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非コミュな私が質問を通して もっと幸せになるための生存戦略 / hicommu-sitsumo...

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November 18, 2025
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非コミュな私が質問を通して もっと幸せになるための生存戦略 / hicommu-sitsumon-senryaku

25.11.18 質問力——あいまいさをクリアにすることばの技術
【デザナレコレクション2025 Vol.10】
TOKYO CREATIVE COLLECTION 2025 サイドイベント 資料
https://vivivit.connpass.com/event/375084/
#TCC2025

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Takahiro Yamaguchi

November 18, 2025
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Transcript

  1. 発表者 is 誰 山口 隆広 HCD-Net 評議委員 ユニファ株式会社 執行役員CPO プロダクトデベロップメント本部

    本部長 兼 AI開発推進部 部長 1981年生、福島県出身、子(6歳)の父。 HCD-net認定 人間中心設計専門家。 ねこ大好き。ベーススキルは企画職。 @hiro93n 2
  2. 5 非コミュとUXデザイン 非コミュだからこそ人のことを知ろうとし、うまくやろうとする力が働く • 人の感情の起伏を気にするわたしたち ◦ 人のことを理解し、人のことで失敗を避けたい意識が強い ◦ 空気を読むことも苦手なので「人に聞く」ことでAsIsを理解したい •

    プロダクト開発における人間中心設計は「察する」ことと真逆 ◦ 勘や憶測(あいまいさ)に頼らず、事実(AsIs)を明確にする ▪ 思い込みではなく、昨年でもなく、今の利用者を観察する その上で、質問されることにもコストがあるため気にしてしまう。 最小の質問回数で最大の成果を得たいわたしたち。
  3. 11 汎用的な質問の順序と組み立て方 • 広い質問から狭い質問へ:まず全体像を把握してから詳細を聞く ◦ 例:「この機能の目的は何ですか?」→「具体的にはどんなユーザーが 使いますか?」 • 複数の質問を組み立てる時は、論理的な流れを作る ◦

    ユーザーの全体像を把握してから、具体的な行動を聞く ◦ ユーザーヒアリングでもいきなり突っ込んだ判断を求めることはない。 • 質問の内容を受けてさらに深掘っていく ◦ 例:「この仕様にした理由は?」→「なぜその方法を選んだんです か?」→「他に検討した方法はありますか?」 ◦ 抽象的な回答が来たら具体化していく。誰が聞いても解釈がブレない言 葉になっているかを確認する。
  4. 12 汎用的な質問の順序と組み立て方 • 広い質問から狭い質問へ:まず全体像を把握してから詳細を聞く ◦ 例:「この機能の目的は何ですか?」→「具体的にはどんなユーザーが 使いますか?」 • 複数の質問を組み立てる時は、論理的な流れを作る ◦

    ユーザーの全体像を把握してから、具体的な行動を聞く ◦ ユーザーヒアリングでもいきなり突っ込んだ判断を求めることはない。 • 質問の内容を受けてさらに深掘っていく ◦ 例:「この仕様にした理由は?」→「なぜその方法を選んだんです か?」→「他に検討した方法はありますか?」 ◦ 抽象的な回答が来たら具体化していく。誰が聞いても解釈がブレない言 葉になっているかを確認する。 まー、それはそう😐
  5. 16 なぜ行使できないか? 質問することにより発生するネガティブを避けたいわたしたち。 • チームメンバーに嫌われないか • 上司にきつく当たられないか • 質問内容が適切ではなく、理解不足と思われないだろうか ただ、仕事として考えるとどうか……?

    • 「質問しなかったことで」時間をかけて開発した機能が作り直し • 「質問しなかったことで」あとで致命的な考慮漏れが見つかる • 「質問しなかったことで」本来届けられた価値が届けられない 短期的に質問を避けた個人的なプラスが、中長期的な価値を大きく組織的な マイナスに振るリスクをこの時実感できているか?
  6. 19 仕事の人格 • 本人に言われていることではなく、◦◦PJのデザイナーに言われていること としてまずは切り離してみる ◦ そのデザイナーが果たす責任について事前に上長や周囲と話せていると より良い • 私は今ここに何の期待を持たれて呼ばれているか?を考える

    ◦ 特定領域の専門性がある人として呼ばれているはず ◦ (健全な組織なら)その専門性から見られる懸念を出されることに不満 を持つ人なんていない 「あなたが◦◦の職種の人だとして、こう言う質問ってどういう意図?」と、 AIに相談をしてみるのもおすすめ。思ったより杞憂なことが多め。
  7. 20 揉め避けの補助輪 • リモート下だとテキストコミュニケーションが多く、見た目の言葉の強さが 目立つ ◦ 特に一見ネガティブに思われる質問や重要な意思決定は、正直meetや zoom等を使った方が温度感が伝わるので良い • 相手の気分によっては性悪説で捉えられることもまああるので、適切に前段

    を入れていく ◦ 相手が「詰められている」「責められている」と感じそうな懸念を先に 解消する ▪ 意図を明示することで、相手も協力的になる ◦ 例:「理解を深めるために聞きます」「確認のためにお聞きします」 「スケジュール調整のため知りたいだけです」「次のステップを決める ために確認したいです」
  8. 21 補助輪のバリエーション • 責めたいわけではなく単に理解したいので教えてください • リスクがあるのであれば調整したいので教えてください • 自分が事情を分かっていないので失礼な質問になっていたらすみません • 急かしているわけではなく状況を把握したいので教えてください

