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匠Method Value Metrics概説
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Hiroyuki.Anraku
November 28, 2024
Technology
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匠Method Value Metrics概説
2022年3月24日に匠道場で紹介した匠Method Value Metricsの説明資料
Hiroyuki.Anraku
November 28, 2024
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Transcript
2022/3/24 匠道場 匠Method Value Metrics概説 0
2022/3/24 匠道場 匠Method Value Metrics概説 1 1.匠Method Value Metricsユーザガイドの紹介
はじめに 萩本・永田 15分 2段階プロセスとその効果 安楽 15分 実践トライアル 岩田 30分 (休憩) 10分 2.パネルテーマ 価値を計測する意味とは 匠Method Value Metrics研究会一 同 40分 3.事務連絡 Agenda
© Takumi Business Place 2009-2021 匠Method Value Metrics研究会 匠Method Value
Metrics ユーザーズガイド Ver 1.0 2022/3/24版
目次 © Takumi Business Place 2009-2021 3 はじめに 1. きっかけ
2. 導入効果 3. 2段階評価プロセスとその効果 4. 実践トライアル (付録)用語集
はじめに 4 Takumi Method Value Metrics 2021 匠Method Value Metricsは、匠Methodによる社会やビジネスのデザインを行う際に役立つツールとして研究会の中で創り出されたものです。
これを読まれている皆さんは、既に匠Methodの活用経験をされていると思いますが、匠Methodで作成された意(価値デザインモデル)と情(価値分析モデル)とい う2つのタイプの価値の妥当性や評価の必要性をお考えになった方もいらっしゃると思います。我々研究会メンバーも、意と情という2つの視点から創られた価値の 概念の妥当性や有効性を定量的に評価するやり方が作れるのではないかと考えました。これができれば、プロジェクト参加者間での納得感が高まり合意形成が促 進できます。その結果、社内においての説得力を高め、価値に対する狙いが更に明確となりプロジェクトを推進する力を強められると考えました。 そして、更にこの2つの価値を基に知(要求分析ツリー)で作成される活動についても評価するやり方を考えだしました。活動の評価とは、先に評価された価値概念 を実現する活動としての妥当性ということになります。 このような考え方を基に、匠Method Value Metricsは価値と活動の二段階評価を行うことにしました。 一段階目は、意(価値デザインモデル)と情(価値分析モデル)を論理結合する要求分析ツリーの戦略要求作成時に行うもので、ここでは自分達が納得できる価値 概念が生まれているのかという評価となります。そして、もし評価が低い場合は、モデルを再検討することを行います。 また第二段階目は、要求分析ツリーの活動を作った後に、活動の評価を行います。そして、もし先に評価した価値概念に見合う活動としては不適切という評価が出 た場合は、もう一度活動を洗い出します。 このように、匠Methodによるデザイン活動の中で、匠Method Value Metricsを活用することで、対象に対して生み出した価値の概念や、価値から生み出される活動 を評価することで、さらにビジネス企画のモデルに対しレベルアップを目指すものなのです。 匠Method Value Metricsは、製品企画やサービス企画などでしっかりとデサインしたいプロジェクトに有効的です。しかし、その代償として匠Method単体によるデザ イン比べるとスピード感がなくなります。おそらく6時間程度プラスで時間を要しますので、匠Method利用者にとっては、オプション的な位置づけと考えていただけれ ばと思います。 匠Method Value Metricsで挑戦した「価値を定量化するための手法」は価値という概念的で漠然としているものを定量的に計測するものであり、非常に困難な活動 となりました。2016年8月からスタートした研究会は何度も迷走しつつも、ゴールに一歩一歩近づき、ようやく皆様にご紹介できるレベルに到達したと考えております。 これから、多くの現場で匠Methodを活用する中で、匠Method Value Metricsを活用していただき、その使用感などを評価していただければと思います。 2021年9月 匠Method Value Metrics研究会一同
