Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
成果物は「作品」 、PMは「キュレーター」〜プロジェクトのフェーズに合わせてコン テキ スト管...
Search
Sponsored
·
Ship Features Fearlessly
Turn features on and off without deploys. Used by thousands of Ruby developers.
→
shinya
February 16, 2026
Business
1
240
成果物は「作品」 、PMは「キュレーター」〜プロジェクトのフェーズに合わせてコン テキ スト管理しよう〜
shinya
February 16, 2026
Tweet
Share
More Decks by shinya
See All by shinya
Deliverables Are "Works of Art", PMs Are "Curators"
es0612
0
17
Other Decks in Business
See All in Business
生成AIの基礎と産業廃棄物の業務における実践的AI活用ハンズオン
itarutomy
1
100
Purviewで権限のカタログ化をしてみたかった~データ製品アクセスポリシーとは?~
ryuseiiida
0
130
GMO Flatt Security 会社紹介資料
flatt_security
0
28k
冷めた料理は不味い
in0u
0
240
malna-recruiting-pitch
malna
0
15k
SpiderPlus & Co. 会社紹介資料(新卒採用)
spiderplus_cb
0
150
QAコーチと学ぶ テスト戦略
satohiroyuki
0
210
2026年3月7日(土)放射性金属がやってくるか 廃炉原発等のクリアランスについて
atsukomasano2026
0
430
NEW POP-UP STORE DESIGN/JAPAN SHOP 2026
superpenguin
PRO
0
210
Speee_2026年9月期第1四半期 決算説明資料
speee_pr
0
2.3k
人々にとってかけがえのないプロダクトを作るには ~顧客の日常に紛れる "not not" を見つけろ!~ #pdmyy
bonotake
2
180
TROCCO × Terraform × AI で kintone 連携も IaC 化 / TROCCO × Terraform × AI for kintone
medley
0
240
Featured
See All Featured
Neural Spatial Audio Processing for Sound Field Analysis and Control
skoyamalab
0
200
Performance Is Good for Brains [We Love Speed 2024]
tammyeverts
12
1.5k
Have SEOs Ruined the Internet? - User Awareness of SEO in 2025
akashhashmi
0
280
We Are The Robots
honzajavorek
0
190
Context Engineering - Making Every Token Count
addyosmani
9
740
The Illustrated Guide to Node.js - THAT Conference 2024
reverentgeek
1
300
Believing is Seeing
oripsolob
1
75
StorybookのUI Testing Handbookを読んだ
zakiyama
31
6.6k
Embracing the Ebb and Flow
colly
88
5k
Applied NLP in the Age of Generative AI
inesmontani
PRO
4
2.1k
Cheating the UX When There Is Nothing More to Optimize - PixelPioneers
stephaniewalter
287
14k
How to build an LLM SEO readiness audit: a practical framework
nmsamuel
1
660
Transcript
2026.2.17 成果物は「作品」 、PMは「キュレーター」 〜プロジェクトのフェーズに合わせてコンテキスト管理しよう〜
自己紹介 江間 新也 ビジネスデザイン部 POリード 大手製造業でのエンジニア/PdM経験を経て、現在はアジ ャイル開発の現場でPO支援・戦略設計を担当。AI活用に よるプロダクト開発プロセスの効率化にも取り組んでい る。 2
話すこと # トピック 1 成果物は「作品」 、PMは「キュレーター」 2 フェーズで変わるキュレーション(実体験) 3 実際の運用:Google
Driveをハブにしたコンテキスト管理 4 AIが変えた「整理する意味」+まとめ 3
1. 成果物は「作品」 、PMは「キュレーター」 美術館のメタファー
あなたのプロジェクト、 「作品」だらけです 議事録、設計書、コード、Jiraチケット、Slackスレッド、 Miroの付箋、パワポ資料、音声の文字起こし、画面モック… 手を動かし、口を動かして生まれた あらゆるビジネス成果物。 これらは単なる「ドキュメント」ではない。 プロジェクトの意思決定と創造の軌跡 ── つまり
「作品」 である。 5
PMは「キュレーター」である キュレーター = 美術館で作品を収集・選別・配置 し、文脈を与えて価値を最大化する人 語源はラテン語「curare(世話をする) 」 PMも同じ。ビジネス上の「作品」を どう集め、ど う配置し、どう文脈をつけるか
で、プロジェクトの 意思決定の質が変わる。 6
