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"統合ERP"とアプリケーションアーキテクチャ

 "統合ERP"とアプリケーションアーキテクチャ

2024年 freee技術の日で使用した登壇スライドです。
session archive: https://www.youtube.com/live/Vih4vuNxPT4?si=ZCxIcz6wGu6J0Sxo&t=9300

keitatomozawa

June 01, 2024
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Transcript

  1. 経営を阻む3つの「分断」 1
 業務の分断
 例 • 給与の⽀払額を間違えた • 請求額を間違えた 例 •

    従業員が紙で提出してくれ ない限り、業務が進まない • 紙のありかがわからない 2
 1
 3
 

  2. • マイクロサービスにせよモジュラモノリスにせよ重要になるのはドメイン境 界の設定 ◦ ドメイン境界≠ユーザーから見たサービス境界ではあるが、間違ったドメイン境界の設 定は「業務の分断」に繋がる • 特に物理的に分割された複数のサービス間で後から重要な結びつきが必 要なことがわかると大変 ◦

    物理的な構成を変えるのももちろん大変だし、物理的な構成を変えないままその重要 な結びつきを表現するもの大変 • では何をもってサービスの境界を設定するか? ソフトウェアアーキテクチャにまつわる悩み
  3. • BtoBの領域は多くのSaaSが出現 するより前からパッケージ製品は もちろん、各企業内製のシステム を作っていたり、広く認知されてい るわけではないが様々な知見が 存在している • その中の一部は書籍などで触れ ることができる

    BtoBのドメインは先駆者がいる領域 梅田弘之氏著 「グラス片手に~ 」シリーズ 販売管理システム編では、そっくりそのまま使え るわけではないが、業務の説明に加え詳細なレ ベルでのテーブル設計の例が紹介されている
  4. • 高度に組織化された会社活動では、データを作るために人間が “業務” を 行う ◦ 極論どんぶり勘定で良いのならば財布のお金の増減だけ見れば十分で、管理する必 要のある “業務” は存在しない

    • そのため、どのようなデータを管理したいのかが業務の流れを理解するの には非常に重要 • ドメインの境界をどこに設定するかについては、大雑把にいえば会計処理 にまつわるところは経理部が勤怠や給与は労務部が、といったように実際 の組織を想像した時に違う部署になるような業務領域は、物理的な結合が 必要なほど強い結びつきにはならないことの方が多い データこそが業務の核
  5. • そもそも統合ERPであるfreeeを使うメリットは何か • 日々の記帳をし、決算書を作るだけであれば仕訳が打てるシステムがあれ ば十分 • 統合ERPではその先を提供したい。例えば... ◦ 決算がよくなかった→何が原因かを理解し、対策を打ちたい ◦

    営業利益が赤字になったとして、具体的にどの案件での赤字なのか?どんな経過だっ たか?そもそもの見積もりは? 課題の一例: データの一貫性、トレーサビリティ
  6. • ワークフローにおいては「申請者」と「承認者」の二つの視点がある • 申請者の視点 ◦ 「経費精算申請」をする時は、どういう目的で何にどれだけの金額を使ったかが重要 ▪ 承認された結果、自動的に経費精算の振り込みのデータも作って欲しい ◦ 「有休申請」をする時は、いつ取るかや何日残ってるかなどが重要

    ▪ 承認されたら、勝手に勤怠の登録もして欲しい • 申請者からの視点では、どのドメインの申請であるかは重要 ◦ 申請の画面がその申請が属するドメインのサービスにあるのは自然 課題の一例: ユーザーによる視点の差