1.きっかけ 5 Takumi Method Value Metrics 2021 匠Method Value Metricsを作成するきっかけとなったのは、アジャイルの先駆者であり、定量的アプローチを主導しているTom
Gilbが主催するGilbFesta で、研 究会メンバーの永田、萩本によって匠Methodが紹介した際に、Tom Gilbが進めている活動の定量化に刺激され、匠Methodでも定量的アプローチを研究して みようということになり研究会を発足しました。しかし、匠Methodは、価値から活動を生み出す手法のため、定量的アプローチも独自のものを創り出すための 研究会となっております。 Tom Gilbが主催する GilbFesta にて 研究会は、2016年8月に発足し、毎月1回程度実施しており、活発な活動を継続しております。 参加したい方は、研究会メンバーにコンタクトしてみてください。 研究会ユーザーズガイド作成チーム 研究会活動の様子 研究会活動
2.導入効果 6 •価値の認識のブレを解消することで、合意形成を深める。 •価値概念(後述)の導入により、個人毎の価値観に基づいた定量的評価を通して、意見交 換がしやすくなり、合意形成が促進される。 1.匠Methodで描いた価値に対して深い合意形成ができる •価値概念の合意形成により、要求分析ツリーの戦略要求の構造が安定するために、匠 Methodモデルのモデリングの洗練化を促進する。(戦略要求が崩れると、業務要求・ IT要 求が総崩れになる。)
2.要求分析ツリーの戦略要求の構造が安定化する •価値を定量化する議論の過程で、価値を実現するイメージが話し合われることにより、具 体的な業務要求、IT要求、そして活動のヒントが生まれてくる。 3.業務要求、IT要求、活動の具体化を支援 •価値及び活動の評価の数字の裏付けがあることで、特に意思決定者への説得力が高まる 4.企画内容について数字の裏付けをすることで、説得力が向上する •価値及び活動定量的評価があることで、実行予算や実行時期、優先度などが決めやすく なる 5.活動内容が具体化されるために優先度が決めやすくなる 匠Method Value Metricsの導入効果はつぎのようなものがあります。
7 3.2段階評価プロセスとその効果 • 2段階評価のイメージ • 匠Method Value Metricsでは、価値の評価、活動の評価の2段階評価により価値の評価を行います。 7 7
価値の評価(価値測定) 活動の評価(活動の有効性測定) 価値デザインモデルと価値分析モデルの要素を使って、 得られる戦略要求が固まった後に価値のインパクト (※1)を評価します 価値分析モデル 戦略要求 業務要求 IT要求 活動 エリア 要求分析ツリーの活動内容について、価値概念を実現する個々 の活動による有効性のインパクトを数値で評価し、合意形成しま す。 価値デザインモデル 9ポイント 5ポイント 15ポイント 3ポイント 8ポイント 10ポイント 3ポイント 17ポイント 6ポイント インパクト 評価 インパクト 評価 ビジョン・コンセプトと 目的の対応付け 価値の評価(左)時に測定した目的レベルのインパクトと、 活動の評価(右)時に測定した活動レベルのインパクトを比較す ることで、価値に見合った活動であることを検証する (※1)インパクト:参加者がビジネスに対する価値の大きさを数字で表したもの
3.2段階評価プロセスとその効果 • 価値の評価法 • 実施タイミング • 要求分析ツリーの戦略要求を作成した後。 • 準備する •
価値概念の記述 • 価値概念とは、匠Method value Metricsで新たに登場する概念です。価値概念は、要求分析ツ リーの戦略要求として表現されている(ビジョン、コンセプト、目的)の連なり単位に記述するもので す。 • 価値概念は(ビジョン、コンセプト、目的)をより具体的に説明することで、参加者が(ビジョン、コン セプト、目的)の指し示す価値のイメージをより明確にするために採用したもので価値概念と名付 けたものです。詳しくは用語集を参照してください。 • 測定する • 参加者により、価値概念を作成した単位ごとに、プランニングポーカーという方法によって、価値 のインパクトの測定を行います。測定後、最高点・最低点を付けた人に「なぜその点を付けたの か?」という質問をすることにより、それぞれの価値に対するより深い議論を展開した後、2回目 の測定を行います。 • 測定後に、コンセプト、目的、価値概念などの記述に問題がある場合は、戦略要求の内容を変更 し、価値デザインモデルや価値分析モデルを変更します。 8
