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予測できない時代に学ぶ「クラウドネイティブ」にまつわる誤解と本質

Kazuto Kusama
February 09, 2023

 予測できない時代に学ぶ「クラウドネイティブ」にまつわる誤解と本質

2022年12月8日に開催された、ITmedia Cloud Native Week 2022 冬の基調講演でお話した資料です。

Kazuto Kusama

February 09, 2023
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Transcript

  1. 予測できない時代に学ぶ
    「クラウドネイティブ」
    にまつわる誤解と本質

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  2. Kazuto Kusama
    @jacopen
    Senior Solutions Engineer @HashiCorp Japan
    Co-Chair @CloudNative Days

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  3. 今日はなにを目的に参加されましたか?

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  4. 今日のは何を目的に参加されましたか?
    ● クラウドネイティブに興味があるから
    ● 既にクラウドネイティブ技術を活用していて効果が出ている
    ⇒ 是非、続けてください

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  5. 今日のは何を目的に参加されましたか?
    ● クラウドネイティブに興味があるから
    ● 既にクラウドネイティブ技術を活用していて効果が出ている
    ⇒ 是非、続けてください
    ● 流行っているから
    ● そろそろうちもクラウドネイティブとやらを検討しないといけないから
    ● これからはクラウドネイティブが主流になるんでしょ?
    ⇒ ちょっと気をつけたほうがいいかも

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  6. 今日持ち帰って欲しいこと
    ● 既にクラウドネイティブを実践している人
    ○ クラウドネイティブを社内に広めていくためのトーク材料
    ○ 活動内容に自信をもつ裏付け
    ● これからクラウドネイティブを実践する人
    ○ クラウドネイティブ技術を取り入れるにあたって、
    『残念な採用』にならないための観点
    ○ クラウドネイティブの本質に対する理解

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  7. 何故、今日ここで話しているのか
    2012 2014 2017 2019 2021
    2015
    2013 2016 2018 2020
    国内の通信事業者で
    PaaSの開発を担当
    6月 Kubernetes発表
    9月 日本で最初の
    Kubernetes勉強会開催
    11月 Kubernetes解説記事掲載
    Docker登場。
    PivotalのMatt Stine氏に
    よりクラウドネイティブの
    概念が提唱される
    CNCF設立
    国内最大のクラウドネイ
    ティブ技術カンファレン
    ス、CloudNative Daysの
    Co-Chairに就任
    Pivotal入社。PaaSと
    クラウドネイティブ
    技術の推進に携わる
    HashiCorp入社。IaCやゼ
    ロトラストセキュリティ
    の推進に携わる
    今日はお呼ばれしてここで話しているんで
    すけど、自分はこれまで 10年以上クラウド
    やクラウドネイティブ技術に携わってきまし
    た。その知見を元にお話したいなと思いま
    す。

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  8. こういう質問をよく受けます
    うちはAWSオンリー
    なんだけど、
    Kubernetes使った方が
    良いの?
    コンテナのほうが
    良いのかな・・・
    VMじゃダメ?
    オンプレやめて全部
    クラウドにしました。
    これでクラウドネイティ
    ブだよね?
    ベンダーがクラウド
    ネイティブ製品売り込んで
    きてるんだけど、やっぱりそう
    いうの買った方がいい?
    そういう背景もあるので、よくこういう質問を
    うけます。

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  9. こういう質問をよく受けます
    うちはAWSオンリー
    なんだけど、
    Kubernetes使った方が
    良いの?
    コンテナのほうが
    良いのかな・・・
    VMじゃダメ?
    オンプレやめて全部
    クラウドにしました。
    これでクラウドネイティ
    ブだよね?
    ベンダーがクラウド
    ネイティブ製品売り込んで
    きてるんだけど、やっぱりそう
    いうの買った方がいい?

