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化学におけるAI・シミュレーション活用のトレンドと 汎用原子レベルシミュレーター: Matla...

Matlantis
July 26, 2024

化学におけるAI・シミュレーション活用のトレンドと 汎用原子レベルシミュレーター: Matlantisを使った素材開発

2024/7/25に有機合成化学協会 「AIと有機合成化学」研究部会第13回勉強会にてPreferred Computational Chemistry カスタマーサクセス統括の浅野が "化学におけるAI・シミュレーション活用のトレンドと 汎用原子レベルシミュレーター: Matlantisを使った素材開発" というタイトルで講演した際の資料です。

有機合成化学協会様の勉強会での講演でしたので、講演内容につきましては有機合成におけるAI, 機械学習, シミュレーションの活用について触れてみました。

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July 26, 2024
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Transcript

  1. Artificial Intelligence in Chemistry: Current Trends and Future Directions J.

    Chem. Inf. Model. 2021, 61, 7, 3197-3212 https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.jcim.1c00619 Journal Patent Company 3
  2. Material ScienceにおけるAI技術の応用 1. 材料の探索と設計 高速な新規材料の発見: 既知の材料のデータを使い、ディープラーニングやマシンラーニングモデルを訓練して、新しい高性能材料を予測 。 材料の性質予測: 既存材料の性質や合成可能性を予測 し、研究開発時間を短縮。

    知識発見: 大量のデータから未知の相関関係や原理を発見 。 2. 実験の最適化 高効率な実験計画法: データ駆動アプローチで最適な実験条件 を設定し、コストと時間を節約。 材料合成の最適化: 実験結果データをもとに最適な合成パラメータ を見つけ出す。 3. 製造プロセスの改善と品質管理 プロセス最適化: データ分析を通じて製造プロセスを最適化 し、歩留まりの改善やコストダウンを実現。 リアルタイム品質予測: 製造過程のデータをリアルタイムで分析し、品質管理を自動化 。 4. 材料の性能と耐久性評価 性能の予測と応答解析: 使用条件下での材料性能を予測 し、最適な材料選択に貢献。 劣化予測: センサーデータを利用して材料の劣化を予測 し、メンテナンスや交換の最適なタイミングを判断。 5. データ統合とマネジメント データベース構築: 材料データを統一されたフォーマットでデータベース化し、容易にアクセス。 データマイニング: 大規模なデータセットから価値ある情報を抽出 。 4 予測 最適化 自動化 関係性の発見 抽出
  3. 化学シミュレーションの利用拡大 8 〜2023年12月 VALUENEX社 - Preferred Computational Chemistryにより調査 • マテリアル分野において計算科学に関する論文約10万件を文章解析→2D

    map化 • 様々な材料研究で化学シミュレーションの利用が増えてきている • 原子レベルシミュレーションの利用も増えてきている ◦ 特に触媒、電池、吸着剤、合金、熱伝材、太陽電池などで幅広く利用 材料のシミュレーションの中でも原子レベルでの シミュレーションが利用されている文献 のマッ プ 原子レベルシミュレーションのイメージ
  4. 原子レベルシミュレーション x 機械学習で材料探索 10 US2022263061A1 https://worldwide.espacenet.com/patent/search/family/080775236/publication/US2022263061A1?q=US20220263061A1 • Samsung Electronics and

    Univ. Californiaから固体電解質材料に関する出願。 • 様々な元素を添加して原子レベルシミュレーション でLiの拡散係数を計算、良い材料候補を抽出。 • 候補材料については合成してX線回折法で構造確認
  5. 原子レベルシミュレーション x 機械学習ワークフロー データ ベース AI・機械学習 仮想実験 候補材料 候補条件 X

    11 予測 最適化 自動化 関係性の発見 抽出 原子レベル シミュレーション 実験コスト、データ収集スピード、再現性、計算機性能向上など の観点から、材料探索において仮想実験の利用が拡大している 候補反応も
  6. 原子レベルシミュレーション の中で実験値を良く再現できる手法として広く利用されている DFT、 結構計算が大変(計算コストが高い)ことが課題☹ DFT (Density Functional Theory)の課題 → “最新のAI技術”を使って

        高速化、大規模化することが可能 DFTの課題 • <100原子程度の構造でもHPCで計算しても数日〜数ヶ月 • 系のサイズに応じてO(N^3)で計算コストが増大     (サイズを10倍にすると、計算コストが10倍ではなく1000倍になるということ) ex. 一般的なHPCを使った場合、 ◦ Liイオンの拡散計算:約1カ月 ◦ 固体触媒上での反応計算:約2週間 出展:Which functional should I choose? https://dft.uci.edu/pubs/RCFB08.pdf 12
  7. DFTを高速化, 大規模化する技術 13 Machine Learning Interatomic Potential (MLIP, 機械学習原子間ポテンシャル) は、DFTに近い精度で原子

    間の振る舞いを表現する力場 で、DFT対比で圧倒的に高速かつ大規模計算を実行することが可能 。 近年、様々な方式のMLIPが提案されており、化学材料のシミュレーションにおいて幅広く利用 されている。 • 高次元ニューラルネットワークポテンシャル(HDNNP) • ガウス近似ポテンシャル(GAP) • スペクトル近傍解析ポテンシャル(SNAP) • 原子クラスター展開(ACE) • モーメントテンソルポテンシャル(MTP) • メッセージ・パッシング・ニューラル・ネットワーク(MPNN) などなど・・・ 原子座標 エネルギー、力
  8. Machine Learning Interatomic Potentialの利用 14 MLIPに関する文献数トレンド 2023.9集計時点 PFCC調べ year MLIPの基本概念は2007年に誕生1)。それ以来、より信頼性の高い分子動力学計算を実行するために、経験的 な原子間ポテンシャルからの移行が進んでいる。現時点でもその機能拡張の研究が進んでいる。

