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アメリカで働くということ、そして日本人がアメリカで働くために / Work in US as a Software Engineer
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Kentaro Hanaki
December 12, 2023
Technology
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アメリカで働くということ、そして日本人がアメリカで働くために / Work in US as a Software Engineer
Developers CAREER Boost 2023の登壇資料です。
https://event.shoeisha.jp/devboost/20231209/session/4729
Kentaro Hanaki
December 12, 2023
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Transcript
アメリカで働くということ、 そして⽇本⼈がアメリカで働くために 花⽊健太郎 @ 株式会社IVRy
⾃⼰紹介 名前:花⽊健太郎 肩書:Principal AI Engineer @ IVRy 専⾨:機械学習、⾃然⾔語処理
これまでの経歴(詳細) サマーインターン 研究インターン Cognitive SWE SWE/TL in ML 理論物理博⼠ DS修⼠
スタートアップ 界隈へ…
軽く会社のサービス紹介 電話の対応ストレスから解放され、必要な仕事に集中できる ビジネス事業者向けの電話AI SaaS 電話に出られず 受注機会を失うことも ⼈⼿不⾜で 電話対応がしんどい 本当に必要な仕事に集中できる! 道案内など
似たような質問が多い
皆さんは海外で働くことを考えたことはありますか?
海外で働く⽇本⼈エンジニアは近年増えてはきたものの、 まだまだ情報が⼿に⼊りにくいのが現状だと思います
本講演ではアメリカの複数企業でエンジニアとして働いた講演者が、 アメリカの魅⼒とアメリカで働く⽅法について語ります
Disclaimer - 本気でアメリカに⾏きたいならいろんな⼈に話を聞くのがオススメ - アメリカで働いてる⼈に質問すると⼤体は質問に答えてくれるはず - 状況は時と共に変わるので常に最新情報をチェックすべし
アメリカで働くということ
アメリカと⽇本の何が違うのか? 給与 働き⽅ 周りの⼈々
給与
アメリカのエンジニアの給与はめちゃ⾼い? Xでも⾮常に⾼額な給与情報が⾶び交っているが、本当なのか?
アメリカのエンジニアの給与はめちゃ⾼い! ITのメッカであるSFベイエリアの給与の中央値が24万ドル(3600万円) (levels.fyiより引⽤)
Big Techの給与はもっと⾼い - 全員L5(シニア)になる想定 - L5までは新卒から⼤体5〜6年 - L5の給与が40万ドル(6000万円) - GoogleはSFベイエリアでは給与は
⽐較的控えめ - 少なくともMetaはもっと⾼い Googleの給与レンジ (levels.fyiより引⽤)
FAQ: 給料⾼いけど⽣活コストも⾼い? - ⽣活コストは⽣活スタイルに依る - ExpatistanによるとSFの⽣活コストは 東京の約2倍 - 物価の差より年収の差の⽅が⼤きい -
年収のスケールが⼤きいと⼿元に残る お⾦も多くなる - …とはいえ、⽣活スタイルにも依る https://www.expatistan.com/cost-of-living/comparison/tokyo/san-francisco
働き⽅
アメリカの働き⽅は割と⾃由 - 基本的には結果が全て - 結果があれば労働時間は問われない - 極端な例①:13時出社の⼈がいた - 極端な例②:2時間しか働かない⼈がいた -
すごい⻑時間働く⼈もいる - 早く結果を出したい若⼿ - 昇進を控えた⼈々 - 結果出なければクビになることもある - …が、余程サボらない限り⼤丈夫な印象 8:00-8:30 出社 8:30-9:00 朝食 9:00-10:00 ジムで運動 10:00-12:00 仕事 12:00-13:00 昼食・コーヒー 13:00-18:30 仕事 19:00-20:00 夕食 20:00-20:30 帰宅 Google時代の典型的な⼀⽇
レイオフは覚悟と準備が必要 - 個⼈が結果出してるか否かに寄らず、会 社都合でのレイオフはある - レイオフ対象になるかどうかは運次第 (部署レベルで切られる) - いつでもレイオフされる覚悟と、次の職 を⾒つけられるよう常に⾃分の武器を
研ぎ澄ましておく必要がある
周りの⼈々
アメリカには世界中からIT⼈材が集まる AI系⼈材の国家間の推移 - アメリカの⼤学院⽣の2/3は 他の国からの流⼊ - 中国、インドからの流⼊が 多いが他国からも結構来る - ヨーロッパで⼤学院卒業後
アメリカに来る⼈が多い
IBMで所属していたチームの多様性 国籍の多様性 宗教の多様性 インド、パキスタン、 ポーランド、ヨルダン、 ドイツ、中国、⽇本 ヒンドゥー教、イスラム教、 ユダヤ教、キリスト教、 無宗教
強いところに⾏くと「世界選抜」になる アメリカ発の論⽂数は⽇本発の論⽂数の約30倍!
弊研究室も様々な国から強い⼈材が集まっていた 著名な卒業⽣たち - Soumith Chintala(インド):PyTorchメイン開発者 - Wojciech Zaremba(ポーランド):OpenAIを共同創業 - Matt
Zeiler(カナダ):ImageNetコンペ2013優勝。Clarifai創業 - Aditya Ramesh(インド):DALL·E、DALL·E 2の論⽂の筆頭著者 - Denis Yarats(ベラルーシ):Perplexity AIを共同創業
アメリカの何が魅⼒的なのか? 年収の中央値が3600万円 割と⾃由 世界選抜
⽇本⼈がアメリカで働くために
アメリカで働く上での最も⼤きな障壁とは? 英語? 技術⼒?
