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日本科学教育学会 研究会(北関東支部大会 @埼玉大学)

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March 14, 2026
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日本科学教育学会 研究会(北関東支部大会 @埼玉大学)

小学校高学年を対象としたVASI質問紙の妥当性の検討 −半構造化インタビューによる事例的検討−

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Daichi Morikawa

March 14, 2026
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  1. 背景 1 • 近年国内外問わず,義務教育段階における探究活動の充実がより⼀層求められている(e.g., OECD, 2023) • 理科教育の⽂脈:科学的探究(Scientific Inquiry; SI)が位置づけられている(e.g.,

    Lederman et al., 2014) • SIの認識を捉えるための調査問題に関する先⾏研究 • 中学⽣以上を対象としたVASI(e.g., Lederman et al., 2014) • ⼩学校中学年を対象としたVASI-E(Lederman et al., 2023; Morrell & Miller, 2025) • 国内の⾼校⽣を対象として⽇本語訳されたVASI質問紙(福⽥・中村, 2016) しかし… 現状⼩学校⾼学年相当の年齢(11〜12歳)を想定した調査問題は,管⾒の限り⾒当たらない 今後より⼀層,⼩学校段階から求められる探究学習を実現する上では ⼩学校⾼学年という発達段階を考慮した調査問題の開発が重要となる 抽象的な思考が 発達する年齢
  2. ⽅法 5 1. 本研究デザインの概要 ① Lederman et al. (2014)をもとに⼩学校⾼学年向けVASIアンケートを作成 ⇨

    第6学年の児童1名(児童A)に実施 ② 質問紙への回答と,その後の半構造化インタビューでの回答を分析 ⇨ 本質問紙の妥当性を検討(RQ1. に対応) ③ 修正版⼩学校⾼学年向けVASIアンケートの妥当性を検討 ⇨ 新たに第5学年の児童2名,第6学年の児童2名(計4名)を対象に実施 ⾔語的・発達段階的な 阻害要因の有無の検討 1. 本研究デザインの概要
  3. ⽅法 6 2. VASI質問紙の概要 • 全11問 • 8つの科学的探究(Science Inquiry :

    SI)側⾯に対応(Lederman et al., 2014) • 先⾏研究では各設問での回答から,総合的にSI側⾯の理解度を判定 しかし本研究では… 調査問題の妥当性を検討することが⽬的であるため 設問ごとに対象者の理解度を判定
  4. ⽅法 7 3. 理解度判定の規準(c.f. Lederman et al., 2014) • 3段階で評価

    • 先⾏研究で⽰されている評価基準や正答・誤答例に基づき作成 適切な理解状態 (Informed) 誤った理解状態と適切な理解状態が⼊り混じる状態 (Mixed) 誤った理解状態 (Naïve)
  5. ⽅法 8 1. 本研究デザインの概要 ① Lederman et al. (2014)をもとに⼩学校⾼学年向けVASIアンケートを作成 ⇨

    第6学年の児童1名(児童A)に実施 ② 質問紙への回答と,その後の半構造化インタビューでの回答を分析 ⇨ 本質問紙の妥当性を検討(RQ1. に対応) ③ 修正版⼩学校⾼学年向けVASIアンケートの妥当性を検討 ⇨ 新たに第5学年の児童2名,第6学年の児童2名(計4名)を対象に実施 ⾔語的・発達段階的な 阻害要因の有無の検討 1. 本研究デザインの概要
  6. 本調査の実施 9 対象 第6学年の児童1名(児童A) 実施時期 2025年12⽉ 実施時間 30分程度 • ⼥⼦児童

    • 普段の成績は良好 • インタビュアーとの 関係は良好 ⇨ インタビューをする上での 信頼関係が構築されている状態
  7. 結果・考察(RQ1. 阻害要因の検討) 10 質問紙への回答結果・分析 設問 児童の回答 判定結果 1-a 【はい】⾷べ物とくちばしの関係性を調べることは,ナッツなどの硬いものを⾷べるのに適切な短くて丈夫なくちばしを持つ⿃,昆⾍など を⾷べるのに向いている⻑いくちばしを,それぞれ⾷料にむいたくちばしを持っているというデータにもとづいているので,それを検証し

