Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

EKSと動的プロビショニングEFSを 使ったマルチリージョンDR

EKSと動的プロビショニングEFSを 使ったマルチリージョンDR

高棹大樹

June 05, 2024
Tweet

More Decks by 高棹大樹

Other Decks in Technology

Transcript

  1. 1 Copyright (C) Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.

    高棹 大樹 – Daiki Takasao NRI 金融基盤サービス部 • 金融機関様向けEKSを用いたマイクロサービス共通基盤 のインフラ担当 主な仕事 趣味 最近の困り事 • キャンプ • 筋トレ • 子供と遊ぶ(相手をしてくれる内に。。) • 飼っている猫が懐いてくれない
  2. 2 Copyright (C) Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.

    はじめに ◼EKSからEFSを扱う際に必要となるコンポーネントについて説明しつつ、その機能を使ったマルチ リージョンDR構成についてお伝えいたします
  3. 3 Copyright (C) Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.

    EKSのストレージの扱い方とプロビショニングについて 01 EKSのストレージとしてのEFS 02 EKSと動的プロビショニングEFSを使ったマルチリージョンDR 03
  4. 4 Copyright (C) Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.

    EKS(Elastic Kubernetes Service)とは? 1.EKSのストレージの扱い方とプロビショニングについて ◼ AWSのマネージドKubernetesサービス ◼ コントロールプレーンの管理が不要、 IAMユーザ/ロールによる認証(k8sでの証明書管理が不要)、などがメリット コントロールプレーンの管理が不要 コンテナ コンテナ コンテナ IAMユーザ/ロールによる認証 コントロールプレーン: ワーカーノードやコンテナの稼働を管理 ワーカーノード: コンテナの稼働環境
  5. 5 Copyright (C) Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.

    EKS(Kubernetes)のストレージの扱い方 1.EKSのストレージの扱い方とプロビショニングについて ◼PersistentVolume(PV)というKubernetesの永続ボリュームのリソースを使うのが一般的 ◼PersistentVolumeClaim(PVC)を作成し、PVCの条件(ボリュームサイズ、アクセスモード等)に合 致したPVを使える仕組み PersistentVolume(PV) 10GB ReadWriteOnce 100GB ReadWriteOnce 100GB ReadWriteMany サイズ:100GB アクセスモード:ReadWriteMany PersistentVolumeClaim(PVC) 条件に合致するPVが 見付かったのでBound コンテナ ストレージ
  6. 6 Copyright (C) Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.

    PVとストレージのプロビショニング 1.EKSのストレージの扱い方とプロビショニングについて ◼プロビショニング方法は以下の2つ ① 静的プロビショニング ⚫ クラスタ管理者がストレージとそれに対応するPVを 手動で作成する ⚫ 複数PVが必要だとプロビショニングに手が取られて しまうデメリットあり ② 動的プロビショニング ⚫ PVCが作成されたタイミングで条件に合致したPVと ストレージを自動作成する! ⚫ StorageClassを作成する必要あり クラスタ管理者 ストレージ ①ストレージを作成 ②PVを作成 ストレージ StorageClass PVとストレージを自動生成
  7. 7 Copyright (C) Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.

    PVとストレージの紐付け 1.EKSのストレージの扱い方とプロビショニングについて ◼Container Storage Interface(CSI)ドライバーを介してPVとストレージが紐付けられる ◼静的プロビショニングの場合、PVでCSIドライバーを指定 ◼動的プロビショニングの場合、 StorageClassでCSIドライバーを指定 CSIドライバー Node Plugin Controller Plugin ワーカーノード(kubelet)とやりとりする コントロールプレーン(APIサーバ)とやりとりする ストレージ 静的プロビショニング の場合 動的プロビショニング の場合
  8. 8 Copyright (C) Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.

    EKSのストレージの扱い方とプロビショニングについて 01 EKSのストレージとしてのEFS 02 EKSと動的プロビショニングEFSを使ったマルチリージョンDR 03
  9. 9 Copyright (C) Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.

