Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

第1回『帰ってきたウルトラマン』勉強会 〜ウルトラマンが帰ってきた〜

東平洋史
February 07, 2022

第1回『帰ってきたウルトラマン』勉強会 〜ウルトラマンが帰ってきた〜

「ウルトラマンが帰ってきた。」これは円谷プロダクションが制作しTBS系列で1971年8月6日に放送された「帰ってきたウルトラマン」第18話「ウルトラセブン参上!」(脚本:市川森一、監督:鍛冶昇、特殊技術:佐川和夫)でのMATの加藤隊長のセリフです。

「帰ってきたウルトラマン」が放送されてから約50年が経っています。その軌跡を振り返ってみましょう。

1回目は「帰ってきたウルトラマン」の制作が開始されるまでの軌跡を取り上げます。

東平洋史

February 07, 2022
Tweet

More Decks by 東平洋史

Other Decks in Research

Transcript

  1. 過去の実績 • 秘密戦隊ゴレンジャー Advent Calendar 2018 https://adventar.org/calendars/3308 • 上原正三 Advent

    Calendar 2020 https://adventar.org/calendars/5204 • 帰ってきたウルトラマン Advent Calendar 2021 https://adventar.org/calendars/7011 • ひろくんの雑記録 https://hirofumitouhei.hatenablog.com/
  2. 第1回「ウルトラマンが帰ってきた」Agenda • 私と「帰ってきたウルトラマ ン」との出会い • 円⾕⼀の略歴 • 橋本洋⼆の略歴 • 上原正三の略歴

    • 円⾕プロ冬の時代 • 「怪奇⼤作戦」終了 • リストラ敢⾏→⾦城哲夫、上原 正三ら退職 • 企画書「特撮怪獣シリーズ 続 ウルトラマン」 • これは実らず • 「ウルトラファイト」のヒッ ト • 怪獣物の需要はあった! • 企画書「帰って来たウルトラ マン」 • ⾻⼦が固まる • 上原正三の参加 • 「仮⾯ライダー」降板 • ⾦城哲夫の「ウルトラマン」に は敵わない • ウルトラマンに変⾝する者とウ ルトラマンの成⻑を描こう! • ウルトラマンが帰ってきた
  3. 私と「帰ってきたウルトラマン」との出会い • 本放送を⾒た記憶はありません。 • 当時2歳 • ⼩学校(?)の夏休みの朝に次の話を⾒た記憶が残っています。 • 第1話「怪獣総進撃」 脚本:上原正三、監督:本多猪四郎、特殊技術:⾼野宏⼀

    • 第4話「必殺! 流星キック」 脚本:上原正三、監督:筧正典、特殊技術:⾼野宏⼀ • 第21話「怪獣チャンネル」 脚本:市川森⼀、監督:筧正典、特殊技術:⾼野宏⼀ • 第28話「ウルトラ特攻⼤作戦」 脚本:実相寺昭雄、監督:⼭際永三、特殊技術:佐川和夫 • 第35話「残酷! 光怪獣プリズ魔」 脚本:朱川審、監督:⼭際永三、特殊技術:佐川和夫
  4. 「帰ってきたウルトラマン」のスタッフ(1/2) • 制作 • TBS、円⾕プロダクション • 企画 • 満⽥かずほ、⽥⼝成光 •

    脚本 • 上原正三、⽥⼝成光、伊上勝、⾦城哲夫、市川森⼀、⽯堂淑朗、実相寺昭雄、 千束北男、朱川審、⻑坂秀佳、⻫藤正夫、⼩⼭内美江⼦ • 監督(本編) • 本多猪四郎、筧正典、冨⽥義治、鍛冶昇、⼭際永三、真船禎、⼤⽊淳、東條 昭平、佐伯孚治、松林宗恵 • 監督(特殊技術) • ⾼野宏⼀、佐川和夫、⼤⽊淳、真野⽥陽⼀ • プロデューサー • 円⾕⼀、⻫藤進(、熊⾕健) 、橋本洋⼆
  5. 「帰ってきたウルトラマン」のスタッフ(2/2) • ⾳楽 • 冬⽊透 • 撮影(本編) • 鈴⽊清、佐川和夫、永井仙吉 •

