 「このひとが⾔った」という、経験に裏打ちされた信頼感
    ○ 「完全なGGではない」という特別感

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  10. 発展 : OUTPUT
    アウトプットすることで/されたものを改めて⾒ることで、
    ● ⾃分⾃⾝の知識を再確認(知識の反芻)
    ● 3ヶ⽉未来の⾃分は別⼈
    ○ 将来の⾃分のために、いまアウトプットしておく
    ○ 新しく作る登壇資料に、昔書いたブログを引⽤するとかよくやります
    頭の中に⼊ったものは、他のひとから⾒えません
    ● ex) DevIOブログ
    ○ お客さんやパートナー企業のひとが結構みてくれてます
    ● アウトプットされたものだけが価値を持つ、と⾔える
    ○ 知識のタンス貯⾦化はもったいない、もっと市場に流通させよう
    ○ 流通された知識は、次の知識を呼び込んでくれる

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  11. ex) アンバサダー / Partner Top Engineer / Superhero
    https://www.hashicorp.com/ambassadors/directory?region=Asia%20Pacific&q=japan
    https://cloud.google.com/blog/ja/topics/partners/partner-top-engineer-2023-award-winners
    https://classmethod.jp/news/2023-snowflake-data-superheroes/

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  12. メタ学習

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  13. メタ学習
    ● メタ (meta) = 「ひとつ上の次元から」などという意味の接頭語
    ○ メタ視 ≒ 客観視
    ● 学習⽅法を学習すること(learning to learn)
    ● 機械学習(Machine Learning)の⽤語
    「学習できる」ということ⾃体が1つのスキル‧能⼒
    ● 学習対象や⽬的、⾃分にあった学習⽅法を⾒つけ選択し習得しましょう
    https://recruit.gmo.jp/engineer/jisedai/blog/meta-learning/
    https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/mag/rob/18/00007/00009/
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  14. 学習 = 勉強 = 調べ物
    「いまこの瞬間に⾃分の中にない知識を、外部から仕⼊れ蓄える」
    ...という意味では同じ
    「学習⽅法」には「情報収集」や「知識の整理術」も含まれる

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  15. OODAループ学習

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  16. 教材
    ● アチーブメントHRソリューションズ
    https://achievement-hrs.co.jp/ritori/ooda-loop/
    ● インソース
    https://www.insource.co.jp/contents/column_oodaloop.html
    ● 合格サプリ
    https://goukaku-suppli.com/archives/54393
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  17. OODA(ウーダ)ループ
    先の読めない状況で成果を出すための意思決定⽅法
    ● ジョン‧ボイドが提唱
    ○ ⽶国戦闘機操縦⼠‧航空戦術家‧軍事著作家
    ○ 元々の対象は戦闘機パイロットの意思決定
    ○ 後に応⽤、
    作戦術や戦略レベル、更に
    ビジネスや政治など様々な分野でも
    ● 迅速に意思決定し、
    迅速に⾏動する
    https://w.wiki/3D$a
    https://w.wiki/54YK
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  18. OODAループが注⽬されている背景
    ● VUCA : あらゆる物事が⽬まぐるしく変化する予測が難しい時代
    ○ Volatility(変動性)
    ○ Uncertainty(不確実性)
    ○ Complexity(複雑性)
    ○ Ambiguity(曖昧性)
    ● その時々の状況に応じて素早く判断をし、
    意思決定していくことが求められる
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  19. OODA(ウーダ)ループ (cont.)
    ● 観察(Observe)
    ● 仮説構築(Orient)
    ● 意思決定(Decide)
    ● 実⾏(Act)
    ※⽇本語表記はドキュメントによって様々
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  20. つまり:OODAループとは
    意思決定過程の⼀般化
    ● どこにでも通⽤する
    当たり前のこと
    ● それを意識し訓練することで、
    より素早く、確実に⾏動できる
    ● 意識せずにループを回せる
    ようになることが⽬標
    https://commons.wikimedia.org/wiki/File:London_2012_Olympic_100m_final_start.jpg
    https://w.wiki/54YK
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  21. OODAループのメリットとデメリット
    メリット
    ● 結果が出るまでのスピードが速い
    ● 臨機応変に⾏動できる
    ● 個⼈の裁量が⼤きい
    デメリット
    ● 組織内で統制がとれなくなる場合がある
    ● 業務改善には向かない(⽬前の問題解決に偏りがち)
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    https://achievement-hrs.co.jp/ritori/ooda-loop/

