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進化計算を用いた三次元バイナリマニピュレータの設計 / Design of Three-Dimensional Binary Manipulator Using Genetic Algorithm

konakalab
March 16, 2023

進化計算を用いた三次元バイナリマニピュレータの設計 / Design of Three-Dimensional Binary Manipulator Using Genetic Algorithm

トラス構造の三次元バイナリマニピュレータの構造(伸縮長)の設計法を提案し,数値例により検証しました.手先到達点の集合の評価として,最大空円およびコルモゴロフ・スミルノフ統計量を利用しています.

電子情報通信学会システム数理と応用研究会(2023年3月開催)で発表しました.

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March 16, 2023
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  1. 進化計算を用いた
    三次元バイナリマニピュレータの
    設計
    名城大学大学院 理工学研究科 情報工学専攻
    杉林 恵多* 小中 英嗣

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  2. 目次
    • 研究背景
    • 研究目的
    • 提案手法
    – 評価指標
    – 最適化手法
    • 数値実験
    • まとめ
    参考文献
    2

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  3. 目次
    3
    • 研究背景
    – マニピュレータ
    – バイナリマニピュレータ
    • 研究目的
    • 提案手法
    – 評価指標
    – 最適化手法
    • 数値実験
    • まとめ
    参考文献

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  4. マニピュレータ
    現在、多くの工場で様々なマニピュレータが稼働している
    4
    https://robotics.kawasaki.com/ja1/xyz/jp/1804-03/

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  5. バイナリマニピュレータ
    各アクチュエータが伸びと縮みの二値のみの状態を
    とりうるマニピュレータ
    小中英嗣,バイナリマニピュレータ・ハイブリッドマニピュ
    レータ,計測と制御,Vol56,No7,pp503-508,2017
    5

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  6. バイナリマニピュレータ
    伸縮の状態を変えることで、様々な形状をとる
    6

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  7. 目次
    7
    • 研究背景
    • 研究目的
    – バイナリマニピュレータの問題点
    – 研究目的
    • 提案手法
    – 評価指標
    – 最適化手法
    • 数値実験
    • まとめ
    参考文献

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  8. 手先の到達点の分布
    伸縮長を変化せることで、手先の到達点の分布が変化
    8

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  9. 問題点
    伸縮長を変化せることで手先の到達点の分布が変化
    手先の到達点は離散的な分布
    目標位置とは常に誤差が生じる
    バイナリアクチュエータの伸
    縮長を設計し、目標位置との
    誤差をできるだけ小さくする
    9

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  10. 研究目的
    設計
    バイナリマニピュレータの目標位置との
    誤差をできるだけ小さくする
    バイナリマニピュレータに作業させたい領域を作業領域
    として定義し、作業領域内をくまなく均一に覆うことが
    できるようなバイナリマニピュレータの各アクチュエー
    タの伸縮長を求める
    作業領域内をくまなく均一に覆う事に関する評価
    進化計算を用いて、バイナリアクチュエータの伸
    縮長を変化させる
    目的
    10

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  11. 目次
    11
    • 研究背景
    • 研究目的
    • 提案手法
    – 評価指標
    • 最大空円
    • KS統計量
    – 最適化手法
    • 数値実験
    • まとめ
    参考文献

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  12. 最大空円
    手先の到達点と目標位置の誤差の最大値
    最大空円
    12
    大 小
    低 高
    半径
    密度

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  13. 最大空円
    空間上に作業させたい領域を定義する
    手先の到達点(母点)
    13

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  14. 最大空円
    空間上に作業させたい領域を定義する
    手先の到達点(母点)
    14

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  15. 最大空円
    母点と隣接するボロノイ頂点の距離の最大値を求める
    手先の到達点(母点) ボロノイ頂点
    15

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  16. 最大空円
    母点と隣接するボロノイ頂点の距離の最大値を求める
    手先の到達点(母点)
    16
    ボロノイ頂点