    撮影(特撮) • 鈴⽊清、佐川和夫、佐藤貞夫、唐沢登喜麿 • 美術(本編) • 育野重⼀、栗⼭吉正、安⽥邦宣 • 美術(特撮) • 池⾕仙克、⾼橋昭彦、鈴⽊儀雄、⼤沢哲三、⻘⽊利郎(、熊⾕健、⽶⾕ 佳晃)
  6. 円⾕プロ 2代⽬社⻑円⾕⼀の略歴 • 円⾕英⼆の⻑男で1931(昭和6)年⽣まれ • 弟が円⾕皐(1935(昭和10)年⽣まれ)と円⾕粲(1944(昭和19)年⽣まれ) • ⼦供の頃はバイオリンを弾くなど⾳楽好き • ⾳楽は趣味でやれと⾔われた上に学習院⼤学理学部を受けたら

    受かってしまったので、そのまま進学 • 「ゴジラ」と「ゴジラの逆襲」を⼿伝う • ハーフミラーを製作して光学合成に貢献 • TBSに⼊社し、ディレクターになる。 • 「煙の王様」で芸術祭賞受賞
  7. オクスベリー1200シリーズ購⼊顛末 • 1963年頃、フジテレビと「WoO」の制作が決まりかける • 1964年初頭、円⾕英⼆がオックスベリー社に オックスベリー1200シリーズを発注。 • 当時の値段は4000万円 • ⼿付⾦は500万円

    • 1964年秋頃、「WoO」の契約調印当⽇に制作中⽌が決定! • 円⾕英⼆、⾦策に窮し、息⼦の円⾕⼀と円⾕皐に相談 • 円⾕⼀、上司の⼤森直道へTBSからの⾦策を打診 • ⼤森直道、前原編成局次⻑をはじめ編成局幹部に意⾒を求め、 その後、経営幹部に話をあげた。 • 出された結論 • 円⾕プロに⾦を融通することは難しい。 • TBSがオプチカル・プリンターを買うことなら可能。 • かくしてTBSがオックスベリー1200シリーズを代わりに購⼊ • これが「UNBALANCE」→「ウルトラQ」の制作につながる。
  8. 円⾕⼀の円⾕プロ作品 • ウルトラQ • 第1話「ゴメスを倒せ!」 • 第2話「五郎とゴロー」 • 第3話「宇宙からの贈りもの」 •

    第9話「クモ男爵」 • 第13話「ガラダマ」 • 第17話「1/8計画」 • 第28話「あけてくれ!」 • ウルトラマン • 主題歌の作詞(東京⼀ 名義) • 第1話「ウルトラ作戦第⼀号」 • 第8話「怪獣無法地帯」 • 第12話「ミイラの叫び」 • 第13話「オイルSOS」 • 第26話「怪獣殿下 前篇」 • 第27話「怪獣殿下 後篇」 • 第38話「宇宙船救助命令」 • 第39話「さらばウルトラマン」 • ウルトラセブン • 主題歌の作詞(東京⼀ 名義) • 第1話「姿なき挑戦者」 • 第5話「消された時間」 • 第17話「地底GO! GO! GO!」 • 第18話「空間X脱出」 • 第33話「侵略する死者たち」 • 第34話「蒸発都市」 • 怪奇⼤作戦 • 第2話「⼈喰い蛾」 • 当初の予定は第1話 • 第6話「吸⾎地獄」 • 第8話「光る通り魔」 ⾚字は⾦城哲夫脚本(共作含む)
  9. TBSプロデューサー 橋本洋⼆の略歴 • 1931(昭和6)年⽣まれ • 東京教育⼤学を卒業後はラジオ東京(後の東京放送ことTBS)に⼊社 • 本⼈の希望で社会部に⼊り、差別問題を扱った番組制作に参加 • この時の上司が後にオックスベリー社のオプチカルプリンター「1200シリー

