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人々にとってかけがえのないプロダクトを作るには ~顧客の日常に紛れる "not not" を...

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February 28, 2026

人々にとってかけがえのないプロダクトを作るには ~顧客の日常に紛れる "not not" を見つけろ!~ #pdmyy

プロダクトマネジメントわいわい会(2026/2/27開催)のオープニングセッションで話した資料です。
書籍『なぜイノベーションは起こらないのか』から、「一度使ったら手放せなくなるプロダクト」を作るための "not not" という考え方の紹介です。

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Takeo Imai

February 28, 2026
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Transcript

  1. 「なぜイノベーションは 起こらないのか」 書名 なぜイノベーションは起こらないのか ― 真正の需要を捉えるプロダクト創出の科学 原著者 Matt Chanoff, Merrick

    Furst, Daniel Sabbah, Mark Wegman 訳者 今井健男 アイデアからイノベーションは生まれない?? 世界を変えるプロダクトを作りたい方必携の書 7
  2. not not とは「せずにはいられない」こと ドアに手を挟まれそうになったら、引っ込めずにはいられない You do not not pull it

    back if your hand is about to get caught in a door. 親しい友人に道端ですれ違ったら、手を振らずにはいられない You do not not wave if you pass a close friend on the street. 「やらなければならない」ことでもなければ、 「やりたい」と積極的に思っているわけ でもない でも「やらない」のは不自然で、ついついそうやってしまう この「やらないと違和感を覚える」衝動を捉える必要がある 19
  3. not not 、つまり二重否定 YES(肯定) ↑ ────────── グレーゾーン (わからない・未確定) ────────── ↓

    NO(否定) 元々二重否定は、論理学・コンピュータサイエンスの世界ではとても 奥深いテーマ 最も単純な論理系(古典論理)を除くと、二重否定は実は肯定と 一致しないことが多い 間にグレーゾーンがあると一致しなくなる not not を考案した Merrick Furst は元々コンピュータサイエンス の教授で、その知識をカスタマーリサーチに転用したっぽい 20
  4. 損失回避(Loss Aversion ) ※ 本には一切書いてないが、きっと背景にありそうな概念 行動経済学者カーネマンとトヴェルスキーの発見: 人は 同じ大きさの利得と損失 を比べたとき、損失のほうを約2 倍重く感じる

    1 万円もらう嬉しさ < 1 万円失う悲しさ 新機能がついた喜び < 愛用していた機能が消えた怒り つまり、人は 「欲しい」よりも「失いたくない」気持ちのほうが強い 21
  5. 「何が欲しいか」を探っても出てこない 顧客に「何が欲しい?」と聞くと答えは「欲しい」 (Yes )かそうでないか になる でも not not の領域にある需要は Yes

    という回答には現れない 普段は渇望しておらず、なくなってから初めて価値に気づく(例:島にかかった橋) なので、 「欲しいかどうか」を探るアプローチは上滑りしやすい 29