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JPA2026_NetworkSymposium_Ogata

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October 05, 2026

 JPA2026_NetworkSymposium_Ogata

日本心理学会第90回大会の公募シンポジウム「心理ネットワークアプローチの最前線:研究手法と領域の広がり,心の個別性・複雑性理解への道筋」のスライド資料です。尾形 明子 先生 (広島大学) より指定討論をいただきました。

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JunKashihara

October 05, 2026

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Transcript

  1. 臨床の視点から見た本シンポジウム 樫原先生 大水先生 下司先生 「症状の低減」<「機能の回復」 「未来の予測」→「対話ツール」 「集団の平均」≠「個人の真実」 治療過程のリアリティを 縦断データと悪循環の連鎖で表現 介入の波及プロセスのリアリティを

    一人ひとりの心のリアリティを 因子とネットワーク構造で表現 数理シミュレーションで表現 診断名や得点といった「ラベル」で人をひとくくりにする理解から、 一人ひとりの「動き方・ダイナミクス」を捉えるアプローチへの転換
  2. 臨床家の「見立て」は何をしている? ・臨床場面は変数に満ちており、そのままでは全体像を捉えられない ・臨床家は、その中から「何が症状を続かせているか」を取り出している ▪ 熟練臨床家の見立てプロセス(Eells et al., 2005) ・症状の「見た目」ではなく、「なぜ続いているのか」で問題をとらえる ・事例ごとに手探りするのではなく、「この問題、こういう背景あり、こういう対処が悪循環を作って

    いる」といった一貫した定式を持っていて、面接で得た情報をその型に沿って整理している ・見立てと治療計画がひとつながりになっている ・「この情報だけでは足りない」情報の不足に敏感で、見立てを仮説として保持し、修正し続ける 臨床家は、頭の中で「個人のネットワーク」を描き、 そこに介入した結果をシミュレーションしている
  3. ただ、頭の中のシミュレーションには限界がある… ▪ 心的シミュレーションの精度は「不明」(Robinaugh et al., 2021) ・悪循環の見立てが実際どうなるかは、頭の中で想像して検討するしかない。 その想像の正確さは誰にもわからない ・曖昧なモデルは仮定や矛盾を隠し、「わかった気にさせる」 ▪

    話題提供のご発表は、この限界に応えるもの ・臨床家が頭の中でしていること 「この人の悪循環はどうなっているか」 「どこに介入するか」 →樫原先生 「介入したらどうなるか」 →大水先生 →下司先生
  4. 下司先生へのコメント 面白かった点 「同じ尺度得点」であっても、背後にある悪循環は人それぞれ異なる ・参加者A:前日の傷つきやすさが翌日の社交性を落とす → 「連鎖を断つ」介入が有効 ・参加者B:日をまたぐ連鎖がほぼなく短気が自己持続 → 「連鎖を断つ」発想自体が成り立たない ⇒

    2人への介入の切り口は全く違ってくる *見立ての個別化。臨床現場の見立てそのもの! 質問 個人差による得点差の意味の揺らぎを踏まえ、従来の質問紙得点による一律の 事前事後比較に代わり、個人のネットワーク構造を反映した介入効果の判定指標を どのように設計していくべき?