    ズ」をTBSが肩代わりするのを決断した⼤森直道 • 『ウルトラマン』を観ていて、これは絶対にやりたい、と思って希 望を出していたことから⼤森直道に呼ばれ、テレビ編成局映画部に 異動 • 『コメットさん』を⽪切りに⼦供向け番組の担当を開始 • 途中からサブとして『ウルトラセブン』を担当 • 『ウルトラセブン』の後継企画調査が主業務 • 今度はメインとして『怪奇⼤作戦』を担当
  10. 脚本家 上原正三の略歴(1/3) • 1937(昭和12)年2⽉6⽇⽣まれ。沖縄県那覇市出⾝ • ⽗親は警察署の署⻑を務めていた • 1944年(昭和19) 9⽉、太平洋戦争の激化により、彼は家族とと もに台湾へ⼀時疎開

    • 沖縄へ戻ろうとしたが、1944 (昭和19)年10⽉10⽇、⽶軍が那 覇など南⻄諸島各地を空襲したことにより、那覇への帰還は不 能になる。 • 上原が乗った船は海上を漂流することになり、途中、⽶軍の潜 ⽔艦に襲われかかり⽂字通り死にそうな⽬に遭う。 • 紆余曲折の末、終戦を熊本でむかえる
  11. 脚本家 上原正三の略歴(3/3) • 1963年の冬、25歳の時、⾦城哲夫と出会う • ⾦城哲夫の紹介で円⾕⼀と出会うが、「脚本家になる近道は賞 を取ることだ。まずは賞を取れ」と⾔われる。 • 「収⾻」が1964年の第19回芸術祭のテレビドラマ公募脚本部⾨ で奨励賞受賞

    • 沖縄戦で戦死した⼈の遺⾻を探し集めるという話 • 円⾕プロダクションに⼊社し、企画⽂芸室⻑の⾦城哲夫の助⼿ になる • 「ウルトラセブン」の「700キロを突っ⾛れ!」が橋本洋⼆に誉 められる
  12. 上原正三の円⾕プロ脚本作品(「快獣ブースカ」まで) • ウルトラQ • 第21話「宇宙指令M774」 • 第24話「ゴーガの像」 • ウルトラマン •

    第8話「怪獣無法地帯」 • ⾦城哲夫との共作 • 第38話「宇宙船救助命令」 • 快獣ブースカ • 第20話「空⾶ぶ円盤がやって来 た!」 • 第22話「⼤爆発! ご⽤⼼」 • 市川森⼀との共作 • 第28話「宇宙から来たんだ」 • 第24話「ぼくは⼀等賞」 • ⼭⽥正弘との共作 • 第32話「すてきな快獣の⽇」 • 三井偠市との共作 • 第36話「踊れ!フラミンゴ」 • 市川森⼀との共作 • 第39話「百トン旋⾵ワッショイ!」 • ⼩野勝也との共作 • 第38話「海が呼んでる」 • 市川森⼀との共作 • 第42話「物体Xコロリン」 • 第43話「魔球に突撃!」 • ⼭⽥正弘との共作 • 第47話「さようならブースカ」 • 市川森⼀との共作
  13. 上原正三の脚本作品(「ウルトラセブン」と「怪奇⼤作戦」) • ウルトラセブン • 第9話「アンドロイド0指令」 • 第17話「地底GO! GO! GO!」 •

