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スプリントレトロスペクティブはチーム観察の宝庫? 〜チームの衝突レベルに合わせたアプローチ仮説!〜

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August 30, 2025

スプリントレトロスペクティブはチーム観察の宝庫? 〜チームの衝突レベルに合わせたアプローチ仮説!〜

@スクラムフェス仙台 2025

「スクラムフェス仙台 2024」では、チームメンバーと共同で登壇しておりました。
参照 : https://speakerdeck.com/miyatay/scrum-fest-sendai-2024

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August 30, 2025
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  1. © asken.inc 2 自己紹介 Takanari Hatori (とりさん と名乗ってます ) 株式会社asken

    コンシューマー事業本部 エンジニアリングマネージャー / 採用広報 X(旧Twitter) : @PersonalPronoun 上記いずれかのアイコンで SNS 上にいることが多いです (右の方が多い) フォローはお気軽に 🕊 • 経歴 ◦ Sler 時代 ▪ バックエンドエンジニア(PHP, Java, C#, Python, Go, etc…) ▪ 受託開発(3年) → 社外での常駐(4年間) ◦ 現職 (asken) ▪ 最初は : バックエンドエンジニア (PHP) ▪ 途中から : PjM / スクラムマスター ▪ 現在 : EM / スクラムマスター • 興味関心 ◦ スクラム / 組織・チームマネジメント / ふりかえり ◦ EM Oasis, ふりかえりカンファレンスの運営にも参加中!
  2. © asken.inc 5 弊社のエンジニアリングの方針紹介 󰞵 askenエンジニアリングの方針 「co-learning」 ともに、学ぶ プロダクト開発は不確実性が高く、常に「正解がわからないこと」と対峙することになります。 わからないことをわかるようにし、不確実性をコントロールするためには、「学ぶ」必要があります。

    ただ、一人で学ぶには限界があります。 ユーザ、プロダクト、開発プロセス、エンジニアリングなど、 様々な要素に対してチームで学んでいくことにより、 今は想像できないような進化をしていける組織を目指しています。 今日もその一環として、皆さんとともに学べればと登壇しています。
  3. © asken.inc 7 あるスプリントレトロスペティブにて 意見の衝突や、どこか対話が平行線を辿る姿を目にする スプリントバックログの管 理は Asana でやった方が良 いと思っているんだ!

    ステータスもわかりやすい し、前のチームで実績が あって、うまく機能してい たからね。 Asana よりも Notion で管理 されている方が利便性が高 いんだよね。 前のチームでカイゼンし続 けたテンプレートも資産と してもあるかさ! ※ 内容は実話をもとに少し加工しています 元々異なるチームの メンバー
  4. © asken.inc 8 スクラムマスターは考える どこが平行線を辿る原因か? いや、どこから平行線を辿っているのだろうか? スプリントバックログの管 理は Asana でやった方が良

    いと思っているんだ! ステータスもわかりやすい し、前のチームで実績が あって、うまく機能してい たからね。 Asana よりも Notion で管理 されている方が利便性が高 いんだよね。 前のチームでカイゼンし続 けたテンプレートも資産と してもあるかさ! 元々異なるチームの メンバー どう問いかけると 対話が深まるの だろうか? 思案する 文鳥スクラムマスター ※ 内容は実話をもとに少し加工しています
  5. © asken.inc 9 認識を合わせるために問いかけ続ける 問いかける 文鳥スクラムマスター お互いに手段のぶつけ合いをしている ように、僕には見えているけれど、ど う思う? Asana

    や Notion 以外に他の手段は存在 しないのかな? ふたりだけじゃなくて 他のみんなは何かある? Asana と Notion それぞれに利点はあり そうだけど、どんな問題を解決するた めの手段なんだっけ? このスプリントで僕らを困らせた問 題、ゴール達成に影響を与えたものは 何かな? 前のチームと今のチームはメンバーも 状況も違うよね。なぜ、その方法が良 いと思うのかな? 僕らは「${チームの存在意義}」のた めに集まってるんだよね? そこに近づ くためには何が必要?
  6. © asken.inc 10 繰り返すにつれパターンの影が見えてくる パターンを見出す 文鳥スクラムマスター お互いに手段のぶつけ合いをしている ように、僕には見えているけれど、ど う思う? Asana