3.2段階評価プロセスとその効果 • 価値の評価による効果 • 1.価値の評価による価値概念イメージの共感 (ビジョン-コンセプト-目的)を連なりとする価値概念を数値化し議論することで、参加者毎に価値の評価のブレ (注1)が少なくなり、全員がより広い視野で価値のイメージを見れるようになります。 • 2.価値の評価によるモデルの修正と洗練化 価値概念の評価にブレが生じたり点数が低い場合は、コンセプトや目的の言葉を変更することで、狙ってい
る価値の表現が洗練化されます。また、モデル洗練過程において目的の追加・削除等も行います。これに よって、価値モデルの洗練化に繋がります。 • 3.匠Methodのモデルの第一段階の評価 価値デザインモデル、価値分析モデルの(ビジョン、コンセプト、目的)の連なり(戦略要求の骨格)をしっかり と形成することができるため、以降の作業の中で、戦略要求で表現している内容のブレが生じにくくなります。 また価値概念を記述し議論によって洗練化することで、価値のイメージが今までよりも明確な手段イメージを 持つことができ、結果として、業務要求やIT要求のイメージがより明確になるでしょう。 (注1)価値の評価のブレの例 ① 参加者の立場によって価値のイメージの評価点が異なる ② 具体的な手段で思っていなかったことを他人が考えている ※本プロセスでは、ブレをなくすことを目標とはせず、お互いの考えの違いを理解しながらすすめる。 9
3.2段階評価プロセスとその効果 • 活動の評価法 • 実施タイミング • 要求分析ツリーの活動まで作成した後。 • 準備する •
特になし • 測定する • 参加者により、活動の単位ごとに、プランニングポーカーによって、活動のインパクトの測定を行 います。 • 1回目の測定の後、この活動を導き出した価値の評価のインパクトの点数を確認することにより、 価値に対する活動のインパクトの点数を議論し、価値に見合う活動が発見されているかを話し合 います。その議論の中で、要求分析ツリーの業務要求やIT要求の変更なども行います。 10
3.2段階評価プロセスとその効果 • 活動の評価による効果 • 1.モデルに書かれた活動の価値(ビジョン、コンセプト、目的)に対する有効性評価 • 価値概念の点数に見合う活動が発見できているかという観点で活動を評価できます。 • 2.活動の新たな発見の可能性 •
活動を評価する過程の議論の中で、本来必要とする活動を発見することができます。 • 3.匠Methodのモデルの洗練化 • 活動の評価点について参加者の中で議論することで、戦略要求の下位要求としての業 務要求やIT要求のつながりがモデル上論理的に正しく形成できているか検証でき、モ デルの洗練化につながります。 11
ここでは実践イメージを持っていただくために、具体的な進め方について説明します。 匠Method Value Metricsでは、「4.1 価値の評価」、「4.2活動の評価」という2フェーズで行いますので、 この流れで説明を進めます。 4.1 価値の評価
(1)価値の評価にかかる時間の目安 モデルの複雑さにもよりますが、大まかな目安としては下記の通りです。 ・最適な時間(目安):4時間 【内訳】 価値概念の記述 1時間 参加メンバーで評価 2時間 価値概念を洗練化 1時間 評価を行うメンバーと最適な人数:4人~8人 (2)「価値の評価」のタイミング 価値分析モデル・価値デザインモデル作成後、要求分析ツリーの戦略要求の策定後に行 い ます。策定後というのは、価値デザインモデルのビジョンとコンセプト、要求分析ツ リーの目的によ るツリー構造(3レイヤ)を作りあげ、合意ができた段階のことを言い ます。 4.実践トライアル 12
• 価値の評価結果によるモデルのフィードバック (3)価値の評価プロセスの説明 価値の評価プロセスは、以下の5段階で進めます。 4.1 価値の評価 13 • コンセプトと目的のつらなり単位に、実現イメージした時の価値のイ メージを価値概念として記述する。
Step1: 価値概念の作成 Step2:各メンバーで価値を採点する • 1、2サイクルの結果、コンセプトと目的のつらなり単位に価値を評 価 Step3:各メンバーで価値を再採点する 要求分析ツリー作成後、活動の評価へ続く Step4:価値の採点に基づく総合評価判断 Step5:価値の総合評価に基づくモデルの洗練化 • 2サイクル目の価値の採点 • 1サイクル目の価値の採点とディスカッション ※Step5により価値デザインモデル、価値分析モデルの洗練化ができ、こ れから作成する要求分析ツリーの業務要求や活動の具体的なイメージ の促進につながります。
