Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

AIを使って小説を書こう!【2024/10/25講演資料】

 AIを使って小説を書こう!【2024/10/25講演資料】

2024年10月25日に開催された「AI時代の小説の書き方講座」の講演資料です。

葦沢かもめ

October 26, 2024
Tweet

Other Decks in Technology

Transcript

  1. 自己紹介 自己紹介 • 葦沢かもめ • 名前の由来は「芹沢鴨」のもじり • 東北大 修士(生命科学)、京大 博士(医科学)

    • 第9回日経「星新一賞」一般部門優秀賞(図書カード賞) • AIを利用して執筆した小説として史上初 • 第2回AIアートグランプリ佳作作家としての活動の全てをプログラム化 することで、人間の体が無くなった後も作品を発表し続け、いつか心の 穴を埋めてくれる作品と出逢うことが夢 • 日本SF作家クラブ会員 • 慶應義塾大学サイエンスフィクション研究開発・実装センター研究員 3
  2. クリエイターにはビジョンが重要 クリエイターにはビジョンが重要 8 参考: 岡田 猛, 横地 早和子, 難波 久美子,

    石橋 健太郎, 植田 一博, 現代美術の創作に おける「ずらし」のプロセスと創作ビジョン,認知科学 14 巻 (2007) 3 号 創作ビジョン 上位概念 創作技法 制 作 プ ロ セ ス 作 品 シ リ ー ズ AIであらすじ を作る 水面の遺伝子 小説執筆AI 「ロゾルス」 がツイッター 小説を書いて みた AIで書く (低品質) 作品の一部をAIで書く 壊れた用務 員はシリコ ン野郎が爆 発する夢を 見る あなたはそ こにいます か? 夏の終わり、 君と見た花 火の色 AIを本文にも 使う 小説執筆AIを作る 作家としての活動をプログラム化する AIで 評価 小説評価 予想プロ グラム SHIORI 2017/6 2018/6 2018 2020/7 2022/9 2022/2 あしざわ Twitter小 説集 140字小説 2011/2
  3. クリエイターにはビジョンが重要 クリエイターにはビジョンが重要 9 参考: 岡田 猛, 横地 早和子, 難波 久美子,

    石橋 健太郎, 植田 一博, 現代美術の創作に おける「ずらし」のプロセスと創作ビジョン,認知科学 14 巻 (2007) 3 号 創作ビジョン 上位概念 創作技法 制 作 プ ロ セ ス 作 品 シ リ ー ズ AI漫画 かもめAI 小説塾 作品の一部をAI で書く けなげで 不器用な 作家AITuber アシザワ・ カモメ クロニクラ -Chronicler- AIゲーム 他のメディアの創作手順も 言語化する 作家としての活動を プログラム化する AIを各執筆フェーズに応用 する・ノウハウを広める あしざわ法典 ChatGPTを 使って小説を 書く方法 小説を書 く人のAI 活用術 創造性とは何か 自分の創作の 手順を言語化 する AI Tuber アスクイ AIアニメ 旅 AI雑誌 Sustainab leLife+ 2043年春 号 2023/2 2024/4 2024/10 2022/12 2023/5 2023/3 2023/10 2024/2 2023/11 新しい文芸 を模索する
  4. マインドマップで発想しよう! マインドマップで発想しよう! 12 <プロンプト> 異世界ファンタジー小説を書くために、アイ デアを作成したいです。アイデアを連想する ためにマインドマップのフレームワークを使 います。まず「パーティから外された弱い魔 法使い」から連想される単語を4つ生成し、 次に作成した単語からさらに連想される単語

    を2つ生成して、MarkMapのmarkdown記法を 用いて出力してください。 <出力結果> # パーティから外された弱い魔法使い ## 孤独 ### 自己成長 ### 新たな仲間 ## 復讐 ### 強力な魔法の発見 ### 対立者との再会 ## 冒険 ### 未知の世界 ### 特殊なクエスト ## 挫折 ### 過去の失敗 ### 自信喪失
  5. 読みたくなる「もし~なら?」を考える 読みたくなる「もし~なら?」を考える • それだけで読みたくなるコンセプトは強い! 16 オリエント急行の殺人 もし列車に乗る容疑者全員にアリバイ があったなら? 七人の侍 もし山賊に襲われる村を七人の侍が守

    るなら? かぐや様は告らせたい もし両思いの生徒会長と副会長がプラ イドのせいで告白できないなら? 転生したらスライム だった件 もし異世界にスライムとして転生した ら?
  6. リアルなディテールをつくる リアルなディテールをつくる ## 1. 世界 - **地理** - 地形 -