    や Notion 以外に他の手段は存在 しないのかな? ふたりだけじゃなくて 他のみんなは何かある? Asana と Notion それぞれに利点はあり そうだけど、どんな問題を解決するた めの手段なんだっけ? このスプリントで僕らを困らせた問 題、ゴール達成に影響を与えたものは 何かな? 前のチームと今のチームはメンバーも 状況も違うよね。なぜ、その方法が良 いと思うのかな? 僕らは「${チームの存在意義}」のた めに集まってるんだよね? そこに近づ くためには何が必要? 根幹 なぜ? 何を? どの ように? どの ように? 何を?
  7. © asken.inc 11 「衝突レベル」という仮説を思いつく プロダクト4階層に着想を得た以下の仮説を立てた ① 衝突には「Core/Why/What/How」の   4つのレベルがある ②

    衝突レベルを活用することで   どこから認識がズレているか整理しやすくなる ③ 衝突レベルごとにアプローチを変えることで   対話者の認識のズレをあわせやすくなる
  8. © asken.inc 13 衝突レベル仮説 Core Why What How 4階層 プロダクト

    マネジメントのすべて (*1) 【プロダクトの核】 ・プロダクトの世界観 ・企業への貢献 衝突レベル 【あるべき姿に対する衝突】 ・チームの存在意義や達成したいゴール ・メンバーそれぞれの価値観と経験 【プロダクトを実現する目的】 ・誰をどんな状態にしたいか ・なぜ自社がするか 【プロダクトによる解決策】 ・ユーザー体験 ・ビジネスモデル ・ロードマップ 【プロダクトの具体的な実現方法】 ・どのように実現するのか 【問題の背景や理由に対する衝突】 ・その問題が起きている理由や背景は何か? ・メンバーごとの視点や原因の分析 【問題そのものに対する衝突】 ・⽴分たちの効果を改善するために最も役⽴つ変更は何か? ・どの現状に焦点を当てるのか? 【問題解決の具体的な行動に対する衝突】 ・誰が、どのように問題を解決するのか? ※ (*1) 書籍『プロダクトマネジメントのすべて』より抜粋して引用
  9. © asken.inc 14 衝突レベル仮説 : Core Core Why What How

    4階層 衝突レベル 【あるべき姿に対する衝突】 ・チームの存在意義や達成したいゴール ・メンバーそれぞれの価値観と経験 【問題の背景や理由に対する衝突】 ・その問題が起きている理由や背景は何か? ・メンバーごとの視点や原因の分析 【問題そのものに対する衝突】 ・⽴分たちの効果を改善するために最も役⽴つ変更は何か? ・どの現状に焦点を当てるのか? 【問題解決の具体的な行動に対する衝突】 ・誰が、どのように問題を解決するのか? 思案する 文鳥スクラムマスター 僕らは「${チームの存在意義}」のため に集まってるんだよね? そこに近づく ためには何が必要? 根幹
  10. © asken.inc 15 衝突レベル仮説 : Why Core Why What How

    4階層 衝突レベル 【あるべき姿に対する衝突】 ・チームの存在意義や達成したいゴール ・メンバーそれぞれの価値観と経験 【問題の背景や理由に対する衝突】 ・その問題が起きている理由や背景は何か? ・メンバーごとの視点や原因の分析 【問題そのものに対する衝突】 ・⽴分たちの効果を改善するために最も役⽴つ変更は何か? ・どの現状に焦点を当てるのか? 【問題解決の具体的な行動に対する衝突】 ・誰が、どのように問題を解決するのか? 思案する 文鳥スクラムマスター 前のチームと今のチームはメンバーも 状況も違うよね。なぜ、その方法が良 いと思うのかな? なぜ?
  11. © asken.inc 16 衝突レベル仮説 : What Core Why What How

