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SELECT FOR UPDATEの話

SELECT FOR UPDATEの話

2024/03/13に開催された「リンケージ×enechain toBシステム開発勉強会 ~ PostgreSQLからReactまで」の発表スライドです。

Keita Kagurazaka

March 13, 2024
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Transcript

  1. 2 Context • 神楽坂といいます • 8年くらいAndroidアプリ開発 • ここ1年ちょっとくらいGo/ReactでWebアプリ開発 • SQL初心者目線でLTします

    ◦ SELECT FOR UPDATEが便利で感動したので ◦ 弊社ではDBは全部PostgreSQLなので、内容はそれに準じます • チームの開発合宿中につきリモートで失礼します
  2. 6 何ができるの? • FOR UPDATE付きのSELECT文は、結果行の行ロックを獲得する ◦ めっちゃ厳密にいうとRowShareLockのテーブルロックも獲得するが略 • ロックは掛けたトランザクションが終了するまで継続 •

    他のトランザクションでロックが掛かった行にUPDATE・DELETE・SELECT FOR UPDATEを しようとすると、ロック解除待ちになる ◦ = ロックかけたトランザクション終了まで待機 • ロックを掛けたトランザクションが行を更新していた場合、ロック解除待ちのSQL文は更新後の 行を見ることになる
  3. 12 Race Condition ほぼ同時に同じEntityを更新するAPIを呼び出した場合を考える APIコールα 1. FindByID (= SELECT) 2.

    メモリ上の状態更新→差分A 3. Store (= UPDATE) APIコールβ 1. FindByID (= SELECT)
  4. 13 Race Condition ほぼ同時に同じEntityを更新するAPIを呼び出した場合を考える APIコールα 1. FindByID (= SELECT) 2.

    メモリ上の状態更新→差分A 3. Store (= UPDATE) APIコールβ 1. FindByID (= SELECT) 行の値 = 初期状態+差分A
  5. 14 Race Condition ほぼ同時に同じEntityを更新するAPIを呼び出した場合を考える APIコールα 1. FindByID (= SELECT) 2.

    メモリ上の状態更新→差分A 3. Store (= UPDATE) APIコールβ 1. FindByID (= SELECT) 2. メモリ上の状態更新→差分B 3. Store (= UPDATE)
  6. 15 Race Condition ほぼ同時に同じEntityを更新するAPIを呼び出した場合を考える APIコールα 1. FindByID (= SELECT) 2.

    メモリ上の状態更新→差分A 3. Store (= UPDATE) APIコールβ 1. FindByID (= SELECT) 2. メモリ上の状態更新→差分B 3. Store (= UPDATE) 行の値 = 初期状態+差分B
  7. 16 Race Condition ほぼ同時に同じEntityを更新するAPIを呼び出した場合を考える APIコールα 1. FindByID (= SELECT) 2.

    メモリ上の状態更新→差分A 3. Store (= UPDATE) APIコールβ 1. FindByID (= SELECT) 2. メモリ上の状態更新→差分B 3. Store (= UPDATE) 行の値 = 初期状態+差分B 差分Aが消失!
  8. 20 行ロックを使ってデータ不整合を回避する ほぼ同時に同じEntityを更新するAPIを呼び出した場合を考える APIコールα 1. FindByID (= SELECT FOR UPDATE)

    2. メモリ上の状態更新→差分A 3. Store (= UPDATE) APIコールβ 1. FindByID (= SELECT FOR UPDATE) a. ロック解除待ち
  9. 21 行ロックを使ってデータ不整合を回避する ほぼ同時に同じEntityを更新するAPIを呼び出した場合を考える APIコールα 1. FindByID (= SELECT FOR UPDATE)

    2. メモリ上の状態更新→差分A 3. Store (= UPDATE) APIコールβ 1. FindByID (= SELECT FOR UPDATE) a. ロックが解除! 行の値 = 初期状態+差分A
  10. 22 行ロックを使ってデータ不整合を回避する ほぼ同時に同じEntityを更新するAPIを呼び出した場合を考える APIコールα 1. FindByID (= SELECT FOR UPDATE)

    2. メモリ上の状態更新→差分A 3. Store (= UPDATE) APIコールβ 1. FindByID (= SELECT FOR UPDATE) a. 初期状態+差分Aが返る
  11. 23 行ロックを使ってデータ不整合を回避する ほぼ同時に同じEntityを更新するAPIを呼び出した場合を考える APIコールα 1. FindByID (= SELECT FOR UPDATE)

    2. メモリ上の状態更新→差分A 3. Store (= UPDATE) APIコールβ 1. FindByID (= SELECT FOR UPDATE) a. 初期状態+差分Aが返る 2. メモリ上の状態更新→差分B 3. Store (= UPDATE)
  12. 24 行ロックを使ってデータ不整合を回避する ほぼ同時に同じEntityを更新するAPIを呼び出した場合を考える APIコールα 1. FindByID (= SELECT FOR UPDATE)

