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生成AI時代の開発組織・技術・プロセス 〜 ログラスの挑戦と考察 〜
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Hiroshi Ito
July 01, 2025
Technology
1
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生成AI時代の開発組織・技術・プロセス 〜 ログラスの挑戦と考察 〜
Hiroshi Ito
July 01, 2025
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Transcript
⽣成AI時代の開発組織‧技術‧プロセス 〜 ログラスの挑戦と考察 〜 ⽣成AI × 組織論Night 2025年7⽉1⽇ 株式会社ログラス 執⾏役員CTO
伊藤博志(いとひろ @itohiro73) 1
#AI組織論 2 ゴールドマン・サックスのテクノロジー部に新卒入社後、同社の機関システム開発に 従事。その後、VP/Senior Engineerとしてプラットフォーム開発に携わり、同社 発のJavaのOSSであるEclipse Collectionsのコミッター兼プロジェクトリード やOpenJDKへのコントリビュートを行うなど、OSS戦略を牽引。 スタートアップ2社を経て、READYFORに入社し執行役員VPoEに就任。 同社のエンジニア組織の10名から30名規模への成長、決済基盤の刷新や、技術的
負債の返済、新規プロダクト開発を牽引。 2022年10月に株式会社ログラスの開発部へエンジニアとして入社。 エンジニアリングマネージャー、事業執行役員VPoEを経て、現職。 株式会社ログラス 執行役員 CTO 伊藤 博志 (いとひろ @itohiro73) Hiroshi Ito ⾃⼰紹介
3
None
今年2⽉
6 #AI組織論 ログラス、全エンジニアにCursor導⼊を意思決定
ここにいたるまでの流れ
8 #AI組織論 2023年後半ころからCursorが気になり出す社内
9 #AI組織論 2024年初頭はDevinと早く⼀緒に働きたいねと話題
そして2024年末から2025年初頭 Cursor/Devin導⼊が⼀気に動き出す
11 少数が実験的に 使い始める 🔥 11月~12月 時間軸 #AI組織論 ログラスのCursor導⼊の歩み
12 少数が実験的に 使い始める 1月 少しずつ普及活動 CodyやClineも触る Composerも 使い始める 🔥 🔥
11月~12月 時間軸 #AI組織論 ログラスのCursor導⼊の歩み
実⽤になる肌感が持てた この時点で機は熟していると判断し 全エンジニア導⼊を 意思決定
14 少数が実験的に 使い始める 1月 少しずつ普及活動 CodyやClineも触る Composerも 使い始める 2月 エンジニア全員に
Cursor、一部に Devinを配布。 Cursor道場開始 🔥 🔥 🔥 🔥🔥 11月~12月 時間軸 #AI組織論 ログラスのCursor導⼊の歩み
15 11月~12月 少数が実験的に 使い始める 1月 少しずつ普及活動 CodyやClineも触る Composerも 使い始める 2月
エンジニア全員に Cursor、一部に Devinを配布。 Cursor道場開始 3月 全員に火がつき始める Cursor Rulesの 改善が一気に進む 🔥 🔥 🔥 🔥🔥 🔥 🔥🔥 🔥 🔥🔥 🔥 時間軸 #AI組織論 ログラスのCursor導⼊の歩み
16 11月~12月 少数が実験的に 使い始める 1月 少しずつ普及活動 CodyやClineも触る Composerも 使い始める 2月
エンジニア全員に Cursorを配布。 Cursor道場開始 3月 全員に火がつき始める Cursor Rulesの 改善が一気に進む 🔥 🔥 🔥 🔥🔥 🔥 🔥🔥 🔥 🔥🔥 🔥 時間軸 4月 / 5月 🔥 🔥🔥 🔥 🔥🔥 🔥 🔥 🔥 🔥 🔥 🔥 エンジニアだけではなく PdM・デザイナー ビジネスサイドまで波及 #AI組織論 ログラスのCursor導⼊の歩み