    気候 - 天然資源 - **生態系** - 動植物 - 自然の脅威(災害、 病気など) ## 2. 社会構造 - **政治** - 政府形態 - 法律と秩序 - 外交関係 - **経済** - 産業 - 通貨 - 貿易 - **技術** - 科学の進歩 - 発明と発見 - 通信手段 ## 3. 文化 - **言語** - 公用語 - 方言 - 書記体系 19
  7. リアルなディテールをつくる リアルなディテールをつくる - **宗教** - 主要宗教 - 儀式と祭事 - 信仰の影響

    - **伝統と慣習** - 衣服 - 食文化 - 芸術と娯楽 ## 4. 位置 - **地理的位置** - 大陸 - 国家 - 都市 - ランドマーク ## 5. 歴史 - **主要な出来事** - 建国の歴史 - 重要な戦争や紛争 - 政治的変遷 ## 6. 人々 - **人種と民族** - 民族構成 - 人種間の関係 - **社会階級** - 階級システム - 階級間の動静 20
  8. リアルなディテールをつくる リアルなディテールをつくる 1. 世界 • 地理 • 地形: この世界は三つの主要な大陸から成り、中心にある「エルディア大 陸」は、険しい山脈、広大な森林、砂漠、氷の平野が混在する多様な地形を

    持つ。魔法の影響で、特定の地域では浮遊する島々や、時間と空間が歪んだ 「裂け目の谷」と呼ばれる異次元への入口が存在する。 • 気候: エルディア大陸の気候は地域ごとに大きく異なり、温暖な海沿いの都 市から、厳しい寒冷地、常に嵐に見舞われる「嵐の荒野」などがある。また、 魔法の乱れによって、突然の気候変動が起こることもある。 • 天然資源: 魔法石(マナクリスタル)が最も重要な資源であり、これが魔法 の力を供給する。また、希少な植物「マグロア」が強力な魔法の薬を生み出 すために重要で、エルディア大陸の経済や冒険者の活動に欠かせない。鉱物 資源も豊富で、特に「エバーメタル」という軽くて強度の高い金属が採掘さ れている。 21
  9. あらすじで全体像を把握する あらすじで全体像を把握する プロンプトにこれまでの情報を全て盛り込む • コンセプト (コンセプトの情報) • 世界観 (世界観の情報) •

    キャラクター (キャラクターの情報) この物語を長編小説にしたいです。あらすじを作成してください。 * 構成: 四部構成 全12章 * 文字数: 500文字程度 28
  10. あらすじで全体像を把握する あらすじで全体像を把握する ### あらすじ: 四部構成(全12章) #### 第1部:追放と覚醒 リリア・アストレアは魔法使いのエリート都市アルカディアで育ったが、魔法の才能が乏 しいと判断され、冒険者パーティから追放される。失意の中、彼女は大陸の辺境へと追い やられ、偶然出会った錬金術師エリオットと共に生活を始める。ある日、彼女は伝説の魔

    導書を手にし、その中に秘められた古代魔法の力を覚醒させる。だが、その力は危険なも のでもあった。 #### 第2部:新たな仲間と旅立ち リリアは覚醒した力を制御するため、世界各地に点在する魔力の源泉を巡る旅を決意する。 旅の途中、戦士カイン、弓使いアメリア、そして盗賊セリーナと出会い、仲間として行動 を共にする。彼らは各地で魔力暴走や魔獣の襲撃に直面しつつ、少しずつ成長していく。 しかし、リリアは自身の力が評議会に狙われていることを知る。 29
  11. 7. 本文 7. 本文 <プロンプト> これまでの情報を元に、第1部第1章を書いてください。 * 視点: 主人公の一人称 *

    文字数: 700字程度 * 描写: その場面での二人の心情を間接的に反映させた描写。 * 登場人物同士の会話を入れてください。 32
  12. 7. 本文 7. 本文 冷たい風が肌を刺す。目の前に広がる暗い森が、まるで私を飲み込もうとしているかの ように揺れていた。後ろにはもう誰もいない。仲間だったはずの人たちが去っていく背中 を、私は見送ることすらできなかった。 「リリア、これ以上はついてこないでくれ」 カインの言葉が、まるで呪いのように頭の中で繰り返される。彼の声はいつもと同じ、 冷静で、優しさすら感じるものだった。しかし、その言葉が私を拒絶するものだというこ

    とは明白だった。心臓が痛む。まるで、何か大切なものが砕け散ったかのように。 「……分かったわ」 私は震える声で答えるしかなかった。何かもっと言いたかった。でも、何も言えなかっ た。彼らが正しいことは分かっている。私は強くない。皆の足手まといだ。だから、こう なるのは当然だった。 33