Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

なぜ、サイボウズでアクセシビリティなのか?

Rikiya Ihara
May 10, 2016
6

 なぜ、サイボウズでアクセシビリティなのか?

Rikiya Ihara

May 10, 2016
Tweet

Transcript

  1. なぜ、サイボウズで
    アクセシビリティなのか?

    View Slide

  2. 本日の流れ
    自己紹介
    サイボウズLiveと私たち
    なぜサイボウズでアクセシビリティなのか
    では何をすればいいのか
    まとめ
    2

    View Slide

  3. 自己紹介
    3

    View Slide

  4. BA
    4
    http://www.b-architects.com/

    View Slide

  5. ウェブアクセシビリティ基盤委員会(WAIC)
    5
    http://waic.jp/

    View Slide

  6. デザイニングWebアクセシビリティ
    6
    http://www.amazon.co.jp/dp/4862462650

    View Slide

  7. サイボウズLiveと私たち
    7

    View Slide

  8. サイボウズLive
    8
    https://cybozulive.com/

    View Slide

  9. CSS Nite
    9
    http://cssnite.jp/

    View Slide

  10. サイボウズLive –CSS Nite
    10

    View Slide

  11. デザイニングWebアクセシビリティ
    11

    View Slide

  12. サイボウズLive–デザイニングWebアクセシビリティ
    12

    View Slide

  13. ウェブアクセシビリティ基盤委員会(WAIC)
    13

    View Slide

  14. サイボウズLive
    14

    View Slide

  15. なぜ採用されなかったか?
    WAICには視覚障害のある委員も参加
     普段はスクリーンリーダーを使用、
    電子メール等でのやり取りは支障なし
     障害があってもアクセスできるツールが必要
    サイボウズLiveの採用も検討したが……
     委員から「アクセシブルでない」という意見が出て
    採用が見送られてしまった
    15

    View Slide

  16. なぜサイボウズで
    アクセシビリティなのか
    16

    View Slide

  17. なぜサイボウズでアクセシビリティなのか
    1. いま必要としている人がいるから
    2. チームで使うサービスだから
    3. 公共機関の調達要件になるから
    4. 海外では当たり前だから
    17

    View Slide

  18. 1. いま必要としている人がいるから
    18

    View Slide

  19. よくある話
    アクセシビリティが必要な人って多いの?
    ユーザーの中での割合はどのくらい?
    19

    View Slide

  20. 何人ぐらい
    (どの程度の割合で)
    居そうだと思いますか?
    サイボウズ製品にアクセシビリティを求める人
    20

    View Slide

  21. 少なく見て
    約86万2620人
    (現サイボウズユーザーの
    13.07%)
    (超概算)
    サイボウズ製品にアクセシビリティを求める人
    21

    View Slide

  22. サイボウズ製品ユーザー数
    ×
    (高齢+一時的障害+身体障害)
    推計の構成
    22

    View Slide

  23. 【前提】総ユーザー数:約660万人
    サイボウズ製品全体の
    契約ユーザー数:660万人以上
     Officeの総ユーザー数:300万人以上
     Garoonの総ユーザー数:180万人以上
     サイボウズLiveの総ユーザー数:150万人以上
    23

    View Slide

  24. 【割合】高齢:10.32%
    60 歳以上の常用労働者:約305万人
    31 人以上規模企業における
    常用労働者数:約2954万人
     平成27年「高年齢者の雇用状況」
    3050000 / 29540000 ≒ 10.32%
    24

    View Slide

  25. 【割合】一時的障害:3.26%
    協会けんぽ傷病手当金給付:92万9561件
    精神疾患を除いた受給割合:73.49%
    協会けんぽ被保険者:2090万2000人
     全国健康保険協会管掌健康保険
    現金給付受給者状況調査報告
    929561 * 0.7349 / 20902000 ≒3.26%
    25

    View Slide

  26. 【割合】身体障害:0.79%
     身体障害者の常用労働者数:38万67.5人
    ※民間と官公庁合計。障害者手帳交付者のみ
     視覚・聴覚・上肢障害の割合:56.6%
     平成18年身体障害児・者実態調査結果
     障害者雇用枠における分母:2689万5987人
     平成27年障害者雇用状況の集計結果
     380067.5 * 0.5656/ 26895987≒ 0.79%
    26

