近年、デザイナーには「経済性」が強く求められるようになりました。一方で、「デザインは資本主義の仕組みを回すためだけのものなのか?」という問いもあります。
私自身、日々のデザイン実務に加えて、NPOの方々との対話や自閉スペクトラム症(ASD)の子どもとの暮らしを通じて、デザインには人や社会に良い変化をもたらす力があると強く感じるようになりました。これまで長く「稼ぐ」ためのデザインに取り組んできましたが、家庭や仕事での小さな実践を重ねる中で、目的を「利益を生む」ことだけにとどめず、「人とのつながりに役立てる」「社会の制度や仕組みの隙間を埋める存在になる」といった方向へ考えを広げてきました。
そんな中で、私のような小さなデザイナーがどんな視点で社会を見て、考え、行動してきたのかをお話しします。デザインの可能性を皆さんと一緒に考えるきっかけになれば嬉しいです。