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サーバーのセキュリティ対策とコンテナのセキュリティ対策の違い/hibiyatech_differences-between-server-security-and-container-security

emi
February 17, 2024

 サーバーのセキュリティ対策とコンテナのセキュリティ対策の違い/hibiyatech_differences-between-server-security-and-container-security

2024/02/16 Hibiya.Tech #3「どうする?コンテナセキュリティ」で発表した資料です。
https://classmethod.connpass.com/event/307459/

emi

February 17, 2024
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Transcript

  1. 8 仮想サーバーとコンテナの違い ハードウェア ホスト OS コンテナ管理ソフトウェア(Docker など) ミドルウェア/ライブラリ アプリケーション ミドルウェア/ライブラリ

    アプリケーション コンテナ ハードウェア ホスト OS ハイパーバイザー ゲスト OS ミドルウェア/ライブラリ アプリケーション ゲスト OS ミドルウェア/ライブラリ アプリケーション 仮想サーバー 仮想サーバー 仮想サーバー コンテナ コンテナ
  2. 9 仮想サーバーとコンテナの違い namespace 特定のプロセスを分離 cgroup CPU、メモリなど 物理的リソースの 制限・割り当て Linux コンテナは、Linux

    カーネルの機能を利用して プロセスの実行空間を分離したもの ハードウェア ホスト OS コンテナ管理ソフトウェア(Docker など) ミドルウェア/ライブラリ アプリケーション ミドルウェア/ライブラリ アプリケーション コンテナ コンテナ
  3. 10 仮想サーバーとコンテナの違い Linux OS namespace 特定のプロセスを分離 cgroup CPU、メモリなど 物理的リソースの 制限・割り当て

    Linux コンテナは、Linux カーネルの機能を利用して プロセスの実行空間を分離したもの CPU メモリ ディスクI/O プロセス1 プロセス2 : プロセス1 プロセス2 : cgroup リソースを分離 namespace プロセスを分離 コンテナ (実態はプロセス)
  4. 12 仮想サーバーとコンテナの違い • Ubuntu ベースのコンテナでシェルを起動 • 1000 秒 sleep •

    Ctr + Z でプロセスを一時停止 • bg %1 でバックグラウンド処理にする • プロセスの表示 ※この sleep プロセスはコンテナ内のプロセス
  5. 13 仮想サーバーとコンテナの違い コンテナ内のプロセス 別のセッションで ホスト OS のプロセスを表示 • プロセス ID

    はコンテナ内とホスト OS で異なっているが、 どちらも同じプロセスを表す • コンテナ内のプロセスがホスト OS から見える
  6. 18 仮想サーバーの分離とコンテナの分離 ハードウェア ホスト OS コンテナ管理ソフトウェア(Docker など) ミドルウェア/ライブラリ アプリケーション ミドルウェア/ライブラリ

    アプリケーション ハードウェア ホスト OS ハイパーバイザー ゲスト OS ミドルウェア/ライブラリ アプリケーション ゲスト OS ミドルウェア/ライブラリ アプリケーション 仮想サーバー 仮想サーバー コンテナ コンテナ Docker は内部的にカーネルの機能である namespace や cgroup を活用して コンテナ化されたアプリケーションの プロセスの実行空間を隔離している コンテナ 仮想サーバー
  7. 19 仮想サーバーの分離とコンテナの分離 仮想サーバー 仮想サーバー コンテナ コンテナ コンテナ 仮想サーバー カーネル ハイパーバイザー

    ミドルウェア/ライブラリ アプリケーション ミドルウェア/ライブラリ アプリケーション ゲスト OS ミドルウェア/ライブラリ アプリケーション ゲスト OS ミドルウェア/ライブラリ アプリケーション が環境を分離 が環境を分離
  8. 21 仮想サーバーの分離とコンテナの分離 カーネルについて • プロセスを分離するのはカーネルの役割 • カーネルにバグがあるとそこから攻撃される恐れ • カーネルは長い期間修正され続け、極めて大規模かつ複雑 •

    Linux カーネルのコード数は 2,000万行以上 • カーネルではユーザー空間のプロセスはある程度お互いに見える • IPC(Inter Process Communication、プロセス間通信)などで異なるプロセ ス間でメモリ共有もできる • 予期しない・意図しない状況でアクセスを許す欠陥の可能性があるため、分離 が弱い
  9. 24 仮想サーバーの分離とコンテナの分離 Xen 4.12 shrinks code, beefs up security, rethinks

    x86 support https://www.theregister.com/2019/04/04/xen_412_release/ : : : :
  10. 25 仮想サーバーの分離とコンテナの分離 • コードが複雑 • バグの検出が難しい • 理解の難易度が高い • 保守の困難さ

    • 隠れた依存関係が悪用される • etc… • コードが単純 • バグの特定が容易 • 理解しやすい • 保守が簡単 • 攻撃対象が小さくなる • etc…
  11. 26 仮想サーバーの分離とコンテナの分離 • コードが複雑 • バグの検出が難しい • 理解の難易度が高い • 保守の困難さ

    • 隠れた依存関係が悪用される • etc… • コードが単純 • バグの特定が容易 • 理解しやすい • 保守が簡単 • 攻撃対象が小さくなる • etc… カーネル ハイパーバイザー
  12. 30 仮想サーバーの分離とコンテナの分離 コンテナのパーミッションを制限する機能 • seccomp(Secure Computing Mode) • システムコールを制限することでセキュリテイ強化 •