    2. メモリ上の状態更新→差分A 3. Store (= UPDATE) APIコールβ 1. FindByID (= SELECT FOR UPDATE) a. 初期状態+差分Aが返る 2. メモリ上の状態更新→差分B 3. Store (= UPDATE) 行の値 = 初期状態+差分A+差分B
  13. 30 ジョブのテーブルを考える CREATE TABLE job ( id BIGSERIAL PRIMARY KEY,

    message TEXT, created_at TIMESTAMPTZ NOT NULL DEFAULT CURRENT_TIMESTAMP, completed_at TIMESTAMPTZ NULL ); CREATE INDEX idx_job_created_at ON job (created_at); CREATE INDEX idx_job_completed_at ON job (completed_at);
  14. 31 ジョブの取り出し created_at の昇順で取り出していく仕様とする BEGIN; SELECT * FROM job WHERE

    completed_at is NULL ORDER BY created_at LIMIT 1 FOR UPDATE SKIP LOCKED; UPDATE job SET completed_at = $1 WHERE id = $2; COMMIT;
  15. 32 ジョブの取り出し created_at の昇順で取り出していく仕様とする BEGIN; SELECT * FROM job WHERE

    completed_at is NULL ORDER BY created_at LIMIT 1 FOR UPDATE SKIP LOCKED; UPDATE job SET completed_at = $1 WHERE id = $2; COMMIT; 未完了なジョブのうち
  16. 33 ジョブの取り出し created_at の昇順で取り出していく仕様とする BEGIN; SELECT * FROM job WHERE

    completed_at is NULL ORDER BY created_at LIMIT 1 FOR UPDATE SKIP LOCKED; UPDATE job SET completed_at = $1 WHERE id = $2; COMMIT; 作成時昇順で1件だけ取得
  17. 34 ジョブの取り出し created_at の昇順で取り出していく仕様とする BEGIN; SELECT * FROM job WHERE

    completed_at is NULL ORDER BY created_at LIMIT 1 FOR UPDATE SKIP LOCKED; UPDATE job SET completed_at = $1 WHERE id = $2; COMMIT; 取り出したジョブに行ロック
  18. 35 ジョブの取り出し created_at の昇順で取り出していく仕様とする BEGIN; SELECT * FROM job WHERE

    completed_at is NULL ORDER BY created_at LIMIT 1 FOR UPDATE SKIP LOCKED; UPDATE job SET completed_at = $1 WHERE id = $2; COMMIT; すでに行ロックが獲得されている行は 解除待ちせずに飛ばす
  19. 40 つまりどう動くのか 複数のWorkerがジョブキューにたまったジョブを取り出して処理することを考える Worker α 1. BEGIN 2. SELECT a.

    ロック獲得 Worker β 1. BEGIN 2. SELECT 未完了jobテーブル • Job1 • Job2 • Job3 既にロックが 獲得されてるな
  20. 41 つまりどう動くのか 複数のWorkerがジョブキューにたまったジョブを取り出して処理することを考える Worker α 1. BEGIN 2. SELECT a.

    ロック獲得 Worker β 1. BEGIN 2. SELECT 未完了jobテーブル • Job1 • Job2 • Job3 SKIPして 次をみよう
  21. 42 つまりどう動くのか 複数のWorkerがジョブキューにたまったジョブを取り出して処理することを考える Worker α 1. BEGIN 2. SELECT a.

    ロック獲得 Worker β 1. BEGIN 2. SELECT a. ロック獲得 未完了jobテーブル • Job1 • Job2 • Job3
  22. 43 つまりどう動くのか 複数のWorkerがジョブキューにたまったジョブを取り出して処理することを考える Worker α 1. BEGIN 2. SELECT a.

    ロック獲得 3. 処理 4. UPDATE completed_at Worker β 1. BEGIN 2. SELECT a. ロック獲得 3. 処理 4. UPDATE completed_at 未完了jobテーブル • Job1 • Job2 • Job3
  23. 44 つまりどう動くのか 複数のWorkerがジョブキューにたまったジョブを取り出して処理することを考える Worker α 1. BEGIN 2. SELECT a.

    ロック獲得 3. 処理 4. UPDATE completed_at 5. COMMIT Worker β 1. BEGIN 2. SELECT a. ロック獲得 3. 処理 4. UPDATE completed_at 5. COMMIT 未完了jobテーブル • Job3
  24. 45 利点 • ロック解除待ちをさせずに、複数の消費者がキューから値をパラレルにpopする処理を実現で きる • 優先順位をつけることもORDER BY使えば簡単 ◦ 今回の例だと作成日時順でしたが、別途priorityカラムを作って第1ソートキーに

    • 他のユースケースは思いつかないので、知見のある方教えてください! ◦ 公式ドキュメントにも「行のロックをスキップすると、一貫性のないデータが見えることにな るので、一般的な目的の作業のためには適しませんが、複数の消費者がキューのような テーブルにアクセスするときのロック競合の回避などに利用できます。」と記載
  25. 46 私のチームで使ったところ • Cloud Pub/Sub利用時のOutboxパターン ◦ イベント発生時にメッセージ送信予約を同じトランザクションでDBに書く ◦ ポーリングでそのテーブルを見て、予約があったらそのメッセージを送信する ▪

    この予約テーブルがジョブキューに該当 • 我々のユースケースだとメッセージの送信順は発生順と揃ってなくて良かったので、メッセージ 送信は並列処理させている ◦ これがロック待ちなしでできるのが嬉しさ