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OpenSolaris を RISC-V で動かしたい

hayashi
February 08, 2020

OpenSolaris を RISC-V で動かしたい

hayashi

February 08, 2020
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  1. OpenSolaris について 2005年、SUN が Solaris をオープンソース化 2010年、Oracle が SUN を買収

    2010年、illumos が発足。 OpenSolaris の クローズドバイナリをオープンな実装に するのが目的だった Oracle が OpenSolaris の開発を中止したので事実上 の後継 現在も(細々と?)開発中 pg 2
  2. OpenSolaris を RISC-V で動かしたい Oracle による Solaris の移植は絶望的 Oracle は

    RISC-V Foundation の Platinum Members だった (2016) 現在、https://riscv.org/ の Members から消えて いるっぽい 動かしたければ自分で移植するしかない pg 3
  3. RISC-V の開発ボード HiFive Unleashed ➢ RV64GC 4コア (FPU と MMU

    あり) ➢ 8 GB DDR4 ➢ GbE, uSD (ただし、SPI接続), jtag ➢ $1250 (Early Access), $999 pg 4
  4. RISC-V の開発ボード HiFive Unleashed ➢ RV64GC 4コア (FPU と MMU

    あり) ➢ 8 GB DDR4 ➢ GbE, uSD (ただし、SPI接続), jtag ➢ $1250 (Early Access), $999 Early Access 版を買った 日本で一番最初に申し込んだ(はず) 届いたのは最初じゃないけど pg 5
  5. HiFive Unleashed のデバッグ環境 OpenOCD に対応している (JTAG デバッグ可) https://github.com/riscv/riscv-openocd.git PC の上位24bitが0になるエラッタがあるので、

    OpenOCD を修正する GDB で set arch riscv:rv64 としておく 逆アセンブリの化けが解消 当然シリアルデバッグもできる pg 6
  6. RISC-V アーキテクチャ (SBI) RISC-V の仕様を読んだ時の疑問 IPI の発生のさせ方がわからない Timer をセットできるのは M-mode

    だけ。 カーネルが動く S-mode でどうやってセットするのか これらは、SBI を使って実装するのが作法らしい pg 8
  7. RISC-V アーキテクチャ (SBI) BBL と OpenSBI の実装がある BBL (Berkeley Boot

    Loader) https://github.com/riscv/riscv-pk OpenSBI https://github.com/riscv/opensbi OpenSBI が後発のプロジェクトだが、最近 BBL から OpenSBI に切り替わることが多い Fedora Freedom Unleashed SDK pg 10
  8. RISC-V アーキテクチャ (SBI) pg 11 ID name 0 sbi_set_timer 1

    sbi_console_putchar 2 sbi_console_getchar 3 sbi_clear_ipi 4 sbi_send_ipi 5 sbi_remote_fence_i 指定された hart で fence.i 6 sbi_remote_sfence_vma 指定された hart で sfence.vma 7 sbi_remote_sfence_vma_asid 8 sbi_shutdown
  9. RISC-V アーキテクチャ (命令セット) 命令セットはサブセットのみのハードウェア実装でも よい trap してソフトウェアエミュレーションする OpenSBI や BBL

    でハンドリング 予期せぬボトルネックとなるので注意 たとえば、rdtime 命令が未実装 HiFive Unleashed だけでなく、QEMU でも… Solaris にはスピンロック競合時、タイムスタンプで delay を入れるコードがあって… pg 14
  10. クロスコンパイラ gcc + binutils riscv64-*-solaris2.11 を追加 #pragma init, fini を有効化

    SUNPro Compiler の pragma libgcc に __sync_lock_test_and_set_を追加 RISC-V に1byte と 2byte の atomic 命令がない pg 16
  11. HiFive Unleashedのブートシーケンス FSBL → OpenSBI → u-boot → inetboot →

    unix (solaris kernel) OpenSBIに u-boot が埋め込まれている FSBL, OepnSBI は M-mode で動作 S-mode に切り替えて u-boot にジャンプ 初期の公式 SDK は FSBL → u-boot (M- mode) → BBL → Linux だった。 pg 17
  12. inetboot SPARC の ネットワークブート用のブートローダ ZFS 対応したが SPARC とは異なるやり方 NIC や

    ストレージのデバドラを追加 OpenPROM がないので。 NFS or ZFS から boot_archive を読み出し、そ こからカーネルをロードする boot_archive は カーネルとカーネルモジュールを含む ISO9600 形式のファイル pg 18
  13. kernel の移植 vm 階層型のページテーブルなので x86 のコードベースでよ い。 割込み・例外 割り込み優先度に気を付ける (IPI,

    タイマ、外部) Solaris では割り込み優先度ごとにスレッドが動作 優先度ごとに、IPI, タイマ, 外部割込みを有効無効 割り込みコントローラの優先度は使えない 多重割込みを正しくハンドリングしなくてはならない pg 19
  14. ユーザランド libc と rtld(ld.so) 以外はアーキテクチャ依存部 がほぼない Makefile の数が多くて大変 autoconf すごい

    --host=riscv64-solaris2.11 で大体ビルドが通る デバッグは難しい Doors が多用されていて、追跡困難 DTrace が使えない…未対応なので pg 21