    第23話「明⽇を捜せ」 • 南川⻯(野⻑瀬三摩地)との共作 • 第28話「700キロを突っ⾛れ!」 • 第31話「悪魔の住む花」 • 第32話「散歩する惑星」 • ⼭⽥正弘との共作、原案は⻁⾒邦 男 • 第33話「侵略する死者たち」 • 第43話「第四惑星の悪夢」 • 川崎⾼(実相寺昭雄)との共作 • 第44話「恐怖の超猿⼈」 • 市川森⼀との共作 • 第45話「円盤が来た」 • 川崎⾼(実相寺昭雄)との共作 • 第46話「ダン対セブンの決闘」 • 市川森⼀との共作 • 第47話「あなたはだぁれ?」 • 怪奇⼤作戦 • 第1話「壁ぬけ男」 • 当初の予定は第2話 • 第3話「⽩い顔」 • ⾦城哲夫との共作 • 第8話「光る通り魔」 • 市川森⼀との共作 • 第12話「霧の童話」 • 第15話「24年⽬の復讐」 • 第16話「かまいたち」 • 第19話「こうもり男」
  14. 「ウルトラQ」から「怪奇⼤作戦」までの視聴率 • ウルトラQ • 平均視聴率:32.4% • ウルトラマン • 平均視聴率:36.8% •

    (キャプテンウルトラ):東映制作 • 平均視聴率:25.6% • ウルトラセブン • 平均視聴率:26.5% • 怪奇⼤作戦 • 平均視聴率:22.0% 上 が # て 下 が # た
  15. 円⾕プロの作品の課題 • 円⾕英⼆が映像の品質にこだわり、納得の⾏かない映像は再撮影 • 制作時間が増える • 制作予算も増える • 制作時間超過 •

    「ウルトラQ」は事前制作。 • 1964年9⽉27⽇クランクイン • 1966年1⽉2⽇に第1話放送 • 「ウルトラマン」は3クール(39話)で終了 • 東映制作の「キャプテンウルトラ」が後番組に • ⾼額な制作費 • TBSから出ていた制作費 • 538万5千円(「ウルトラQ」当時) • 円⾕プロが弾き出した制作費 • 600万〜700万円 • ⾜りない分は円⾕プロの持ち出し負担⇒負債増加
  16. 1968年頃の円⾕プロのリストラ • 担当は円⾕皐と有川貞昌 • 有川はすぐに退職 • 「これは⾃分のやりたかった仕事ではない」との感想を持つ • ⼈員削減 •

    約140⼈→40⼈ • 営業部新設 • 企画⽂芸室廃⽌ • ⾦城哲夫は企画⽂芸室⻑を解かれてプロデューサー室へ異動 • 要するに降格⼈事 • 沖縄帰郷の遠因に • 上原正三もプロデューサー室へ異動 • 後に退職
  17. 特撮怪獣シリーズ 続ウルトラマン • 1969年4⽉28⽇印刷の企画書 • 企画担当は満⽥かずほ、⽥⼝成光、熊⾕健。 • 1969年4⽉から⽇本テレビで「ウルトラマン」の再放送 • 平均視聴率は18%

    • 放送枠は⽉曜⽇から⼟曜⽇までの18時から • 同時期にTBSでは⽊曜⽇18時から「ウルトラセブン」を再放送 • 「怪奇⼤作戦」の後番組「妖術武芸帳」が不調 • 平均視聴率13.7% • 後番組は「柔道⼀直線」 • 当初はつなぎ番組の予定だったが⼤ヒット
  18. 「特撮怪獣シリーズ 続ウルトラマン」の内容(1/4) • ウルトラマンが地球を去ってから30年後の地球が舞台。 • 怪獣は姿を消し、平和を保っており、科学特捜隊は解散。 • 各国の核実験が原因で遂に怪獣達が現れた。 • 科特隊が解散していたので⾃衛隊が怪獣に⽴ち向かったが、⻭が⽴

    ちたない。 • その時、⼀⼈の⽼⼈が「⽬を、⽬を狙うんだ!」と叫んだ。 その⽼⼈はかつて科特隊の隊⻑を務めたムラマツ。 • 怪獣は⼿強く、⾃衛隊。 • ムラマツが「こんな時、ウルトラマンがいてくれたら…」と天を仰 いだ。
  19. 円⾕プロ作品防衛チーム⼀覧 • SRI(怪奇⼤作戦) Science Research Institute 「科学捜査研究所」 • MAT(帰ってきたウルトラマン) Monster

