Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
Javaは今どうなっているの? / how about java now
Search
Naoki Kishida
January 07, 2024
Programming
15
20k
Javaは今どうなっているの? / how about java now
2024年1月7日に行われたFukuoka Engineers Dayでの登壇資料です。
Naoki Kishida
January 07, 2024
Tweet
Share
More Decks by Naoki Kishida
See All by Naoki Kishida
AIを活用し、今後に備えるための技術知識 / Basic Knowledge to Utilize AI
kishida
22
5.7k
LLMベースAIの基本 / basics of LLM based AI
kishida
12
3.3k
Java 24まとめ / Java 24 summary
kishida
3
770
AI時代のプログラミング教育 / programming education in ai era
kishida
25
26k
Java Webフレームワークの現状 / java web framework at burikaigi
kishida
10
2.6k
AI時代に求められるプログラマの能力 / ability of programmer in AI era
kishida
19
13k
Java 23の概要とJava Web Frameworkの現状 / Java 23 and Java web framework
kishida
2
550
Java Webフレームワークの現状 / java web framework
kishida
10
11k
Is Object Oriented nesessary? COSCUP 2024
kishida
0
200
Other Decks in Programming
See All in Programming
Flutter with Dart MCP: All You Need - 박제창 2025 I/O Extended Busan
itsmedreamwalker
0
150
請來的 AI Agent 同事們在寫程式時,怎麼用 pytest 去除各種幻想與盲點
keitheis
0
120
アプリの "かわいい" を支えるアニメーションツールRiveについて
uetyo
0
260
AIと私たちの学習の変化を考える - Claude Codeの学習モードを例に
azukiazusa1
10
4k
Vue・React マルチプロダクト開発を支える Vite
andpad
0
110
もうちょっといいRubyプロファイラを作りたい (2025)
osyoyu
1
430
Ruby×iOSアプリ開発 ~共に歩んだエコシステムの物語~
temoki
0
270
Laravel Boost 超入門
fire_arlo
3
210
「待たせ上手」なスケルトンスクリーン、 そのUXの裏側
teamlab
PRO
0
510
ファインディ株式会社におけるMCP活用とサービス開発
starfish719
0
350
Navigating Dependency Injection with Metro
zacsweers
3
260
250830 IaCの選定~AWS SAMのLambdaをECSに乗り換えたときの備忘録~
east_takumi
0
390
Featured
See All Featured
Documentation Writing (for coders)
carmenintech
74
5k
JavaScript: Past, Present, and Future - NDC Porto 2020
reverentgeek
51
5.6k
Automating Front-end Workflow
addyosmani
1370
200k
RailsConf & Balkan Ruby 2019: The Past, Present, and Future of Rails at GitHub
eileencodes
139
34k
Faster Mobile Websites
deanohume
309
31k
Optimising Largest Contentful Paint
csswizardry
37
3.4k
The Art of Delivering Value - GDevCon NA Keynote
reverentgeek
15
1.6k
Raft: Consensus for Rubyists
vanstee
140
7.1k
Designing Dashboards & Data Visualisations in Web Apps
destraynor
231
53k
[RailsConf 2023] Rails as a piece of cake
palkan
57
5.8k
Bash Introduction
62gerente
615
210k
Creating an realtime collaboration tool: Agile Flush - .NET Oxford
marcduiker
31
2.2k
Transcript
Javaは今どうなってるの? 2024-01-07 Fukuoka Engineers Day Javaコミュ@福岡 きしだ なおき
2024/01/07 2 自己紹介 • きしだ なおき • LINEヤフー • twitter:
@kis • 「プロになるJava」という Java入門書を書いてます