    根拠を集めるのにさらに調査するのは科学的だと思う. Informed 1-b 【いいえ】観察はしているが,その観察して考えたことをさらに深掘りしてデータを集めている.でも,ナッツ類を⾷べるにはどちらのく ちばしの⽅がたべやすいなどの考えから調査すれば実験になるかもしれないが,観察しているので,「実験」までとは⾔えないと考える. Mixed 1-c 【はい】①くちばしは環境によって形が変わるのだろうか.形に応じて⾷料を⾷べるのか(理由:1つ⽬は,くちばしを持つすべての⿃に 適応が可能であり,2つ⽬は全てに適応できるが,それらを⽐較することでわかるもの.1つ⽬は⽐較というより検証など「どちらなのか」 についての調査)②くちばしにはどのような役割があり,⿃によって役割は違うのか(理由:くちばしの形とエサの種類の関係のデータを もとに,そのようなエサによって,つまりそのエサを⾷べるために形が変わるのか,もともとのくちばしの形を活かしたエサなのかデータ をもとに調べているから科学的だと思う(2つ⽬もデータをもとに調べているから)) Informed 2 【その他】どちらとも⾔えないと思う.もしかしたら,⽇常的な疑問から調査がはじまるかもしれないし,その疑問を問いにするかもしれ ない.でも,必ずという決まりはないし,常にそうだとは思わない. Mixed 3-a 【いいえ】もしかしたら,その時の天気や時間などの環境などにもより,多少の違いが出たりするかもしれないし,私たちは科学者ではな いが,学校内での実験で似ている結果になっても多少の違いが発⽣することもあるから. Naïve 3-b 【いいえ】もちろん違う⼿順で⾏っても,実験そのもののない内容が同じなら,似た結果にならないとも⾔えないが,必ず同じ結論になる とは⾔えないし,むしろ結果が変わる可能性が⾼くなると思う. Informed 4 【はい】データとは事実,記録のことであり,観察したり実験したりした結果などのことをデータという.証拠とは仮説などの「〇〇だろ う」と考える理由や証などで,データが証拠ということもある.だからそれぞれ違う. Informed 5 【チームB】「その会社のタイヤ」という問いなので,同じ道路で様々なタイヤのテストをするより,その会社のタイヤ3種類でテストした ⽅が,その会社のタイヤは全てパンクしやすいのか検証できるし,より科学的な調査だと思う. Naïve 6 【b】表には光を当てていないものほど25cm,当てる程かがり0cmとなっていて,当てていない順によく育っているとわかる.よって当て ない⽅が,背が⾼くなると考える. Informed 7-a Bは組み合わせた時に姿勢が低めで四⾜歩⾏となっているが,後ろ⾜にあたる部分が⼩さく,バランスが悪い.⼀⽅Aの⽅はしっかり2本⾜ で⽴ち,後ろ⾜にあたる部分が⼿になっていて,バランスが良いと⾒えるから. Informed 7-b 過去の記録や種類から.例えば,並べてみたときにAの⽅はティラノサウルスに⾒える.仮にティラノサウルスなら,Bの形はティラノサウ ルスではないし,前⾜に当たる部分がおかしな位置にある.それぞれのデータを分析して「なぜこのような構造になっているのか」考えた りするのだと思う. Informed 上記4問を中⼼に半構造化インタビュー ⇨ ⾔語的・発達段階的な阻害要因の有無を検討
  8. 結果・考察(RQ1. 阻害要因の検討) 11 設問2 設問3-a 設問5 ⿃に興味をもつAさんは、⿃がエサを⾷べている様⼦を観察していました。 すると似たようなエサを⾷べる⿃は、似たような形のくちばしを持つ傾向が あることに気づきました。 例えば、かたい殻のナッツ類を⾷べる⿃は短くて丈夫なくちばしをもち、昆⾍類

    を⾷べる⿃は⻑くて細いくちばしを持っています。 Aさんは、⿃のくちばしの形とエサの種類に関係があるのではないかと考え、 その答えを⾒つけるためにデータを収集し始めました。 そして、くちばしの形とエサの種類には関係があると結論付けました。 (設問1-b) Aさんが⾏った調査は,実験だといえますか? 設問1-b 質問紙への回答結果・分析
  9. 12 評価規準 調査(Investigation)と実験(Experiment)を区別し,⼈為的な変数制御あるいは条件制御が⾏ われているものが実験であるという説明ができている。 正答例 【いいえ】 Aさんがしたのは観察であり,条件を変えて確かめたりしていないから。 児童の回答 【いいえ】 観察はしているが,その観察して考えたことをさらに深掘りしてデータを