    PVとしてEFSを使うためには 2. EKSのストレージとしてのEFS ◼ EFS CSIドライバーを導入する事でEFSをPVとして扱う事が可能 ◼ 動的プロビショニングをサポート ◼ 動的プロビショニングではStorageClassとファイルシステム、PVC/PVとアクセスポイントが1:1で紐付く関係 ◼ 動的プロビショニングのアクセスポイントのディレクトリパスはランダム文字列を含んだPV名 EFS CSIドライバー EFS ファイルシステム PV名(ランダム文字列含む) PV名(ランダム文字列含む) fileSystemId: ファイルシステムID アクセスポイント PVとアクセスポイントを自動生成
  10. 10 Copyright (C) Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.

    subPathPatternパラメータを使ったファイル同期 2. EKSのストレージとしてのEFS ◼ EFS CSIドライバーv1.7.0(2023/9/21リリース)から導入されたsubPathPatternパラメータによりディレクトリパスを指 定できる様になった ◼ この機能で動的プロビショニングでもファイルシステム間でアクセスポイントのディレクトリパスを合せる事ができる様に なった → 動的プロビショニングでもファイルシステム間でファイル同期できる様になった! /PVCのNamaspace名/PVC名 ファイルシステムA subPathPattern: ${.PVC.namespace}/${.PVC.name} /PVCのNamaspace名/PVC名 ファイルシステムB subPathPattern: ${.PVC.namespace}/${.PVC.name} レプリケーション ディレクトリパスが同じなので ファイル同期が可能!
  11. 11 Copyright (C) Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.

    EKSのストレージの扱い方とプロビショニングについて 01 EKSのストレージとしてのEFS 02 EKSと動的プロビショニングEFSを使ったマルチリージョンDR 03
  12. 12 Copyright (C) Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.

    実機検証 3. EKSと動的プロビショニングEFSを使ったマルチリージョンDR ◼subPathPatternを使ったマルチリージョンDRのサンプルが公開されている https://github.com/aws-samples/dr-with-eks-efs/ ◼EFS CSIドライバー導入済みの以下の環境を用意する バージニア北部 EKSクラスタ(my-eks-pri) EFSファイルシステム (primary) みなし正サイト 北カリフォルニア EKSクラスタ(my-eks-dr) EFSファイルシステム(dr) みなしDRサイト レプリケーション
  13. 13 Copyright (C) Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.

    実機検証(正サイト構築①) 3. EKSと動的プロビショニングEFSを使ったマルチリージョンDR ◼正サイトにStorageClassをデプロイする [cloudshell-user@ip-10-138-191-103 dr-with-eks-efs]$ kubectl get storageclass efs-sc NAME PROVISIONER RECLAIMPOLICY VOLUMEBINDINGMODE ALLOWVOLUMEEXPANSION AGE efs-sc efs.csi.aws.com Delete Immediate false 56s [cloudshell-user@ip-10-138-191-103 dr-with-eks-efs]$ kubectl get storageclass efs-sc -o yaml apiVersion: storage.k8s.io/v1 kind: StorageClass ~~割愛~~ parameters: basePath: /dynamic_provisioning directoryPerms: "700" ensureUniqueDirectory: "false" fileSystemId: fs-08cd52462bcfa3599 gidRangeEnd: "2000" gidRangeStart: "1000" provisioningMode: efs-ap subPathPattern: ${.PVC.namespace}/${.PVC.name} ~~割愛~~ 正サイトのEFSファイルシステムIDを指定 subPathPatternを指定 (PVCのNamaspace名/PVC名)
  14. 14 Copyright (C) Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.