アメリカで働く上での最も⼤きな障壁とは? アメリカで働くには就労ビザを取るのが⼀番⼤変
⽇本からアメリカの企業に直接応募は厳しい - アメリカの就労ビザ(H-1B)は抽選制 - 2022年の応募者は約31万⼈ - 当選するのは85,000⼈ - 当選率は30%未満 -
企業にとっても抽選はリスク - そもそも選考に進めないことが多い - O-1(卓越能⼒者)ビザがあれば別 - ただしこちらも狭き⾨ https://redbus2us.com/h1b-visa-2023-lottery-predictions-analysis-results-timeline/
(現実的な)就労ビザ取得するルートは主に4つ 以下のいずれかからグリーンカード(GC)に切り替えるのが基本 - アメリカ企業の⽇本⽀社で働いて、アメリカに転籍(L-1) - アメリカの⼤学‧⼤学院を卒業しそのまま働く(F-1→H-1B) - ⽇本企業で働いてアメリカに駐在する(L-1/E-1/E-2) - アメリカ⼈
or GCを取ろうとしてる⼈と結婚する(GC) ⼀応、これ以外にもルートはある(投資家ビザ、カナダ国籍、etc.)
アメリカ企業の⽇本⽀社で働いた後に転籍 取れるビザ:L-1 利点 - 働きつつアメリカを⽬指せる - 会社の⽂化に慣れられる - ⾯接が⽇本語なこともある -
配偶者も働ける ⽋点 - 転籍が可能な会社が少ない - GoogleとかAmazonとか - ⼤体⼊るのが難しそう - ⽇本で1年働かないといけない - 転職が困難(H-1B or GCへの 切替が必要) ⽇本⼈には⼀番メジャーな⽅法
アメリカ⼤学‧⼤学院を卒業した後に就職 取れるビザ:F-1 OPT→H-1B 利点 - ⼤学院なら⼤体H-1Bに繋げる - 英語や⽂化に慣れられる - CS学科なら情報科学の基礎が
⾝に着けられる - コネが出来る ⽋点 - 合格しないといけない - 修⼠なら何とかなる? - 時間と⾦がかかる - 修⼠でも2年 - 修⼠1年の学費が400万 - 働けばすぐに返せる ⽇本⼈以外には⼀番メジャーな⽅法(個⼈的オススメ)
⽇本企業からアメリカに駐在する 取れるビザ:L-1/E-1/E-2 利点 - ⽐較的ハードルが低い - ⽇本語で割と何とかなる - 会社からの⼿厚いサポートが ある
- 配偶者も働ける ⽋点 - GCへの切替が⾄難 - アメリカで働いてる感が薄い - インナーサークルに⼊れない - 積極性が不可⽋ - (給料が不⼗分かも?) 基本⾮推奨だが、ここからアメリカ移住した⼈が何⼈かいる
アメリカ⼈ or GC取ろうとしてる⼈と結婚 取れるビザ:GC(永住権) 利点 相⼿が⾒つかれば ⼀番楽 ⽋点 そんなんで結婚相⼿ 決めてええんか?
GC取得後の⼈と結婚すると複雑なので、取得前に結婚すべし
技術⼒と英語⼒はいらんの?
前提:⽇本のエンジニアの技術レベルは低くない - アメリカが世界選抜なのは最上層の話で、 普通のエンジニアもたくさんいる - コンピュータサイエンスについては⽇本は 重視してないので弱い - (エンジニアに限らず)アメリカの⼈々は コミュ⼒⾼いのでそこも勝てない
- それ以外は⽇本のエンジニアでも戦える https://www.tatvasoft.com/outsourcing/2022/09/software-developer-skills.html
⾯接で技術⼒は問われるが、問われる範囲は狭い - 会社にもチームにも依存する - Big Techでシニア未満だと聞かれるのは データ構造とアルゴリズムのみ - シニア以上はシステム構成も聞かれる -
機械学習エンジニアなど専⾨職については 専⾨についても聞かれる ⾯接は簡単ではないが、対策は⾮常にやりやすい!!! https://www.tatvasoft.com/outsourcing/2022/09/software-developer-skills.html
技術⾯接対策はひたすらにLeetCode 1. アルゴリズムとデータ構造の本を (何でも良いので)⼀冊読む 2. LeetCodeでひたすらに実践 難易度medium以上を50〜400問くらい解くと合格ラインに到達できる
英語⼒(会話)は偉くなるにつれて必要度が増す - 技術に関する読み書きは絶対に必要 - ジュニアだと⾼い会話⼒は求められない - 技術英語は⽇常会話より簡単? - 当然ながら会話できた⽅が楽しい -
シニアになるにはそれなりの会話⼒は必要 - メンタリングやチーム間の利害調整など、 ややこしい話をする機会が増える 何にせよいずれ必要になるので、コツコツ勉強しておくこと推奨
まとめ
- アメリカは給与、働き⽅、周りの⼈々が⽇本とは異なる - アメリカは世界選抜。各国から強い⼈材が集まっている - アメリカで働く上で最⼤の障壁は就労ビザ - ⾯接に必要な技術⼒は、習得法が確⽴されている - 英語はコツコツ勉強しよう