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"2 - 4時は見られません"を深掘りしてみる

kuri8ive
July 15, 2022

"2 - 4時は見られません"を深掘りしてみる

Mixed Methodsに関する社内勉強会で発表した資料です。
内容は「Because I’m Restricted, 2 – 4 PM Unable to See Messages: Exploring Users’ Perceptions and Likely Practices around Exposing Attention Management Use on IM Online Status」というCHI'22の論文紹介になります。
https://dl.acm.org/doi/10.1145/3491102.3517616

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July 15, 2022
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Transcript

  1. "2ー4時は見られません"を深掘りしてみる
    栗本真太郎(@kuri8ive)
    2022年7月15日 Mixed Methods 勉強会
    Ad Data Science Team

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  2. 2/33
    目的
    CHI'22論文*1から
    LINE改善のヒントを得ること
    *1 because I’m Restricted, 2 – 4 PM Unable to See Messages: Exploring Users’ Perceptions and Likely Practices
    around Exposing Attention Management Use on IM Online Status (CHI'22)

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  3. 背景
    いつでも見られるけどいつでも見てはいないよ

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  4. 4/33
    IMアプリによっていつでもどこでもメッセージの送受信が実現
    これらは気晴らしになる一方で注意力の散逸にもつながるため、
    特定のアプリの使用に時間制限を課す[61, 99]

    通知をブロックする[6, 38]
    といった注意管理ツールが開発されてきた
    Instant-Messaging(IM)アプリの普及と注意管理ツール
    図参照元: https://laicon.linecorp.com/details/line-messenger?variant=labr&category=all&q=line,
    https://fontawesome.com/icons/whatsapp-square?s=brands,https://fontawesome.com/search?q=slack&s=solid%2Cbrands

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  5. 5/33
    IMアプリが注意散漫の主因の一つ
    →独自の注意管理機能を組み込むのにうってつけだよね?
    (最近iOSで実装されたフォーカスモードは↑への支持を示唆してるよねー)
    でも、注意管理とコミュニケーションツールの統合は
    これまでほとんど研究されてきてない!なのでやります!
    IMアプリ自体への注意管理機能の組み込み

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  6. 6/33
    注意管理機能によって注意散漫は確かに減らせる[72, 73]
    が、
    • 取り残されることへの不安(FOMO)[73, 88, 100]
    • 会話相手の自分のレスポンスに対する期待に応えられない不安[88]
    をもたらす可能性があり、
    このような不安から生じる義務感は関係満足度低下につながることが示唆[41]
    注意管理機能の副反応

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  7. 7/33
    オンライン・ステータス・インジケーター(OSI)などによって
    • 互いのコミュニケーションへ可否についての期待をうまく形成[23, 26, 106]
    • 応答的でなければならないという社会的圧力を緩和する可能性[66, 82]
    IMユーザーの注意制限状態の開示
    →応答への圧力軽減・注意散漫の軽減のいずれにおいても有益であることが示唆
    主流のIMアプリに含まれる"気づきの手がかり"の有用性

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  8. 8/33
    注意管理とコミュニケーションツールの統合から生じる
    ユーザーの認識、受容、起こりうる懸念には
    どのようなものがあるか
    明らかにしたいこと

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  9. データ収集
    スピードデーティングでコメントを引き出すよ

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  10. 10/33
    媒体
    ビデオ会議
    方法
    スピードデーティング[30]
    によるさまざまな注意管理の提示
    参加者
    注意管理ツール or Do-Not-Disturb機能のいずれかを使用した経験のある
    台湾のIMユーザー43名
    (※Facebook Messenger and/or LINE Messengerを使用)
    実験概要

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  11. 11/33
    スピードデーティングにより、
    IM上のさまざまな注意管理を参加者に提示し議論を求めた
    スピードデーティングによるコメント収集

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  12. 12/33
    それぞれに時刻情報の精度など多数のバリエーションを用意
    例)「10分間応答不能」「メッセージ受信数10/100」
    モックアップのバリエーション
    ①利用時間可能表示 ②③未来の利用可否
    ④連絡先制限
    ⑤メッセージ数制限
    ⑥文字制限

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  13. 分析
    注意管理とコミュニケーションツールの
    統合から生じる
    ユーザーの認識、受容、起こりうる懸念には
    どのようなものがあるか