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  10. クラウド
    (パブリック・プライベート・ハイブリッド )
    App App App
    これはクラウドネイティブ?
    オンプレ
    App App App

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  11. クラウド
    (パブリック・プライベート・ハイブリッド )
    App App App
    これはクラウドネイティブ?
    オンプレ
    App App App
    Lift & Shift
    これはクラウドネイティブじゃないですよね。
    Lift & Shiftって言ったりしますけど、その Lift
    をしたにすぎません。

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  12. CNCFによるクラウドネイティブの定義
    クラウドネイティブ技術は、パブリッククラウド、プライベートクラウド、
    ハイブリッドクラウドなどの近代的でダイナミックな環境において、スケー
    ラブルなアプリケーションを構築および実行するための能力を組織にもたら
    します。 このアプローチの代表例に、コンテナ、サービスメッシュ、マイク
    ロサービス、イミュータブルインフラストラクチャ、および宣言型APIがあり
    ます。
    これらの手法により、回復性、管理力、および可観測性のある疎結合システ
    ムが実現します。 これらを堅牢な自動化と組み合わせることで、エンジニア
    はインパクトのある変更を最小限の労力で頻繁かつ予測どおりに行うことが
    できます。
    https://github.com/cncf/toc/blob/main/DEFINITION.md
    クラウドネイティブ技術については、 CNCF
    が定義を公開しています。

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  13. クラウドネイティブ アーキテクチャ
    クラウドネイティブ アプリケーション
    クラウド
    (パブリック・プライベート・ハイブリッド )
    App App App
    クラウドネイティブ○○ クラウドネイティブは形容詞なので、その後に「アプ
    リケーション」だったり「アーキテクチャ」という言葉
    が続きます。
    クラウドネイティブアプリケーションがあって、それを
    構成する仕組みがクラウドネイティブアーキテクチャ
    という関係性です。

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  14. そもそもクラウドって何?

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  15. NISTによるクラウドコンピューティングの定義
    クラウドの基本的な特徴
    ● オンデマンド・セルフサービス
    ● 幅広いネットワークアクセス
    ● リソースの共用
    ● スピーディな拡張性
    ● サービスが計測可能であること
    https://www.ipa.go.jp/files/000025366.pdf
    ちょっと古いんですけど、 NISTというところ
    がクラウドコンピューティングの定義を公開
    しています。

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  16. NISTによるクラウドコンピューティングの定義
    クラウドの基本的な特徴
    ● オンデマンド・セルフサービス
    ● 幅広いネットワークアクセス
    ● リソースの共用
    ● スピーディな拡張性
    ● サービスが計測可能であること
    https://www.ipa.go.jp/files/000025366.pdf
    使った分だけ課金
    低い初期費用
    スケールしやすい
    運用を肩代わり
    リソースの
    調達が早い
    表現を変えると、こういったものがクラウド
    のメリットといえるでしょう。

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  17. NISTによるクラウドコンピューティングの定義
    クラウドの基本的な特徴
    ● オンデマンド・セルフサービス
    ● 幅広いネットワークアクセス
    ● リソースの共用
    ● スピーディな拡張性
    ● サービスが計測可能であること
    https://www.ipa.go.jp/files/000025366.pdf
    使った分だけ課金
    低い初期費用
    スケールしやすい
    運用を肩代わり
    リソースの
    調達が早い
    APIでコントロール出
    来る
    ただそれよりも何よりも、 APIでコントロール
    できるというのがクラウドの最大の特徴だと
    思っています。

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  18. こういう質問をよく受けます
    うちはAWSオンリー
    なんだけど、
    Kubernetes使った方が
    良いの?
    コンテナのほうが
    良いのかな・・・
    VMじゃダメ?
    オンプレやめて全部
    クラウドにしました。
    これでクラウドネイティ
    ブだよね?
    ベンダーがクラウド
    ネイティブ製品売り込んで
    きてるんだけど、やっぱりそう
    いうの買った方がいい?

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  19. クラウドネイティブ技術
    クラウドネイティブ アーキテクチャ
    クラウドネイティブ アプリケーション
    クラウド
    (パブリック・プライベート・ハイブリッド )
    App App App
    クラウドネイティブ○○
    コンテナ、サービスメッシュ、マイクロサービス、
    イミュータブルインフラストラクチャ、etc…
    さっきの例で言うと、クラウドネイティブアプリケー
    ションやアーキテクチャを実現するために、クラウ
    ドネイティブ技術が存在するわけですね。

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  20. CNCFによるクラウドネイティブの定義
    クラウドネイティブ技術は、パブリッククラウド、プライベートクラウド、
    ハイブリッドクラウドなどの近代的でダイナミックな環境において、スケー
    ラブルなアプリケーションを構築および実行するための能力を組織にもたら
    します。 このアプローチの代表例に、コンテナ、サービスメッシュ、マイク
    ロサービス、イミュータブルインフラストラクチャ、および宣言型APIがあり
    ます。
    これらの手法により、回復性、管理力、および可観測性のある疎結合システ
    ムが実現します。 これらを堅牢な自動化と組み合わせることで、エンジニア
    はインパクトのある変更を最小限の労力で頻繁かつ予測どおりに行うことが
    できます。
    https://github.com/cncf/toc/blob/main/DEFINITION.md
    CNCFの定義は、クラウドネイティブ技術に
    ついて述べたものです。