    AppArmor(Application Armor) • ファイルへのアクセス許可を制限することでセキュリティ強化 • プログラムごとにセキュリティプロファイルを作成する
  13. 31 仮想サーバーの分離とコンテナの分離 コンテナの Sandbox 化機能 • gVisor • Googleが開発 •

    独自の「ゲストカーネル」を使用して コンテナをサンドボックス化する • Sentry という独自コンポーネントで システムコールを受け取る • ファイルアクセスに関する システムコールをおこなう場合は Goferというコンポーネントが仲介する Linux OS ホストカーネル アプリケーション Sentry Gofer システムコール あたかもカーネルのよう コンテナ
  14. 32 仮想サーバーの分離とコンテナの分離 コンテナの Sandbox 化機能 • Kata container • コンテナを別の仮想サーバーで

    起動する • アプリケーションコードが実行される 別のターゲットホストとの間に プロキシを作成 • 仮想サーバーが起動するまで 時間がかかる ハイパーバイザー 仮想サーバー カーネル エージェント コンテナ Proxy
  15. 38 「イメージスキャンが大事」とは • コンテナは • 軽量で • いつでも • どこでも

    • 素早く • 同じものが作れる Docker Image コンテナ コンテナ コンテナ コンテナ コンテナ
  16. 39 「イメージスキャンが大事」とは • コンテナを起動してから追加でパッケージをインストールしたり コンテナごとにアップデートすると… コンテナ コンテナ コンテナ コンテナ コンテナ

    パッケージ 追加しよう これ何で 入ってるんだっけ 削除しちゃえ 設定ファイル 変えちゃおう ずっとアップデート しないで 使い続ける 設定ファイル 変えちゃおう
  17. 40 「イメージスキャンが大事」とは • コンテナを起動してから追加でパッケージをインストールしたり コンテナごとにアップデートすると… コンテナ コンテナ コンテナ コンテナ コンテナ

    パッケージ 追加しよう これ何で 入ってるんだっけ 削除しちゃえ 設定ファイル 変えちゃおう ずっとアップデート しないで 使い続ける 設定ファイル 変えちゃおう 全部のコンテナがちゃんとアップデートされているか ウイルスなどに感染していないか 脆弱性が放置されていないか調べるのが大変!!
  18. 41 「イメージスキャンが大事」とは • コンテナはイミュータブル(不変)である状態が推奨 • 追加やアップデートが必要な場合はビルドし直す コンテナ コンテナ コンテナ コンテナ

    コンテナ パッケージ 追加しよう これ何で 入ってるんだっけ 削除しちゃえ 設定ファイル 変えちゃおう ずっとアップデート しないで 使い続ける 設定ファイル 変えちゃおう
  19. 42 「イメージスキャンが大事」とは Docker Image コンテナ コンテナ コンテナ コンテナ コンテナ もとになるイメージを

    スキャンして 安全な状態に保っておけば 全部調査しなくても セキュアな状態を担保できる! (バージョンも統一できる)
  20. 45 「イメージスキャンが大事」とは • 例えば EC2 だと、EC2 Image Builder で ゴールデンイメージを管理することがある

    • 同じ考え方でイメージスキャン可能 • スキャンのためのツールもいくつか存在 • [アップデート] EC2 Image builderにてイメージパイプライン実行時に脆弱性スキャンが可能にな りました。 | DevelopersIO • https://dev.classmethod.jp/articles/update-ec2-image-builder-inspector/ • TrivyでAMIやEBSスナップショットをセキュリティスキャンできるようになりました #reinvent | DevelopersIO • https://dev.classmethod.jp/articles/trivy-now-scans-amazon-machine-images-amis/ AMI
  21. 48 振り返り • 仮想サーバーと比較したコンテナの一番の特徴は「カーネルを共有 している」ということ • ホスト OS からすべてのコンテナのプロセスを参照できる •

    カーネルにバグがあるとそこから攻撃される恐れ • 予期しない・意図しない状況でアクセスを許す欠陥の可能性がある • コンテナの分離を強化するための機能や技術がある • コンテナはイミュータブル、かつイメージスキャンを定期的に行う ことで効率的にセキュリティを担保できる • 仮想サーバーもイメージスキャンできる
  22. 49 参考 • ランタイムセキュリティ - Amazon Elastic Container Service •

    https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/AmazonECS/latest/bestpracticesguide/security-runtime.html • AWS Black Belt Online Seminar • コンテナセキュリティ入⾨ Part 1 • https://pages.awscloud.com/rs/112-TZM-766/images/202110_AWS_Black_Belt_AWS_CON231_intro_container_security_part1.pdf • コンテナセキュリティ入⾨ Part 2 • https://pages.awscloud.com/rs/112-TZM-766/images/202110_AWS_Black_Belt_AWS_CON232_intro_container_security_part2.pdf • コンテナセキュリティ入⾨ Part 3 • https://pages.awscloud.com/rs/112-TZM-766/images/202110_AWS_Black_Belt_AWS_CON233_intro_container_security_part3.pdf • Docker一強の終焉にあたり、押さえるべきContainer事情 • https://zenn.dev/ttnt_1013/articles/f36e251a0cd24e • What is gVisor? - gVisor • https://gvisor.dev/docs/ • Kata Containers - Open Source Container Runtime Software | Kata Containers • https://katacontainers.io/ • コンテナセキュリティ コンテナ化されたアプリケーションを保護する要素技術 • https://amzn.asia/d/aL0lGIN
  23. 51