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OOC2024 登壇資料

OOC2024 登壇資料

(株)タイミーのスポンサーセッションとして発表したものです。

Hiromi Kai

April 02, 2024
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Transcript

  1. 自己紹介 名前:甲斐 宏味(かい ひろみ) 所属:エンジニアリング本部 プロダクトエンジニアリング部 職種:バックエンドエンジニア(Rails) 経歴:SE → (転職失敗して紆余曲折)

    → Webスタートアップ数社 → タイミー SNS:やってますが技術の話はしません 得意:仕事やMTGが連続しているときに周囲に腹が減ったと言うこと 苦手:CLIでgit diffを読むこと
  2. 7

  3. 9

  4. 10

  5. よい設計ってなんだろう? - オブジェクト指向の原則に従う - SOLID原則 - 単一責任の原則 - オープン・クローズドの原則 -

    リスコフの置換原則 - インターフェース分離の原則 - 依存性逆転の原則 - デメテルの法則 - 構造化設計 - 凝集度を高く、結合度を低く
  6. 以前経験した設計の失敗 - 在庫管理のSaaS - 出荷に関するService設計 - ここでの出荷に関する定義 - 出荷は完了したか否かの状態を持つ -

    1つの出荷には複数の出荷品目が存在する - 出荷品目も状態を持つ - トランザクションを張る - 出荷品目でループする - 在庫減らすServiceを呼ぶ - 出荷品目のステータスを更新する - 出荷ステータスを更新する - 通知飛ばすServiceを呼ぶ 出荷Service
  7. 出荷Serviceの多義化による失敗 1. Serviceの依存関係が整理できなくて、ある外部サービスを追加する際に呼び 出すクラスを間違えた - 出荷Serviceの一部の呼び出し先だけを呼び出してしまい、「出荷」が正しく完了していない 状態だった 2. 時と場合によって「出荷とは何か」の定義がブレた -

    提携する外部サービスの追加に伴い、出荷にまつわるチャネルが増えた - 「ある流入元限定で通知を飛ばさないで欲しい」という要望 - 外部サービスによって出荷品目の分納ができたりできなかったりする
  8. 失敗1:Serviceの依存関係が整理できなくて、 ある外部サービスを追加する際に呼び出しクラスを間違えた - トランザクションを張る - 出荷品目でループする - 在庫減らすServiceを呼ぶ - 出荷品目のステータスを更新する

    - 出荷ステータスを更新する - 通知飛ばすServiceを呼ぶ - 外部サービスのCSVから出荷を読み込む - DBの出荷と突き合わせる - 出荷品目でループする - 在庫減らすServiceを呼び出す - 外部サービスのCSVから出荷を読み込む - DBの出荷と突き合わせる - 出荷Serviceを呼び出す 誤 正 結果:本番で障害起こしてから気づいて修正することに…
  9. 失敗2:時と場合によって「出荷とは何か」の定義がブレた - トランザクションを張る - 出荷品目でループする - 在庫減らすServiceを呼ぶ - 出荷品目のステータスを更新する -

    出荷ステータスを更新する - 通知飛ばすServiceを呼ぶ 出荷Service ある連携サービス限定で通知を飛ばさない 連携サービスによって更新ルールが違う 条件分岐やオプション追加で出荷Serviceがどんどん複雑になっていく
  10. 当時の総括 • ドメイン面 ◦ 異なる概念に名前を付けずに単一クラスで扱っていたのかもしれない ◦ PO・PMが場合分けを言語化できなくなったら危険信号 ◦ 「複雑なドメインにPMと開発が一体となって取り組む」ことが重要 •

    設計面 ◦ 「システムが複雑になっても出荷のコードは共通」というルールを見直してもよかったかも ◦ 単一責任原則とは何か、という考え方がチームで揃ってなかったかもしれない ▪ オブジェクト指向実践ガイドを読み直したが、正直まだ自信がない
  11. 設計を良くする取り組み - コードオーナー制 - 組織ごとにナワバリとするパッケージがある - 実際には各開発者が色んなパッケージを変更する - 一番良く触る組織の人がレビュアーに加わる -

    Chapter会議 - Railsエンジニア同士で直近技術的に必要なことを話し合う - 仕組みはあるけど、まだまだやったもの勝ち - 率先してチャレンジすることが尊重される - ぼやいて、巻き込んで、やり通す