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  17. KS統計量
    理想的な手先位置(作業領域内で発生させた一様分布)の
    距離分布に近づけたい
    コルモゴロフ・スミルノフ(KS)統計量
    手先の到達点の分布 理想的な手先位置の分布
    17

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  18. KS統計量
    𝐷 = max
    𝑥

    𝐹 𝑥 − 𝐺(𝑥)
    作業領域の中心からバイナリマニピュレータの手先の到達点
    までの距離𝑥に対する累積分布関数

    𝐹 𝑥
    作業領域の中心から作業領域内で発生させた一様分布の各点
    から得られる距離𝑥に対する累積分布関数
    𝐺(𝑥)
    18

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  19. 評価指標
    作業領域内をくまなく均一に覆うことに関する評価指標と
    して、最大空円とKS統計量を用いる
    最大空円
    KS統計量
    手先位置の誤差の最大値
    理想的な点の分布に近づく
    19

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  20. 評価関数
    𝑤1
    , 𝑤2
    > 0 𝑤1
    +𝑤2
    = 1
    𝐽 = 𝑤1
    × 𝑟𝑚𝑒𝑐
    + 𝑤2
    × 𝐷
    最大空円の半径 KS統計量
    𝐽の値が小さくなるほど、手先の到達点
    の分布が作業領域内をくまなく均一に
    覆うことを表している
    20

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  21. 目次
    21
    • 研究背景
    • 研究目的
    • 提案手法
    – 評価指標
    – 最適化手法
    • 進化計算
    • 数値実験
    • まとめ
    参考文献

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  22. 提案手法
    進化計算
    遺伝的アルゴリズム:生物の遺伝と進化のモデルを利用
    した最適化手法の一手法である。
    遺伝的操作により、よりよい個体を生成する
    交叉、突然変異など
    遺伝子
    各バイナリアクチュエータの基準の長さを𝐷0
    とした
    伸縮長の情報をもつ
    ∆𝒅 = ∆𝑑1
    , ⋯ ∆𝑑𝑖
    , ⋯ ∆𝑑6×𝐵
    𝑇
    22

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  23. 提案手法のアルゴリズム
    23
    適応度関数として𝐽 (= 𝑤1
    × 𝑟𝑚𝑒𝑐
    + 𝑤2
    × 𝐷)を
    定義
    1.

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  24. 提案手法のアルゴリズム
    24
    初期個体の集団
    乱数を用いて、個体を𝐼個持つ初期個体の集団
    を生成
    2.
    ・・・個体
    ・・・遺伝子

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  25. 提案手法のアルゴリズム
    25
    0.3
    0.4
    0.6
    0.5
    0.7
    𝑔世代目の集団に対して、適応度関数(J)を用いて
    それぞれの個体の適応度を求める
    3.
    適応度
    ・・・個体
    ・・・遺伝子

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  26. 提案手法のアルゴリズム
    26
    順位 1 2 3 4 5
    個体
    適応度 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7
    適応度の下位40%の個体を淘汰するエリート戦略
    を行う
    4.
    ・・・個体
    ・・・遺伝子

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  27. 4 5
    0.6 0.7
    提案手法のアルゴリズム
    27
    順位 1 2 3
    個体
    適応度 0.3 0.4 0.5
    淘汰
    適応度の下位40%の個体を淘汰するエリート戦略
    を行う
    4.
    ・・・個体
    ・・・遺伝子

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  28. 提案手法のアルゴリズム
    元の集団の上位40%の個体から2つの個体をラン
    ダムに選択し、交叉点を2つ選び、二点交叉を行
    い、新しい個体を淘汰した数だけ生成
    5.
    親1
    交叉点1 交叉点2
    親2
    交叉点1 交叉点2
    28

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  29. 提案手法のアルゴリズム
    親1 親2
    子2
    子1
    29
    元の集団の上位40%の個体から2つの個体をラン
    ダムに選択し、交叉点を2つ選び、二点交叉を行
    い、新しい個体を淘汰した数だけ生成
    5.