    集めている。でも,ナッツ類を⾷べるにはどちらのくちばしの⽅がたべやすいなどの考えから調 査すれば実験になるかもしれないが,観察しているので「実験」までとはいえない 設問2 設問3-a 設問5 結果・考察(RQ1. 阻害要因の検討) 質問紙への回答結果・分析 設問1-b
  10. 14 評価規準 科学的な調査には,出発点として「問い」が不可⽋であり,問いがなければデータ収集の対象が定まらない ことを説明できている 正答例 【Aさん】 何を知りたいのかはっきりしていないと,何を観察したりデータを取ったりすればよいか 決められないから 児童の回答 【その他】

    どちらとも⾔えないと思う。もしかしたら,⽇常的な疑問から調査がはじまるかもしれないし, その疑問を問いにするかもしれない。でも必ずという決まりはないし常にそうだとは思わない。 結果・考察(RQ1. 阻害要因の検討) 設問1-b 設問3-a 設問5 とある2⼈の⼦ども(Aさん・Bさん)に「科学的な調査は、常に科学的な問題(問い)から始ま るべきですか」と聞きました。 するとAさんは「はい」と答え、Bさんは「いいえ」と答えました。あなたはどちらの意⾒に賛成 ですか。 設問2 質問紙への回答結果・分析
  11. 16 児童の回答 結果・考察(RQ1. 阻害要因の検討) 設問1-b 設問5 設問2 複数の科学者が「同じ問題(問い)」を⽴てて、「同じ⼿順」でデータを集めた 場合、必ず同じ結論になると考えますか。 評価規準

    科学的な結論の不⼀致は,科学者によるデータの解釈や思考(背景にある知識や視点)の違いに よって⽣じ得ることを説明できている 正答例 【いいえ】 データの解釈が⼈によって違うことがあるから 【いいえ】 もしかしたら,その時の天気や時間などの環境などにもより,多少の違いが出たりするかもしれ ないし,私たちは科学者ではないが,学校内での実験で似ている結果になっても多少の違いが発 ⽣することもあるから 誤差によって異なる解釈が導き出されると回答 ⇨ 出題意図が伝わっていない現状 設問3-a 質問紙への回答結果・分析
  12. 17 結果・考察(RQ1. 阻害要因の検討) 設問1-b 設問5 発話プロトコル T 仮に天気や時間などのズレがなくて,ピッタリ環境も同じ条件だった場合, 得られる結果は同じになると思う? C

    全部⼀緒だったら,同じになると思う。 科学者は精密に実験とかをやるだろうから,環境とかのズレがないのならば同じ結果が 得られると思う。だから,みんな同じ結論になると思う 本設問が意図する「データの解釈には既存の知識や経験が影響すること」への理解の有無 を捉えるには現状の問題⽂では困難さが伴うと判断 ⇨ 誤差による結果の不⼀致は考慮しないことを明記 設問2 設問3-a 半構造化インタビューでの回答結果・分析
  13. 19 結果・考察(RQ1. 阻害要因の検討) 設問1-b 設問2 質問紙への回答結果・分析 設問3-a 児童の回答 評価規準 ⽴てられた問いでは「他社との⽐較」を求めていることを理解し,

    その問いに答えるためにチームAの⼿順が適切であることを説明できている 正答例 【チームA】 他のタイヤと⽐べないと分からないから.チームAは同じ道路という条件を揃えて,タイヤの 種類だけを変えているので,パンクした原因がタイヤにあると判断できるから 【チームB】 「その会社のタイヤ」という問いなので,同じ道路で様々なタイヤのテストをするより, その会社のタイヤ3種類でテストした⽅が,その会社のタイヤは全てパンクしやすいのか検証 できるし,より科学的な調査だと思う。 設問5
  14. 20 結果・考察(RQ1. 阻害要因の検討) 設問1-b 発話プロトコル T (設問⽂を読み上げ,内容を再度確認) C あ,今考え直したらチームAだと思う。 T