© Takumi Business Place 2009-2021 不動産企業としての魅力の向上 不動産商品の提案力の向上 価値デザインモデル コンセプト 価値分析モデル
目的 営業社員が広告などを活用して 顧客にFitした提案ができる 匠Method Value Metrics 価値概念 「3.2段階評価プロセスとその効果」で述べたように、(ビジョン、コンセプト、目的)毎の指し示す価値のイメー ジを価値概念として記述します。価値概念は、価値のイメージが伝わるように1つ~2つ程度記載します。 暮らしやすい住宅環境の提供 価値デザインモデル ビジョン 「不動産企業としての魅力の向上」 への取り組みの一環として 「不動産商品の提案力の向上」 へ取り組んだ結果 「営業社員が広告などを活用して顧客 にFitした提案ができる」ようになっ た。 「暮らしやすい住宅環境の提供」 を実現するために 下記のように価値概念を、「(ビジョン)を実現するために(コ ンセプト)への取り組みの一環として、(目的)の実現に取り 組んだ結果」という内容に対して、結果を補うように考える と、比較的容易に作成することが出来ます。 価値概念 の記述 Step1: 価値概念の作成 4.1 価値の評価
表1 フィボナッチ応用と数値イメージの付加 コンセプト ビジョン 目的 価値概念 Step2:各メンバーで価値を採点する 4.1 価値の評価 Aさん Bさん
Cさん メンバー全員でプロジェクト実現に対する価値概念のインパクト(貢献度)を表1に従って、採点します。 各メンバーの点数は一斉に公表するようにしてください。 点数を付け終わった後に、点数が高い人、低い人の意見を聞いて、なぜ高いのか、なぜ低いのかを ディスカッションして合意形成を深めてください。その中で、共感・合意できることがあれば、その内容を 価値概念に書き加えたり、書き直したりしていきます。必要により、下記シート上にあるビジョン・コンセ プト・目的などの内容を書き換えてもよいでしょう。このケースは、価値概念が洗練化されたためにビ ジョン・コンセプト・目的も洗練化されたケースです。 13 34 21 現在1度目の評価中
Step2の結果や合意形成によって、各メンバーの価値概念に対する意識が変わってきている可能性が あるため、再度メンバー全員でプロジェクト実現に対する価値概念のインパクトを採点します。採点結 果は、Step2の結果の右に記します。Step2,Step3の繰り返しをすべてのビジョンーコンセプトー目的の連 なりに対して実施してください。 表1 フィボナッチ応用と数値イメージの付加 Step3:各メンバーで価値を再採点する 4.1 価値の評価 コンセプト ビジョン
目的 価値概念 Aさん Bさん Cさん Aさん Bさん Cさん 21 34 34 13 34 21 現在2度目の評価中
Step3:各メンバーで価値を再採点する 4.1 価値の評価 コンセプト ビジョン 目的 価値概念 Aさん Bさん Cさん
Aさん Bさん Cさん 21 34 34 13 34 21 すべての評価が完了すると、下記の図のようになります。 この結果のように、1度目よりも2度目の方が価値概念に対して点数を付けて、議論し、価値概念を書 き直しすることで、価値概念に対しての認識のズレが1度目より2度目の方が少なくなってなっていく傾 向があります。 21 34 21 13 34 21 13 13 13 8 8 13 34 34 34 21 34 21
すべてのビジョンーコンセプトー目的の連なり毎に評価を行った後に、採点結果に基づいて、優先度の 判断を行います。 優先度の判断は、プロジェクトの特性により、行います。 当研究会では、以下に示すような方法で優先度を判断しました。 1.平均値を取る方法 Step3の評価結果の平均をそのビジョンーコンセプトー目的の連なりに対する価値のインパクトとして 使います。簡単に算出できますが、大きい数値に引きずられる傾向があります。 2.中央値を取る方法 Step3の評価結果の中央値をとり、そのビジョンーコンセプトー目的の連なりに対する価値のインパク トとして使います。極端値の影響は受けにくいものの、差がつけづらい傾向があります。
3.しきい値よりも多い得点の数で評価する方法 Step3の評価結果のうち、13よりも多い点数の数をもとに価値のインパクトの評価を行います。相対評 価には向いているのですが、点数化した場合、少人数では差がつけづらい傾向があります。 4.1 価値の評価 Step4:価値の採点に基づく総合評価判断
2回の評価のなかで洗練化したビジョン・コンセプト・目的があれば、元の価値デザインモデル、価値分 析モデルに反映する。 コンセプト ビジョン 目的 価値概念 実現時期 7 評価実施 13