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  22. OODAループとクラメソの親和性
    ● 個⼈の裁量が⼤きく意思決定と動きが速い弊社は
    OODAループと⾮常に相性が良い(親和性が⾼い)といえる/思える
    ● その(OODAループの)デメリットにどう対処すべきか?
    対処しすぎたらクラメソの良さがなくなるのでは?
    ➡ 現在進⾏形かつ永遠の課題
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  23. 余談 : OODAループとPDCAサイクルの違いと使い分け
    PDCA = Plan(計画)‧Do(実⾏)‧Check(確認)‧Action(改善)
    ● 「決められた⼯程をいかに低いコストで進め、⾼い⽣産性を発揮するか」
    という課題に対するもの(カイゼン)
    ● OODAとは適⽤する場所と⽬的が異なる
    ○ 実質的な意味では近しい概念
    PDCA = How(⽅法)
    OODA = What(⾏動)
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  24. 余録 : ⾬を表す⾔葉‧ラクダに関する⾔葉
    “このように⾔葉は⽣活に密着して⽣まれています。
    使⽤度が多いもので、細かく分類された呼び⽅があったほうが便利なら、
    ⾃然にその⾔葉が⽣まれてくるのです。”
    https://www.nihongokentei.jp/amuse/essay/w_03.html
    https://www.piqsels.com/ja/public-domain-photo-otxxx
    https://pxhere.com/ja/photo/1434883
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  25. OODAループの4つのステップと具体例
    ● 第1ステップ-観察(Observe)
    ● 第2ステップ-仮説構築(Orient)
    ● 第3ステップ-意思決定(Decide)
    ● 第4ステップ-実⾏(Act)
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  26. 観察(Observe)
    「⾒る」ではなく「情報の収集」「観測」
    ● ⾃分の感情や相⼿の⾏動の置かれている状況
    ● 環境、市場の動向
    ● 事実を幅広く集める
    学習への応⽤:
    ● いま⾃分は何を学習すべきか?
    ● そのことについて、⾃分は現在どの程度理解しているか?
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  27. 仮説構築(Orient)
    ● あらゆるデータ(raw data)をもとに分析、仮説を構築
    ○ 観察した内容
    ○ ⾃⾝が持つ経験
    ○ ⽂化の特徴
    ○ ⾝体的特徴
    ○ 歴史
    ● DataをIntelligenceへ
    ループの中で最も重要なステップ
    ● ボイド⽈く「ビッグ O」
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  28. 余談 : 2つの「情報」
    Information
    Intelligence
    ● どちらも「情報」と訳される
    ● ⽶国中央情報局(CIA)
    ● 両者は何が違うか?
    https://www.flickr.com/photos/121483302@N02/14127655320
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  29. 意思決定(Decide)
    1. どうなりたいかを(再度)確認する
    2. 構築した仮説にそって、考えられる選択肢をリストアップする
    3. ⼀番効果的と思えるものを選択する
    ※「どうしてその⽅法にしたのか」は明確にしておく
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  30. 実⾏(Act)
    https://www.koragazo.com/view_template?id=6323003637891072
    http://www.buichi.com/works/cobra/index_cobra.html
    このステッ
    プで、決定
    (Decide)し
    た⾏動を実
    ⾏(Act)する
    実⾏すると
    どうなる?
    しらんのか
    次の観察
    (Observe)
    が始まる
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  31. [Take.2] 実⾏(Act)
    ● 意思決定(Decide)ステップにおいて決定された内容を実⾏する
    ● 以下のことは含まれない
    ○ 各ステップをクリアするための⾏動
    ■ 観察、意思決定のためのリストアップなど
    ● 実⾏したことの結果を観察する --> OODAループ2週⽬へ
    ○ 想定通りの結果を得ることができたか?
    ○ 得られていないのであれば、どこで判断を間違えたのか?
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  32. まとめ
    ● OODAループ = 不確定要素の多い中で迅速に意思決定し⾏動するための指針
    ● ⽇常的な⾏動のなかで、意識せずこのループに⼊れるよう⾃⼰訓練を
    “SRE であることを自覚するのは……
    最初の質問として「それをどのように計測していますか」が
    口をついて出る時”
    ⸻— David N. Blank-Edelman 「SREの探求」
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  33. OODAループの類例と負の側⾯
    OODAループ = 素早く正確にこなさなければならないタスクへの最適化
    ≒ 頻出コードの展開、C++実装、マイクロコード化
    ≒ 脊髄反射
    ➡ 柔軟な対応能⼒を捨てて実⾏速度に特化
    Q: その最適解は、いつまで最適解か?