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  21. もし、あなたのモチベーションが・・・
    『クラウドネイティブ技術を触りたい』 であれば
    ● 好きに色んなものを試すといい
    ● コンテナだけがクラウドネイティブ ではないので、OSSやベン
    ダーのサービスなどを幅広く試してみるのをお勧め
    ● 『検討』を進めるよりは、とにかく手を動かしていくことが重要
    https://www.ipa.go.jp/files/000025366.pdf

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  22. もし、あなたのモチベーションが・・・
    『クラウドネイティブによりシステムを良くしていきたい』
    であれば
    ● このあとの説明を聞いて下さい
    https://www.ipa.go.jp/files/000025366.pdf

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  23. 何故クラウドネイティブが必要なのか

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  24. Software is eating the world
    ソフトウェアの力により世の中がものすごく
    変わりつつあります。

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  25. 想像を超えるテクノロジーの進化
    Midjourney
    DALL-E
    Stable Diffusion
    NovelAI
    一見本物と区別が付かないような写真やイラストを生成できるように
    特に最近AI周りがホットですよね。ここ
    半年で、信じられないプロダクトが次々
    に登場しました。権利周りの問題はあ
    れど、技術面ではちょっと前まで想像
    出来なかった世界が実現しつつありま
    す。

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  26. ChatGPT
    対話に特化した言語モデル。
    テキストで質問するとAIが回答
    を表示する。
    一見人間と見分けが付かないほ
    どの自然な文章を生成できる。
    左の動画はクラウドネイティブ
    技術による影響や、取り組み方
    について質問してみた例。
    本公演の僅か1週間前にリリー
    スされた
    この講演は2022年の12月上旬でしたが、直前に
    ChatGPTが登場して度肝を抜かれました。技術的な質問
    を投げかけてみて、正確なレスポンスが返ってくることをデ
    モしました。
    クラウドネイティブについて、自分なんかの話を聞くよりも
    ChatGPTに聞いて見たほうが早いんじゃないですかね ()
    画像生成AIに対しては『すごい時代がきたもんだ』と対岸
    の火事のような感覚でしたが、 ChatGPTは『ひょっとすると
    数年後に自分の仕事は不要になっているかもしれない』と
    考えてしまうほど、インパクトのあるものでした。

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  27. 予測できない世の中
    AIに限らず、ありとあらゆる分野でデジタルによる変革が進んでいる。ほん
    の数日前までは想像すら出来なかったものが、突然実現される世の中になっ
    ている。
    加えて政治も社会も経済は、不安定な状況が続く。 まさにVUCA時代

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  28. どうやって生き残っていくべきか
    この世界の流れに逆らうことはできない。
    個人においても、企業においても
    自らも素早く変化していき、適応し、流れをうまく利用する以外に道はない

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  29. CNCFによるクラウドネイティブの定義
    クラウドネイティブ技術は、パブリッククラウド、プライベートクラウド、
    ハイブリッドクラウドなどの近代的でダイナミックな環境において、スケー
    ラブルなアプリケーションを構築および実行するための能力を組織にもたら
    します。 このアプローチの代表例に、コンテナ、サービスメッシュ、マイク
    ロサービス、イミュータブルインフラストラクチャ、および宣言型APIがあり
    ます。
    これらの手法により、回復性、管理力、および可観測性のある疎結合システ
    ムが実現します。 これらを堅牢な自動化と組み合わせることで、エンジニア
    はインパクトのある変更を最小限の労力で頻繁かつ予測どおりに行うことが
    できます。
    https://github.com/cncf/toc/blob/main/DEFINITION.md

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  30. コンピューティングリソースの量が全てを決める
    機械学習、AI、ビッグデータ、ブロックチェーン、etc…
    世界を変えつつある新技術は、従来では考えられない規模のコンピューティ
    ングリソースを大量に消費することで成り立っている。
    人間が直接サーバーを管理してどうにかなる次元では無くなっている。
    ではどうするか? ⇒ クラウドを使おう
    なんでこんなことが出来るようになったか。技術革
    新が進んだというのもありますけど、単純に膨大
    なコンピューティングリソースを素早く調達してぶ
    ん回せるようになったという要素が大きいと考えて
    います。
    それを実現するキーが、クラウドなわけです。

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  31. クラウドで
    高速化したよ
    数分で
    環境作れるよ
    数msで
    処理終わるよ
    前の処理が
    終わったら
    自動で動くよ
    クラウドであれば大量のリソースを素早く作れま
    す。・・・本当に?