2024/01/07 3 Javaは今どうなってるの? • より学習しやすく • スレッドモデルの改善 • オブジェクト指向からデータ指向へ
より学習しやすく • Pythonに入門者が奪われてやばい • javac不要で実行できる • パブリックスタティックヴォイドメインからの脱却
javac不要で実行できる • java sample.java で実行可能 • javacを使うときに困ること • javacではファイル名を指定、javaではパッケージ含むクラス名を指定 •
パッケージについて理解が必要 • パッケージ名と同じフォルダにソースがない場合、コンパイルはできるけど実 行はできない • ファイル名とクラス名をあわせる必要がある • 大文字小文字ではまりがち • ちょっと実行したいときにsample.classができるのも邪魔
パブリックスタティックヴォイドメインからの脱却 • パブリックスタティックヴォイドメインの問題 • おまじないがいっぱいある • publicやstaticは相対的なので最初の段階では説明できない • mainから呼び出すメソッドを定義するときには必要になるのでモヤモヤしつ づけることに
• Stringや[]はがんばれば説明できるけど、まだそのときではない • クラスもいらない • 単にコード置き場に なっている public class Sample { public static void main(String[] args) { System.out.println(“Hello world!”); } }
void mainでいける • void main()でいける • void mainを消すためにはmain以外にも影響のある変更が必要 • まだ試用機能
• Java 23くらい?(9月リリース) • System.outもそのうち消せるかも void main() { System.out.println(“Hello world!”); }
スレッドモデルの改善 • グリーンスレッドの復活 • 構造化並列
グリーンスレッドの復活 • Java1.0ではグリーンスレッドだった • 当時は単一CPU、シングルコアしかなかった • GUIのバックグラウンド処理のためが主な目的 • Java1.1でOSスレッドに対応 •
複数CPUが増え始めた。その後マルチコアが当然に • 複数プロセッサで高負荷処理 • Java 21でグリーンスレッドが「仮想スレッド」として導入 • マルチスレッドの目的が通信時に別の処理をしたいだけが多い グリーンスレッド アプリケーションで管理 軽い 複数コアを使えない OSスレッド OSで管理 重い 複数コアを使える
構造化並列 • サブタスクを2つ別スレッドで呼び出すときの問題 • 片方でエラーが出たとき、もう片方がそのまま処理を続けてしまう • 親スレッドが中断したとき、サブタスクだけ生き残ってしまう
オブジェクト指向からデータ指向へ • オブジェクト指向 • オブジェクト指向はモジュール化技術 • モジュール化はすでに行われてる • ブラウザ-サーバー •
マイクロサービス • サーバレス • プログラムをさらにモジュール化する必要がない • データ指向 • データをデータ(not オブジェクト)として扱う • データの性質を型として定義する
データの性質を型として定義する • 抽象データ型 • 代数データ型 • ポリモーフィズムではなく条件分岐
抽象データ型 • 型の定義の指針 • データの操作だけ公開することで変更に強く柔軟な型を定義 • データ特化のカプセル化 • 操作としてデータ操作だけを含む •
レコード型の導入 • 継承は不可 • interfaceの実装は可 record User(long id, String name) {}
代数データ型 • 型の組み合わせの指針 • 代数的に型を扱う • 代数的=足し算と掛け算 • 直積型 •
直和型
直積型 • 値を組み合わせる型 • レコード、クラス、配列 • 値のとりうるパターンがそれぞれの値のとりうるパターンの積 • record A(boolean
a, byte b) {} • 2 x 256で512とおり
直和型 • いずれかの型になる • とりうるパターンは足し算になる • sealedの導入 sealed interface Op
{ record AddOp(int a, int b) implements Op {} record SubOp(int a, int b) implements Op {} }
ポリモーフィズムではなく条件分岐 • switchの改善 • パターンマッチング
ポリモーフィズムではなく条件分岐 • ロジックを正しく書くには、ロジックが一箇所にまとまっている ほうが便利 • ポリモーフィズムではロジックがクラス別に散らばる • そのロジックにかかわるすべての処理の把握が難しい • しらんところで継承されて把握できない処理がまぎれこむこともある
• sealedで対処可能 • 継承に依存したポリモーフィズムでは対応できないことも多い
switchの改善 • breakとか不要に switch(value) { case 1 -> println(“One”); case
2 -> println(“Two”); }
パターンマッチング • 型ごとの処理 • 構造の分解 int calc(Op op) { return
switch(op) { case AddOp(int a, int b) -> a + b; case SubOp(int a, int b) -> a – b; } }
詳しくはJavaコミュ@福岡の勉強会で • Java22が2024/3/19にリリースされるのでその前後でやります • javaq.connpass.com •