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  30. 提案手法のアルゴリズム
    突然変異発生
    30
    淘汰を生き残った集団の上位40%以外の個体と
    交叉によって生成された新しい個体に対して、
    確率mで突然変異を繰り返す
    6.

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  31. 提案手法のアルゴリズム
    31
    𝑔 + 1世代
    元の集団の上位40%と突然変異を行った個体を
    𝑔 + 1世代の集団として生成
    7.
    ・・・個体
    ・・・遺伝子

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  32. 提案手法のアルゴリズム
    32
    𝐺世代
    ・・・
    𝑔世代 𝑔 + 1世代
    3から7の処理を繰り返し行い、世代数が𝐺に達す
    ると処理を終了
    8.
    ・・・個体
    ・・・遺伝子

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  33. 目次
    33
    • 研究背景
    • 研究目的
    • 提案手法
    – 評価指標
    – 最適化手法
    • 数値実験
    – 実験条件
    – 実験結果
    • まとめ
    参考文献

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  34. 実験条件
    𝐵 = 4のバイナリマニピュレータの伸縮長を求める
    作業領域 中心(0,0,32)の半径2の球
    バイナリアクチュエータの基準長を8、伸縮の範囲を(0,2)
    𝐽 (= 𝑤1
    × 𝑟𝑚𝑒𝑐
    + 𝑤2
    × 𝐷)の重みを𝑤1
    = 0.75、𝑤2
    = 0.25
    初期集団の個体数 𝐼 = 50 、突然変異の確率 𝑚 = 0.15 、
    終了条件の世代数 𝐺 = 500
    34

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  35. 実験結果(各世代ごとの最良個体)
    第1世代から第500世代までの手先の到達点の分布の変化
    35

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  36. 実験結果(第1世代)
    𝑟𝑚𝑒𝑐
    = 1.1343 𝐷 = 0.3248
    𝐽 = 0.9319
    36

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  37. 実験結果(第500世代)
    𝑟𝑚𝑒𝑐
    = 0.3643 𝐷 = 0.2943
    𝐽 = 0.3468
    37

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  38. 実験結果(比較)
    𝑟𝑚𝑒𝑐
    = 0.3643, 𝐷 = 0.2943,
    𝐽 = 0.3468
    𝑟𝑚𝑒𝑐
    = 1.1343, 𝐷 = 0.3248,
    𝐽 = 0.9319
    第1世代 第500世代
    38

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  39. 実験結果
    進化計算を用いることで𝑟𝑚𝑒𝑐
    と𝐷の値が減少していき、
    評価関数の値𝐽も減少した
    手先の到達点の分布が作業領域をくまなく均一に覆う
    39

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  40. 目次
    40
    • 研究背景
    • 研究目的
    • 提案手法
    – 評価指標
    – 最適化手法
    • 数値実験
    • まとめ
    – まとめ
    – 今後の課題
    参考文献

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  41. まとめ
    • 進化計算を用いて、バイナリアクチェータの値を変
    化させることで、様々なバイナリマニピュレータの
    手先の到達点の分布を求めることができた。第500
    世代まで処理をすることで、評価関数の値を約37%
    まで小さくすることができた。
    • 評価関数として最大空円とKS統計量を用いること
    で、作業領域内をくまなく均一に覆うことができた。
    41

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  42. 今後の課題
    • 作業領域を凹凸のある図形やピックアンド
    プレイスを想定した異なる2領域に定義した
    ときのバイナリマニピュレータの設計
    42

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  43. 参考文献
    • 産業用ロボットはどんな構造?ロボットアームが動く仕組みを徹底
    解説,
    https://robotics.kawasaki.com/ja1/xyz/jp/1804-03/
    • 小中英嗣,バイナリマニピュレータ・ハイブリッドマニピュレータ,
    計測と制御,Vol56,No7,pp503-508,2017
    43

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