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Makerガバナンスと攻撃を防ぐための対策

 Makerガバナンスと攻撃を防ぐための対策

MakerDAOのMakerプロトコルは、様々なスマートコントラクトを利用し、
重要な意思決定を行うためのオンチェーン投票に頼たよっています。なぜ投票が重要なのかを理解するために、MakerDAOについて簡単に説明します。

MakerDAOは世界経済に金融の安定性と透明性をもたらすことを目的とした分散型組織です。DAOとは自律分散型組織を意味しています。DAOは組織として、それぞれの関係者が各役割を担当しています。みんながインセンティブをもらえるように、ネットワーク全体の維持を実現し、機能しています。MakerDAOはMakerプロトコルとMakerコミュニティから出来いる組織です。Makerプロトコルは様々なスマートコントラクト、ステブールコインDaiとVaultが含まれます。Maker コミュニティ は MakerDAOの参加者のコミュニティです。開発者、Daiユーザー、MKR保有者、パートナー、Maker Foundationが含まれます。MakerDAOの参加者にはいくつかの種類があります。今回はMakerガバナンスに焦点を当ててみたいので、管理者について説明します。

管理者はMakerプロトコルの中でとても重要なMakerガバナンスを管理する役割を持っています。 ブラックスワンから保護するために資産を分散し、USDペッグを維持するためのレートを調整しています。投票コントラクトのガバナンスシステムを通して、MKR保有者はMakerプロトコルとDaiの金融リスクを管理して、安定性、透明性および効率性を確保しています。リスクチームはMakerガバナンスをサポートするために金融リスクの分析や、新しい担保のオンボーディングおよび既存の担保の規制に関する提案に取り組んでいます。 

ガバナンスの仕組みについてと、ブロックチェーンを活用してどのように不正のない投票を実行するかについて説明します。

Maker ガバナンスはオフチェーンとオンチェーンの 2 つに分けられっています。
まず、オフチェーンを見てみましょう。ステークホルダーは誰でも、フォーラムや毎週公開ガバナンスコールに参加できます。 オフチェーンガバナンスは、議論やコンセンサス形成プロセスを通じて、アイデアを提案につなげます。ガバナンスコールは毎週開催かいさいされたあと、議論がフォーラムで継続けいぞくされ、コンセンサスが形成けいせいされ、その後、暫定リスクチームは、投票の提案を行います。

このプロセスはオープンで透明性がたかいです。これはオフチェーンの部分ですが、つぎにオンチェーンの部分を見てみましょう。 

オンチェーンですが、 
システムの主要な管理者であるMKRトークンを所有している人は誰でも、Maker Protocolのオンチェーンガバナンスシステムを使用して投票できます。
https://vote.makerdao.com/
投票ポータルのページで、MKR保有者は、使いたいウオレットを設定して
MKR権限けんげんを付与ふよしてMKRをロックして、投票します。
 
投票の裏ではなにがどのように動いているのでしょうか?Makerプロトコルは、約十数個のモジュールで構成されています。各かくモジュールはそれぞれいくつかのスマットコントラクトで形成されています。

投票から実際の実行に至るまでには、多くのスマートコントラクトが関わっています。コントラクト・アドレスと投票はオンチェーンで行われているため、プロセスは透明で検証可能です。これらは形式的検証などを使って最高水準で監査かんさされています。また、昨年導入したバグ報奨金プログラムもあります。

詳しくは、MakerのGithubにアクセスしてください。

これらに加えて、どうやってブロックチェーンを使ってさらに不正を防ぐふせぐのか見てみましょう。
この3つのモジュールがMakerプロトコルのセキュリティを守ってます。
まず、オラクル・セキュリティ・モジュールです。オラクルとは、Makerプロトコルが、システムを維持するために市場価格情報を提供しています。価格フィードは、多くの承認されたプロバイダーから提供されています。オラクルが攻撃者の危険にさらされた場合に備えて、OSMが価格を1時間遅おくらせることで、緊急オラクルまたはMakerガバナンス投票がオラクルを凍結とうけつすることができます。   

ガバナンス・セキュリティ・モジュールは悪意あくいあるガバナンスの提案を遅らせます。 この遅延により、MKR保有者は必要に応じてシャットダウンを起動することで、悪意あるガバナンスの提案からシステムを保護する機会を得ることができます。

最後の手段は緊急時シャットダウンです。緊急時シャットダウンは、
インフラに対する攻撃からMakerプロトコルを保護するプロセスです。Dai保有者とVault所有者が受け取るべき資産価値を確認する間、Makerプロトコルを適切に停止します。Dai保有者はシャットダウンの後に、Daiを担保に目標価格を引き換えることができます。

KathleenChu

May 28, 2020
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Transcript

  1.      Makerプロトコル MakerDAOの管理者   管理者 MKR 保有者 リスク チーム 6

    MKR保有者はMakerプロトコルとDaiの金融リス クを管理し、安定性、透明性および効率性を確保 リスクチームは金融リスクの分析や、担保のオン ボーディングおよび規制の提案