    Attack Team 「怪獣攻撃部隊」 • SGM(ミラーマン) Science Guard Members • SAT(トリプルファイター) Space Attack Team (注) Saitama Attack Team(翔んで埼⽟) • TAC(ウルトラマンA) Terrible-monster Attacking Crew 「超獣攻撃隊」 • SAF(ファイヤーマン) Scientific Attack Force 「地球科学特捜隊」 • ZAT(ウルトラマンタロウ) Zariba of All Territory または Zariba of All Terrestrial (注) zaribaは東アフリカなどで⾒られる、 イバラでできた畜産⽤の柵 A fence of the type once commonly improvised in northeastern Africa from thornbushes. https://ejje.weblio.jp/content/zeriba • PAT(ジャンボーグA) Pro-tective Attack Team 「地球パトロール隊」 • MAC(ウルトラマンレオ) Monster Attacking Crew • UGM(ウルトラマン80) Utility Government Members • UNDA (ウルトラマン80) United Nations Deffence Army 「地球防衛軍」
  20. 「特撮怪獣シリーズ 続ウルトラマン」の内容(4/4) • さらに第3の事件がアルプスの⼭中で起き、M・A・T出動。 • バンも活躍するが、他のメンバーとは孤⽴し、危機に陥る。その危機を 救ったのが、謎の⻘年ハヤタ。 • M・A・TのメンバーはハヤタにM・A・Tへの⼊隊を勧めるが、ハヤタは それを固辞。

    • バンがハヤタをマットアローで送った帰りにバンは謎の世界に引き込まれ た。 • そこにいたのはウルトラマン。ウルトラマンは地球上ではこのままの姿で いるわけには⾏かないので、バンに⾝体を貸して欲しいと頼み、バンは承 諾。 • ウルトラマンはフラッシュビームをバンに渡すとバンの⾝体に乗り移り、 かくして、以後はバンがウルトラマンに変⾝して戦うことになった。
  21. ウルトラファイト • TBS系列にて1970年9⽉28⽇から1971年9⽉24⽇までの間、毎 週⽉曜から⾦曜17:30 - 17:35に放送された番組。 • 円⾕⼀が「現⾦⽀出ゼロの番組を作ろう」と発案 • 予定総数130本→195本+1本制作

    • 「ウルトラマン」と「ウルトラセブン」から戦闘場⾯を流⽤ • ⼭⽥⼆郎TBSアナウンサー(当時)が実況ナレーション担当 • 本数⾜りず、新作も作成 • マスコミは「出がらし商法」と酷評 • しかし、⼦供達には好評 • 怪獣ものの需要はあった!
  22. 帰って来たウルトラマン • 1970年9⽉5⽇印刷の企画書 • 中⾝は『特撮怪獣シリーズ 続ウルトラマン』とほぼ⼀緒 • 「製作にあたって」という項が付け加えられている。 ① ドラマの設定をしっかりと

    ② ストーリーの展開を⾯⽩く ③ ⼈間ドラマとしての描写も充分に ④ ⼦供たちに魅⼒のあるカッコイイヒーロー • MATのメカのデザイン、怪獣のデザインのスチール写真付き • 池⾕仙克が担当 • さらに興味深い記述が下記 ずばり380万でOK! 過去のウルトラマンでは500万を越し、30分番組では初めての⾼製作費でした。 それは特撮に必要な機材、設備、美術に⼤半が使われたからです。ところが今回は円⾕英⼆⽒の遺 産である東宝、8.9.11の特⼤ステーヂ(原⽂ママ)が使⽤出来るうえに、更に特撮に必要な機 材は前回のウルトラシリーズで完備され380万の製作費でも前回に⾒おとりがしないと⾔うわけで す。 (⽩⽯雅彦著『「帰ってきたウルトラマン」の復活』より)
  23. 上原正三の仕事(⼀部) • 柔道⼀直線 • 「妖術武芸帳」の後番組 • 東映制作 • 平⼭亨と知り合う •

