Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
スタートアップにおけるクラウド上でのシステム設計の進化とその実践
Search
Kohei Higuchi
December 13, 2023
Technology
4
1.2k
スタートアップにおけるクラウド上でのシステム設計の進化とその実践
JAWS Festa in Kyushu 2023.10.7 での登壇資料です
Kohei Higuchi
December 13, 2023
Tweet
Share
Other Decks in Technology
See All in Technology
ユニットテストに対する考え方の変遷 / Everyone should watch his live coding
mdstoy
0
120
AI時代だからこそ考える、僕らが本当につくりたいスクラムチーム / A Scrum Team we really want to create in this AI era
takaking22
6
3.4k
許しとアジャイル
jnuank
1
120
o11yで育てる、強い内製開発組織
_awache
3
120
フルカイテン株式会社 エンジニア向け採用資料
fullkaiten
0
9k
自動テストのコストと向き合ってみた
qa
0
110
OCI Network Firewall 概要
oracle4engineer
PRO
1
7.8k
Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure(ExaDB-D) UI スクリーン・キャプチャ集
oracle4engineer
PRO
2
5.4k
stupid jj tricks
indirect
0
7.9k
Shirankedo NOCで見えてきたeduroam/OpenRoaming運用ノウハウと課題 - BAKUCHIKU BANBAN #2
marokiki
0
130
Pure Goで体験するWasmの未来
askua
1
180
Why Governance Matters: The Key to Reducing Risk Without Slowing Down
sarahjwells
0
110
Featured
See All Featured
Improving Core Web Vitals using Speculation Rules API
sergeychernyshev
19
1.2k
The MySQL Ecosystem @ GitHub 2015
samlambert
251
13k
Navigating Team Friction
lara
189
15k
Side Projects
sachag
455
43k
Being A Developer After 40
akosma
91
590k
The Web Performance Landscape in 2024 [PerfNow 2024]
tammyeverts
9
850
Speed Design
sergeychernyshev
32
1.1k
Distributed Sagas: A Protocol for Coordinating Microservices
caitiem20
333
22k
Measuring & Analyzing Core Web Vitals
bluesmoon
9
610
Automating Front-end Workflow
addyosmani
1371
200k
JavaScript: Past, Present, and Future - NDC Porto 2020
reverentgeek
52
5.6k
Designing for Performance
lara
610
69k
Transcript
2023.10.7 JAWS Festa in Kyushu スタートアップにおけるクラ ウド上でのシステム設計の 進化とその実践
自己紹介 • 樋口 浩平(ひぐち こうへい) • 2013年、ヤマップに2番目にジョイン • YAMAPローンチ前から開発に関わり、システム開 発責任者として従事した後、CTOとしてエンジニア
組織のパフォーマンス最大化に努める • 好きな山は宝満山 • アビスパ福岡サポーター
YAMAPについて 電波が届かない山の中でも、GPSで現在地と登山ルートがわ かる、登山を楽しく安全にするアプリ 日本最大の登山・アウトドアプラットフォーム
YAMAPについて 400万ダウンロードを超え、国内トップシェアとなっている 毎週10万件の登山記録と250万枚の写真が投稿され、 毎月10億件のAPIリクエストを受け付ける
• クラウド上のシステム設計の変遷 • システム設計をリニューアルしたときの話 • リニューアルの社内合意形成の進め方 今日話すこと
システム構成変遷の年表 シード アーリー ミドル レイター 2013年 2016年 2018年 2020年 ローンチ
資金調達 資金調達 資金調達 リニューアル リニューアル 日々ブラッシュアップ
立ち上げ期の小咄 メールアドレスとパスワードが入れ替わる事件 メールアドレス「もしかして...」 パスワード「私たち...」 _人人人人人人人人人人人人人_ > 入れ替わってるーー!? <  ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
2013年のインフラ構成 • EC2インスタンスが1台とS3があるのみ • Webサーバ、DB、開発環境、管理画面すべてEC2の中にAll in One
あんなトラブル、こんな障害 • アクセスが増えると、すぐにCPU使用率が100%になる • ボトルネックが多すぎて原因が分からない • スケールアップするために全部を再起動しないといけない • 開発環境で障害が起きて Production環境もろとも落ちる
リニューアル計画 • Web サーバと DB の分離 • Web サーバのインスタンスを分けて配置する •
ALB で負荷分散 • Web の Auto Scalling • 他多数
2016年のインフラ構成
2019年にフルリニューアル • バックエンドの API を Rails で作り直す • ECS で
Docker コンテナ化 • Terraform での管理に着手 • フロントエンドを分離して Vue.js で実装 • Web サイトのデザインをリニューアル • ドメイン変更 yamap.co.jp -> yamap.com
社内合意形成 • アプリケーションまでリニューアルするので、新機能開発は1年以上停滞 することになる • 重要な経営の意思決定になる • エンジニアではない方には建築に例えて説明してみる • ローンチ時はプレハブ。増改築を繰り返して今の状態。
このままではビルは建てられない。基礎から建て替える必要がある
2019年のインフラ構成
2023年のインフラ構成 • 運用の自動化、省力化 • IaC が進み、いい感じになっている • ほぼ全て Terraform で管理されている
• ほぼ全て Auto Scaling されている • ECS と Lambda を適切に使い分けている • Aurora の Graviton2 インスタンスを早期導入した
2023年のインフラ構成
2023年のインフラチーム体制 • インフラは 2022 年 4 月まで 1 人で運用していた •
1 人でも運用できていたのは AWS のマネージドサービスのおかげ
カンブリア砲にも耐えるインフラ • 6/29のカンブリア宮殿でYAMAPの特集回が放送された • アクセスがスパイクするもサービスへの影響は無し
まとめ • スタートアップの初期フェーズでは、とりあえずアプリケーションが動けば良 いというケースがある • その後、改善を重ねていくことが大事 • 大きなロードマップを描いて • 小さなことからコツコツと
• 社内説明は相手にとって分かりやすい説明を