    なるほど.じゃあこの調査問題を解いていた時,なぜチームBを選んだのかな? C 「3種類の道路」を「3種類のタイヤ」というように読み間違えてしまったのだと思う。 設問2 半構造化インタビューでの回答結果・分析 設問3-a 設問5 児童は設問場⾯を⼗分に想起できないことが誤認につながった可能性 ⇨ 設問⽂の⼀部を強調・イラストの修正
  15. 21 結果・考察(RQ1. 阻害要因の検討) 本インタビューを通して修正した2つの設問 形 2⼈ ⼦ (A ・B )

    「科学的 調査 、常 科学的 問題(問 ) 始 」 聞 。 A 「 」 答 、B 「 」 答 。 意⾒ 賛成 。 A ・ B ・ 他( ) 考 。理由 書 。 設問3 (a) 複数 科学者 「同 .. 問題(問 ) 」 ⽴ 、 「同 .. ⼿順」 集 場合、必 同 結論 考 。 ,環境 違 (例 気温 湿度,時間 ) 発⽣ (誤差) , .... 考 。 ・ 考 。理由 書 。 (b) 複数 科学者 「同 .. 問題(問 ) 」 ⽴ 、 「 違 ...... ⼿順」 集 場合、必 同 結論 考 。 ・ 考 。理由 書 。 設問4 「 」 「証拠 鱜鲌鱋鱘 」 、 違 鱦鱑 意味 考 。 ・ 設問5 ⽇、2 科学者 研究室 向 途中、 ⾞ 停 ⾒ 。 彼 「 会社 ?」 問題(問 ) ⽴ 。 A 研究室 戻 、同 道路 様々 性能 。 B 研究室 戻 、同 会社 3種類 道路 。 ⼿順 、 科学的 調査 。 A ・ B 考 。理由 書 。 設問6 設問7 科学者 恐⻯ 化⽯ 発 下 図 ⽰ 、⾻格 A (a) 科学者 、A ⾻ 科学者 同意 (b) 上 質問 対 答 ⼿ チームA チームB ① ②
  16. ⽅法 22 1. 本研究デザインの概要 ① Lederman et al. (2014)をもとに⼩学校⾼学年向けVASIアンケートを作成 ⇨

    第6学年の児童1名(児童A)に実施 ② 質問紙への回答と,その後の半構造化インタビューでの回答を分析 ⇨ 本質問紙の妥当性を検討(RQ1. に対応) ③ 修正版⼩学校⾼学年向けVASIアンケートの妥当性を検討 ⇨ 新たに第5学年の児童2名,第6学年の児童2名(計4名)を対象に実施 ⾔語的・発達段階的な 阻害要因の有無の検討 1. 本研究デザインの概要
  17. ⽅法(RQ2. 理解度の⼀致度を検討) 23 対象者 主な流れ 1. 修正版⼩学校⾼学年向けVASIアンケートを実施 2. 質問紙の回答を評価 3.

    回答結果をもとに,半構造化インタビューを実施 4. 質問紙上での理解度判定と,インタビューでの理解度判定に ズレが⽣じていないか検討 第6学年 第5学年 計4名 前述の設問を 中⼼に 児童B 児童C 児童D 児童E
  18. 24 結果・考察(RQ2. 理解度の⼀致度を検討) 設問 児童B 児童C 児童D 児童E 紙 インタビュー

    紙 インタビュー 紙 インタビュー 紙 インタビュー 1-a × × △ △ × × △ △ 1-b × × × × ◯ ◯ ◯ ◯ 1-c × × × × △ △ ◯ ◯ 2 ◯ ◯ × × ◯ ◯ △ △ 3-a × × × × × × × × 3-b × × × × × × × × 4 × × × × △ △ × × 5 ◯ ◯ ◯ ◯ ◯ ◯ ◯ ◯ 6 × × × × ◯ ◯ ◯ ◯ 7-a × × × × ◯ ◯ ◯ ◯ 7-b × × × × ◯ ◯ ◯ ◯ いずれの設問においても,理解度判定にズレが⽣じていなかった
  19. 25 結果・考察(RQ2. 理解度の⼀致度を検討) RQ1で修正した4つ設問 設問2 設問3-a 設問5 設問1-b • 理解度の判定結果