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  34. ダブルループ学習

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  35. 教材
    ● Schoo(スクー)for Business
    https://schoo.jp/biz/column/1133
    ● J.Score Style
    https://www.jscore.co.jp/column/lifestyle/2018/double-loop/
    ● THE OWNER
    https://the-owner.jp/archives/5906
    ● QuestionCircle
    https://www.question-circle.jp/2020/10/1138
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  36. ダブルループ学習とは
    ● クリス‧アージリスが提唱した学習法
    ○ ⽶ハーバード⼤学の名誉教授‧経営理論家
    ● これまで⾏ってきた⾏動や考え⽅にとらわれず、
    新しい⾏動や考え⽅を取り⼊れる学習プロセス
    ● シングルループ学習の⾏き詰まりを打開する
    ○ シングルループ = PDCA、OODA ...
    ○ 例えシングルループで成功していたとしても、
    その上を⽬指す⽅策がないか、⼀歩引いて⾒つめ直すこと
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  37. 「⾒つめ直す」=「観測(Observe)」では?
    ● 概念的にはその通り
    ● ただし、OODAループの意義は「迅速な⾏動」
    ● 観測範囲を毎回広く取っていては、迅速な⾏動はできない
    ○ 仮説構築(Orient)に時間がかかりすぎる
    ● (ボイド⽒にあやかって) 空戦で例えたら...
    ○ ⽬の前の敵機を撃ち落とす(⽬的)
    ○ 敵機の背後をとるために操縦する(戦術 / OODAループ)
    ■ ⽬の前の敵機の挙動を確認 = 観測
    ○ どうしても撃墜出来ない。。。(シングルループの⾏き詰まり)
    ○ 戦略を変えよう(--> ダブルループ)
    ■ 雲の上に出たら? 地上すれすれなら?
    ■ 雲の中は?
    ■ ⼀旦離れて遠くから? 別の武装を試す?
    https://youtu.be/5y-Sqv3-rjw
    https://ace7.acecombat.jp/
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  38. アンラーニング(学習棄却)
    ● ⼀度体得した学習や成功体験を
    あえて排除し、新しい学習を得る
    フレームワーク
    ● リフレーミング
    ● 技術的問題と適応課題
    ● クリエイティブ‧テンション
    https://www.question-circle.jp/2020/10/1138
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  39. 「型」(再掲)
    “そりゃあんた、
     型がある人間が型を破ると「型破り」、
     型がない人間が型を破ったら「形無し」
     ですよ”
    ● 無着成恭の⾔葉
    ● 18代⽬‧中村勘三郎の
    エピソードとして有名
    https://j-union.com/-/ad-info/nlog/viewer/view.php?ID=326&CID=7663&AID=63613&T=kiji
    https://youtu.be/T7DcrshuYRM
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  40. 「型」(Ref.)
    ● シングルループで「型」を習得し、
    ダブルループでその「型」を破る = 新たな「型」を獲得する
    ○ ⿁滅で⾔えば「呼吸」でも可
    ● OODAループ⾃体は(性質として)その両⽅を内包
    ○ 観測範囲をコントロールし「迅速さ」と「打開⼒」を獲得
    ○ なれていないうち ➡ シングルループ(観測範囲‧狭)
    ⾏き詰まったら ➡ ダブルループ(観測範囲‧広)
    ○ 「型」のないうちに視野だけ広げても「形無し(ぐだぐだ)」になるだけ
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  41. 余談:ダブルループとクラメソ
    ダブルループをうまく働かせることで
    OODAループ(シングルループ)のデメリットをカバーできる
    ● ⾃分が所属している部署のダブルループはうまく働いているか?
    ● クラメソのダブルループは?
    ● どのような「リフレーミング」を起こせば良いか?
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  42. 余談:リーダーシップと⼼理的安全性
    ● クラスメソッドではどの部署でも、
    各⾃がリーダーシップを発揮することが
    求められる
    ○ 必ず組織のリーダーになる、
    という意味ではない
    ○ ⾃分のことだけ考えれば良い、
    という意味でもない
    ○ 各⾃には、⾃⼰研鑽と共に「所属組織をより良くする働き」が期待されている
    ● そのような組織において、「⼼理的安全性」はもっとも⼤切
    https://classmethod.jp/company/culture/
    https://rework.withgoogle.com/jp/guides/understanding-team-effectiveness/steps/foster-psychological-safety/
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  43. 何にでも⾔えること
    “短距離ではなくマラソンである”
    “Remember: it's a marathon, not a sprint”
    https://cloud.google.com/blog/ja/products/gcp/sre-success-starts-with-getting-leadership-on-board

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