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  14. 14/33
    「今は仕事をしている予定の時間」「すぐに返信することを期待しないで」
    「返信したくないというより、忙しくて返信できない」を相手に示せてハッピー
    ただ、著者らは、参加者が注意制限利用明示にどのような懸念を抱いているのか、
    この機能を使って何をするのかしないのか、その理由の理解に主眼を置きたい、
    ということで以降その説明
    (1/12)注意制限利用明示のさまざまな利点を感じる参加者

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  15. 15/33
    特に、緊急時に連絡がとれなくなる、重要な情報が届かない、
    貴重な機会を逃すことを心配していた
    例えば、「一刻を争う」(P41)案件では、
    重要な他者・同僚・上司・顧客が「見つけられない」(P21)ことにより、
    コミュニケーション制限によって「失敗」(P25)することを懸念
    「同僚がて解決策を提示してくれるのに、
    たまたまメッセージの制限に達してしまったら本当に残念。」(P12)
    (2/12)FOMOが注意制限利用を妨げる
    以降、参加者をPと表記

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  16. 16/33
    「逃げ道を残しておく」(P29)ことが重要で、
    • 制限には無制限時間の延長(P14)
    • 条件付き制限解除(P21、P29)
    • 代替手段の制限不発動(P25)
    などの例外を設けるべきとの意見が多数
    (2/12)FOMOを克服するには?

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  17. 17/33
    ほとんどの参加者は、制限期間を明示的かつ正確に開示することを支持
    • 「あと数分」など、会話相手に制限を誤解させるような曖昧性を、
    利用できない期間を明確に示すことが好きな参加者は嫌ったよう(P38)
    また、参加者の注意を守るのに役立つと認識されている
    • "ノルマを課して、「あと数人分だけ」と伝えるようなものだ "(P14)
    注目すべきは、このような発言をした参加者のほとんどが、
    仕事に関連した文脈でのこの使い方にしか言及していないこと
    (3/12)注意管理と期待充足のバランス

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  18. 18/33
    相手に利用可能情報の開示を避けることで、自律性を維持したいという人もいた
    • "通知を制限しているときは教えない。
    教えたら、他の制限していないときも教えることになるから "(P5)
    • "『5分後に受信可能』と表示されても、その時間に準備が間に合わないまま
    メッセージが来たら、返信しなければというプレッシャーがある"(P16)
    (4/12)利用可能性開示の回避による自律性の維持

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  19. 19/33
    一部の参加者は、利用可能性情報を過小に表示することを望んでいた
    • "仕事上、メッセージの返信ができないことを相手に伝えるのは無謀"(P11)
    • "制限の状態を見れば、仕事をサボっていると思われる"(P13)
    (5/12)あえて可用性を低く表現したい

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  20. 20/33
    多くの参加者にとって、単純な「回答不可」は
    回答しないという個人的な決定を反映しているように聞こえる
    →メッセージの閲覧ができない、
    あるいはシステム上通知にアクセスできないことを理由に、
    無応答とすることを希望
    • "手動で設定すると、『なぜこの人はこのステータスを設定したのだろう 』と
    不審に思う人が出てくる"(P17)
    (6/12)開示決定に関与した痕跡を残したくない

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  21. 21/33
    自分の無応答や通信制限の使用を十分に正当化できないことがあり、
    自分の(少なくとも高位の)活動の詳細の開示が
    コミュニケーションの欠如を正当化するための最低条件であると指摘
    →このような認識は、自分のコミュニケーション義務が高い
    (通常は仕事仲間、上司、親しい人たち)と認識している参加者から
    非常に多く報告された
    • "上司や妻など、共通の関心を持つ人とは
    (詳細な情報を)共有する必要がある"(P38)
    ここで注目すべきは、詳細を開示する動機が単に配慮のためであったということ
    (回答への期待というプレッシャーを軽減するためではなく、
    例えば、制限状況を見た親しい人が心配するのを防ぐためなど)
    (7/12)コミュニケーション欠如の正当化条件

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  22. 22/33
    適切なステータス表現によって制限の使用を上手に伝えることが必要との声
    • "言葉の問題だ。『Now unable』は 『面と向かってお断りします』
    という意味だが、『Going to be able to』は
    『今は忙しいが、後で返事をするかもしれない』という意味だ"(P42)
    (8/12)表示の仕方のあれこれ

