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電波強度に基づく位置推定モデルの再学習方式

 電波強度に基づく位置推定モデルの再学習方式

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m-yamamo

July 20, 2021
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  1. © Hitachi, Ltd. 2021. All rights reserved. 電波強度に基づく位置推定モデルの再学習方式 ㈱日立製作所 研究開発グループ

    山本 正明, 栗山 裕之, 永松 健司
  2. © Hitachi, Ltd. 2021. All rights reserved. 2020年,COVID-19(新型コロナウィルス感染症)の感染拡大 ↓ 感染拡大防止と業務継続の両立に向けてオフィスワーカーの勤務場所が多様化

    ↓ 在宅勤務であるかどうか,出社勤務であればどの座席を利用したか自動記録 スマートフォンを使った屋内位置推定システムの 活用が広がりつつある(空港[1],介護施設[2]など) スマートフォンを使って座席を推定する位置推定システムを検討 ナビゲーション 目的地 研究の背景 2
  3. © Hitachi, Ltd. 2021. All rights reserved. 機械学習に基づく位置推定システム 近距離無線 ビーコン

    1 スマート フォン 1. 電波強度を測定(評価データ) 2. 事前測定しておいた電波強度(教師データ)と比較 3. 両データのマッチングにより,歩行経路と現在地を推定 歩行 経路 課題1: 教師データの測定位置情報を人手で作成するため,多大な労力が必要 ビーコン1の電波強度例 ビーコン 2 ビーコン 3 ビーコン4 課題 歩行 経路 処理フロー 3
  4. © Hitachi, Ltd. 2021. All rights reserved. 位置推定誤差の主要因 課題2: 教師データと評価データを測定したスマートフォンの機種と保持状態の

    違いに起因した位置推定誤り 課題 Power P : ビーコン送信出力 F : マルチパスフェージング による変動 L : 自由空間伝搬損失 人体電力損失 Distance ビーコン 1. 壁や床等の反射波によるマルチパスフェージング 2. ユーザの体による電波強度減衰 (人体電力損失[3]):保持状態に依存 3. スマートフォン機種毎の受信電波強度のオフセット :機種に依存 4
  5. © Hitachi, Ltd. 2021. All rights reserved. 研究の目的 課題1: 教師データの測定位置情報を人手で作成するため,多大な労力が必要

    教師データの作成コストを低減 課題2: 教師データと評価データを測定したスマートフォンの機種と保持状態の 違いに起因した位置推定誤り スマートフォンの機種と保持状態に起因した位置推定誤りを低減 5
  6. © Hitachi, Ltd. 2021. All rights reserved. 提案システムの概要 サーバ スマートフォン

    近距離無線 デバイス 従業員 近距離無線 ビーコン センサ 位置 位置推定 電波 強度 アプリケーション 従業員の 所在可視化 GPS デバイス NFCタグ/ 二次元 コードリーダ GPS 位置推定モデル (電波強度) ・従業員の所在が自宅か出張先か,あるいはオフィスであるかを把握するため,GPSを活用 ・オフィス内における従業員の位置(座席)を把握するため,ビーコンの電波強度を測定 別の従業員 スマートフォン アプリケーション 6
  7. © Hitachi, Ltd. 2021. All rights reserved. Training フェーズ (1)

    各座席のNFCタグを読み取り,座席識別子を取得 (2) NFCタグ上の電波強度𝑅𝑆𝑆 𝑡, 𝑖𝑑 を30秒間記録 t:時刻, id:ビーコン識別子 (3) 全席の座席識別子と紐づいた電波強度から, 位置推定モデル (GBDT: Gradient Boosting Decision Tree)を作成 提案方式 (Training フェーズ) 従業員の所在を記録するシステムにおいては,従業員の歩行経路まで記録する必 要は無く,座席の滞在時刻のみ記録できれば良いケースが多く存在することに着目. (課題1)の教師データ作成コストを低減 7
  8. © Hitachi, Ltd. 2021. All rights reserved. Test フェーズ 提案方式

    (Test フェーズ) 電波強度 座席(推定) 歩行状態 座席推定 位置推定モデル (電波強度) 座席候補 位置推定モデルは,教師データの無い場所(通路を歩行中など)にいるにもかかわらず, 特定の座席にいると推定誤りをする問題がある.そこで,スマートフォンで測定した「歩行 状態」を基に,歩行中の座席推定結果を「Other(離席の意)」へ訂正する. ・歩行中の場合、「Other」へ変更 ・外れ値を除去 8
  9. © Hitachi, Ltd. 2021. All rights reserved. 提案方式 (Retraining フェーズ)

