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range over funcで始めるグラフアルゴリズム

range over funcで始めるグラフアルゴリズム

DMM.go #8 ショートセッション登壇

イベントリンク
https://dmm.connpass.com/event/322113/

やーびー

July 29, 2024
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Transcript

  1. © DMM 今回の発表の目的 • go1.23で導入されるrange over funcの使い方がわかる • range over

    funcでパフォーマンスの改善が見込めるかを判断できるよ うになる 3
  2. © DMM 実行環境の用意 • go1.23は今年8月リリース予定 • 実行環境を用意する方法は現在二つ • go1.22のGOEXPERIMENT •

    1.23rc1 7 $ GOEXPERIMENT=rangefunc go run main.go $ go install golang.org/dl/go1.23rc1/@latest $ go1.23rc1 download $ go1.23rc1 run main.go
  3. © DMM トポロジカルソートのアルゴリズム 1. 全頂点の入次数を保持する 2. 入次数が0の頂点を保持する 3. 以下を繰り返す a.

    入次数が0の頂点を一つ選ぶ b. 選んだ頂点を出力する c. その頂点を始点とする有向辺を取り除く 21
  4. © DMM トポロジカルソートのアルゴリズム 1. 全頂点の入次数を保持する 2. 入次数が0の頂点を保持する 3. 以下を繰り返す a.

    入次数が0の頂点を一つ選ぶ b. 選んだ頂点を出力する c. その頂点を始点とする有向辺を取り除く 22
  5. © DMM トポロジカルソートのアルゴリズム 1. 全頂点の入次数を保持する 2. 入次数が0の頂点を保持する 3. 以下を繰り返す a.

    入次数が0の頂点を一つ選ぶ b. 選んだ頂点を出力する c. その頂点を始点とする有向辺を取り除く 23
  6. © DMM トポロジカルソートのアルゴリズム 1. 全頂点の入次数を保持する 2. 入次数が0の頂点を保持する 3. 以下を繰り返す a.

    入次数が0の頂点を一つ選ぶ b. 選んだ頂点を出力する c. その頂点を始点とする有向辺を取り除く 24
  7. © DMM トポロジカルソートのアルゴリズム 1. 全頂点の入次数を保持する 2. 入次数が0の頂点を保持する 3. 以下を繰り返す a.

    入次数が0の頂点を一つ選ぶ b. 選んだ頂点を出力する c. その頂点を始点とする有向辺を取り除く 25 どの頂点からも辺を向けられていない頂点を取 り除き続ければいい
  8. © DMM range over funcによる実装 • 1, 2は全く同様 1. 全頂点の入次数を保持する

    2. 入次数が0の頂点を保持する • 3の出力をsliceではなくyieldに渡す 33
  9. © DMM range over funcによる実装 3 / 3 以下を繰り返す 34

    入次数が0の頂点を一つ選ぶ 選んだ頂点を出力する その頂点を始点とする 有向辺を取り除く
  10. © DMM ベンチマーク • sliceを返却する実装とiter.Seqを返却する実装の比較 35 実行速度 メモリ使用量 アロケーション slice

    293.8 ns/op 1248 B/op 3 allocs/op iter.Seq 258.0 ns/op 832 B/op 2 allocs/op メモリ使用量 アロケーション 2/3に減少 2/3に減少
  11. © DMM トポロジカルソートのアルゴリズム(再掲) 1. 全頂点の入次数を保持する 2. 入次数が0の頂点を保持する 3. 以下を繰り返す a.

    入次数が0の頂点を一つ選ぶ b. 選んだ頂点を出力する c. その頂点を始点とする有向辺を取り除く 38 どの頂点からも辺を向けられていない頂点を取り 除き続ければいい
  12. © DMM トポロジカルソートのアルゴリズム(再掲) 1. 全頂点の入次数を保持する 2. 入次数が0の頂点を保持する 3. 以下を繰り返す a.

    入次数が0の頂点を一つ選ぶ b. 選んだ頂点を出力する c. その頂点を始点とする有向辺を取り除く 39 どの頂点からも辺を向けられていない頂点を取り 除き続ければいい この二つは不変
  13. © DMM トポロジカルソートのアルゴリズム(再掲) 1. 全頂点の入次数を保持する 2. 入次数が0の頂点を保持する 3. 以下を繰り返す a.

    入次数が0の頂点を一つ選ぶ b. 選んだ頂点を出力する c. その頂点を始点とする有向辺を取り除く 40 どの頂点からも辺を向けられていない頂点を取り 除き続ければいい この二つは不変 slice or iter.Seq
  14. © DMM ベンチマークで確認 • sliceのappendをコメントアウトしてベンチマークを実行 43 実行速度 メモリ使用量 アロケーション slice(出力なし)

    200.2 ns/op 832 B/op 2 allocs/op iter.Seq 257.0 ns/op 832 B/op 2 allocs/op メモリ使用量とアロケーションが一致 iter.Seqにすることで、sliceを用意する分の負荷を削減できる
  15. © DMM sliceを返す関数はアンチパターンなのか • そうではない • sliceを返す方が望ましいケースもある • sliceの長さを取得したい場合 •

    sliceを使い回す場合 • トポロジカルソートにおいてはiter.Seqを利用するのが良い • sliceの長さは入力のグラフから取得できる • (sliceを使い回すかどうかはユースケースに依存するが、、、) 44
  16. © DMM まとめ 48 • range over funcの利用方法の紹介 • sliceを返す実装とiter.Seqを返す実装のベンチマークを比較

    実行速度 メモリ使用量 アロケーション slice 293.8 ns/op 1248 B/op 3 allocs/op iter.Seq 258.0 ns/op 832 B/op 2 allocs/op
  17. © DMM まとめ 49 • range over funcの利用方法の紹介 • sliceを返す実装とiter.Seqを返す実装のベンチマークを比較

    返り値のsliceに相当するメモリとアロケーションの削減 実行速度 メモリ使用量 アロケーション slice 293.8 ns/op 1248 B/op 3 allocs/op iter.Seq 258.0 ns/op 832 B/op 2 allocs/op