そして今「最良の鑑賞者」が現れた かつて ── どんなに綺麗に整理しても、誰も全部は読まなかった。 正直、自己満足で終わることも多かった。 今 ── AIが余さず見てくれる。 議事録の1行目も、最終ページの補足も、全部読む。 100枚のスライドも、500行のコードも、全部見る。
そして文脈を理解し、関連づけ、提案してくれる。 きれいにすればするほど、AIの出力品質が上がる。 整理する意味が、かつてないほど大きくなった。 7
2. フェーズで変わるキュレーション 実体験:KAGでのプロジェクト推進から
ただし「きれいにする」方法はフェーズで変わる プロジェクト序盤と後半では、作品の量も性質も違う。 美術館でも、収蔵と企画展ではキュレーションのやり方が違うように、 コンテキスト管理のアプローチもPJのフェーズに応じて変えるべき。 序盤のやり方のまま進めると、2ヶ月後に AIの回答がブレ始める。 もう捨てたアイデアを蒸し返す。古い情報と新しい情報が混在する。 → これが 「コンテキスト汚染」
問題。 9
全体像:4フェーズとキュレーシ ョンの重心 フェーズ 美術館に例えると キュレーショ ン ① キックオ フ前 作品の収蔵(とにかく
集める) 収集 ② 方向づけ 企画展のテーマ選定 収集+精査 ③ 機能決定 展示する作品を選ぶ 引き算 ④ 開発中 会期中の展示替え 継続メンテナ ンス 10
Phase ① キックオフ前 ── 作品をとにかく収蔵する PJ状況: KAG入社直後、即プロジェクトにアサイン。キックオフまで時間がない。 やったこと 営業履歴・提案資料・Slack・社内Wiki →
片っ端から収集 全部 NotebookLM に投入 → 音声で「ながら聞き」しながらキャッチアップ このフェーズでは 「入れすぎ」を恐れない。まず全体像を掴むことが最優先。 美術館でいえば「まず作品を倉庫に全部入れる」段階。選別はあとでいい。 11
Phase ② 方向づけ ── 企画展 のテーマを決める PJ状況: 現状整理 → ビジョン策定。
「何を作るか」 の大枠を決める段階。 まだ「全部入れる」は有効。ただし 方向(テー マ)が決まったら、テーマ外の作品を意識的にしま い始める。 12
Phase ③ 機能決定 ── 展示する作品を選ぶ PJ状況: 機能の洗い出し・優先順位付け。やることが確定していく段階。 ここで起きた問題 コンテキスト汚染 「やらない」と決めたアイデア
= 倉庫にしまったはずの作品 が、 展示室(コンテキスト)にまだ残っている。 AIがそれも含めて鑑賞してしまい、焦点がボケた解釈 を返してくる。 美術館で例えると:印象派の企画展なのに、 収蔵庫から現代アートが紛れ込んでいる 状態。 13
Phase ④ 開発中 ── 会期 中の展示替え PJ状況: アジャイル開発。スプリントごとに 計画もフィードバックも変化し続ける。 美術館も会期中に展示を入れ替える。コン
テキストも同じ。 スプリントの区切りで、インプットも棚卸しす る。 展示物の鮮度を保つ。 14
実際の運用 Google Driveをハブにしたコンテキスト管理
現在のコンテキスト管理アーキテクチャ 16
3層構造:収集→構造化→投入 層 やっていること ① 収集 各ツールのデータをGoogle Driveに集 約(手動エクスポート+一部自動) ② 構造化
Driveのフォルダ構成で整理(ここに若 干コストがかかる) ③ キュレー ション投入 用途・フェーズに合った情報を選んでAI に渡す(ここが一番効く) コストをかけた分だけ、AIの精度と使い勝手が上 がる実感がある。 17
なぜGoogle Driveがハブなのか 選んだ理由 ほぼ全てのツールから エクスポート先にできる(汎用性) フォルダ構造で フェーズ・カテゴリごとの分類 が自然にできる NotebookLM・Gemini と
ネイティブ連携(ドラッグ&ドロップで投入) 美術館メタファーでいうと 各ツール = アトリエ(作品が生まれる場所) Google Drive = 収蔵庫(作品を保管・整理する場所) AI = 展示室の鑑賞者(キュレーションされた作品を見る場所) 18
3. AIが変えた「整理する意味」
Before AI:整理は「自己満足」になりがちだった 丁寧に書いた議事録 → 誰も読み返さない 綺麗に整理したConfluence → 検索されない 時間をかけた設計書 →
レビューで流し読み 「どうせ誰も見ないなら、ほどほどでいいか…」 整理する動機が弱かった。 20
After AI:整理がダイレクトに価値に変わる 21
After AI:3つの変化 ① 「全部見てくれる鑑賞者」が現れた 人間は100ページの文書を全部は読まない。AIは読む。 整理の恩恵を 余さず受け取ってくれる存在 が初めて現れた。 ② 整理が「投資」になった
きれいにした分だけ、AIの出力品質が 比例して 上がる。やればやるほど価値が高まる。 ③ 精神衛生が安定する 「ちゃんとした情報を与えている → ちゃんとした答えが出るはず」 この安心感が PMとしての判断の質 にも効く。 ※個人的には綺麗に整理されている状態そのものも安心する。 22
加えて、AIのアウトプットもまた「作品」である キュレーションされた作品群(コンテキスト)を受け取り、 AIが生み出す提案・整理・成果物 ── これもまた一つの 「作品」 。 作品(成果物) を集めて キュレーション(文脈設計)
して AIに鑑賞させ て 新たな作品(アウトプット) が生まれる この循環を回すのが、AI時代のPMの仕事。 23
4. まとめ
テクニックではなく、場づくり キュレーション(コンテキスト管理)は、AIに良い回答を出させる テクニックだけの話じゃない。 整った情報があるから、安心して決められる。決めた根拠も、追える。 PMにとって、自分が自信を持って意思決定できる「場」を作る行為 である。 25
Next:これからやりたいこと 今の課題 キュレーション(②構造化・③投入)が 属人的 手動での情報の出し入れはスケールしない 目指す姿 各ツール → Google Drive
の 収集を自動化 フェーズ、目的に応じた キュレーション投入のガイドライン を整備 メンバー全員が「作品を整理すればAIが活かしてくれる」と実感できる体制 まだ試行錯誤中。一緒に考えてくれる人、ぜひ話しましょう! 26
None