    佐々⽊守とも共作 • 「書き始めたら書き終わるまで、⼀⼼不乱にカリカリと書いている。あの集中⼒ は凄いし、とてもかなわないと思った。」 (⽩⽯雅彦著『「帰ってきたウルトラマン」の復活』より) • 仮⾯ライダーの企画 • 平⼭亨に呼ばれる • 市川森⼀と伊上勝と共に参加 • 「帰ってきたウルトラマン」に呼ばれたため、市川森⼀と共に離脱 • 市川は代役として島⽥真之、滝沢真⾥を平⼭に紹介
  24. 特撮怪獣シリーズ 帰って来たウルトラマン • 1970年12⽉19⽇印刷の企画書 • 中⾝は『帰って来たウルトラマン』とほぼ⼀緒 • 「これがヒーローのウルトラマンです!!」という項が付け加え られている。 •

    主⼈公の名前はバン・ヒデキ(晩⽇出輝)25歳 • カドクラ牧場で働いていた。 • カドクラ牧場の⼦どもたち、17歳のカオルと10歳のマサユキもバンを 慕っていた。
  25. まとめ • 円⾕プロ冬の時代 • 「怪奇⼤作戦」終了 • リストラ敢⾏→⾦城哲夫、上原正三ら退職 • 企画書「特撮怪獣シリーズ 続ウルトラマン」

    • 「ウルトラファイト」のヒット • 怪獣物の需要はあった! • 企画書「帰って来たウルトラマン」 • 上原正三の参加 • 「仮⾯ライダー」降板 • ⾦城哲夫の「ウルトラマン」には敵わない • ウルトラマンに変⾝する者とウルトラマンの成⻑を描こう! • ウルトラマンが帰ってきた
  26. 次回(あれば)以降予告 順番、題名、内容は変わるかも • ヤマトで⽣きるウチナンチュ 上原正三 • きくち英⼀、遠⽮孝信とJFA のみなさん • 富⽥義治の他流試合

    • ⾦城哲夫の苦悩 • ⽥⼝成光のデビュー • 市川森⼀参上! • ⼭際永三の分析 • ⼤暴れ⽯堂淑朗 • 真船禎が受けた衝撃 • 東條昭平の暴⾛ • 朱川審が放った光 • ⼩⼭内美江⼦の願い • 伊上勝の紙芝居 • ウルトラ5つの誓い などなど
  27. 参考⽂献(1/3) • TSUBURAYA IMAGINATION https://imagination.m-78.jp/ • ⽩⽯雅彦 著『「ウルトラQ」の誕⽣』 • ⽩⽯雅彦

    著『 「ウルトラマン」の⾶翔』 • ⽩⽯雅彦 著『 「ウルトラセブン」の帰還』 • ⽩⽯雅彦 著『 「怪奇⼤作戦」の挑戦』 • ⽩⽯雅彦 著『 「帰ってきたウルトラマン」の復活』 • ⽩⽯雅彦・荻野友⼤ 編著『帰ってきたウルトラマン⼤全』 • 荻野友⼤・ なかの陽・⽩⽯ 雅彦編著『怪奇⼤作戦⼤全』
  28. 参考⽂献(2/3) • ⽩⽯ 雅彦 著『円⾕⼀―ウルトラQと“テレビ映画”の時代』 • ⽩⽯ 雅彦 著『飯島敏宏「ウルトラマン」から「⾦曜⽇の妻た ちへ」』

    • 切通理作 著『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』 • 切通理作 著『怪獣少年の復讐 70年代怪獣ブームの光と影』
  29. 参考⽂献(3/3) • きくち英⼀ 著『ウルトラマンダンディー―帰ってきたウルトラ マンを演った男』 • 飯島敏宏, 千束北男 著『バルタン星⼈を知っていますか? 〜

    テレビの⻘春、駆けだし⽇記〜』 • ⾦城哲夫 著『ウルトラQ+ウルトラマン <ウルトラマンシリー ズ ⾦城哲夫シナリオコレクション 1>』 • 上原正三 著『キジムナーkids』 • 上原正三 著『上原正三シナリオ選集』 • 上原正三 著『24年⽬の復讐 上原正三シナリオ傑作集』