    4階層 衝突レベル 【あるべき姿に対する衝突】 ・チームの存在意義や達成したいゴール ・メンバーそれぞれの価値観と経験 【問題の背景や理由に対する衝突】 ・その問題が起きている理由や背景は何か? ・メンバーごとの視点や原因の分析 【問題そのものに対する衝突】 ・⽴分たちの効果を改善するために最も役⽴つ変更は何か? ・どの現状に焦点を当てるのか? 【問題解決の具体的な行動に対する衝突】 ・誰が、どのように問題を解決するのか? 思案する 文鳥スクラムマスター このスプリントで僕らを困らせた問 題、ゴール達成に影響を与えたものは 何かな? 何を? Asana と Notion それぞれに利点はあ りそうだけど、どんな問題を解決する ための手段なんだっけ? 何を?
  12. © asken.inc 17 衝突レベル仮説 : How Core Why What How

    4階層 衝突レベル 【あるべき姿に対する衝突】 ・チームの存在意義や達成したいゴール ・メンバーそれぞれの価値観と経験 【問題の背景や理由に対する衝突】 ・その問題が起きている理由や背景は何か? ・メンバーごとの視点や原因の分析 【問題そのものに対する衝突】 ・⽴分たちの効果を改善するために最も役⽴つ変更は何か? ・どの現状に焦点を当てるのか? 【問題解決の具体的な行動に対する衝突】 ・誰が、どのように問題を解決するのか? 思案する 文鳥スクラムマスター Asana や Notion 以外に他の手段は存 在しないのかな? ふたりだけじゃなく て他のみんなは何かある? どの ように? お互いに手段のぶつけ合いをしている ように、僕には見えているけれど、ど う思う? どの ように?
  13. © asken.inc 18 そもそも「問題と課題」が混ざりやすい 現状 あるべき姿 「現状」と 「あるべき姿」のギャップ = 問題

    問題を解決するために 取り組む具体的な行動やタスク = 課題 「問題」と「課題」含め、発生する対話は様々な内容がない混ぜになりやすい
  14. © asken.inc 19 「問題と課題」と「衝突レベル」 現状 あるべき姿 「現状」と 「あるべき姿」のギャップ = 問題

    問題を解決するために 取り組む具体的な行動やタスク = 課題 「問題と課題」の視点からも、どこで衝突が起きているかを整理できる Core レベル Why レベル What レベル How レベル
  15. © asken.inc 21 先ほどの事例だと... すべてが噛み合ってなさそうに見える。 まずはどこから整理すると良いのだろうか? スプリントバックログの管理 は Asana でやった方が良い

    と思っているんだ! ステータスもわかりやすい し、前のチームで実績があ り、うまく機能していたから ね。 Asana よりも Notion で管理 されている方が利便性が高い んだよね。 前のチームでカイゼンし続け たテンプレートも資産として もあるかさ! 元々異なるチームの メンバー どう問いかけると 対話が深まるの だろうか? 思案する 文鳥スクラムマスター ※ 内容は実話をもとに少し加工しています
  16. © asken.inc 22 「衝突レベル」に当てはめて考える #1 Core Why What How 4階層

    衝突レベル 【あるべき姿に対する衝突】 ・チームの存在意義や達成したいゴール ・メンバーそれぞれの価値観と経験 【問題の背景や理由に対する衝突】 ・その問題が起きている理由や背景は何か? ・メンバーごとの視点や原因の分析 【問題そのものに対する衝突】 ・⽴分たちの効果を改善するために最も役⽴つ変更は何か? ・どの現状に焦点を当てるのか? 【問題解決の具体的な行動に対する衝突】 ・誰が、どのように問題を解決するのか? 蛙 兎 スプリントバックログの管理は Asana でやった方が良いと思っているんだ! ステータスもわかりやすいし、前のチームで実績があり、うまく機能していたからね。 Asana よりも Notion で管理されている方が利便性が高いんだよね。 前のチームでカイゼンし続けたテンプレートも資産としてもあるかさ! ① 「Core/Why/What/How」に当てはめて、ど こで衝突しているのかを考える ② 色々と衝突している部分はあるが、より下 の階層から焦点を当てて整理する ③ 今回は「Asana」と「Notion」という具体的 なツール、つまり「How」の階層ですでに衝 突していることが見えてくる
  17. © asken.inc 23 「衝突レベル」に当てはめて考える #2 Core Why What How 4階層