    設問 児童B 児童C 児童D 児童E 紙 インタビュー 紙 インタビュー 紙 インタビュー 紙 インタビュー 1-b × × ◯ ◯ 発達段階の違いによる阻害が⽣じている可能性が考えられる 関係(⿃の種類と⾷べ物の種類の関係性 =変数)を⾒つけるということが実験と 似ているから,Aさんが⾏ったこと(観察) は実験といえる【誤】 児童C(5年) 児童E(6年) Aさんが⾏った調査は実際にやって みる「実験」ではなく,「調べる」 という⾏いだから実験ではない【正】 実験と観察の識別に 困難を抱いている 課 題 点
  20. 26 結果・考察(RQ2. 理解度の⼀致度を検討) RQ1で修正した4つ設問 設問3-a 設問5 • 理解度の判定結果 設問 児童B

    児童C 児童D 児童E 紙 インタビュー 紙 インタビュー 紙 インタビュー 紙 インタビュー 1-b ◯ × ◯ △ 回答者の認識を適切に測定できている可能性が⾼い より物事が整理できるようになり,さらに調査 がスムーズに進むようになると考えるから, 問いは必要だと思う【正】 児童B(5年) 児童D(6年) 問いに答えるためにどんな調査をするか 考え,考察することが⼤切だから,問い は必要【正】 設問1-b 設問2 成 果
  21. 27 結果・考察(RQ2. 理解度の⼀致度を検討) RQ1で修正した4つ設問 設問5 • 理解度の判定結果 設問 児童B 児童C

    児童D 児童E 紙 インタビュー 紙 インタビュー 紙 インタビュー 紙 インタビュー 1-b × × × × ズレがないなら同じ結論になると 考えたから【誤】 児童B(5年) 児童E(6年) ズレがない状態で「同じ⼿順」で⾏うな ら同じ結論になると思う【誤】 設問1-b 設問2 設問3-a 児童の認識を適切に引き出せる設問であるか,検討の余地が残る 課 題 点 設問⽂の修正(誤差を考慮しない)は機能したが…
  22. 28 結果・考察(RQ2. 理解度の⼀致度を検討) RQ1で修正した4つ設問 設問3-a • 理解度の判定結果 設問 児童B 児童C

    児童D 児童E 紙 インタビュー 紙 インタビュー 紙 インタビュー 紙 インタビュー 1-b ◯ ◯ ◯ ◯ 回答者の認識を適切に測定できている可能性が⾼い 様々な会社のタイヤを⾒たら,タイヤの性質 (タイヤがどのようになっているのか)が 分かるから【正】 児童B(5年) 児童D(6年) タイヤがパンクしやすいのかどうかは, 他のタイヤと⽐べ,通常に⽐べてどうで あるかを調べないといけないから【正】 設問1-b 成 果 設問2 設問5
  23. 29 結果・考察(RQ2. 理解度の⼀致度を検討) 他の設問 設問 児童B 児童C 児童D 児童E 紙

    インタビュー 紙 インタビュー 紙 インタビュー 紙 インタビュー 3-b × × × × 6 × × ◯ ◯ 7-a × × ◯ ◯ 7-b × × ◯ ◯ 他の設問においても検討の余地が残っている ⇨ 当該設問が⼩学校⾼学年(あるいは第5学年)には難しい設問も 発達段階による 困難さ 適切に引き出す ことが困難
  24. 30 結果・考察(RQ2. 理解度の⼀致度を検討) 本研究での⽰唆 設問1-a 設問2 設問5 設問1-b 設問6 設問7-a

    設問7-b 設問3-a 設問3-b 設問4 両学年 測定可 6年のみ 測定可 測定困難
  25. 31 結果・考察(RQ2. 理解度の⼀致度を検討) 本研究での⽰唆 設問1-a 設問2 設問5 設問1-b 設問6 設問7-a

    設問7-b 設問3-a 設問3-b 設問4 両学年 測定可 6年のみ 測定可 測定困難 VASI-Eでの 指摘と⼀致する項⽬も
  26. 本研究の成果と限界 32 • 新たに開発した「修正版⼩学校⾼学年向けVASI質問紙」は,⾔語的・発達段階的 な視点での⼀定の妥当性が確認された ⇨ 特に⼀部の設問では,児童のSIに関する認識を識別できる可能性が⽰唆 • ⼩学校⾼学年で扱える項⽬(あるいは扱えない項⽬)への⽰唆 •