    View Slide

  27. 660万人
    ×
    (10.32%+2.54%+0.20%)
    単純推計(重複は除外)
    27
    高齢×一時的障害
    の除外
    高齢×身体障害
    の除外

    View Slide

  28. 少なく見て
    約86万2620人
    (現サイボウズユーザーの
    13.07%)
    (超概算)
    サイボウズ製品にアクセシビリティを求める人
    28

    View Slide

  29. 【参考】東京最大の区の人口:87万8056人
    29
    http://www.plazahomes.co.jp/info/ward/setagaya_ku/
    https://ja.wikipedia.org/wiki/日本の市の人口順位

    View Slide

  30. 潜在的な対象者もたくさん
    雇用されていない人
    1年以内に職場を移る人(常用雇用でない)
    60歳以前に発現する軽度の不自由さ
    一時的障害があっても会社を休まない人
    障害者手帳を交付されていない障害者
    30

    View Slide

  31. ユーザーが多いから、アクセシビリティが重要
    少し改良するだけでも、多数のユーザーの
    アクセシビリティが高まる
     いまこの瞬間に使えなくて困っている人が
    大都市ひとつ分のレベルでいるかもしれない
     少しでもアクセスできるように改良することには
    ものすごく大きいインパクトがある
    31

    View Slide

  32. 2. チームで使うサービスだから
    32

    View Slide

  33. あなたの言葉で伝えるWebアクセシビリティ
    33
    http://www.slideshare.net/KobayashiDaisuke1/web-59111913

    View Slide

  34. チームで考えると?
    チームの中に障害者が一人だけいたら?
     少ないからといって無視できるか?
    障害当事者のユーザーだけの問題ではなく、
    チーム全体の問題になる
     メンバーが参加できないことがあれば、
    チームとしての機能が低下する
     多くの人が使えるからOK、というわけにはいかない
    34

    View Slide

  35. どのくらいになるでしょうか?
    A) 個人ユーザーの中に
    アクセシビリティを必要とする人が
    含まれる確率
    B) チームの中に
    アクセシビリティを必要とする人が
    「1人でも」含まれる確率
    35

    View Slide

  36. このくらいになります
    A) 13.07%
    B) 5人チームの場合:50.35%
    10人チームの場合:75.35%
    20人チームの場合:93.92%
    30人チームの場合:98.47%
    36

    View Slide

  37. チームに「1人でも」含まれる確率
    37

    View Slide

  38. チームであるから、アクセシビリティが重要
    アクセスできないと、チームに参加できない
     就労機会が奪われることにもなりかねない
    全員が参加できなければ、
    チームの力を最大限に発揮できない
     チームそのものの力を発揮させるためにも、
    アクセシビリティの重要性は大きい
    38

    View Slide

  39. 3. 公共機関の調達要件になるから
    39

    View Slide

  40. 全国502の自治体に導入されているサイボウズ
    40
    https://products.cybozu.co.jp/garoon/solution/feature/02/

    View Slide

  41. サイボウズOffice:事例
    41
    https://products.cybozu.co.jp/office/ver10/cases/

    View Slide

  42. サイボウズガルーン:事例
    42
    https://garoon.cybozu.co.jp/cases/industry/

    View Slide

  43. みんなの公共サイト運用ガイドライン
    43
    http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/b_free/guideline.html

    View Slide

  44. 「みんなの公共サイト運用ガイドライン」とは
    国及び地方公共団体等公的機関の
    「ウェブアクセシビリティ」対応を
    支援するために
    総務省が作成したガイドライン
    44

    View Slide

  45. 運用ガイドライン:要旨
    障害者差別解消法(平成28年4月1日施行)にお
    いて、ウェブアクセシビリティを含む情報アク
    セシビリティは、合理的配慮を的確に行うため
    の環境の整備と位置づけられており、事前的改
    善措置として計画的に推進することが求められ
    ています。また、行政機関等は、障害者から個
    別の申し出があった場合は、必要かつ合理的な
    配慮を行う必要があります。障害者基本法等も
    含め公的機関の対応がこれまで以上に求められ
    ています。(強調は引用者による)
    45

    View Slide

  46. 46
    http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai_wakariyasui.html