    1): Generalized Neural-Network Representation of High-Dimensional Potential-Energy Surfaces Jörg Behler and Michele Parrinello Phys. Rev. Lett. 98, 146401 – Published 2 April 2007 https://journals.aps.org/prl/abstract/10.1103/PhysRevLett.98.146401 Accelerating crystal structure prediction by machine-learning interatomic potentials with active learning Phys. Rev. B 99, 064114 – Published 27 February 2019 Crystal structure prediction using neural network potential and age-fitness Pareto genetic algorithm arXiv:2309.06710 Role of hydrogen-doping for compensating oxygen-defect in non-stoichiometric amorphous In2O3−x: Modeling with a machine-learning potential J. Appl. Phys. 134, 115105 (2023) Accelerating first-principles estimation of thermal conductivity by machine-learning interatomic potentials : A MTP/ShengBTE solution Computer Physics Communications Volume 258, January 2021, 107583 Atomic cluster expansion force field based thermal property material design with density functional theory level accuracy in non-equilibrium molecular dynamics calculations over sub-million atoms arXiv:2309.11026
  9. 原子レベルシミュレーション x 機械学習ワークフロー データ ベース AI・機械学習 仮想実験 候補材料 候補条件 X

    15 予測 最適化 自動化 関係性の発見 抽出 最新技術を使った 原子レベル シミュレーション Preferred Computational Chemistryは Matlantisというクラウドサービスを展開しています 候補反応も
  10. DFT計算結果 3,300万を教師データとし、それを独自に設計したGraph Neural Networkで学 習モデルを構築 汎用原子レベルシミュレーターの概要 … エネルギー Matlantis予測値  エネルギー

    DFT(教師データ) Ex. molecule Ex. cluster Ex. slab Ex. crystal Ex. adsorption Ex. disordered 17 教師データ(3,300万) 分子・結晶等様々な構造の第一原理計算を実施 Preferred Networksの強力計算設備などを活用 GNN 量子化学知見を取り込んだ 独自アーキテクチャのNNモデル構築 学習・出力 教師データを再現できるまで モデルの学習を実施 関連論文URL:https://www.nature.com/articles/s41467-022-30687-9
  11. 約10万倍 高速 汎用原子レベルシミュレーター: Matlantis PFPの性能 DFT計算 Matlantis 2ヶ月 (外挿値) 0.3秒

    0.1秒 2時間 DFT 原子数 DFT DFT計算と比較し 圧倒的に高速 約2千万倍 高速 DFT計算条件 ・solver = QUANTUM ESPRESSO (PWscf) ・ver:6.4.1 ・PP:Pt.pbe-n-kjpaw_psl.1.0.0.UPF ・Ecutoff:40 Ry (≒544 eV) ・Xeon Gold 6254 3.1GHz x 2 (36 cores) ・RAM:384 GB Fcc Ptバルク構造一点計算時間 72元素に対応 Matlantis PFP 対応元素周期表 18
  12. Applications 21 AlN/Cu接合面結晶構造解析 BaTiO3の相変態 触媒 電池 半導体 金属・合金 触媒組成の 大規模スクリーニング

    潤滑剤 セラミックス 固体電解質中の Li拡散 吸着剤 分離膜 摩擦における化学反応 MOF中の分子吸着 磁性材料 … https://matlantis.com/ja/cases 接着 樹脂-金属界面密着解析 OVITO: A. Stukowski, Modelling Simul. Mater. Sci. Eng. 18, 015012 (2010) Polyhedral Template Matching: P. M. Larsen et al. Modelling Simul. Mater. Sci. Eng. 24, 055007 (2016)
  13. Acroleinの部分水素化 23 + H 2 Single-Atom Alloy Pd–Ag Catalyst for

    Selective Hydrogenation of Acrolein Payoli Aich et al. J. Phys. Chem. C, 2015, 119, 32, 18140–18148 + + + Pd-Ag
  14. NEB法による反応障壁計算 24 1 2 3 4 1 2 3 4

    NEB計算により、Acrolein to Propanalの水素化障壁が低いこと、反応熱が高いことを確認 実験で生成率が高い事実をサポートする結果 NEB (Nudged Elastic Band): 反応経路を探索する代表的な手法 https://docs.matlantis.com/atomistic-simulation-tutorial/ja/5_1_neb_basic.html
  15. Meta dynamicsによるC-C bond形成経路解析 31 with 2 in water in CHCl3

    3D structure of reactant with 2 in water 3D structure of reactant with 2 この2つのC-C bond形成に関して それぞれcv1, cv2として解析
  16. (参考)Open SourceのNNP: ANI-2x で解析 32 Matlantis PFP ANI-2x https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.jctc.0c00121 ANI-2xと呼ばれる有機分子用の機械学習力場を用い

    て同様の解析を実施。 ANI-2xは有機系元素(H, C, N, O, F, Cl, and S)に 限られるので、真空中で解析。
  17. Matlantisを使った 材料探索 有用な有機合成反応の発見 データ ベース AI・機械学習 仮想実験 候補材料 候補条件 X

    35 予測 最適化 自動化 関係性の発見 抽出 Matlantis PFPによ る 高速原子レベル シミュレーション 候補反応も
  18. 37