Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

Apple Vision Proにみるビデオシースルー型HMDと光学式ARグラスの比較・考察

Apple Vision Proにみるビデオシースルー型HMDと光学式ARグラスの比較・考察

kotauchisunsun

August 11, 2023
Tweet

More Decks by kotauchisunsun

Other Decks in Technology

Transcript

  1. 自己紹介 ~仕事編~ • @kotauchisunsun • Psychic VR Lab 2019年入社 • PF部

    EM・事業責任者 • STYLYからの挑戦状の執筆 • 積極採用中 ◦ Unityエンジニア ◦ サーバーサイドエンジニア ◦ 企画/ディレクター ◦ グローバルマーケティング XRアーティスト教育 都市型XRエンターテインメント プラットフォームサービス
  2. なぜ重量に注目するか? 重量 Quest Pro 720.5g HoloLens2 556g XREAL Light 76g

    一般的な眼鏡 30g 仮説:  ARグラスが日常利用されるには  眼鏡程度の重さに近づく必要があるのではないか? 軽いとされるARグラスでも 眼鏡の2倍以上重い。 AppleVisionProはどれくらいの重さ? 常用できるのか?
  3. ビデオシースルーと光学式の比較 ビデオシースルーの仕組み カメラ ディスプレイ 本体重量 電池重量 長時間稼働したい =電池の重量増加 大型の表示装置は重い 高消費電力

    光学式の仕組み 自然光 表示装置が小型なので軽い ハーフミラー or 導光版 ※私見 • ビデオシースルー式は重い • 光学式は軽い 本体重量
  4. ビデオシースルー 本体重量 消費電力 分離型 重量 一体型 電池重量 光学式 稼働時間 +

    ++ + + + + + - 電池は分離する • 本体を軽くする 光学式を選択する -
  5. 名称 HoloLens2 XREAL Light INMO Air Spectacles 4 重量 556g

    76g 79g 134g 電池 一体型 分離型 一体型 一体型 XREAL Lightは何故軽いか? • スマホと接続して使うタイプ →ARグラス側に電池を持たないため、軽い。
  6. 名称 HoloLens2 XREAL Light INMO Air Spectacles 4 重量 556g

    76g 79g 134g 空間認識 〇 〇 ✖ 〇 電池 一体型 分離型 一体型 一体型 INMO Airは何故軽いか? • INMO社は中国の会社 • Googleの認定を受けていない • ARCoreの空間認識が使えない • どちらかというとHUD(ヘッドアップディスプレイ )に近い • 空間認識をする必要がなく、消費電力が抑えられる →電池の重量が少なくてすむため軽い。
  7. 名称 HoloLens2 XREAL Light INMO Air Spectacles 4 重量 556g

    76g 79g 134g 空間認識 〇 〇 ✖ 〇 電池 一体型 分離型 一体型 一体型 稼働時間 3h - 4.5h 0.5h Spectacles 4に死角はないのか? • 空間認識を搭載 → 高消費電力 • 軽さを実現する → 電池容量を削減 →稼働時間が極端に短くなる • Spectacles 4は非売品で実験的な側面が強そう。
  8. 名称 HoloLens2 XREAL Light INMO Air Spectacles 4 重量 556g

    76g 79g 134g 空間認識 〇 〇 ✖ 〇 電池 一体型 分離型 一体型 一体型 稼働時間 3h - 4.5h 0.5h • 電池一体型は基本的に重い (XREAL Lightは分離型なので軽い ) • 空間認識をしない場合、電池を多く必要としない (INMO Airは空間認識しない) • 電池一体型で、空間認識をして、電池を軽くする →稼働時間が短くなる。 (Spectacles4) • 空間認識をして、一体型で、稼働時間を長くしたい場合は、重量が重くなる。 (Hololens2) 各ARグラスの重量と仕様の比較 軽いARグラスの軽い理由はそれぞれ全部異なる。
  9. ビデオシースルー 本体重量 消費電力 分離型 空間認識 重量 一体型 電池重量 光学式 稼働時間

    + + ++ + + + + + - 空間認識をしない 電池は分離する 光学式を選択する • 本体を軽くする -
  10. ビデオシースルー 本体重量 消費電力 分離型 空間認識 重量 一体型 電池重量 光学式 稼働時間

    + + ++ + + + + + - 空間認識をしない 電池は分離する 光学式を選択する 解像度・FOV ++ + ビデオシースルーを 選択する • 本体を軽くする • 体験を良くする -
  11. AppleVisionの戦略(予測) • 映像が綺麗で解像度を高く・視野角を広くとりたい ◦ ビデオシースルーで本体重量が増えた ◦ ビデオシースルーで電池重量が増えた • 空間認識したい ◦

    消費電力が多くなり電池重量が増えた • 本体を軽くしたい ◦ 電池を分離型にした • 技術構成の選択肢 ◦ 一体型にして、空間認識をしない。 ◦ 一体型にして、電池重量を少なくしたために、稼働時間が短くなる。 ◦ …. 分離型でも、ビデオシースルーで空間認識をする方が体験が良い。とAppleが判断した。
  12. ビデオシースルー 本体重量 消費電力 分離型 空間認識 重量 一体型 電池重量 光学式 稼働時間

    + + ++ + + + + + - 空間認識をしない 電池は分離する 光学式を選択する 解像度・FOV ++ + ビデオシースルーを 選択する • 本体を軽くする • 体験を良くする AppleVisionの戦略(予測) 映像が綺麗で解像度を高く・視野角を広くとりたい →ビデオシースルーで本体重量が増えた →ビデオシースルーで電池重量が増えた 空間認識したい →消費電力が多くなり電池重量が増えた 本体を軽くしたい →電池を分離型にした -
  13. AppleVisionProと似た構成のHMD Apple Vision Pro VIVE Flow VIVE XR Elite 表示系

    ビデオシースルー ビデオシースルー ビデオシースルー 重量 ? 189g 625g (273g:電池なし) FOV ? 100° 110° 解像度 ? 1600x1600 1920x1920 空間認識 〇 〇 〇 電池 分離型 分離型 一体型/分離型 稼働時間 2h - 2h
  14. まとめ • ARとは、現実世界の映像に対し、CGをリアルタイムに合成する表現手法 • AR表現を行えるデバイスにはビデオシースルーと光学式がある • 現在のデバイスの重量は電池の重さが支配的 • ビデオシースルー型の特徴 ◦

    高解像度・FOVが広い ◦ 高消費電力のため電池の重量が大きくなる ◦ カメラやディスプレイが必要なため本体が重くなる • 光学式の特徴 ◦ 低解像度・FOVが狭い ◦ 低消費電力のため電池の重量が小さくてすむ ◦ 光学系やディスプレイが小型なため本体が軽くなる • 空間認識の消費電力は大きい • Apple Vision Proの重量は約300g? • 一般的な眼鏡は30g程度、常用する未来はまだ先。