21 35 洗練化 洗練化 価値概念ごとに評価を行い、価値観の 違いを議論する。参加者間の価値観 のベクトルを合わせる。 Step5:価値の総合評価に基づく モデルの洗練化 4.1 価値の評価
ここからは、活動の評価について説明します。 4.2 活動の評価 (1)活動の評価にかかる時間の目安 モデルの複雑さにもよりますが、大まかな目安としては下記の通りです。 ・最適な時間(目安):3時間 【内訳】 参加メンバーで評価 2時間
業務要求や活動の洗練化又は再作成 1時間~2時間 評価を行うメンバーと最適な人数:4人~8人 (2)「活動の評価」のタイミング 要求分析ツリーの活動まで書き終えた後で評価を行います。 4. 実践トライアル 20
(3)活動の評価プロセスの説明 活動の評価プロセスは、以下の4段階で進めます。 4.2 活動の評価 21 • 各メンバーで活動を採点し、ディスカッションします。 Step1: 各メンバーで活動を採点する Step2:価値の評価に基づく活動の洗練化
• 1、2サイクルの結果をもとに、活動内容の最終確認を行う。 Step3:各メンバーで活動を再採点する 終了 Step4:価値の評価に基づく活動内容の最終確認 • 2サイクル目の活動の採点を行います。 • 価値の採点結果と、活動の採点結果を比較し、内容についてディ スカッションを行い、場合によりモデルの変更を行う。
メンバー全員でプロジェクト実現に対する活動のインパクト(貢献度)を採点します。各メンバーの点 数は一斉に公表するようにしてください。 点数を付け終わった後に、点数が高い人、低い人の意見を聞いて、なぜ高いのか、なぜ低いのか をディスカッションして合意形成を深めてください。 Step1: 各メンバーで活動を採点する 4.2 活動の評価 戦略要求 業務要求
IT要求 活動 エリア 8 3 8 13 34 21 3 1 8 21 34 34 8 3 3 Aさん Bさん Cさん 表1 フィボナッチ応用と数値イメージの付加
Step2: 価値の評価に基づく活動の洗練化 4.2 活動の評価 次は、ビジョンーコンセプトー目的にに対する価値の評価結果とそれに関連づく活動の評価結果を 比較し、整合性をを検証します。ここで、価値測定の点数と活動の点数に差が出る場合(下記(1)、 あるいは(2)の場合)は、下記に従い、評価・見直しを行います。 ビジョン コンセプト 目的
7 6 5 7 3 5 8 活動 2 5 6 8 9 3 8 • 価値評価と活動評価の整合性がない場合は、下記に該 当することがないかを確認し、必要により再検討が必要 • (1)活動の点数が傾向として低いときの原因 • 実現性、費用対効果が低い(不採用を検討) • 価値概念に対する貢献度が低い • 活動が問題...活動を再検討 • 業務・IT要求が問題...業務要求/IT要求を変えて活動を再検討 • その他...貢献度が低いが必須なものである。この場合は残す • (2)活動点数が価値概念の価値の点数より高いときの原因 • 活動が上位と不一致 • Case1.業務要求/IT要求の論理構造が誤っているので再検討する • Case.2.実現容易性が高い活動が見つかった。問題なし。 • Case3.活動に対して価値概念が未開発(Howからの突き上げ)なので、 価値概念を見直し、再検討する
Step2: 価値の評価に基づく活動の洗練化 4.2 活動の評価 要求分析ツリーのモデルを変更した場合は、その変更点について参加者の合意を得て次のステッ プに進みます。次のステップでは、この変更された要求分析ツリーを使って活動の再評価を行いま す。 戦略要求 業務要求 IT要求
活動 エリア 8 3 8 13 34 21 3 1 8 21 34 34 8 3 3 Aさん Bさん Cさん 見直しを行ったところ。
メンバー全員でプロジェクト実現に対する活動のインパクト(貢献度)を再採点します。各メンバーの 点数は一斉に公表するようにしてください。 点数を付けたら、シート上の2列目に記載をします。 Step3: 各メンバーで活動を再採点する 4.2 活動の評価 戦略要求 業務要求 IT要求
活動 エリア 8 3 3 3 8 8 13 21 34 21 21 21 3 8 1 3 8 8 21 34 34 34 34 34 8 3 3 3 3 3 Aさん Bさん Cさん 表1 フィボナッチ応用と数値イメージの付加
これで一連の評価は完了しました。 ここでは、出来上がったモデル内容と、活動と、活動の点数について最終確認を行います。 活動の点数については、ゴール記述モデルの検討の際に、活動の優先順位の参考として活用されま す。また、活動の点数が思ったより低い場合は、評価プロセスは完了しますが、活動内容について継続 的な議論が必要であること共有します。 Step4: 価値の評価に基づく活動内容の最終確認 4.2 活動の評価