    衝突レベル 【あるべき姿に対する衝突】 ・チームの存在意義や達成したいゴール ・メンバーそれぞれの価値観と経験 【問題の背景や理由に対する衝突】 ・その問題が起きている理由や背景は何か? ・メンバーごとの視点や原因の分析 【問題そのものに対する衝突】 ・⽴分たちの効果を改善するために最も役⽴つ変更は何か? ・どの現状に焦点を当てるのか? 【問題解決の具体的な行動に対する衝突】 ・誰が、どのように問題を解決するのか? 蛙 兎 スプリントバックログの管理は Asana でやった方が良いと思っているんだ! ステータスもわかりやすいし、前のチームで実績があり、うまく機能していたからね。 Asana よりも Notion で管理されている方が利便性が高いんだよね。 前のチームでカイゼンし続けたテンプレートも資産としてもあるかさ! ④ 衝突が判明した階層から、1つ上の階層に 戻って衝突を整理していく。今回の場合は 「ステータス」や「利便性」というツール の理由の裏にある「問題(What)」を次に整 理していく ⑤ これを繰り返しながら、階層ごとに注目し て噛み合わない箇所の解像度をあげていく
  18. © asken.inc 24 「衝突レベル」に当てはめて整理した結果 「How → What → Why」と整理されて解像度があがり、 「How」ではなく「What

    (問題)」がそもそも異なっていたことが見えてくる スプリント計画通りに進 んでるか追えていないこと が問題。前のチームではうま く遅延状況を可視化できた。 だから、スプリントバックロ グを Asana で管理しよう。 ドキュメントとタスクが 分断して会話が散らばる ことが問題。前のチームで は設計ドキュメントとタスク を結びつけやすかった。だか ら、スプリントバックログを Notionで管理しよう。 元々異なるチームの メンバー 思案する 文鳥スクラムマスター ※ 内容は実話をもとに少し加工しています なるほど。 扱っている問題が 異なるんだね
  19. © asken.inc 25 衝突している階層を認識する Core Why What How 4階層 衝突レベル

    【あるべき姿に対する衝突】 ・チームの存在意義や達成したいゴール ・メンバーそれぞれの価値観と経験 【問題の背景や理由に対する衝突】 ・その問題が起きている理由や背景は何か? ・メンバーごとの視点や原因の分析 【問題そのものに対する衝突】 ・⽴分たちの効果を改善するために最も役⽴つ変更は何か? ・どの現状に焦点を当てるのか? 【問題解決の具体的な行動に対する衝突】 ・誰が、どのように問題を解決するのか? ど の 階 層 か ら ズ レ て い る か ? 【仮説②】衝突レベルを活用することで対話者のズレを整理しやすくなる 階層を上がり 解像度を上げる 階層を上がり 解像度を上げる 階層を上がり 解像度を上げる ズレの根っこを捉える
  20. © asken.inc 27 再び先ほどの事例だと... すべてが噛み合ってなさそうに見える。 まずはどこから、どのように整理すると良いのだろうか? スプリントバックログの管理 は Asana でやった方が良い

    と思っているんだ! ステータスもわかりやすい し、前のチームで実績があ り、うまく機能していたから ね。 Asana よりも Notion で管理 されている方が利便性が高い んだよね。 前のチームでカイゼンし続け たテンプレートも資産として もあるかさ! 元々異なるチームの メンバー どう問いかけると 対話が深まるの だろうか? 思案する 文鳥スクラムマスター ※ 内容は実話をもとに少し加工しています
  21. © asken.inc 28 「衝突レベル」ごとのアプローチ例 #1 ※ 内容は実話をもとに少し加工しています スプリントバックログの管理は Asana でやった方が良いと思っているんだ!