    • 敢えて批判的に考えるとここはツッコミどころになりそうなのですが • 急ぎません ◦ 個人的にはこのワードはとても大事。回答者の回答コストが高い質問を していることを質問者が気づいていない&猶予のない場合、意図せぬヘ イトを稼いでしまうことがある ◦ 本当に急いでいる場合は「◦◦の事情があって教えて欲しい。時期厳し い場合はここまでは分かると嬉しいがどうか」など、依頼する部分は依 頼しつつ、自分が調整する姿勢も示す
  9. 22 質問の場所・場面選び • 場面によって回答は変わる ◦ みんな人間なので、どういう場面で聞かれるかによって回答は変わる • 場面の例 ◦ 1to1で聞けば本音ベースで答えてもらえるものを全体会で聞いてしまっ

    たら無難な回答しかもらえない ▪ スケジュールリスクのある開発プロジェクトの現状進捗 ▪ 来期の人事情報 ◦ 資料準備した上で回答したいが議題に含まれていない内容を重要な会議 で急遽聞いてしまい、相手に要らぬ恨みをかう ▪ 現在の目標数字に足りないところをどのように挽回するのか
  10. 24 バフをかけてもダメなものはダメ そんなこと質問されても困る、それは結構失礼だよ?という問いを投げかけ てしまっていることがある。相手へのリスペクトは大事。 • 新規施策に対する根拠のない水かけ ◦ 「この施策ってやること多いと思うんですがやる意味あります?納 得できる説明してもらわないと困ります」 •

    要求も仕様も何も決まってないうちの完成時期 ◦ 「◦◦さんからアプリ作るらしいって聞いたんですけど、仕様はい つ確定するんですか?」 • 背景情報を無視した比較 ◦ 「前職のエンジニアは3日でやれていたのに、なんでここでは2週間 もかかるんですか?」
  11. 29 自分を変えたい / 自分の理解を深め、ゴールに至るための材料を集める • 状況理解型:とにかく分からないので状況を理解したい ◦ 「この要件の背景を教えてください。背景を理解できていれば、先 を見越して動けるところもあるからです。」 ▪

    なぜ知りたいのか+この質問は相手にも利があることを伝える • 材料収集型:自分がゴールに至るために必要な材料を集めたい ◦ 「この仕様でユーザー課題が解決すると思われた前提条件を教えて ください。前提が揃わないとブラッシュアップのアイデアを出して も的外れになってしまうと思うからです。」 ▪ 「これで本当に解決するんですか?」的な問いだと不信・詰め のイメージが生まれてしまい、防御反応に繋がる。あくまで味 方であることを補助輪として加えておく。
  12. 30 相手を変えたい / 相手の理解を深め、行動を変える • 理解確認型:相手の理解を確認したい、理解してほしい ◦ 「この仕様の意図で引っかかった部分はありますか?理解度合いで 言うと1-10点の中でどのあたりですか?」 ▪

    6点だとしたら、なぜ6点?と繋げて深掘りできる • 言質取得型:相手から言質を取りたい ◦ 「この方針で決めるとして、ブロッカーはありますか?もしあれば 今週木曜の18時までに教えてください。時間が間に合わなそうであ れば教えて欲しいです。回答がなければこれで決めますね。」 ◦ 再度回答をもらわなくても決められる選択肢を持つ。課題解決する 上で必ずしも回答は不要。その上で、相手の事情も確認し、強行な 決め方ではない印象を持ってもらう。
  13. 31 相手を変えたい / 相手の理解を深め、行動を変える • 行動変容型:お互いの利益にならないので相手の行動をやめさせたい ◦ 「すみませんが、◦◦さんのこの方針には同意しかねます。なぜな ら△△といったリスクが見過ごされているように感じるためです。 ただ、何かしら理由があってこの方針になっていると思っており、

    背景や判断軸を教えていただきたいです。」 ▪ 「あなたの実力不足だから」「あなたが嫌いだから」という反 対ではなく、専門性からの懸念であることが分かるような表現 を補助輪として加えておく。 ◦ 性悪説での質問は相手に分かるのでダメ。相手が「この状況をプラ スに持っていこうと思ってる」前提で考えることが大事。 ◦ 多くの場合は情報不足、認識のズレで結果的にそうなっているだけ のことが多い。
  14. 32 その他 / 正直に言うと、こんな質問もある 本質的ではないけれど、知っているとムダに消耗しない。 • 乗り切り型:(仕事をしてないように思われるので)無難に何か適当に 聞いて乗り切りたい ◦ 抽象度の高い質問や重箱の隅だが課題解決から遠い質問。「こちら

    が理解が及んでいないかもしれないので、◦◦の解決に向けた要素 にどう繋がる部分か教えて欲しい」と言った位置合わせが有効。 • やり込め型:ただ相手をやり込めて恥をかかせたい ◦ 自分だけで打ち返すのは結構大変。やり方は色々あるが、少なくと もメンバーの立ち位置であればがんばらなくて良い。 ▪ 「そういう人」とのmtgであれば上司に同席してもらう。 ▪ 焦って変に説明を頑張っても揚げ足を取られてしまう。 ◦ あなたに誠実じゃない人に対し、ムリに誠実である必要はない。