付録:用語集 27 用語 説明 1 評価(測定) 匠Method Value Metricsでの定量的な評価すること。この評価対象には「価値の評価」と「活動の評価」がある。また、価値や活 動の評価を行うための手順など評価までの行為については「測定」という表現を使います。
2 価値概念 匠Method Value Metricsでは、「価値の評価」を行う際に、図1のように要求分析ツリーの戦略要求の構成要素(ビジョン、コン セプト、目的)の連なり毎に価値を測定します。この方法には、(ビジョン、コンセプト、目的)の価値のイメージを補足する必要が ありました。そこで、(ビジョン、コンセプト、目的)の連なりが、どのような価値なのか mもう少し詳しいイメージを持つために価値 を獲得した際のゴールイメージを文章化したものを書くことにしました。この文章のことを価値概念と呼びます。匠 Methodの価値 (価値デザインモデル、価値分析モデル)の領域は、感性思考重視で進めていますので、できるだけシンプルに表現することを 心がけています。しかし、匠 Method Value Metricsでは、価値を定量的に図るために、新たに価値概念記述が必要となりまし た。(これが匠Method Value Metricsの長所でもあり、短所とも言えるのものです) 3 価値の評価 価値分析モデルと価値デザインモデルを策定し、その要素から要求分析ツリーの戦略要求が完成できたタイミングで、ビジョ ン、コンセプト、目的の連なり毎に価値を評価する行為。 図1 価値概念 ビジョン、コンセプト、目的の連なり
付録:用語集 28 用語 説明 4 活動の評価 要求分析ツリーの活動を完成したタイミングで、活動の貢献度を評価する。 5 価値のインパクト 価値のインパクトとは「価値の評価」と「活動の評価」を測定する際に、対象となる価値や活動が、どの程度インパクト
があるか判断とするための要素のこと。この要素には「①対象に取り組んでいる現在の状況」、「②価値がカタチにな る時期」、「③予想できるコスト」などがある。例えば、商品のブランディング関連の価値概念でいうと、①商品の社外へ の認知度、②ブランディング効果が現われる時期、③ブランディングにかかる予想されるコストなどである。 これらは、価値概念を記述する際に書き入れると良い。しかし、最初は書けない場合もある。その際には、1回目の価 値をチームで評価した後にチームでディスカッションを行う際のテーマとしてこの要素を意識すると、評価メンバーの価 値概念の食い違いの差異をなくすことに貢献できる。 6 プランニングポーカー (測定方法) 匠Method Value Metricsで価値と活動を測定する方法として、チームで評価点を出し合い、その結果をディスカッショ ンするような活動のことを言う。 ツールとしては、googleスプレットシート、カード、スマホのソフト( Scrum Time)などを利用すると良い。 7 フィボナッチ数列 匠Method Value Metricsで価値と活動を測定する際に使用する数列。フィボナッチ数列は、数値格差が結果として現 われやすくするために使用している。また、匠 Method Value Metricsでは数年の研究結果により、更に表1のように付 け加えることで、価値のインパクト表現を定量化する工夫を行っている。 表1 フィボナッチ応用と数値イメージの付加
付録:用語集 29 用語 説明 8 評価タイミング 匠Method value Metricsによる評価を行うタイミングのことで、「価値の評価」と「活動の評価」の2フェーズで下記のよ うにタイミングが異なる。
•価値の評価...価値デザインモデルと価値分析モデルを作成し、要求分析ツリーの戦略要求が固まったと判断した時 •活動の評価...要求分析ツリーの現時点での活動内容が固まったと判断した時 9 測定評価プロセス 匠Method value Metricsによる測定評価プロセスは次の通り。 1.測定の前準備 2.測定活動(測定とディスカッションをセットにして2回が標準) 3.結果のモデルへのフィードバック(追加・削除・修正) 10 モデルへのフィードバッ ク 測定評価プロセスの中で匠 Methodのモデル(価値デザインモデル、価値分析モデル、要求分析ツリー)へのフィード バックについては、評価タイミングで次のような内容となる •価値の測定活動後...曖昧と判断されたコンセプトや目的の修正、または目的の削除・追加 •活動の測定活動後...活動内容が曖昧または不適切と判断された際の修正・削除・追加 11