    ステータスもわかりやすいし、前のチームで実績があり、うまく機能していたからね。 Asana よりも Notion で管理されている方が利便性が高いんだよね。 前のチームでカイゼンし続けたテンプレートも資産としてもあるかさ! ふたりとも「問題解決の方法」の部分で意見が異なっているね。 聞く限り Asana と Notion 両方とも異なるメリットもありそうだね。 でも、そもそもどんな問題を解決するために Asana と Notion という手段を選ぶんだっけ? Asana と Notion という「問題解決の具体的な行動」ですれ違っているように見える。 これは How の「衝突レベル」だな。1つ上の階層(What)は、本当に互いに噛み合っているのだろうか? !?
  22. © asken.inc 29 「衝突レベル」ごとのアプローチ例 #2 ※ 内容は実話をもとに少し加工しています えっ。このスプリントでゴールが達成できていなかったのは、 スプリント計画通りに進んでるか追えていないことが原因だと思っていて。ん?違うの? えっ。ドキュメントとタスクが分断して会話が散らばってしまうことが原因で、

    認識齟齬が発生して多くの時間と労力がかかったよね。その話をしていたのではないの? ふたりとも「問題そのもの」から認識が違っていたんだね。 もしかすると、スプリントゴールの達成に障害となっていると感じている問題の 背景や理由も実は詳しく話しきれていないんじゃないかな? 「問題解決の具体的な行動(How レベル)」では分かりやすくすれ違っていたけれど、 そもそも「問題そのもの(What)」も認識が揃ってなさそうだぞ? 次はさらに1つ上の階層である「問題の背景や理由(Why)」はどうだろうか? !? 以下、繰り返される問いかけ......
  23. © asken.inc 30 衝突レベルごとのアプローチ : How 観察 : 「何をすべきか決定」する際に、衝突が起こりやすい Core

    Why What How 4階層 衝突レベル 【あるべき姿に対する衝突】 ・チームの存在意義や達成したいゴール ・メンバーそれぞれの価値観と経験 【問題の背景や理由に対する衝突】 ・その問題が起きている理由や背景は何か? ・メンバーごとの視点や原因の分析 【問題そのものに対する衝突】 ・⽴分たちの効果を改善するために最も役⽴つ変更は何か? ・どの現状に焦点を当てるのか? 【問題解決の具体的な行動に対する衝突】 ・誰が、どのように問題を解決するのか? 「How」である「問題解決の具体的な行動」 が噛み合っているのか否かを見つけ出すの は、比較的分かりやすい。 ことのき、そもそも「What」である「問題そ のもの」から認識が異なることがあるため、 「方法論で意見が異なっている」ことを伝え つつ、そもそも「方法論の裏側にある解決し たい問題は何か?」を問いかけるアプローチ を行う。 アプローチ方法
  24. © asken.inc 31 衝突レベルごとのアプローチ : What 観察 :「最も役⽴つ変更を特定」する際に、衝突が起こりやすい Core Why

    What How 4階層 衝突レベル 【あるべき姿に対する衝突】 ・チームの存在意義や達成したいゴール ・メンバーそれぞれの価値観と経験 【問題の背景や理由に対する衝突】 ・その問題が起きている理由や背景は何か? ・メンバーごとの視点や原因の分析 【問題そのものに対する衝突】 ・⽴分たちの効果を改善するために最も役⽴つ変更は何か? ・どの現状に焦点を当てるのか? 【問題解決の具体的な行動に対する衝突】 ・誰が、どのように問題を解決するのか? 「What」である「問題そのもの」が噛み合わ ない場合は、互いに「問題」だと感じる「理 由や背景」が異なる可能性がある。また、メ ンバーによって重要度に差がある可能性もあ る。 そのため、「問題そのもの」だけを聞くので はなく、その裏側の「理由や背景」も合わせ て問いかけるアプローチを行う。 それは、なぜ問題だと思うのですか? アプローチ方法
  25. © asken.inc 32 衝突レベルごとのアプローチ : Why 観察 :「データを収集して解釈」する際に、衝突が起こりやすい Core Why