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  32. Latency Numbers Every Programmer Should Know
    https://gist.github.com/jboner/2841832
    『プログラマーが知っておくべき数字』としてこうい
    う情報があるのですが
    https://colin-scott.github.io/personal_website/research/interactive_latency.html

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  33. Latency Numbers Every Programmer Should Know
    https://gist.github.com/jboner/2841832
    上司の許可取ってサーバー 1台構築 259,200,000,000,000 ns
    もしあなたが上司の許可を取ってクラウドにサー
    バーを構築する場合、このくらい時間がかかるわ
    けです。文字通り、桁が違う。

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  34. クラウドで
    高速化したよ
    数分で
    環境作れるよ
    数msで
    処理終わるよ
    前の処理が
    終わったら
    自動で動くよ

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  35. 承認待ち
    3日
    他チームの
    返事待ち6時間
    稟議○週間
    意思決定
    3時間
    人間が一連のプロセスに関わることによって、これ
    だけ時間がかかっちゃうわけですね。

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  36. 承認待ち
    3日
    他チームの
    返事待ち6時間
    稟議○週間
    意思決定
    3時間
    VUCAの時代においては、人間の存在自体がボトルネック

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  37. 設定ミス
    伝達漏れ
    見落とし
    機密情報を
    間違って
    コミットする
    しかも人間はミスをするんです。
    まったく、ロクなことしないですね人間

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  38. 設定ミス
    伝達漏れ
    見落とし
    機密情報を
    間違って
    コミットする
    あなたが居ない方が、仕事は早く回る

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  39. 人間を挟まない
    仕組み作り
    API
    API
    API API
    API
    API API
    API
    API
    API
    じゃあどうすればいいかというと、人間の関与を無
    くせばいいわけです。そうすると、コンピューターの
    タイムスケールで物事が進むようになります。

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  40. CNCFによるクラウドネイティブの定義
    クラウドネイティブ技術は、パブリッククラウド、プライベートクラウド、ハイブ
    リッドクラウドなどの近代的でダイナミックな環境において、スケーラブルなアプ
    リケーションを構築および実行するための能力を組織にもたらします。 このアプ
    ローチの代表例に、コンテナ、サービスメッシュ、マイクロサービス、イミュータ
    ブルインフラストラクチャ、および宣言型APIがあります。
    これらの手法により、回復性、管理力、および可観測性のある疎結合システムが実
    現します。 これらを堅牢な自動化と組み合わせることで、エンジニアはインパク
    トのある変更を最小限の労力で頻繁かつ予測どおりに行うことができます。
    https://github.com/cncf/toc/blob/main/DEFINITION.md
    この前提にたって、クラウドネイティブ技術の定義
    を読んでみると、また違った読み方ができます。
    例えばこの近代的でダイナミックな環境とは

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  41. CNCFによるクラウドネイティブの定義
    クラウドネイティブ技術は、パブリッククラウド、プライベートクラウド、ハイブ
    リッドクラウドなどの近代的でダイナミックな環境において、スケーラブルなアプ
    リケーションを構築および実行するための能力を組織にもたらします。 このアプ
    ローチの代表例に、コンテナ、サービスメッシュ、マイクロサービス、イミュータ
    ブルインフラストラクチャ、および宣言型APIがあります。
    これらの手法により、回復性、管理力、および可観測性のある疎結合システムが実
    現します。 これらを堅牢な自動化と組み合わせることで、エンジニアはインパク
    トのある変更を最小限の労力で頻繁かつ予測どおりに行うことができます。
    https://github.com/cncf/toc/blob/main/DEFINITION.md
    APIでコントロール出来る環境

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  42. CNCFによるクラウドネイティブの定義
    クラウドネイティブ技術は、パブリッククラウド、プライベートクラウド、ハイブ
    リッドクラウドなどの近代的でダイナミックな環境において、スケーラブルなアプ
    リケーションを構築および実行するための能力を組織にもたらします。 このアプ
    ローチの代表例に、コンテナ、サービスメッシュ、マイクロサービス、イミュータ
    ブルインフラストラクチャ、および宣言型APIがあります。
    これらの手法により、回復性、管理力、および可観測性のある疎結合システムが実
    現します。 これらを堅牢な自動化と組み合わせることで、エンジニアはインパク
    トのある変更を最小限の労力で頻繁かつ予測どおりに行うことができます。
    https://github.com/cncf/toc/blob/main/DEFINITION.md
    スケーラブルなアプリケーションを構築および実行
    するための能力とは