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  23. 23/33
    多くが会話相手の制限状態を見てその背後にある意図について推測する
    →制限が自分のコミュニケーションへの期待に反するなど、
    推測される意図と自分の利益との間に大きな矛盾がある場合、
    参加者は制限の選択を不当と考える傾向
    →重要な他者や同僚(勤務時間中)が制限を行っていた場合、
    参加者はより頻繁に不当性を感じる
    • "もし重要な問題であなたを探す必要があるのに、
    あなたが制限を設定して私のメッセージを見られないようにしていたら、
    それはとても不適切だと思う"(P12)
    (9/12)制限状況に対する送信者の認識、反応、理解

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  24. 24/33
    会話相手の制限ステータスを常に目にすることで、
    相手からの疎外感を感じる参加者もいた
    また、疎外感は連絡先数の通信制限を見たときに特に強くなった
    • "なぜ自分はリストにないのか"(P42)
    • "彼氏がこれ(制限)を見せ続けてたら、
    私は接客業と付き合っているのかって感じです。"(P43)
    (10/12)制限状態を見ることによる関係性の疎外と不確実性

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  25. 25/33
    ある状態について自分の解釈と相手の意図とが異なり、
    次にどうしたらよいのかが分からなくなることを懸念する声
    • "この『Going to be...』 が何を意味するのかわからない。
    彼の定義が私の定義と違うのかどうかもわからない。"(P12)
    (11/12)制限による影響についての意味づけ

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  26. 26/33
    既存の既読およびオンライン・ステータス機能のように完全に自動生成され
    ユーザーが変更できないのか、それとも手動設定するのか、
    あるいは自動生成されるがユーザーが変更可能なのか
    多くの人がシステムの実現能力を疑問視
    • "私がいつネットに接続しているかわかるのだろうか?
    私は規則正しい生活をしていない"(P12)
    便利だと思う反面、自分の日常がバレてしまうことを心配する参加者もいた
    • "プライベートな時間を他人に知られたくない"(P31)
    (12/12)注意管理のIMアプリへの自動統合に関する懸念

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  27. 提案
    制限・開示のレベルという
    2つの次元に焦点を当てたデザインスペース

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  28. 28/33
    制限・開示のレベルという2つの次元に焦点を当てたデザインスペース
    右記4ニーズの優先順位決めの指針になることを意図
    注意管理ツールをIMアプリに統合するための設計上の示唆
    1)注意を守りたい
    2)コミュニケーション
    の期待を満たしたい
    3)つながりを
    維持したい
    4)プライバシーを
    守りたい

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  29. 29/33
    • オレンジからインディゴまでのカラースペクトルで表現することを提案
    • このような統合されたシステムを設計する上で、重要かつ間違いなく最も困難な側面は
    保護と顕在の交差点のような中間領域でのニーズの組み合わせをサポートすること
    • 制限の変更とその制限の開示に関連する2ラベル間で色の変化の程度が異なる
    • 例えば、注意の保護やつながりに対する制限の影響は、
    それらの構成要素に対する開示の影響よりも大きく、
    一方、プライバシーに対する開示の影響は制限の影響よりも大きい、などと想定
    デザインスペース補足

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  30. 制約
    本研究の適用範囲など

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  31. 31/33
    • 参加者がIMに注意管理ツールを統合することを想定しているときの反応から
    得られたものであり、以下の可能性が存在
    • a)将来の実際のシステムの経験と一致しない
    • b)実際の生活環境の社会的ニュアンスを捉えることができない
    • スピードデートのセッションは対面で実施した場合よりも効果が低い可能性
    • 制限状態を網羅してはいないため、量的・多様性の点で限界がある
    • データは定性的であり、
    特定された構成要素間の関係について明確な結論は導き出せていない
    • 異なるIMを使用する集団や異なる文化の集団にどの程度一般化できるかは不明
    制約

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  32. 結論
    結論

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  33. 33/33
    今後、IMアプリへの注意管理の組み込みが徐々に実施されると想定
    • IMアプリは現代生活における主な気晴らしの源の一つであること
    • オンラインステータスは多くの主流のコミュニケーションアプリの特徴となっていること
    • リモートワークの普及により注意管理とワークライフの境界線引が
    共に重要性を増していること
    • そして何よりコミュニケーションと注意管理には密接な関係があること
    本研究は、このようなIMアプリと注意管理の統合から生じる
    IMユーザーの認識、懸念、および可能な実践を明らかにするための一歩
    結論

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