    What How 4階層 衝突レベル 【あるべき姿に対する衝突】 ・チームの存在意義や達成したいゴール ・メンバーそれぞれの価値観と経験 【問題の背景や理由に対する衝突】 ・その問題が起きている理由や背景は何か? ・メンバーごとの視点や原因の分析 【問題そのものに対する衝突】 ・⽴分たちの効果を改善するために最も役⽴つ変更は何か? ・どの現状に焦点を当てるのか? 【問題解決の具体的な行動に対する衝突】 ・誰が、どのように問題を解決するのか? 「Why」である「問題の背景や理由」が噛み 合わない場合は、「Core」である「あるべき 姿」の認識や、メンバーそれぞれの「価値観 や経験」が異なる可能性がある。 そのため、「あるべき姿」の再確認や「価値 観や経験」の共有を引き出すことが大切にな る。背景や理由そのものに対して、時には自 分の解釈を伝えながら、なぜを繰り返して深 掘りをしていく。 アプローチ方法
  26. © asken.inc 33 衝突レベルごとのアプローチ : Core 観察 :「目的意識やメンバー理解が希薄」している際に、衝突が起こりやすい Core Why

    What How 4階層 【あるべき姿に対する衝突】 ・チームの存在意義や達成したいゴール ・メンバーそれぞれの価値観と経験 【問題の背景や理由に対する衝突】 ・その問題が起きている理由や背景は何か? ・メンバーごとの視点や原因の分析 【問題そのものに対する衝突】 ・⽴分たちの効果を改善するために最も役⽴つ変更は何か? ・どの現状に焦点を当てるのか? 【問題解決の具体的な行動に対する衝突】 ・誰が、どのように問題を解決するのか? 「Core」である「あるべき姿」の認識が揃っ ていない場合、そもそもチームが自分たちの 存在意義を忘れていたり、プロダクトゴール ・スプリントゴールの意識が希薄になってし まっている可能性がある。また、メンバーご との価値観が異なるかもしれない。 その場合は、スプリントレトロスペクティブ 以前に「あるべき姿」や「それぞれの価値 観」にチーム全員で立ち戻ってみると認識が 揃いやすく、より問題(現実とありたい姿の ギャップ)に気づきやすくなる可能性がある。 衝突レベル アプローチ方法
  27. © asken.inc 36 まとめ : 「衝突レベル」仮説 プロダクト4階層に着想を得た以下の仮説を立てた ① 衝突には「Core/Why/What/How」の  

    4つのレベルがある ② 衝突レベルを活用することで   どこから認識がズレているか整理しやすくなる ③ 衝突レベルごとにアプローチを変えることで   対話者の認識のズレをあわせやすくなる
  28. © asken.inc 37 まとめ : 衝突レベルとアプローチ 衝突レベルごとにアプローチを変え、対話を促して解像度を上げていく Core Why What

    How 4階層 衝突レベル 【あるべき姿に対する衝突】 ・チームの存在意義や達成したいゴール ・メンバーそれぞれの価値観と経験 【問題の背景や理由に対する衝突】 ・その問題が起きている理由や背景は何か? ・メンバーごとの視点や原因の分析 【問題そのものに対する衝突】 ・⽴分たちの効果を改善するために最も役⽴つ変更は何か? ・どの現状に焦点を当てるのか? 【問題解決の具体的な行動に対する衝突】 ・誰が、どのように問題を解決するのか? ど の 階 層 か ら ズ レ て い る か ? 階層を上がり 解像度を上げる 階層を上がり 解像度を上げる 階層を上がり 解像度を上げる 問いかけを繰り返し ズレの根っこを捉える