    View Slide

  47. 役所は、必ず合理的配慮をしなければならない
    47

    View Slide

  48. 運用ガイドライン:対象
    各団体が作成し運用する全てのウェブコンテ
    ンツが対象です。
    対象の例 :
    公式ホームページ(公式ホームページのスマ
    ートフォン向けサイトを含む)/関連サイト(
    公式ホームページとは別に管理運営している
    ホームページ。指定管理者を含む外部事業者
    に委託して公開しているものを含む。)
    48

    View Slide

  49. 運用ガイドライン:対象(続き)
    ウェブアプリケーション、ウェブシステム(
    例:電子申請、施設予約、各種情報検索、蔵
    書検索など)/スマートフォン向けサイト/
    携帯電話向けサイト/KIOSK端末等で提供さ
    れるウェブコンテンツ/CD等の媒体に収録し
    て配布するウェブコンテンツ/団体内で職員
    向けに運用するイントラネットのウェブコン
    テンツ、業務アプリケーション
    49

    View Slide

  50. イントラネットの
    ウェブコンテンツや
    業務アプリケーションも
    「対象」と明記されている
    全てのウェブコンテンツが対象
    50

    View Slide

  51. 6.4. 外部発注等における取組
    ホームページ等の新規構築を行う際、又は再
    構築(リニューアル)等を行う際にも、ウェ
    ブアクセシビリティの対応に取り組むことが
    重要です。外部発注の準備から、外部発注の
    実施、プロジェクトの実施、検収といった一
    連の作業において、ウェブアクセシビリティ
    の対応が適切に行われるように計画し実行し
    ます。
    51

    View Slide

  52. 対応発注ガイドライン
    52
    http://www.waic.jp/docs/jis2016/order-guidelines/201604/

    View Slide

  53. 幅広く使えるから、アクセシビリティが重要
    アクセシビリティに力を入れることは
    製品の価値を高めることになる
     今後、アクセシビリティを理由に
    サービスの採用可否が決まる可能性が高まる
     アクセシビリティを重視している製品だと分かれば
    採用しやすいというケースがあり得る
    53

    View Slide

  54. 4. 海外では当たり前だから
    54

    View Slide

  55. 世界中のチームに力を
    55
    http://cybozu.co.jp/team/message/

    View Slide

  56. 日本一から世界一を目指す
    56
    http://cybozu.co.jp/company/mang_philosophy.html

    View Slide

  57. 2015年の歩みとグローバル展開
    57
    http://logmi.jp/108239

    View Slide

  58. 海外では法制化でWCAG適合が前提に
    58
    https://www.wab.ne.jp/wab_sites/contents/2334

    View Slide

  59. Web Content Accessibility Guidelines (WCAG)
    59
    https://www.w3.org/TR/WCAG20/

    View Slide

  60. レベルA
    どんなサイトも満たすべき、最低限の基準
     この基準を満たせないと、支援技術を駆使しても
    全くアクセスできなくなる場合がある
     25項目の基準
     非テキストコンテンツにテキストを用意する、
    キーボードでも操作できるようにする、など
    60

    View Slide

  61. レベルA≒ テキスト提供、機械可読、キーボード
    61
    http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2012/05/17/12727

    View Slide

  62. レベルAA
    望ましい基準
     この基準を満たすと、支援技術を駆使しなくても
    多くの環境でアクセスできるようになる
     13項目の基準
     最低限のカラーコントラスト、文字サイズなど
    62

    View Slide

  63. レベルAAA
    発展的な基準
     この基準を満たすと、
    よりアクセスしやすくなることがある
     23項目の基準
     レベルA~AAの基準を厳しくしたものに加え、
    わかりやすい言葉を使う、など
    63

    View Slide

  64. レベルAA~:見やすさ、読みやすさ、分かり易さ
    64
    http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2012/05/17/12727

    View Slide

  65. 海外製グループウェアの状況
    各社とも「当然のこと」として対応
     もともとGoogle、MS、IBMは他分野でも
    アクセシビリティに力を入れている
     標準機能をレベルAA目標でアクセシブルにしつつ、
    スクリーンリーダー向け追加機能等も搭載している
     ユーザー向けヘルプページを用意し、
    対応状況や使い方を周知している
    65

    View Slide

  66. GoogleAppsのアクセシビリティ
    66
    https://support.google.com/a/answer/1631886?hl=ja

    View Slide

  67. Office365のアクセシビリティ
    67
    https://www.microsoft.com/ja-jp/enable/products/office365/default.aspx

    View Slide

  68. IBM Notesのアクセシビリティ
    68
    http://www.ibm.com/support/knowledgecenter/SSKTWP_9.0.1/com.ibm.no
    tes901.help.doc/acc_essibility_c.html?lang=ja