    対象者の回答を評価する際,確証バイアスの軽減に努めたが,今後複数名での 判定が必要 ⇨ 評価基準をより精緻化させて • 対象者を拡⼤し,⼤規模調査による信頼性や妥当性の検討が必要 成果 課題・限界
  27. 引⽤⽂献 33 福⽥成穂・中村泰輔(2016)⾼校⽣が有する Nature of Scientific Inquiry の理解の実態―VASI アンケート を⽤いた調査から―,

    ⽇本科学教育学会研究会研究報告, 30, 6, 55-60. Lederman, J. S., Lederman, N. G., Bartos, S. A., Mayer, A. A., & Schwartz, R. S. (2014): Meaningful Assessment of Learnersʼ Understandings About Scientific Inquiry ‒ The Views About Scientific Inquiry (VAST) Questionnaire. Journal of Research in Science Teaching, 51(1), 65-83. Lederman, J. S., et al. (2023): Completing the progression establishing an international baseline of primary, middle and secondary students' views of scientific inquiry. International Journal of Science Education, 46(7), 715-731. Morrell, P.D., Visnovska, J. & Miller, J. (2025): Australian Primary School Students' Understandings about the Nature of Scientific Inquiry. Research in Science Education 55, 383‒397. OECD.(2023):PISA 2025 Science Framework (Second Draft). https://pisa-framework.oecd.org/science- 2025/ (Accessed 2026.02.02)
  28. 1.開発・修正のプロセス 本研究の概要 35 ⼩学校⾼学年を対象としたVASI質問紙の妥当性の検討 2.妥当性の検討 ⾔語的・発達段階的な 阻害要因の特定 場⾯想起 の困難さ 質問意図

    の難しさ 視覚的な情報の追加 設問⽂の修正・強調等 新たに4名の児童 質問紙上での回答 インタビュー上での回答 修正版の質問紙は 児童の認識を適切に引き出せているか ⾔語的・発達段階的な阻害要因 を軸に妥当性の検討 第6学年1名 質問紙 半構造化 インタビュー 科学的探究に関する認識を 捉えるための調査問題
  29. 質問紙の作成⼿順 36 1. VASIの翻訳 2. 予備調査の実施 3. 評価規準の作成 Lederman et

    al. (2014) によるVASIを翻訳 第⼀著者と第⼆著者で 翻訳内容の確認 福⽥・中村(2016) による⽇本語訳や設問⽂ の改善点を基に修正 児童6名 (5年3名,6年3名)を 対象に予備調査の実施 発達段階を考慮した 加筆・修正 読めない⽂字はないか 意味が伝わらない⾔葉はないか などを確認 先⾏研究で⽰されている 正誤例をもとに作成 評価規準 正答例 要旨:附録資料1
  30. 質問紙の作成⼿順 37 1. VASIの翻訳 2. 予備調査の実施 3. 評価規準の作成 Lederman et

    al. (2014) によるVASIを翻訳 第⼀著者と第⼆著者で 翻訳内容の確認 福⽥・中村(2016) による⽇本語訳や設問⽂ の改善点を基に修正 児童6名 (5年3名,6年3名)を 対象に予備調査の実施 発達段階を考慮した 加筆・修正 読めない⽂字はないか 意味が伝わらない⾔葉はないか などを確認 先⾏研究で⽰されている 正誤例をもとに作成 評価規準 正答例 要旨:附録資料1
  31. 質問紙の作成⼿順 38 1. VASIの翻訳 2. 予備調査の実施 3. 評価規準の作成 Lederman et

    al. (2014) によるVASIを翻訳 第⼀著者と第⼆著者で 翻訳内容の確認 福⽥・中村(2016) による⽇本語訳や設問⽂ の改善点を基に修正 児童6名 (5年3名,6年3名)を 対象に予備調査の実施 発達段階を考慮した 軽微な加筆・修正 読めない⽂字はないか 意味が伝わらない⾔葉はないか などを確認 先⾏研究で⽰されている 正誤例をもとに作成 評価規準 正答例 要旨:附録資料1
  32. 質問紙の作成⼿順 39 1. VASIの翻訳 2. 予備調査の実施 3. 評価規準の作成 第⼀著者と第⼆著者で 翻訳内容の確認