    実機検証(正サイト構築②) 3. EKSと動的プロビショニングEFSを使ったマルチリージョンDR ◼正サイトにPVCとサンプルアプリをデプロイ [cloudshell-user@ip-10-138-191-103 dr-with-eks-efs]$ cat config_files/application.yaml ~~割愛~~ kind: PersistentVolumeClaim metadata: name: efs-app-claim spec: accessModes: - ReadWriteMany storageClassName: efs-sc ~~割愛~~ [cloudshell-user@ip-10-138-191-103 dr-with-eks-efs]$ kubectl get deployment,pvc,svc NAME READY UP-TO-DATE AVAILABLE AGE deployment.apps/efs-app 2/2 2 2 34s NAME STATUS VOLUME CAPACITY ACCESS MODES STORAGECLASS AGE persistentvolumeclaim/efs-app-claim Bound pvc-f2d490f6-0de5-4d1e-a354- 77a0beebe91e 1Gi RWX efs-sc 34s ~~割愛~~ 作成したStorageClassをPVC で指定 動的プロビショニングでPV(&EFSアクセスポイント)が 作成されてBoundしている サンプルアプリがEFSに配置した index.htmlを返している ブラウザから正サイトサンプルアプリにアクセス PVCのNamespace名 PVC名
  15. 15 Copyright (C) Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.

    実機検証(DRサイト構築①) 3. EKSと動的プロビショニングEFSを使ったマルチリージョンDR ◼DRサイトもStorageClassをデプロイする [cloudshell-user@ip-10-138-191-103 dr-with-eks-efs]$ kubectl get storageclass efs-sc -o yaml apiVersion: storage.k8s.io/v1 kind: StorageClass ~~割愛~~ parameters: basePath: /dynamic_provisioning directoryPerms: "700" ensureUniqueDirectory: "false" fileSystemId: fs-0155dfdd4fcd31ec9 gidRangeEnd: "2000" gidRangeStart: "1000" provisioningMode: efs-ap subPathPattern: ${.PVC.namespace}/${.PVC.name} provisioner: efs.csi.aws.com reclaimPolicy: Delete volumeBindingMode: Immediate DRサイトのEFSファイルシステムIDを指定 subPathPatternを指定(正サイトと同じ)
  16. 16 Copyright (C) Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.

    実機検証(DRサイト構築②) 3. EKSと動的プロビショニングEFSを使ったマルチリージョンDR ◼DRサイトにPVCとサンプルアプリをデプロイ [cloudshell-user@ip-10-138-191-103 dr-with-eks-efs]$ kubectl get pvc efs-app- claim -o yaml apiVersion: v1 kind: PersistentVolumeClaim ~~割愛~~ name: efs-app-claim namespace: default ~~割愛~~ storageClassName: efs-sc volumeMode: Filesystem ~~割愛~~ [cloudshell-user@ip-10-138-191-103 dr-with-eks-efs]$ kubectl get deployment,pvc,svc NAME READY UP-TO-DATE AVAILABLE AGE deployment.apps/efs-app 2/2 2 2 9m34s NAME STATUS VOLUME CAPACITY ACCESS MODES STORAGECLASS AGE persistentvolumeclaim/efs-app-claim Bound pvc-206acdfe-be44-4a77-a9f6- 070a55e5c89f 1Gi RWX efs-sc 9m35s ~~割愛~~ 正サイトとNamespace名とPVC名を合せる 動的プロビショニングでPV(&EFSアクセスポイント)が 作成されてBoundしている 正サイトと同じ内容を表示している → EFSでファイル同期ができている! ブラウザからDRサイトサンプルアプリにアクセス PVCのNamespace名 PVC名
  17. 17 Copyright (C) Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.

    実機検証(DR発動) 3. EKSと動的プロビショニングEFSを使ったマルチリージョンDR ◼DR発動時にはEFSファイルシステム間のレプリケーションを削除する ◼削除することでDRサイトのEFSファイルシステムに書込み可能になる DR発動時にはEFSレプリケーションを削除 ブラウザからDRサイトサンプルアプリにアクセス DRのEFSファイルシステムが書込み可能になる
  18. 18 Copyright (C) Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.

    まとめ ◼EFSの動的プロビショニングはEKSクラスタ管理者にとってとてもありがたい機能 ◼Platform Engineering的にも、なるべくクラスタ管理者の手を掛けずに開発者だけでストレージ 構築を完結させたい ◼EFS CSIドライバーのsubPathPatternパラメータの登場で、動的プロビショニングしたEFSの用途が 広がった!