    初期モデル (位置推定モデル) モデル作成 再学習モデル (位置推定モデル) モデル作成 (誤差>閾値) 位置推定誤差 の評価 全席のNFCタグ 読み取り 特定席のNFCタグ 読み取り スマートフォンの機種と保持状態に起因した位置推定誤りを低減するため,提案方式は, 従業員毎のスマートフォンの機種と保持状態に合わせて位置推定モデルを更新する. 座席識別子 &電波強度 Retraining フェーズ システム構築担当 各従業員 (課題2)のスマートフォンの機種と保持状態に起因した位置推定誤りを低減 座席識別子 &電波強度 9
  10. © Hitachi, Ltd. 2021. All rights reserved. 評価 ・実験環境(オフィス) 実験対象の席数:

    79 (図中の21~99) 座席識別子 14m 16m ビーコン識別子 座席識別子 スマートフォン機種 スマートフォン保持状態 21~47 機種 A 机 48~81 機種 B 机 82~99 機種 C 机 ・初期モデルの教師データ測定条件 10
  11. © Hitachi, Ltd. 2021. All rights reserved. 評価条件 ・再学習および評価対象の席数: 5

    (座席識別子54,61,72,75,81) ・再学習データ長: 30 sec (サンプリング間隔 1 sec) ・スマートフォン保持状態: 机 ・スマート機種: 機種 A 評価 スマートフォン機種の違いに起因した位置推定誤差を低減可能か確認するため,初期モ デル作成時と異なる機種のスマートフォンを使用して再学習させたモデルのRMSE (root mean square error)を評価した. 再学習回数N RMSEを 3.1~3.3m 低減 11
  12. © Hitachi, Ltd. 2021. All rights reserved. 評価条件 ・再学習および評価対象の席数: 5

    (座席識別子54,61,72,75,81) ・再学習回数(N) : 5回 ・再学習モデル: 4種類 (右表) ・スマートフォン機種: 機種 A 評価 スマートフォン保持状態の違いに起因した位置推定誤差を低減可能か確認するため,異 なる保持状態において再学習したモデルについてのRMSEを評価 スマートフォン保持状態 再学習モデル1 机 再学習モデル2 胸ポケット 再学習モデル3 パンツポケット 混合モデル 机、胸ポケット、パンツポケット 机 胸ポケット パンツポケット 12
  13. © Hitachi, Ltd. 2021. All rights reserved. 評価 初期モデルの保持状態(机)を基準にした場合, (1)

    胸ポケットの評価データ(灰色棒)に対する混合モデルのRMSE(2.8m)は, 同データに対する机用の再学習モデル1のRMSE(3.8m)を1.0m低減 (2) パンツポケットの評価データ(白色棒)に対する混合モデルのRMSE(3.0m)は, 同データに対する机用の再学習モデル1のRMSE(3.9m)を0.9m低減 再学習モデル1 (机用) 再学習モデル2 (胸ポケット用) 再学習モデル3 (パンツポケット用) 混合モデル 机 胸ポケット パンツポケット 評価データの スマホ保持状態: 13
  14. © Hitachi, Ltd. 2021. All rights reserved. まとめ (1) 教師データ作成コストを低減するため,

    通路などを除いた座席のみの教師データでの位置推定方式を提案 (2) スマートフォンの機種と保持状態に起因した位置推定誤りを低減するため, 従業員毎のスマートフォンの機種と保持状態に合わせて位置推定モデルを 更新する方式を提案 (3) オフィスでの位置推定実験により,以下の結果を得た • 提案方式の位置推定誤差(RMSE)は,2.6~3.0m • 提案方式は,機種による位置推定誤差を3.1~3.3m低減 • 提案方式は,保持状態による位置推定誤差を0.9~1.0m低減 今後の課題 オフィスでの位置推定実験では,電波強度の変動要因となるフロア内の従業員数は座席数に対して少ない状 況であった.よって,電波強度がダイナミックに変動するであろう多数の従業員がいる状況での位置推定誤差も 明らかにする必要がある. 参考文献 [1] 村上ら,“成田国際空港における快適性向上に向けた取り組み-高精度屋内地図と地磁気測位を活用し お客さまの円滑な移動を支援”, NTT技術ジャーナル,Vol.30, No.11, 2018年12月 [2] 井上ら,“介護施設における介護スタッフの行動センシング実験”,情報処理学会研究報告, Vol.2017-CD S-19, No.13, 2017年5月 [3] K. Kaemarungsi et al., "Properties of Indoor Received Signal Strength for WLAN Location Fingerprinting", in Proc. IEEE the First Annual International Conference on Mobile and Ubiquitous Systems: Networking and Services (MobiQuitous), Aug. 2004. 14