ログラスのプロダクト組織への AI浸透のトライ
18 #AI組織論 プロダクト開発組織とAI活⽤推進プロジェクトチーム CTO VPoE VPoP エンジニア チーム PdM チーム
デザイン チーム 職種横断の AI推進チームを組成
19 #AI組織論 AI推進チームの⽬的 AIを活用推進のための基盤やガバナンス整備 AI活用の実践と業務プロセスへの統合 • ドキュメント管理方法の検討 • ツールの整理 •
運用ルールの検討 • ナレッジ共有の仕組みと成功事例の横展開 • AIが統合された業務プロセスの再設計 • 改善と組織自浄作用が生まれる仕組み化 AIを活用してロールを超えた業務の染み出しをなめらかにする
20 #AI組織論 PdM領域 PdM チームで Cursor オンボ会を実施 業務活用例①:競合調査 業務活用例②:リリースノート
21 #AI組織論 デザイナー領域
#AI組織論 エンジニア領域
ここ1ヶ⽉だけでもすでに 劇的に⾵向きが変わっている
いかに素早く適応できるかがとても重要
ログラスのAI導⼊の基盤をなす マインドセット
#AI組織論 26 note:急拡大するログラスのエンジニアリング組織のTech Valueを策定しました ログラスのエンジニアリング組織では、 創業以来、以下3つの活動原則を大切にしています 「顧客への本質的な価値提供」 「学びと適応」 「技術的卓越性の追究と還元」 そして私たちは、これらに関する当たり前基準の高さにこだわり続けたい。
なぜなら私たちは、「良い景気を作ろう。」という、 壮大なミッションを掲げる会社のエンジニアリング組織だからです。 今までの当たり前基準を越え、より高い基準へと移行していく。 今までの当たり前を疑い、まったく新しい当たり前づくりに取り組んでいく。 こうした「当たり前のアップデート」の積み重ねが、 ログラスのエンジニアリングを、世の中のエンジニアリングを、 そして社会そのものさえも、 強く、持続可能なものにしていくのだと信じています。 ログラスの開発組織を⽀えるTech Value
#AI組織論 みなさん、開発でAIコーディングエージェント (Cursor、Cline、Devin、Claude Code等々)使っていますか? AIエージェントを⽤いた開発の特徴 27 🤚 会場アンケート
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#AI組織論 AIエージェントによる開発では、従来の⼈間中⼼の開発プロセスとは異なる特性が 顕著に現れる • 物量の多さ: とにかく⼀度に実装する物量が多い。適切なガードレールがないと 必要ないものもどんどん追加する • コンテキストの理解の限界: プロジェクトの複雑な依存関係や暗黙的な要件を完
全に把握するの困難 • 品質保証の新たな課題: よしな⼒は⾼いので⼀定の品質のものは出てくる。しか し、AIエージェントによる開発‧改修が数年単位で積み重なった先にどうなる か、それはまだ誰も⾒ぬ世界 AIエージェントを⽤いた開発の特徴 29
#fp_matsuri #fp_matsuri_c AI駆動開発と形式⼿法‧関数型モデリングの可能性 30 究極的なシフトレフトをAIの⼒で加速する シフトレフト(開発プロセスの早期フェーズでの問題発⾒)アプローチ 従来: 要件 → 設計
→ 実装 → テスト → [バグ発⾒] → 修正 ↑ ⾼コストなフェーズでバグ発⾒ 改善: [形式仕様] → AIコード⽣成 → [プロパティテスト] → デプロイ ↑ ↑ 早期にバグ防⽌ 継続的な制約検証と関数型‧型による堅牢化
会場に来てくださった⼈のため だけにお話しするスライド
お知らせ 「Web アプリケーションエンジニア(新規事業領域 / AI関連プロダクト) AI活用プロダクトの0→1開発立ち上げをリード
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