    View Slide

  69. Salesforceのアクセシビリティ
    69
    https://help.salesforce.com/HTViewHelpDoc?id=accessibility_recommendat
    ions.htm&language=ja

    View Slide

  70. グローバル戦略には、アクセシビリティが重要
    アクセシビリティは国際標準、
    対応していることが発注の前提となる
     訴訟リスクを考えると、対応していないサービスを
    発注することに抵抗があっても不思議ではない
     すでにアクセシビリティを考慮済みの
    海外製ツールと戦っていくためには、対応が必須
    70

    View Slide

  71. では何をすればいいのか
    71

    View Slide

  72. アクセシビリティに配慮
    と言われたとき、
    何を思い浮かべますか?
    アクセシビリティに配慮とは?
    72

    View Slide

  73. 福岡県大野城市
    73
    http://www.city.onojo.fukuoka.jp/

    View Slide

  74. 文字サイズ変更ボタン・色反転ボタン
    74

    View Slide

  75. 東京都西東京市
    75
    http://www.city.nishitokyo.lg.jp/

    View Slide

  76. 「本文へ」リンク
    76

    View Slide

  77. 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会
    77
    https://tokyo2020.jp/jp/

    View Slide

  78. カルーセル停止/ 再生ボタン
    78

    View Slide

  79. アクセシビリティ対応には
    機能追加が必要なのか?
    79

    View Slide

  80. レベルAA~:見やすさ、読みやすさ、分かり易さ
    80
    http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2012/05/17/12727

    View Slide

  81. レベルA≒ テキスト提供、機械可読、キーボード
    81
    http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2012/05/17/12727

    View Slide

  82. サイボウズLiveの
    アクセスしにくいところ
    82

    View Slide

  83. 聞いてみました
    83

    View Slide

  84. 中根さんのコメント
    一番大きな問題だと感じるのは、見出し要素
    やlandmark roleがほとんど使われていない
    ために、情報の切れ目を探すのが、(上から下
    までちゃんと読む以外に) 不可能だという点
    です。
    掲示板の投稿なども、次の投稿に飛ぼうとし
    ても、効率的な方法はなさそうでした。
    84

    View Slide

  85. クイズ: 見出しはどれでしょう?
    85

    View Slide

  86. 見出しであろうと期待されるもの
    86

    View Slide

  87. 実際に見出しとしてマークアップされているもの
    87
    h1

    View Slide

  88. 見出しではないもの
    88

    View Slide

  89. その他の問題点
    89

    View Slide

  90. サイボウズLiveのメニュー
    90

    View Slide

  91. ハイコントラストモードにすると……
    91

    View Slide

  92. クイズ: どこにフォーカスがあるでしょう?
    92

    View Slide

  93. 開発者ツールでスタイルの一部を無効に
    93

    View Slide

  94. その結果
    94

    View Slide

  95. 結局どうすべきなのか
    95

    View Slide

  96. 結局どうすべきなのか
    何か機能を追加する必要があるわけではない
     文字サイズ変更などの機能はなくても良い
     必要に応じてブラウザ側で変更できることが大切
    今ある機能を、もっとアクセシブルにできる
     見出しをマークアップし、ジャンプを可能に
     フォーカスを消さず、キーボード操作を可能に
    96

    View Slide

  97. まとめ
    97

    View Slide

  98. 今日お伝えしたかったことその1
    サイボウズLiveとても便利です!
     いつも使わせていただいています!
     でも使えていないユーザーもいます!
     これが理由で採用されないこともあります
    アクセシビリティで製品の価値が向上!
     他社が油断している今がチャンスです!
    98

    View Slide

  99. 今日お伝えしたかったことその2
    「チームワーク」を考えたとき、
    アクセシビリティの重要性は大きくなる!
     チームの一人でもアクセスできなければ
    チームが機能しなくなってしまう
    サイボウズならできる!
     実際に大きく変えてきた実績を持つ集団
    他社ができていないこともさきがけてやってのける
    99

    View Slide

  100. さあ、はじめよう!
    100

    View Slide

  101. デザイニングWebアクセシビリティ
    101
    http://www.amazon.co.jp/dp/4862462650

    View Slide

  102. ありがとうございました
    102

    View Slide