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  43. CNCFによるクラウドネイティブの定義
    クラウドネイティブ技術は、パブリッククラウド、プライベートクラウド、ハイブ
    リッドクラウドなどの近代的でダイナミックな環境において、スケーラブルなアプ
    リケーションを構築および実行するための能力を組織にもたらします。 このアプ
    ローチの代表例に、コンテナ、サービスメッシュ、マイクロサービス、イミュータ
    ブルインフラストラクチャ、および宣言型APIがあります。
    これらの手法により、回復性、管理力、および可観測性のある疎結合システムが実
    現します。 これらを堅牢な自動化と組み合わせることで、エンジニアはインパク
    トのある変更を最小限の労力で頻繁かつ予測どおりに行うことができます。
    https://github.com/cncf/toc/blob/main/DFINITION.md
    APIを活用して、人間の関与を減らし
    つつ、大量のリソースを自動化でき
    る仕組み作り

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  44. つまり、クラウドネイティブの本質とは
    全ての活動において
    『コンピュータの力でコンピュータを動かす』
    『人間の関与を無くす』
    を実践していくこと。
    https://github.com/cncf/toc/blob/main/DEFINITION.md

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  45. つまり、クラウドネイティブの本質とは
    全ての活動において
    『コンピュータの力でコンピュータを動かす』
    『人間の関与を無くす』
    を実践していくこと。
    技術に限らず適用できる考え方なので、
    私は『クラウドネイティブ思考』もしくは
    『クラウドネイティブマインドセット』と呼んでいます

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  46. こういう質問をよく受けます
    うちはAWSオンリー
    なんだけど、
    Kubernetes使った方が
    良いの?
    コンテナのほうが
    良いのかな・・・
    VMじゃダメ?
    オンプレやめて全部
    クラウドにしました。
    これでクラウドネイティ
    ブだよね?
    ベンダーがクラウド
    ネイティブ製品売り込んで
    きてるんだけど、やっぱりそう
    いうの買った方がいい?
    そう考えると、よく言われるこれらの質問は

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  47. こういう質問をよく受けます
    うちはAWSオンリー
    なんだけど、
    Kubernetes使った方が
    良いの?
    コンテナのほうが
    良いのかな・・・
    VMじゃダメ?
    オンプレやめて全部
    クラウドにしました。
    これでクラウドネイティ
    ブだよね?
    ベンダーがクラウド
    ネイティブ製品売り込んで
    きてるんだけど、やっぱりそう
    いうの買った方がいい?
    些末な問題

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  48. 人を挟まない仕組みを作れるかどうかが全て
    コンテナを使っても、人が挟まったらメリットは消え去る
    docker build
    docker push
    mvn package kubectl apply
    VMを使っても、クラウドネイティブは実現出来る
    git push

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  49. “ボールを走らせろ。ボールは疲れない”
    ヨハン・クライフ

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  50. “クラウドを走らせろ。クラウドは疲れない”

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  51. Value Stream Mapping
    アイディア
    分析
    リリース
    設計
    リリース
    判定会議
    品質判定
    会議
    テスト
    UAT
    コード
    レビュー
    Production
    デプロイ
    開発
    Staging
    デプロイ
    パフォーマ
    ンステスト
    LT: 2d / PT: 1d
    LT: 3d / PT: 2d
    LT: 4d / PT: 3d LT: 1d / PT: 4h LT: 1d / PT: 2h LT: 1d / PT: 6h LT: 7d / PT: 1h
    LT: 1d / PT: 2h
    LT: 1d / PT: 6h
    LT: 10d / PT: 1h
    LT(リードタイム): 31日
    PT(プロセスタイム): 8.75日
    Value Stream Mappingを描いてみるといいでしょう。成果
    を出すための一連のプロセスで、それぞれどれだけ時間
    がかかっているかを書き出します。 PT=実際に手を動かし
    ている時間、LT=待ち時間含めて要した時間