    福⽥・中村(2016) による⽇本語訳や設問⽂ の改善点を基に修正 児童6名 (5年3名,6年3名)を 対象に予備調査の実施 発達段階を考慮した 加筆・修正 読めない⽂字はないか 意味が伝わらない⾔葉はないか などを確認 先⾏研究で⽰されている 正誤例をもとに作成 評価規準 正答例 要旨:附録資料1 Lederman et al. (2014) によるVASIを翻訳
  33. 作成した調査問題 40 科学的 探究 関 年 組 番 設問1 ⿃

    興味 A 、⿃ ⾷ 様⼦ 観察 。 似 ⾷ ⿃ 、似 形 持 傾向 気 。 例 、 殻 鱐鲎 類 ⾷ ⿃ 短 丈夫 、昆 ⾍ 鱘鲘鱦鲊鱋 類 ⾷ ⿃ ⻑ 細 持 。A 、⿃ 形 種類 関係 考 、 答 ⾒ 収集 始 。 、 形 種類 関係 結論付 。 (a)A ⾏ 調査 、科学的 。 ・ ・ 他( ) 考 理由 説明 。 (b)A ⾏ 調査 、実験 。 ・ ・ 他( ) 、 考 理由 説明 。 (c)科学的 調査 、⾊々 ⽅法 ⾏ 考 。 ・ ・ 他( ) 「 」 回答 ⼈ 違 ⽅法 科学的 調査 場合、 調査 考 。具体的 場⾯ 2 挙 。 具体的 場⾯ 1 ⽬: 2 ⽬: ① ⽅法 違 何 ? ② 「科学的 調査」 ? 「 」 回答 ⼈ 科学的 調査 実施 ⽅法 1 考 理由 説明 。 設問2 2⼈ ⼦ (A ・B ) 「科学的 調査 、常 科学的 問題(問 ) 始 」 聞 。 A 「 」 答 、B 「 」 答 。 意⾒ 賛成 。 A ・ B ・ 他( ) 考 。理由 書 。 設問3 (a) 複数 科学者 「同 .. 問題(問 ) 」 ⽴ 、 「同 .. ⼿順」 集 場合、必 同 結論 考 。 ・ 考 。理由 書 。 (b) 複数 科学者 「同 .. 問題(問 ) 」 ⽴ 、 「 違 ...... ⼿順」 集 場合、必 同 結論 考 。 ・ 考 。理由 書 。 設問4 「 」 「証拠 鱜鲌鱋鱘 」 、 違 鱦鱑 意味 考 。 ・ 考 。理由 書 。 裏⾯ 問題 表⾯ イラストを挿⼊ ⇨ 設問場⾯を想起しやすく
  34. 作成した調査問題 41 設問5 ⽇、2 科学者 研究室 向 途中、 ⾞ 停

    ⾒ 。 彼 「 会社 ?」 問題(問 ) ⽴ 。 A 研究室 戻 、同 道路 様々 性能 。 B 研究室 戻 、同 会社 3種類 道路 。 ⼿順 、 科学的 調査 。 A ・ B 考 。理由 書 。 設問6 下 表 、 植物 1週間 成⻑ 1⽇ 受 光 量(時間:分) 関係 ⽰ 。 、a)〜c) 結論 同意 。 a) 植物 ⽇光 多 背 ⾼ 。 b) 植物 ⽇光 少 背 ⾼ 。 c) 植物 成⻑ ⽇光 無関係 a) 結論 ・ b) 結論 ・ c) 結論 考 。理由 書 。 1⽇ 光 当 時間(分) 1週間 成⻑ (cm) 0 25 5 20 10 15 15 5 20 10 25 0 設問7 科学者 恐⻯ 化⽯ 発⾒ 。 下 図 ⽰ 、⾻格 A B 違 組 合 (⾻ 配置) 考 。 (a) 科学者 、A ⾻ 組 合 (⾻ 配置) 最 優 同意 。 科学者 同意 。考 理由 2 以上教 。 (b) 上 質問 対 答 ⼿ 考 。科学者 、 情報 使 結論 説明 。 以上 問題 終 。回答 ⾒直 。 A ⾻ 分類 配置 B ⾻ 分類 配置 裏⾯