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dipAIを支えるLLM・検索技術

 dipAIを支えるLLM・検索技術

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ディップ株式会社 PRO

October 15, 2025
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  1. 澤⽥ 悠暉 Sawada Yuki ディップ株式会社 ソリューション開発部 プロダクト開発統括部 バイトルエンジニアリング部 AIEmbedded課 テックリード

    2023年7⽉にバックエンド、フロントエンドエン ジニアとして⼊社。 その後、dip AIでバックエンドのリードを⾏い、 現在はバイトルの検索‧レコメンドの改善にも 従事。 2
  2. × “Labor force solution company” ⼈材サービスとDXサービスの提供を通して、労働市場における諸課題を解決し、 誰もが働く喜びと幸せを感じられる社会の実現を⽬指します。 VISION Human work

    force solution ユーザーファーストな独⾃機能を搭載した、 求⼈情報‧⼈材紹介サービスの提供を通じて、 ユーザーの就業課題を解決しています。 ⼈材サービス事業 Digital labor force solution バイトコミュニケーションアプリ『バイトルトーク』や、 機能を絞ったシンプルなSaaS型の『コボット』を通じて、 職場環境やコミュニケーション課題を解決しています。 DX事業 5
  3. ユーザの流れ dip AI dip AI (LPサイト) バイトル (TOP‧⼀覧) バイトル (詳細‧応募)

    • バイトルからのユーザには、ユーザ個別の課題を解消し、応募へ繋げる • LPからのユーザには、対話によって条件を明確にしながら、求⼈を推薦し、 応募やバイトルでの回遊に繋げる 8
  4. 検索における課題 ⾃然⾔語による曖昧な要望に応えたい 絶対的な検索条件を外してはいけない ⾃然⾔語による⼊⼒なので、 • おしゃれなカフェがいい • ⼈と話さずにできるバイトが いい などのニュアンスで検索したい

    エリアなどの絶対条件が合致して いないと⾒向きもされない • 東京に住んでいる⼈に沖縄の 求⼈を出しても応募されない (意味による近さで検索をしたい) ベクトル検索 (絶対条件でフィルタをかけたい) フィルタ検索 ハイブリッド検索 9
  5. 対話ワークフロー ⼊⼒ インテント 判断 出⼒ 検索条件の 抽出 求⼈の推薦 検索条件の 緩和

    ⼊⼒ ガードレール 出⼒ ガードレール Agentic Workflowによる実装 • ステップごとのコンテキストを⼩さくすることで、出⼒を安定させる • ステップごとの精度を評価することで、フロー全体の精度を担保する (フロー全体に対しては、⼈間による定性的な評価も⾏う) 11
  6. フィルタ検索を実現するための「検索条件の抽出」 ユーザ入力 構造化データ LLM ⾃然⾔語による⼊⼒から 絶対条件になりやすい要素 を抽出‧構造化 12 • エリア

    (市区町村や最寄り駅など) • 職種 (ホールスタッフなど) • 雇⽤形態 (アルバイトや正社員など) • 勤務期間 (単発、1ヶ⽉間など) • 特徴フラグ (服装⾃由やネイルOKなど)
  7. 求⼈と会話履歴のベクトル化 13 会話履歴 求⼈ 類似度が近いものが 検索上位に来る バッチ Embedding モデル 求⼈ベクトル

    求⼈データ Embeddingの前処理として以下を実施 • 数値から意味のある⽂章への変換 • 「仕事内容」などの⻑⽂の要約 リアルタイム Embedding モデル 会話履歴 ベクトル 会話履歴 データ 当然ながら、求⼈のベクトル⽣成と同じ Embeddingモデルを利⽤する
  8. リリース後の課題 15 社内からのフィードバック ユーザの⾏動ログ分析 • 希望した条件の求⼈が推薦されない • 会話の流れをコントロールしづらい • 「カフェで働きたい」のような表層的な

    検索条件をラリーするだけになっている • 4~5回ラリーして、求⼈が推薦されたら 離脱してしまっている 「少ないラリーでもあたりまえレベルの検索をしたい」 検索条件として抽出できる項⽬を増やす ベクトル検索がほぼ意味をなさなくなり フィルタ検索代⾏エージェントになってしまった フィルタ検索はバイトルで GUIで実現されている
  9. ⽬的や課題から順に考え直す 16 社内からのフィードバック ユーザの⾏動ログ分析 • 希望した条件の求⼈が推薦されない • 会話の流れをコントロールしづらい • 「カフェで働きたい」のような表層的な

    検索条件をラリーするだけになっている • 4~5回ラリーして、求⼈が推薦されたら 離脱してしまっている 「少ないラリーでもあたりまえレベルの検索をしたい」 検索条件として抽出できる項⽬を増やす AIエージェントであることが 前提の課題になっている 対話中のデータだけで 解決しようとするから苦しい 検索‧レコメンドやLLM以外 の技術でも解決できるかも 求職者にはもっと重要度が ⾼い課題があるかも もっとCVRに寄与できる体験 があるかも
  10. 検索‧レコメンド 現在の主な取り組み 19 プロフィール情報 応募者情報 履歴書情報 ⾏動ログ バイトル コンテキスト化 ユーザのより詳細な

    特性や条件を収集 求⼈の絞り込み (Recall) 求⼈の並び替え (Rerank) 求⼈の絞り込み (Recall) 求⼈の並び替え (Rerank) AIエージェント バイトルで取得できている情報を活⽤する
  11. 現在の主な取り組み 20 プロフィール情報 応募者情報 履歴書情報 ⾏動ログ バイトル コンテキスト化 ユーザのより詳細な 特性や条件を収集

    求⼈の絞り込み (Recall) 求⼈の並び替え (Rerank) AIエージェント バイトルで取得できている情報を活⽤する バイトルからユーザの要望を取得することで、エージェントとの対話では、 より詳細なユーザ特性や条件 などに集中できる
  12. 現在の主な取り組み 21 エージェント層 解釈・ツール層 新しい技術に早く移⾏するために 軽量 に実装 エージェントとツール‧データが 疎結合 になるように実装

    • OpenAI Agent SDK • Google ADK • LangGraph • MCP • コンテキスト化 • スロット抽出 費⽤対効果 ⼩ ⼤ 費⽤対効果が⼤きい箇所を優先的に整備していきたい! データ層 とても地味な作業が多いが コストをかけて整備 • ユーザデータ • 求⼈データ • APIドキュメント