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  52. Value Stream Mapping
    アイディア
    分析
    リリース
    設計
    リリース
    判定会議
    品質判定
    会議
    テスト
    UAT
    コード
    レビュー
    Production
    デプロイ
    開発
    Staging
    デプロイ
    パフォーマ
    ンステスト
    LT: 2d / PT: 1d
    LT: 3d / PT: 2d
    LT: 4d / PT: 3d LT: 1d / PT: 4h LT: 1h / PT: 0.1h LT: 1d / PT: 6h LT: 7d / PT: 1h
    LT: 1h / PT: 0.1h
    LT: 1d / PT: 6h
    LT: 10d / PT: 1h
    LT(リードタイム): 31日⇒29日
    PT(プロセスタイム): 8.75日⇒8.25日
    コンテナ技術を導入することによって、これらのフェーズの
    LTとPTを削減できました。
    累計のLTは2日、PTは0.5日短縮できました。
    ・・・なんかしょぼくない? どうして?
    よく見ると、もっとなんとかすべき項目がありそうです。

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  53. Value Stream Mapping
    アイディア
    分析
    リリース
    設計
    リリース
    判定会議
    品質判定
    会議
    テスト
    UAT
    コード
    レビュー
    Production
    デプロイ
    開発
    Staging
    デプロイ
    パフォーマ
    ンステスト
    LT: 2d / PT: 1d
    LT: 3d / PT: 2d
    LT: 4d / PT: 3d LT: 1d / PT: 4h LT: 1h / PT: 0.1h LT: 1d / PT: 6h LT: 7d / PT: 1h
    LT: 1h / PT: 0.1h
    LT: 1d / PT: 6h
    LT: 10d / PT: 1h
    LT(リードタイム): 31日⇒29日
    PT(プロセスタイム): 8.75日⇒8.25日
    クラウドネイティブ技術より、
    会議をなんとかすべきでは?

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  54. クラウドネイティブの本質とは
    全ての活動において
    『コンピュータの力でコンピュータを動かす』
    『人間の関与を無くす』
    を実践していくこと。
    https://github.com/cncf/toc/blob/main/DEFINITION.md

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  55. その会議、本当に必要?
    ● 品質の判定が必要ならば、会議で話し合うのではなく
    テストを充実させて自動で判断させては?
    ● リリースの判定は、『テストが全て通っていること』を基準にして
    みては?
    ● トラブルが起きたら速やかに切り戻せるようにすれば、
    人間による判定は要らないのでは? (システムの重要度による)
    ● ビジネス視点ではなく、内向き視点の会議ではないか?問題が起き
    た際の責任の所在を曖昧にする目的で合議制にしていないか?

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  56. Value Stream Mapping
    アイディア
    分析
    リリース
    設計
    テスト
    UAT
    コード
    レビュー
    Production
    デプロイ
    開発
    Staging
    デプロイ
    パフォーマ
    ンステスト
    LT: 2d / PT: 1d
    LT: 3d / PT: 2d
    LT: 4d / PT: 3d LT: 1d / PT: 4h LT: 1h / PT: 0.1h LT: 1d / PT: 6h
    LT: 1h / PT: 0.1h
    LT: 1d / PT: 6h
    LT(リードタイム): 31日⇒14日
    PT(プロセスタイム): 8.75日⇒8.5日
    要らない会議を無くすことで、 LTを17日も短縮することが
    できました。半分以下! まさに劇的な効果

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  57. DX
    デジタイゼーション
    会議
    リモート
    会議
    『デジタル化』と一言でいうのではなく、デジタイゼーション・デジタライ
    ゼーション・デジタルフォーメーションに分けて考えるべきと言われます。
    対面の会議をリモート会議にすることを『デジタイゼーション』とすると

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  58. DX
    デジタイゼーション
    会議
    リモート
    会議
    デジタルトランスフォーメーション
    会議
    リモート
    会議
    クラウドネイティブ思考
    クラウドネイティブ思考に則り、人間の関与を無くすためにそもそもの会
    議を無くすこと。これこそが、 真のデジタルトランスフォーメーション といえ
    るのではないかと。

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  59. まとめ
    ● クラウドネイティブの本質は2点
    ○ 『コンピュータの力でコンピュータを動かす』
    ○ 『人間の関与を無くす』
    ● クラウドはAPIにより全てを自動化するポテンシャルを備えており、
    それをフル活用するための技術がクラウドネイティブ技術
    ● クラウドネイティブ思考は技術に限らず全ての人に適用できる。
    全ての人が意識することで、デジタルトランスフォーメーションが
    達成できる

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  60. 全ての人に、クラウドネイティブを

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